映画「欲望のあいまいな対象」

欲望のあいまいな対象欲望のあいまいな対象

今回はルイス・ブニュエル監督の1977年の遺作「欲望のあいまいな対象(CET OBSCUR OBJET DU DESIR)」高評価作品sをピックアップする。ルイス・ブニュエル監督は、サルバドール・ダリと共同監督した1928年「アンダルシアの犬」で”シューレアリスム”の映画作家として有名だが、フランス、スペイン、アメリカ、メキシコ、国境を越えて多種多様な映画を残している。本作を観て驚くのが”一人二役”と言うのはよくある設定だが、何とこの映画では”二人一役”なのだ!今だ見た事のない斬新な設定で観ている側は混乱する。

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【ストリー】
スペインの南の町セビリア。一見平和なこの町でも、正体不明のテロ事件が頻発していた。初老のブルジョワ紳士マチュー・ファベール(フェルナンド・レイ) が、あわてて駅にやって来てパリ行きの切符を買った。バカンス・シーズンの観光客で混雑する駅。マチューが乗り込んだ一等のコンパートメントには、子連れ の婦人(ミレナ・ヴコティッチ)、判事(ジャック・ドバリー)、心理学教授(ピエラル)が乗り合わせた。そこへ、マチューを追って若い女がやって来る。追 いすがる彼女に、マチューは頭からバケツの水をかけた。マチューの振舞に非難の目を向けるコンパートメントの面々。しかし、マチューは語り始めた。その娘 コンチータ(キャロル・ブーケ)のことを。マチューがコンチータに会ったのは、従兄の判事エドワール(ジュリアン・ベルトー)を食事に招いた日のこと。そ の日雇われた新しい小間使がコンチータだったのだ。その初々しい姿にすっかり魅せられたマチューは、夜コンチータを呼んだ。しかしコンチータはその部屋を 逃げ去り、翌朝、マチューの家を出て行った。彼女を忘れられないマチューはローザンヌのレマン湖畔で偶然彼女と再会する。演劇仲間といっしょの彼女は、興 行主に騙され無一文だと言う。そんな彼女に金を握らせるマチュー。彼はそれがきっかけで、パリに帰ってからもコンチータのアパートを訪れた。アパートで は、彼女(アンヘラ・モリーナ)は、母と二人で貧しい生活を送っていた。マチューは、母親に大金を渡し、コンチータを自分の邸に引き取ろうとするが、コン チータは、そんなやり方のマチューに怒り、手紙を残して彼の許を去ってしまう。夜も眠れぬマチュー。再びとあるバーで偶然コンチータを見かけた彼は、今度 こそは離すまいと、郊外の別荘に連れてゆく。ところが、ベッドの中でマチューが手にしたものは、なんと彼女を守る貞操帯だ。マチューの欲望は一向に満たさ れない。一方では彼女はギター弾きの青年(デイヴィッド・ローシャ)と戯れたりしている。傷心のマチューはセビリアにやって来た。そして再びコンチータに 出会う。フラメンコを踊りながら母とわびしい生活を送っているという彼女に再び同情し、遂に家を買って与えた。しかし、いよいよという夜、家の玄関に鍵を かけ、マチューが見ている前でギター弾きと抱き合う彼女。怒りが爆発しパリに向かう彼を、彼女は追いかけて来たのだ。さらに「私は処女よ」と叫ぶコンチー タ。話し終えて列車から降りたマチュー。何と、仲むつまじく、コンチータが寄り添っていた……。

欲望のあいまいな対象欲望のあいまいな対象

題名:THAT OBSCURE O/CET OBSCUR OBJET DU DESIR
邦題:欲望のあいまいな対象
監督:ルイス・ブニュエル
製作:セルジュ・シルベルマン
原作:ピエール・ルイス
脚本:ジャン・クロード・カリエール、ルイス・ブニュエル
撮影:エドモン・リシャール
録音:ギイ・ヴィレット
美術:ピエール・ギュフロワ
編集:エレーヌ・プレミアニコフ
出演:フェルナンド・レイ、キャロル・ブーケ、アンベラ・モリーナ、ジュリアン・ベルトー、アンドレ・ヴェベール、ミレナ・ヴコティッチ
1977年LA批評家協会賞【外国映画賞】
1977年スペイン・フランス/シネスコサイズ・カラー99分35mmフィルム
欲望のあいまいな対象 [DVD]
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【ルイス・ブニュエル監督主な作品】
1928年「アンダルシアの犬」 ※サルバドール・ダリと共同監督する。
1930年「黄金時代」 ※サルバドール・ダリと共同監督する。
1932年「糧なき土地」
1946年「グラン・カジノ」
1949年「のんき大将」
1950年「忘れられた人々」
1951年「スサーナ」
1951年「賭博師の娘」
1951年「昇天峠」
1951年「愛なき女」
1952年「乱暴者」
1953年「エル」
1953年「幻影は市電に乗って旅をする」
1953年「嵐が丘」
1954年「ロビンソン漂流記」
1954年「河と死」
1955年「アルチバルド・デラクルスの犯罪的人生」
1956年「この庭に死す」
1958年「ナサリン」
1959年「熱狂はエル・パオに達す」
1960年「ビリディアナ」
1962年「皆殺しの天使」
1963年「小間使いの日記」
1965年「砂漠のシモン」
1967年「昼顔」
1968年「銀河」
1970年「哀しみのトリスターナ」
1972年「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」
1974年「自由の幻想」
1977年「欲望のあいまいな対象」