映画「野獣死すべし」

野獣死すべし野獣死すべし
仲代達矢

今回は須川栄三監督1959年製作「野獣死すべし」高評価作品sをピックアップした。
本作は大藪春彦氏の同名原作を映画化したものだが、1974年に須川栄三監督が藤岡弘主演で「野獣死すべし(復讐のメカニック)」、1980年に村川透監督が松田優作主演でリメイク版(角川映画)を製作している。本作は1959年製作とあって劇場では観てないが、原作は愛読した。本作の仲代達矢氏の演技は鬼気迫るものがあり、黒澤明監督「用心棒(1961年)」「天国と地獄(1963年)」9年後にイタリアに渡りマカロニウエスタン「野獣暁に死す」に出演する訳だが、シャープな演技に揺るぎはない。

野獣死すべし野獣死すべし
小泉博、仲代達矢               小泉博、東野英治郎

【ストリー】
「岡田さん……」深夜の住宅街を歩く岡田刑事は車の中から呼びかける声に近づいた。と小さく鋭い銃声、岡田は歩道に倒れた。車から降りたった青年、伊達邦 彦であった。岡田のレボルバー拳銃と警察手帳をポケットにつっ込み、死体を車の後部に押しこむと、シボレーはすごいスピードで走り出した。引金を引いてか ら一分とたっていない。--伊達邦彦は大学院の学生だった。ハードボイルド文学の杉村教授のアルバイトをする傍ら、論文をアメリカのある財団の主催するコ ンクールに出して留学の機会をねらっていた。秀才、勤勉、誠実というのがもっぱらの評判だ。サッカーで鍛えた強靭な体、巧みな射撃術、冷徹無比な頭脳。そ の彼に完全犯罪の夢がくすぶり始めていた。動機はない。殺す瞬間のスリルと殺人の英雄らしさを味わいたい、それだけだった。女にしてもそうだ。彼は決して 一人の女を三度以上愛さない。妙子も例外ではなかった。--乗り捨てられたシボレーから岡田の死体が発見された。捜査網がはられた。新米刑事真杉もその一 人だ。伊達は岡田のレボルバーと警察手帳を巧みに使い、国際賭博団の根城「マンドリン」を襲っては留学資金をためていた。
数日後、伊達は血眼になって彼を捜している賭博団の用心棒、三田と安に出会った。行きずりのゲイボーイの手をつかむと、伊達は路上のキャデラックで逃げ た。場末の川端で三田に追いつめられた。一瞬ゲイの手が離された。悲鳴をあげて駈け出したゲイを追う三田は伊達の射つレボルバーに倒れた。捜査は進まな かった。当局は見当違いのやくざ関係を洗っていた。一人真杉にはこれが意外な者の犯行と思えた。新聞でみた杉村教授の現代犯罪論が真杉の気をひいた。教授 を訪れた真杉は伊達を見てあっと叫んだ。この男だ。この男こそ教授の云う「時代が創造した新しい犯罪者」に他ならない。犯人は伊達だ、真杉は信じた。留学 資金をかせぐ伊達の最後の仕事は大学の入学金を奪うことだった。伊達は手塚という男と知り合った。二人は大学を襲った。筋書通りに運んだ。
逃走する伊達には超短波でパトカーの指令が手にとるように分った。帰途、もはや不要になった手塚は車もろとも海底深くぶち込まれた。金は二千万円あった。 下宿に帰るとアメリカに出した論文がパスして、ただで留学出来る旨の通知が来ていた。警察は真杉の先導で伊達の下宿を襲ったが無駄だった。翌日、伊達は空 路アメリカに向った。茫然と見送る妙子を真杉達は追った。「完全犯罪なんて成立せんよ。電話一つであいつは死刑台さ……」真杉の先輩がつぶやいた。

野獣死すべし野獣死すべし
仲代達矢                      佐藤允

題名:野獣死すべし
監督:須川栄三
製作:藤本真澄、金子正且
原作:大藪春彦
脚本:白坂依志夫
撮影:小泉福造
照明:隠田紀一
録音:伴利也
美術:浜上兵衛
音楽:黛敏郎
出演:仲代達矢、小泉博、団令子、白川由美、東野英治郎、佐藤允、三好栄子、横山道代、白坂依志夫、中村伸郎、滝田裕介
1959年日本・東宝/シネスコサイズ・モノクロ95分35mmフィルム
野獣死すべし [DVD]
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野獣死すべし野獣死すべし
小泉博、白川由美                   団令子