映画「2001年宇宙の旅」

2001年宇宙の旅

今回は巨匠スタンリー・キューブリック監督1968年製作「2001年宇宙の旅(2001: A SPACE ODYSSEY)」高評価作品s をピックアップする。本作は1965年にクランクインし、イギリスのメトロ・ゴールドウィン・メイヤー MGM BRITISH STUDIO で撮影された。翌1966年5月までに俳優の演技シーンを撮り終えたが、SFXシーンの完成までさらに1年半以上を費やした超大作だ。(製作費$10,500,000 興行収入$190,000,000)

作品リスト

撮影は70mmシネラマ規格(アスペクト比=1:2.20)で行われ、キューブリック監督はシネラマスクリーンでの上映効果を最大限に狙っている。35mm縮小プリントで上映された際は、通常のシネマスコープサイズ(1:2.35)とせずに70mmのオリジナルと同一のアスペクト比=1:2.20を再現している。

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2001年宇宙の旅(2001: A SPACE ODYSSEY)
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【撮影技術について】
本作のSF映画に対する認識を根底から覆す様な高品質なSFX技術は、後のSF映画全てに影響を与えている。カメラマン出身で撮影技術に長けたキューブリック監督は、SFX撮影スタッフと共に「フロントプロジェクション」や「スリットスキャン(スリット越しに被写体を、シャッターが開いた状態で撮影する技術)」といった新たな撮影方法を考案した。宇宙空間では大気が存在せず、遠くの物体も鮮明に見える事から、最大限の照明を当て、レンズの絞りをマックスまで絞り、不足した光量を補うために1コマに600秒のバルブ露光で撮影する方法が取られた。
映画の1秒間は24コマで構成されており、この撮影方法では1コマの撮影に10分も掛かる!それは1秒を作るのに240分(4時間)もかかってしまうのだから気が遠くなる話だ。
私も長尺もののコマ撮りで、半月程スタジオに缶詰になった事があるが、それはアニメーターさんの展開を待つ時間が集積したのであり、1秒分撮るのに4時間はかからなかった。これは足し算の長時間露光とは逆で、ミッチェルキャメラのシャッター開角度を45°にしてシャッター速度を1/8にし、絞りをF8前後でライトバランスを低光量に持って行く引き算の撮影だった。

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Michell S35R BNCR CAMERA                コマ撮りをする筆者

また本編の各所にワイヤーフレームCGが登場するが、当時のCGは、まだ大学研究レベルの段階であり、電卓すら黎明期で一般に普及していない時代だった為に、これらの画像は計算尺で計算し、手描きにより作図され、ハイコントラストポジで撮影したアニメロールをオプチカル合成している。

2001年宇宙の旅

【ストリー】
旅客用宇宙飛行機オリオン号がケープケネディ空港から月に向かって飛び立った。旅客の中にはフロイド博士(ウィリアム・シルベスター)がいる。彼は最近月面で発見された謎の物体について専門技術家、学者たちが月の基地で開く会議に出席するのである。約1時間後、第5宇宙ステーションに到着した。やがてフロイド博士は月宇宙船エアリーズ号に乗りかえ、2日後に月世界に到着。月の基地では謎の物体をめぐる議論に花がさき、博士は物体をこの目で確かめるため、数人の科学者とともに、月の1キロほど上空を飛ぶ月バスに乗り、問題の場所、テイショ火口に行った。現地では石碑のような物体が発掘され、木星に向かって強烈な放射能を発射していた。この事件は、地球人が、ほかの惑星の何者かから挑戦を受けた、最初の出来事である。この事件を調査するため、科学者たちは、原子力宇宙船ディスカバリー号で木星へ向かって旅立った。宇宙船を操縦していたプール飛行士(ゲイリー・ロックウッド)とボウマン隊長(キア・デュリア)は、コンピューターからのただならぬ注意信号を受信した。2時間半後に原子力宇宙船に故障が起こる、というのだ。プール飛行士は宇宙カーに乗りこみ、アンテナを取り替えた。ところが、コンピューターはまたもや次の故障が起こると予言してきた。プール飛行士は再び宇宙カーに乗りアンテナ取り替え作業を始めたが、こんどは彼自身に事故が起こり、宇宙服の命綱が切れて暗黒の宇宙空間に放り出された。ボウマンは、もう1隻の宇宙カーに乗り、プール飛行士を助けに行ったが、宇宙カーが自由に動かない。やっと接近したものの、マジック・ハンドの装置がいうことをきかず、プール飛行士を助けることはできなかった。急いで母船に帰ろうとしたボウマンが格納庫に近づくと、急にドアが閉まり、中に入れないばかりか、宇宙船の内部では人工冬眠のカプセルにも故障が起こり、冬眠中の科学者が次々と死んでいった。一体、このような事故は何故起きたのだろう? すべての原因はコンピューターが人間を支配しはじめたのである。ボウマンはコンピューターを壊した。そして再び人間が指導権をとった。果てしなく広がる宇宙空間。人間が完全に支配する日も、そんなに遠くはないだろう……。

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2001年宇宙の旅(2001: A SPACE ODYSSEY)
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題名:2001: A SPACE ODYSSEY
邦題:2001年宇宙の旅
監督:スタンリー・キューブリック
製作:スタンリー・キューブリック
原作:アーサー・C・クラーク
脚本:スタンリー・キューブリック、アーサー・C・クラーク
撮影:ジェフリー・アンスワース、ジョン・オルコット
美術:トニー・マスターズ、ハリー・ラング、アーネスト・アーチャー
特殊効果:スタンリー・キューブリック
特殊効果監修:ウォーリー・ヴィーヴァーズ、ダグラス・トランブル、コン・ペダーソン、トム・ハワード
衣装:ハーディ・エイミーズ
編集:レイ・ラヴジョイ
撮影機材:パナビジョン(Supper Panavistion)
現像:テクニカラー、メトロカラー
出演:キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルヴェスター、ダグラス・レイン(HAL 9000)、レナード・ロシター、ケビン・スコット、ダニエル・リクター、ケア・ダレー、マーガレット・タイザック、ロバート・ビーティ
1968年アカデミー賞特殊視覚効果賞受賞
1968年イギリス・アメリカ合作/70mmシネスコサイズ(1:2.20)・カラー149分70mmフィルム
2001年宇宙の旅 [Blu-ray]
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2001年宇宙の旅(2001: A SPACE ODYSSEY)