映画「復讐無頼・狼たちの荒野」


今回はジュリオ・ペトローニ監督1968年製作「復讐無頼・狼たちの荒野(TEPEPA/BLOOD AND GUNS)」をピックアップする。本作は、何と言っても「市民ケーン」「第三の男」の巨匠オーソン・ウェルズがマカロニ・ウエスタンに出演している事に尽きる。
マカロニ・ウェスタン傑作映画DVDコレクション 2017年 1/15号

オーソン・ウェルズに委縮したジュリオ・ペトローニ監督
本作のジュリオ・ペトローニ監督は、プロデューサーのアルフレッド・クオモからオーソン・ウェルズが出演すると聞いた時、「信じられない!」とだけ言ってしばし沈黙し、「あの名作、市民ケーン(1941年)の監督であるウェルズを私が監督するなんて、考えただけで委縮してしまう」と弱音を吐いたという。「復讐無頼・狼たちの荒野」は、1959年に42歳で監督デビューしたペトローニにとって7本目の監督作。対して25歳の若さで製作・監督・脚本・主演した市民ケーンで颯爽とハリウッドに登場したウェルズは、監督作だけでも既に10本を超えていた。しかも、年齢も2歳上であるウェルズに、ペトローニが委縮してしまうのは無理もない事だったのだろう。
しかし、イタリアにやって来たオーソン・ウェルズは毎晩のようにペトローニを誘ってウィスキーを飲み交わし、演劇や映画の話はもちろん、20年以上前に離婚したリタ・ヘイワーズに関する悩みまで打ち明けたというのだ。こうして意気投合したウェルズとの仕事をペトローニは、撮影終了後「彼は時々私にアドバイスしてくれた。その意見は的確で正しいものだったよ」と振り返っている。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)

オーソン・ウェルズと喧嘩したトーマス・ミリアン
本作の主演を務めるトーマス・ミリアンは、マイノリティのアウトローという役柄を好み、思い入れたっぷりに演じる事で知られている。
そんな彼は本作でも”メキシコのどこにでもいる”という主人公テペペの役作りに励み、クランクインに備えていた。ところが、俳優として尊敬していたオーソン・ウェルズとの撮影初日、ミリアンは駄目出しするばっかりで演じようとしないウェルズに腹を立て、生意気だと自覚しつつも大声で反論。取っ組み合い寸前の喧嘩になってしまったという。当時の状況を彼は「僕は彼に、台本を気に入って出演したと言って欲しかった。しかし、彼の目的は自分が撮りたい映画の資金を集める為だけだった。わざわざスペインへやって来て、僕の様な若い俳優と本気で共演する気なんて、さらさらなかったのさ」と振り返っている。それでもジュリオ・ペトローニ監督の仲介もあり、無事にクランクアップとなった本作は、メキシコでの初公開時の観客全員にスタンディングオベーションで迎えられ、数年間にわたって本作だけを上映した映画館が出るほど、南米で絶大な人気を誇る作品となったのだ。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)


トーマス・ミリアン                 オーソン・ウェルズ

【ストリー】
時はメキシコ革命の最中。イギリス人の医師ヘンリーは、メキシコのカスコッロ大佐と知り合い、人間は身体的特徴で犯罪者になるかどうか分類できると主張し、革命家テペパの処刑を研究のため延期して欲しいと依頼する。だが処刑は決行される。銃殺の直前、ヘンリーはメキシコではまだ珍しい乗用車で乗りつけて巧みに盾とし、テペパを救い出し騎馬の追手を振り切る。怒るカスコッロ大佐。はたして、ヘンリーの目的とは・・・。

題名:TEPEPA/BLOOD AND GUNS
邦題:復讐無頼・狼たちの荒野
監督:ジュリオ・ペトローニ
製作:アルフレッド・クオモ、ニコロ・ポミラ
脚本:イヴァン・デラ・メア、フランコ・ソリナス
撮影:フランシスコ・マリン
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:トーマス・ミリアン、オーソン・ウェルズ、スーザン・ジョージ、ジョン・スタイナー、ジャンカルロ・バデッシ、ホセ・トレス 、ルチアーノ・カーサモニカ
1968年イタリア・スペイン合作/シネスコサイズ・カラー128分35mmフィルム[日本劇場未公開]
復讐無頼・狼たちの荒野 -DVD-
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ルチアーノ・カーサモニカ

復讐無頼・狼たちの荒野(TEPEPA/BLOOD AND GUNS)

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