映画「聖母観音大菩薩」

聖母観音大菩薩

今回は若松孝二監督1977年製作の「聖母観音大菩薩」をピックアップする。
主演は1976年大島渚監督「愛のコリーダ」の松田英子さん。本作後に東映や日活の映画に出演した後、1982年のフランス映画「CINQ ET LA PEAU」への出演を最後に引退した。撮影は「愛のコリーダ」を担当された伊東英男氏、若松監督もプロデューサーを担当された。本作は当時新人だった浅野温子さんが初々しいのが良かった。多分10代の頃だろうか。
話は逸れるが、本作の2年後に若松監督とお会いする事になる。1979年製作の「餌食」である。撮影助手フォーカスプラーとして参加したので詳しいエピソードは語れるのだが、未だDVDがない。その後の私はテレビ映画を経てCFプロダクションの撮影部に入り映画から離れてしまった。(泣)だけど当時の上司(チーフ)との繋がりは今もあり、サードを担当したM氏とは一昨日も新橋で飲んでいた。相変わらず技術談義だ。(笑)

聖母観音大菩薩聖母観音大菩薩
松田英子                     殿山泰司

作品リスト

聖母観音大菩薩聖母観音大菩薩
浅野温子                     松田英子

【ストリー】
色あざやかに白椿の咲く若狭彦神社の境内で、白い衣をまとった八百比丘尼が、今日もまた奉仕の日を送っている。神殿に額づく比丘尼の姿を、奇異の瞳をこら してみつめる少女と少年がいる。夕焼けの海辺を一人の老人が行く。その皮膚はかさぶたにおおわれ、町の人々からは乞食あつかいにされている。老人は比丘尼 を自分の小屋にむかえ入れ、二人の生活が始まった。比丘尼はひたすら老人につくした。老人は、彼女の腕の中で恍惚の吐息をもらし、彼女こそ仏、観音様だと 涙を流して死んだ。この小屋に自分を裏切った女を刺したという青年・ウタリが、とび込んで来た。「あなたが殺さなければならない人の代りに私を」と叫ぶ比丘尼を青年は犯しはじめる。異常な興奮の中で、二人はやがて一つになっていく。その時、ふみ込ん で来た刑事たちに青年は連行されていった。闇の中に立ちつくす比丘尼、そのすべてを少年がみていた。神社の境内で異常性格の中年の男にいたぶられている若 い瞽女を比丘尼は助けた。人生の喜びを知らないその娘は狐つきであった。比丘尼はその娘のために、自らの身体を開き狐を彼女の中にみちびこうとする。二つ の白い肌が寂莫の中で美しくもつれ合い、とけていった。翌朝、白みかけた砂浜に若い女の三味線と草履がひっそりと並べられていた。少年はこの光景もみてい た。そして、少年は少女を砂浜に連れ出し、おし倒した。怒った少女は、逃げていった。数日後、あの明るい少女の顔が今はなみだでいっぱい。少年は少女に、「痴漢に襲われたぐらいで何だ」、と言い、それに少女が反論、もう死にたいと言い少年 はやさしく少女の首をしめてやった。それを比丘尼は見ていた。そこへ、中年男が再び現われ、彼女を海へ誘い出した。そして、自分の秘密を知っている比丘尼 を海へつき落すのであった。比丘尼は、竜神の人魚を盗み、その罰として八百年生きなければならなかったが、それは苦しくて、多数の人々の奉仕につくしてき たがこの男の手にかかって死ぬことだけはイヤであった。中年男は、容赦なく比丘尼めがけ、櫓を力一杯ふり下げた。血のような赤い夕日が海を染めた。海岸に 立って少年は、海に向って叫んだ。比丘尼、死なないでくれと。赤く激しい沖合いの波が泡立つと、海の中から女の姿が浮び上り、少年のところに近づく。そし て一瞬、それは真赤な椿となって花開くのであった。

聖母観音大菩薩聖母観音大菩薩
浅野温子                   石橋蓮司

題名:聖母観音大菩薩
監督:若松孝二
企画:葛井欣士、若松孝二
脚本:佐々木守
撮影:伊東英男
照明:磯貝一
美術:野尻均
録音:目黒スタジオ
編集:竹村峻司
音楽:三木稔
現像:東映化学工業
出演:松田英子、佐久田修、浅野温子、蟹江敬三、鹿沼えり、石橋蓮司、殿山泰司
1977年日本・ATG/ビスタサイズ・カラー90分35mmフィルム
聖母観音大菩薩 [DVD]
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聖母観音大菩薩聖母観音大菩薩