映画「殺して祈れ」

殺して祈れ殺して祈れ
ルー・カステル                   マーク・ダモン

今回は「帰って来たガンマン」のカルロ・リッツァーニ監督1967年製作「殺して祈れ(REQUIESCANT)」をピックアップする。
主演は「群盗荒野を裂く」のルー・カステル、「リンゴ・キッド」のマーク・ダモン、「荒野のお尋ね者(7 WINCHESTER PER UN MASSACRO/E・G・ローランド(エンツィオ・G・カステラッリ)監督1966年)」のバーバラ・フレイなどが出演しているが、何と言っても「アポロンの地獄(EDIPO RE/1967年)」「デカメロン(IL DECAMERON/1971年)」「ソドムの市(SALO O LE 120 GIORNATE DI SODOMA/1975年)」などを製作したイタリア映画の鬼才ピエル・パオロ・パゾリーニ監督が出演している事が驚きだ。

殺して祈れ殺して祈れ
ピエル・パオロ・パゾリーニ          ルー・カステル、マーク・ダモン

ルー・カステルは”狂ったジェームス・ディーン”
本作の主演を務めたルー・カステルは、脚本を受け取った直後から役作りに没頭し、「主人公に強烈な個性を与えなければ、クリント・イーストウッドの二番煎じになってしまう」と考え、カルロ・リッツァーニ監督に様々な提案をしたという。フライパンで馬を叩く、銃を膝のあたりに吊るすといったアイディアや、探し出した姪の化粧を落とすシーンなどは、カステルの提案が採用されたものである。
そんなカステルは、2088年「ユリイカ(EUREKA/2000年)」「共食い(2013年)」などで知られる青山真治監督の”赤ずきん”を題材とした短編映画「Le Petit Chaperon Rouge」に主演。同作の撮影前、カステルの自宅前にあるピザ屋で”映画について”ああでもないこうでもない”ディスカッションをしていたと語る青山監督は、カステルを”狂ったジェームス・ディーン”と評し最初に不安材料を潰すタイプの俳優だと語っている。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)

惨殺された”イタリア映画界の鬼才”
本作で謎のメキシコ人”ファン”を演じているのは、”イタリア映画界の鬼才”と呼ばれるピエル・パリオ・パゾリーニである。1922年にイタリアのボローニャで生まれ、7歳で詩作を始めたというパゾリーニは、20歳で処女詩集「カザルサ詩集」を上梓(出版)。発禁処分を受けた初の長編小説「生命ある若者」を発表した1955年、ソフィア・ローレン主演の「河の女」に脚本家として参加したことから映画に携わるようになり、1961年「アッカトーネ」で監督デビューを果たした。ちなみに同作の助監督は、オスカー監督のベルナルド・ベルトリッチである。
以降、強烈な社会描写などで批判に晒されながらも、「アポロンの地獄(1967年)」「豚小屋(1969年)」「アラビアンナイト(1974年)」と問題作を発表し続けたパゾリーニは「ソドムの市(1975年)」の撮影終了後、ローマ近郊の海岸で惨殺体となって発見される。そして、間もなく逮捕された当時17歳の男娼が「パゾリーニに強姦されそうになったために殴り殺した」と証言したことで、イタリア全土を揺るがすスキャンダルへと発展したのだ。
しかし、パゾリーニよりもずっと小柄な男娼が、一人で惨殺する事が出来なかったのか、などの疑問が次々に投げかけられており、9年の禁固刑を終えた元男娼が「パゾリーニは少なくとも6人のグループに襲撃された」と証言を翻すなど、真相は未だ謎に包まれている。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)

殺して祈れ殺して祈れ
バーバラ・フレイ             ルー・カステル、バーバラ・フレイ

【ストリー】
ミズーリ州サン・アントニオの近くで、一団のアメリカ人とメキシコ人の間に、土地分配に関する協定が結ばれた。が、これはアメリカ人が仕組んだワナで、次の瞬間、廃墟の蔭から銃が火を吹き、メキシコ人全員が射殺された。そのなかで、たった一人のメキシコ少年だけが生き残った。彼は通りかかったアメリカ人の牧師にひろわれた。そして10年。少年は立派な若者(ルー・カステル)に成長、牧師の姪プリンシーと愛を語るようになった。ところがある日、そのプリンシーが近くの町に来た旅芸人一座にかどわかされ、行方をくらましてしまった。若者は、牧師がくれたバイブルと、拳銃を持って、プリンシーを探しに出かけた。求めるプリンシーは人手から人手へと流れ、サン・アントニオの町で、町のボス、ファーガソン(マーク・ダモン)の手下ライトによって監禁同様の身の上で、しかも男たちのなぐさみものになっていた。若者はファーガソンの邸に乗り込みプリンシーをかえしてくれるようたのんだ。ファガーソンの提案になる残酷な射撃ゲームに勝った若者は、プリンシーをつれて、オシのメキシコ老人が提供してくれた隠れ家に帰った。そこで若者は、オシのメキシコ人から意外な事実を聞いた。
10年前ダマシ射ちにされたメキシコ集落の長の息子が自分であり、殺した張本人はファーガソンであるというのだった。事態は急変した。若者のスキをうかがい、ファーガソン一味は老人を殺し、さらにプリンシーを誘拐、殺害した。そして現場にかけつけた若者も捕えられ、リンチをうけた。そんな彼を、ファーガソンの妻エディーヌが逃してくれた。彼女は十年前の事件の時、夫を殺され、強引にファーガソンの妻にさせられていたのだった。だが、若者を逃がしたことがばれ、彼女も殺された。そこへメキシコ革命派のファンをリーダーとする数名があらわれ、共に白人を倒そうということになった。そしてついに、ファーガソンも若者の拳銃に倒れた。

殺して祈れ殺して祈れ
ミレーラ・マラビィディ             ルイーザ・バラット

題名:REQUIESCANT
邦題:殺して祈れ
監督:カルロ・リッツァーニ
製作:カルロ・リッツァーニ
脚本:アドリアーノ・ボルツォーニ、アルマンド・クリスピノ、ルチオ・マンリオ・バティストラーダ
撮影:サンドロ・マンコーリ
音楽:リズ・オルトラーニ
出演:ルー・カステル、マーク・ダモン、ピエル・パオロ・パゾリーニ、バーバラ・フレイ、ルイーザ・バラット、フランコ・チッティ、フェレッチオ・ヴィオッティ、ミレーラ・マラビィディ
1967年イタリア/ビスタサイズ・カラー107分35mmフィルム
殺して祈れ -DVD-
マカロニ・ウェスタン傑作映画DVDコレクション 2016年 11/6号[分冊百科]
2016年10月現在、DVDレンタルはありません。

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殺して祈れ(REQUIESCANT)

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