映画「ある殺し屋」

ある殺し屋ある殺し屋
市川雷蔵(8代目)

今回は森一生監督1967年製作「ある殺し屋」をピックアップする。
本作は藤原審爾氏の原作「前夜」を映画化したもので、8代目市川雷蔵が「陸軍中野学校」同様にクールなキャラクターを演じ、続編「ある殺し屋の鍵(1967年)」も制作された。脚本を増村保造監督、撮影を巨匠宮川一夫氏が担当されている和製フィルム・ノワールの傑作だ。現在も活躍されている演歌歌手の小林幸子さんが出演しているのがトリビアだった。

ある殺し屋ある殺し屋
野川由美子                   小林幸子

【ストリー】
塩沢(市川雷蔵)は名人芸の殺し屋として、やくざ仲間に名を知られていた。ふだんは平凡な一杯飲屋の主人だが、どんな困難な殺人でもやってのけた。ある日、塩沢は、無銭飲食と引きかえに、体で金を払うというズベ公スタイルの女、圭子(野川由美子)の金を払ってやった。その日から圭子は塩沢につきまとい、塩沢のやっている小料理屋“菊の家”までおしかけ、あげくの果にはおしかけ女中として“菊の家”に住みこんでしまった。塩沢が意外と小金を持っているらしいと睨んでのことで、夜ごと、塩沢を挑発するがぜんぜん相手にされなかった。そんなところへ、暴力団木村組組長(小池朝雄)から、競争相手のボス大和田を殺してほしいと依頼があった。塩沢は二千万円でその仕事を引きうけた。
競馬場、大和田邸、大和田の二号茂子(渚まゆみ)のマンションと、塩沢は大和田をつけ狙ったが、強力なボディガードに守られた大和田に手が出なかった。しかし、ついに大和田主催のパーティに芸人として潜りこんだ塩沢は、大和田暗殺に成功した。塩沢の手口の鮮やかさと、報酬の大きさに惚れこんだ、木村組幹部前田(成田三樹夫)は、塩沢に弟子入りを頼んだが断わられた。しかし、前田は圭子から手なづけようと、強引に圭子と関係を結んだ。前田の若さと強引さに惹かれた圭子は、塩沢を殺して彼の金を盗ろうと前田にもちかけた。前田と圭子は色と慾で組んだ。そして計画を練った。
それは、ボスを失った大和田組が麻薬を扱っているから、それを横どりしようというのだ。無論塩沢に異存はなかった。塩沢一流の周到な計画で、塩沢、前田、圭子の三人は、大和田組から二億円の麻薬をカツあげした。その瞬間前田は塩沢に拳銃を向けた。しかし、裏切りを予想していた塩沢は前田の拳銃の弾を抜いていた。愕然とする前田に、塩沢は約束通り麻薬を三等分して去っていった。
初めて本当の男の気持にふれた前田は、麻薬も圭子も捨てて塩沢の後を追っていくのだった。

ある殺し屋ある殺し屋
成田三樹夫                   小池朝雄

題名:ある殺し屋
監督:森一生
原作:藤原審爾
脚本:増村保造、石松愛弘
撮影:宮川一夫
照明:美間博
録音:林土太郎
美術:太田誠一
編集:谷口登司夫
音楽:鏑木創
現像:東洋現像所
助監督:大洲斉
スチール:大谷栄一
出演:市川雷蔵(8代目)、野川由美子、成田三樹夫、渚まゆみ、千波丈太郎、小池朝雄、小林幸子
1967年日本・大映京都/シネスコサイズ・カラー82分35mmフィルム
ある殺し屋 [DVD]
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