映画「月はどっちに出ている」

月はどっちに出ている月はどっちに出ている
岸谷五朗                   ルビー・モレノ

今回は崔洋一監督1993年製作「月はどっちに出ている」をピックアップする。
本作は、梁石日氏の「タクシー狂操曲」を原作にWOWOWで放映された同名の短編連作ドラマがベースとなっており、AATON XTR Prod キャメラ(Super16mm)で撮影し、35mmインターネガにブローアップして35mmプリントで上映された。監督の崔 洋一氏は、照明助手として映画界に入り、小道具を経てまもなく演出部に転向し、1976年製作「愛のコリーダ(監督:大島渚、主演:藤竜也)」1978年製作「最も危険な遊戯(監督:村川透、主演:松田優作)」のチーフ助監督を務め、1981年にTV映画「プロハンター(主演:草刈正雄、藤竜也)」1983年に映画「十階のモスキート(主演:内田裕也)」で監督デビューした方だ。

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【ストリー】
在日コリアンである姜忠男カン・ユンナム(岸谷五朗)の勤める金田タクシーは、仕事を離れれば同級生である世一(小木茂光)が二代目社長としてきりもりしていたが、従業員は元自衛隊員の新人・安保(金田明夫)、忠男にまとわりつくパンチドランカーのホソ(有薗芳記)、ヤンキーあがりのおさむ(芹沢正和)、強欲な谷爺(内藤陳)、出稼ぎイラン人ハッサン(ハミッド・シャイエステ)など、きちんとした会社勤めには不向きな連中ばかり。忠男もまた北だ南だ、統一だとかまびすしい周囲には目もくれず、もっぱら女の子を口説くことに忙しかった。ある日、彼は母・英順の経営するフィリンピン・パブで働くことになった、妙な大阪弁を喋る新顔コニー(ルビー・モレノ)に出会う。忠男はあの手この手でコニーを口説くが、たくましい彼女には通用しない。だが半ば強引にコニーを抱いた忠男は、ちゃっかり彼女の部屋に引っ越しまでしてしまった。そんな二人の周辺も、また日々変化していく。世一はゴルフ場投資で騙される。洗車係のハッサンは勝手に車を動かし、逮捕されてしまう。目に余り言動のおかしくなったホソも行方をくらまし、故郷の新潟で保護される。さらには英順とコニーが大喧嘩をやらかす。忠男もまた、訳知り顔の若い日本人サラリーマンの客(萩原聖人)が無賃乗車で逃げ出し、必死で追いかける羽目にあう。職場も恋愛も末期的症状になってきた。煮え切らない忠男に見切りを付けたコニーは、寂しげに見送る忠男を残し、新しい店に移っていく。世一の会社には、明らかにヤクザと分かる金融業者・紺野(古尾谷雅人)が現れ、以後ヤクザが監視の目を光らせるようになる。思いあまった世一は会社に火をつけるが、そのとたんに火を消せとわめき散らす。そのあまりのバカバカしさに大笑いしてはしゃぎまくる忠男。月日がたち、忠男はコニーの働く店へ車を走らせ、『あの女は悪い病気を持っているぞ』と匿名電話をかける。そのまま待ち構えていると、案の定、追い出されたコニーが彼の前に現れる。コニーは呆れながらも、澄ました表情で彼女を迎える忠男の車に乗り、二人は東京へ戻っていく。

月はどっちに出ている月はどっちに出ている
絵沢萠子

題名:月はどっちに出ている
監督:崔洋一
製作:李鳳宇、
原作:梁石日「タクシー狂操曲」
脚本:鄭義信、崔洋一
撮影:藤沢順一
照明:上田なりゆき
録音:北村峰晴
美術:今村力、岡村匡一
記録:小泉篤美
編集:奥原好幸
音楽:佐久間正英 音楽プロデューサー:石川光 歌:憂歌団
現像:イマジカ  タイミング:大見正晴 オプチカル:中村正視
監督補:祭主恭嗣
助監督:前田哲
スチール:奥川彰
出演:岸谷五朗、ルビー・モレノ、小木茂光、絵沢萠子、遠藤憲一、古尾谷雅人、國村隼、萩原聖人
1993年日本・シネカノン/ビスタサイズ[Super16mm→35mm]・カラー109分16mmフィルム
月はどっちに出ている [DVD]
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