映画「怒りの荒野」

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今回は1967年製作のイタリア製西部劇「DAYS OF WRATH」訳すと「怒りの日」邦題は「怒りの荒野(I GIORNI DELL’IRA)」高評価作品sをピックアップした。監督は巨匠セルジオ・レオーネ監督のチーフ助監督を務めたトニーノ・ヴレリィ監督である。

主演は日本でも人気があり日本のCM(※1)にも出演したジュリアーノ・ジェンマと名優リー・ヴァン・クリーフ。音楽が「世界残酷物語」の”モア” でアカデミー賞にノミネートされたリズ・オルトラーニが心残る旋律を担当した。2003年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督「KILL BILL VOL,1」で本作のサウンドトラックが使用された。それは三池崇史監督同様にマカロニウエスタンへのオマージュだ。本作は、私が数多く観たイタリア製 西部劇の中でも最優秀作品だと思う。

※1 スズキ自動車の原付バイク「スズキ・ジェンマ」のTVCF

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ジュリアーノ・ジェンマ              リー・ヴァン・クリーフ
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この写真は宣伝用で劇中にはあり得ない。
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フランク・タルビーを演じたリー・ヴァン・クリーフは、ハリウッド西部劇「真昼の決闘」(1952年)」などに出演した後、1965年にセルジオ・レオーネ監督「夕陽のガンマン」でイタリアに渡り、同監督「続・夕陽のガンマン(1966年)」、セルジオ・ソリーマ監督「復讐のガンマン(THE BIG GUNDOWN)」、ジュリオ・ペトローニ監督「新・夕陽のガンマン/復讐の旅(1967年)」、フランク・クレイマー監督「西部悪人伝(1970年)」など多くに出演し1970年代初めにアメリカに戻る。1980年代日本でサントリーオールドのTVCFにも出演したが、1989年12月に64歳で惜しくも亡くなってしまった。

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日本でオンエアされたサントリーオールドTVCFのリー・ヴァン・クリーフ

ジュリアーノ・ジェンマは、「山猫(ルキノ・ヴィスコンティ監督/1963年)」などに出演した後にドゥッチョ・テッサリ監督「夕陽の用心棒(1965年)」、カルヴィン・J・パジェット監督「荒野の1ドル銀貨」を皮切りにドゥッチョ・テッサリ監督「続・荒野の1ドル銀貨」、ジョージ・フィンレイ監督「続・さすらいの一匹狼」、ミケーレ・ルーポ監督「南から来た用心棒(ARIZONA COLT)」、カルヴィン・J・パジェット監督「さいはての用心棒」、スタン・バンス監督「星空の用心棒」、カルヴィン・J・パジェット監督「荒野の一つ星」と続き本作出演となる。
1991年に和泉聖治監督「フィレンツェの風に抱かれて」にも出演し、現在は彫刻家としても活躍しているそうだ。

【追悼】
2013年10月1日にマカロニ・ウエスタンのプリンスと言われ、日本で最も人気の高かったジュリアーノ・ジェンマさん(75歳)が交通事故のため、ローマ近郊のチェルヴェーテリで死去されました。ジュリアーノ・ジェンマさんの大フアンである筆者は大変残念に思います。謹んでご冥福をお祈り致します。

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【ストリー】
メキシコとの国境に近いクリフトンの町。私生児としてこの町に生れ、養育院で成長したスコット(ジュリアーノ・ジェンマ)は、町の人たちの侮蔑と罵詈に耐 えながらただ黙々と働いていた。だが、彼の心には、いつか一人前のガンマンとなり町の人たちを見かえしてやろうという意地がもえていた。
そんなある日、フランク・タルビー(リー・ヴァン・クリーフ)と名乗る流れ者が町にやって来た。タルビーの馬の世話をしたスコットが、その駄賃をとりに酒 場へ入った時スコットを酒場に入れる入れないで、タルビーと町の人たちとの間にいさかいが起り、決闘となり、腕自慢のパーキンスが挑戦、タルビーに呆気な く倒された。裁判の結果、無罪となってタルビーは去った。事件の張本人とみなされ、リンチをうけたスコットは、タルビーの弟子入りをのそんで、後を迫っ た。
訓練は苛酷なものだったが、スコットは強い意志と恵まれた天分で、メキメキ腕を上げていった。今や一人前のガンマンとなったスコットを連れて、タルビーは再びクリフトンの町へ帰ってきた。
そして、まず銀行家のターナーをはじめ、次々と町の有力者たちに対して脅迫を始めた。町の有力者たちは刑事の発案で、殺し星を雇ったのだが、その殺し屋 も、タルビーの前には敵ではなかった。今や、タルビーは町の主となった。だが、こうしたタルビーの無法ぶりにスコットは、疑問をいだきはじめていた。
その気持は次第に大きくなっていき、タルビーが卑怯な町の有力者たちと手を結び、また、幼いころからスコットを可愛がってくれ、新しいシェリフとなったア ランを射殺したことによって、はっきりとしたものとなった。スコットは、判事や、タルビーの手下たちを次々と倒し、ついにはタルビーと対決することになっ た。真昼の広場で、かつての師弟は対決した。二人の腕が同時に動き、銃声が静寂をやぶった。倒れたのは、タルビーだった。

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本作でコアとなるのがガンマン十戒だ。ガンマンになる為のマニュアルが実戦の中で展開されて行く。現代の荒野でも十分通用する内容がおもしろい。

  • 決して他人にものを頼むな
  • 決して他人を信用するな
  • 決して銃と標的の間に立つな
  • パンチは弾と同じだ。最初の一発で勝負が決まる。
  • 傷を負わせたら殺せ。見逃せば自分が殺される。
  • 危険な時ほどよく狙え。
  • 縄を解く前には武器を取り上げろ。
  • 相手には必要な弾しか渡すな。
  • 挑戦されたら逃げるな。全てを失う事になる。
  • 殺しは覚えたらやめられない。

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当時、小道具の銃は日本製モデルガンだという噂もあったが、本作の写真左上のコルト・シビリアンモデルは、アランがスコットに託したドグ・ホリディ が使ったとされる?照準をなくし撃鉄を改造した銃だ。
タルビーは、同等の銃を持つ事でスコットより優位だったのだがアランの死によってスコットの手に渡っ てしまう。

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本作を観たのは今はない吉祥寺スカラ座だったと思う。当時の私はマカロニウエスタンばかりの毎日だったが、本作には卓越した感動で大人の世界をガンプレイを通して教わった記憶が蘇る。

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題名:DAYS OF WRATH / I GIORNI DELL’IRA
邦題:怒りの荒野
監督:トニーノ・ヴァレリー
脚色:トニーノ・ヴァレリー、エルネスト・ガスタルディ
原作:ロン・バーカー
撮影:エンツォ・セラフィン
音楽 :リズ・オルトラーニ
出演:ジュリアーノ・ジェンマ、リー・ヴァン・クリーフ、ウォルター・リラ、ホセ・カルヴォ、ルーカス・アマン、アンドレア・ポジック、エンニオ・バルボ、アンナ・オルソ、ニーノ・ニニー、アル・ムロック、ベニート・ステファネリ、ロマーノ・プッポ、イボンヌ・サンソン
1967年イタリア・西ドイツ合作/テクニカラー・テクニスコープ111分35mmフィルム
怒りの荒野 HDリマスター スペシャル・エディション Blu-ray
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。