映画「若草物語」

若草物語
芦川いづみ
若草物語若草物語
浜田光夫                      和田浩治

今回は森永健次郎監督1964年製作「若草物語」をピックアップした。
本作の撮影された1964年は東京オリンピックが開催された年で、東海道新幹線の開通、銀座の若者みゆき族が話題になる一方、60年安保運動を時代背景に、日活の豪華女優陣の共演で成立している作品だが、1958年の日本映画年間観客動員数は何と!約11億人だったのに対して本作製作年には4億人前後にまで落ち込んだ状況でもあった。因に1972年から現在はその半分以下だ。

日本映画年間観客動員数 ※左画をクリックすると年間観客動員数のグラフが表示されます。

若草物語
吉永小百合

豪華女優陣の中で唯一、芦川いづみさんは人妻役を演じている。清らかな少女のイメージからエロス少なめの色気を感じさせる人妻役への転身はちよっと残念で あったが、その魅力は1ミリも衰えてない。吉永小百合さん、浅丘ルリ子さん、和泉雅子さんは其々魅力的ではあるが、日活が曳いた既定キャラクターをそのまま継承している様に伺えた。
今ではあり得ない映画会社が映画を作っていた時代の良き作品である。

若草物語若草物語
浜田光夫、浅丘ルリ子         ※70年代まであった日活撮影所のオープンセット

ロケーションは羽田空港、晴海団地(現:晴海アイランドトリトンスクエア)、晴海埠頭、松屋銀座、日比谷公園、完成間もない駒沢オリンピック公園、長野県志賀高原などで行っているが、銀座の街並ではロケーションとオープンセットを使用している。当時は日活も東映も撮影所にオープンセットの街があった。私は日活のオープンセットも見た記憶がある。

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和田浩治                     浅丘ルリ子
若草物語
名機Arriflex16STで撮影する浜田光夫

浜田光夫さん演じる矢坂次郎は、TVニュースのカメラマンだ。1979年頃までテレビのニュースは16mmリバーサルフィルムで撮影され、TV各局に現像所(出張所)もあり、テレシネでビデオテープに落とす事なく即オンエアーしていた。本作はENGとして放送用ビデオが普及する前の時代を背景にしている。当時ニュースに使用された主なキャメラは、Arriflex16ST、Bell&Howell Filmo70DR(スプリング駆動)を使用していたが、70年代になってからはCanon Scoopic 16(国産)、Eclair ACL(通称:ミニエクレール)が活躍した。この中でシンクロ(同時録音)が出来た主なキャメラは、Arriflex16BL、Eclair ACL,NPRであり、他はカメラの駆動ノイズが入るので音はコラージュだった。(筆者解説)

横浜シネマ(NHK、日本テレビ、テレビ朝日)TBS映画社現像部(TBS)SONY PCLなど
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Bell&Howell Filmo70DR      Canon Scoopic 16     Eclair ACLIII

それにしても吉永小百合さんが撮影アシスタントをするシーンはキューンとした。
「小百合さんに脚立を持たすなんて!」と感情移入しつつ、こんな人が現場にいたら嬉しいのになぁと思った。

若草物語
吉永小百合、浜田光夫
若草物語
浅丘ルリ子

【ストリー】
若い後妻を持った勇造(伊藤雄之助)に気づかって、高村家の由紀(浅丘ルリ子)、しずか(吉永小百合)、チエ子(和泉雅子)の三人姉妹は秘に伊丹空港から長姉早苗(芦川いづみ)の嫁先へ家出を決行した。美しい三人の前には早くも、羽田空港でポルシェを運転する青年が近づいた。末娘の現代っ子チエ子につられて、三人は車で早苗の団地にやって来た。狭い団地生活に、早苗は仕方なく貯金を出して、三人のためにアパートを貸りてやった。由紀としずかはデパートに、チエ子は試験に落ちて姉に内緒でアルサロ勤めを始めた。だが、いたずらに飲んだお酒がバレて、即日やめさせられる始末だ。そんなある日、由紀は幼馴染の矢坂次郎(浜田光夫)に会った。次郎はTVニュースのカメラマンであった。お互いに成長した姿を見た二人は、胸のときめきを感じた。その日から次郎は、時々アパートを訪れて姉妹と親しくなった。ある日三人姉妹と次郎それにチエ子の友達の健吉(山内賢)らは、スキーに出かけたが途中次郎は取材で由紀たちと別れた。淋しい思いをしていた由紀の前に偶然ポルシェの男、野沢圭一(和田浩治)が現われ、四人を別荘に招待した。三人が帰京した翌日、勇造が妻弘子(東恵美子)と喧嘩をしてやって来た。激しくののしって追い帰した由紀に、しずかは怒りを感じて次郎のアパートに走った。とまどう次郎は、しずかを下宿に置くと取材に出ていった。心配して次郎に相談に来た由紀は、しずかを見て嫉妬を感じた。旅行から帰った次郎は由紀に愛情を告白した。だがそんな由紀の前に、圭一がしばしば現われるようになった。豪華な雰囲気をもつ圭一に、由紀は巨絶出来ないものを感じていた。しずかはそんな由紀の態度に怒りを覚えた。数日後、由紀は圭一と婚約した。次郎は、慰めるしずかに「由紀ちゃんの気持は解る」と話して、酒をあをった。由紀が新婚旅行に発つ日、旅立つ次郎の跡を追うしずかの美しい青春の姿があった。

若草物語若草物語
吉永小百合、浅丘ルリ子             吉永小百合、伊藤雄之助
若草物語
芦川いづみ、和泉雅子

題名:若草物語
監督:森永健次郎
企画:坂上静翁
脚本:三木克巳
撮影:松橋梅夫
照明:森年男
録音:高橋三郎
美術:横尾嘉良
記録:内田絢子
編集:井上治
音楽:崎出伍一
現像:東洋現像所
製作主任:亀井欽一
助監督:斎藤和三郎
色彩計測:佐藤重明
スチール:井本俊康
出演:芦川いづみ、浅丘ルリ子、吉永小百合、和泉雅子、浜田光夫、田代みどり、和田浩治、山内賢、杉山俊夫、伊藤雄之助、清水将夫、東恵美子
1964年日本・日活/シネスコサイズ・イーストマンカラー84分35mmフィルム
若草物語-DVD-
2016年7月現在、DVDレンタルはありません。

若草物語若草物語
和泉雅子                        吉永小百合
若草物語若草物語