映画「ヘイトフル・エイト」

ヘイトフル・エイト
サミュエル・L・ジャクソン

クエンティン・タランティーノ監督の長編第8作目となる新作「The Hateful Eight(原題)」が、ギャガ配給により「ヘイトフル・エイト」の邦題で、2016年2月27日(土)より全国公開がされた。私は、3月2日にTOHOシネマ六本木ヒルズ・スクリーン2、DCP上映で観た。

TOHOシネマズ六本木ヒルズ
TOHOシネマ六本木ヒルズ
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本作は、タランティーノ監督のキャリア初となる密室ミステリー。山の上のロッジを舞台に、ワケありの7人の男と1人の女という人種も境遇もバラバラの8人をめぐり、全員が嘘をついているという事だけが分かっているという設定のなか、犯人、動機、8人の本当の関係の謎を解く西部劇と言うよりサスペンスドラマになっている。オープニングから、すべての会話と視線、何気ない身振りに緻密な伏線が仕掛けられおり、タランティーノの真骨頂であるブラックな笑いと過剰なアクションも満載だ。特にタランティーノ監督が悲願のエンニオ・モリコーネ氏が製作した音楽が素晴らしかった。

The Hateful EightThe Hateful Eight
ウルトラ・パナビジョン70

本作は、撮影前の2014年にオンライン上の脚本流出による制作中断や、70mm上映用のカメラ「ウルトラ・パナビジョン70」と65mmフィルムを用い撮影されている事も話題を呼んでいた。そして、日本からも美術監督の種田陽平氏がスタッフとして参加されている。アメリカでは既に、2015年12月25日から100の劇場で70mmフィルムで上映されることが決まっており、そのためにボストンの企業が120台の70mmフィルム映写機を調達したことも報道されていた。フィルム上映以外の全米各地の劇場でも、2016年1月8日よりDCP上映が行われる。日本では残念ながら配給会社が、くだらないテレビドラマや番組を映画と偽って上映する事ばかりに熱心なので70mmフィルムでの上映は望めないであろう。
※2016年2月27日(土)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

作品リスト

【ストリー】
どこまでも続く白銀の世界。北部の元騎兵隊で今は賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)が、レッドロックへ運ぶお尋ね者3人の 凍った死体を椅子代わりに座っている。寒さで馬がやられ、誰かが通りかかり拾ってくれるのを待っているのだ。やがて1台の駅馬車がウォーレンの前で停ま る。馬車の客は、同じく賞金稼ぎのジョン・ルース(カート・ラッセル)。腕にはめた手錠の先には、連行中のデイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソ ン・リー)が繋がれていた。1万ドルもの賞金をかけられた重罪犯のその女は、散々殴られた顔で不敵に笑っている。迫り来る猛吹雪から避難するため、ルース はレッドロックまでの中継地でうまいコーヒーにシチュー、装飾品から武器まで何でも揃っているミニーの紳士用品店へ向かうという。途中、クリス・マニック ス(ウォルトン・ゴギンズ)が乗り込み、新任保安官だと名乗るが、ルースは彼が黒人殺しで名を馳せる凶悪な南部の略奪団の一員だと知っていた。ミニーの店 へ着くと、見知らぬメキシコ人・ボブ(デミアン・ビチル)が現れ、母親に会いに行ったミニーの代わりに店番をしていると話す。ルースは早速ストーブの上の コーヒーを飲むが、ボブが作ったらしいそれは泥水のようにマズく、自分の手で淹れ直す。店には3人の先客が吹雪で閉じ込められていた。絞首刑執行人のオズ ワルド・モブレー(ティム・ロス)は、洗練されているがどこか胡散臭い英国訛りの男。カウボーイのジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)は、何を考えてい るかわからず、母親とクリスマスを過ごすために帰る途中だということ以外は一切語らない。そしてサンディ・スミザーズ(ブルース・ダーン)は、大勢の黒人 を虐殺した南部の元将軍。ルースはこの怪しげな男たちに疑いの目を向けていた。この中にドメルグの仲間がいて奪還するチャンスを待っているのではないか。 あるいは1万ドルのお宝を横取りしようとしているのではないか……。
偶然集まった他人同士のはずが、マニックスは父親がヒーローと崇めていたスミザーズと の出会いに感激し、そのスミザーズの息子の謎の死につてウォーレンが何かを知っていた。それぞれの過去の糸が複雑にもつれ出した時、コーヒーを飲んだ者が 激しく苦しみ、間もなく息絶える。夜も更け、外の吹雪はますます激しくなっていく……。


題名:THE HATEFUL EIGHT
邦題:ヘイトフル・エイト
監督:クエンティン・タランティーノ
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン、ジョージア・カカンデス
製作:リチャード・N・グラッドスタイン、ステイシー・シェア、シャノン・マッキントッシュ
脚本:クエンティン・タランティーノ
撮影:ロバート・リチャードソン
美術:種田陽平
衣装:コートニー・ホフマン
配役:ヴィクトリア・トーマス
編集:フレッド・ラスキン
音楽:エンニオ・モリコーネ
撮影機材:ウルトラ・パナビジョン70
出演:サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンス、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーン
2015年アメリカ/ビスタサイズ・カラー168分70mmフィルム
ヘイトフル・エイト -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

【当ブログで紹介したクエンティン・タランティーノ監督作品】
1991年「レザボア・ドッグス
1994年「パルプ・フィクション
1994年「ジャッキー・ブラウン
2003年「キル・ビルVol.1
2004年「キル・ビルVol.2
2009年「イングロリアス・バスターズ
2012年「ジャンゴ 繋がれざる者