映画「新・夕陽のガンマン 復讐の旅」


ジョン・フィリップ・ロー「新・夕陽のガンマン 復讐の旅(DEATH RIDES A HORSE)」

ジョン・フィリップ・ロー           リー・ヴァン・クリーフ

今回はジュリオ・ペトローニ監督1967年製作「新・夕陽のガンマン 復讐の旅(DEATH RIDES A HORSE)」をピックアップした。当時人気絶頂だったジュリアーノ・ジェンマに続けと売り出したジョン・フィリップ・ローが主演し、名優リー・ヴァン・ クリーフが渋い演技を見せてくれる。音楽はエンニオ・モリコーネが他のマカロニ作品とは違う旋律で魅了させてくれる。

※本ページは2013年9月2日版を改定したものです。

リー・ヴァン・クリーフ

脚本書き換えで遅れた撮影スケジュール
本作は「夕陽のガンマン(1965年)」の大ヒットに気を良くしたハリウッドの映画配給会社ユナイトが、巨額の製作費を投じてイタリアの製作会社に発注した作品である。脚本は、セルジオ・レオーネ監督・脚本の「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」に参加していたルチアーノ・ヴァンチェンツォーニだったが、ジュリオ・ペトローニ監督は彼の作品に満足せず、撮影と並行して変更を重ねていった。そんなペトローニは後日「ヴァンチェンツォーニは、マカロニ・ウエスタンの脚本を書くこと自体が、自分の知能指数より少々低い作業だと考えていた」とコメント。加えて「だが、彼の貢献は否定出来ない」としながらも、主演のリー・ヴァン・クリーフ、ジョン・フィリップ・ローなどの意見も取り入れながら、ヴァンチェンツォーニの脚本を大幅に書き換えていったのである。ところが、現場スタッフとキャストが満足するまでの変更を重ねた結果、撮影スケジュールは大幅に遅延、この状況をみた製作陣はスピードアップを図るべく、「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」「ウエスタン」「夕陽のギャングたち(1971年)」などで助監督を務めたレオーネの愛弟子、ジャンカルロ・サンティを送り込み、無事クランクアップを迎えたのだった。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)


ルイジ・ピスティリ                アンソニー・ドーソン(右)

【ストリー】
覆面の盗賊団一味に押し入られ、家族全部を殺害されて以来15年、ビル(ジョン・フィリップ・ロー)は一味に復讐する執念だけで生きて来た。そんなある 日、射撃の練習をしている彼の前に、ライアンと名のるガンマン(リー・ヴァン・クリーフ)があらわれた。ライアンは、ただビルを感慨深げに見て立ち去った だけだが、ビルは、ライアンが一味と何か関係があるとにらんで彼を追った。ある町についた夜ビルはライアンを襲撃したが、逆にとり押えられてしまった。町の顔役キャバノー(アンソニー・ドーソン)から100ドルで暗殺を頼まれたと白状するビルをライアンは笑って放してやった。そしてビルはこの時、キャバノーが盗賊団の一人であったこ とが分った。単身キャバノーのもとにのりこんだビルは、キャバノーを射殺したが、その部下たちにとりかこまれてしまった。この時ライアンがあらわれビルの 危急を救った。次のビルの目指す相手は、今は銀行家におさまっているウォルコットであった。そのウォルコットの前にライアンがあらわれた。
15年前、ウォルコット(ルイジ・ピスティリ)たちと現金輸送馬車を襲った時の分け前と、一味の罪をかぶって服役した身代り代金を受けとりに来たのだった。が、ウォルコットはライアンを罠にかけ縛り上げ、その上、銀行強盗の犯人として獄舎にぶち込んだ。そのライアンを、今度はビルが救った。そしてその足でビ ルはウォルコット一味をニューメキシコの寒村に追った。そこにはビルの仇敵のすべての顔があった。そのうちの一人をビルは射殺したが、捕えられ生きうめの 刑に処せられた。一味が出動した後、農民に変装したライアンがビルを救けた。そして、村人たちと協力、一味を村から追いだすことになった。すさまじい闘いが展開され、ビルとライアンは次々と一味をたおしていった。だが、その闘いの中でビルは、ライアンもまた、復讐すべき一人であることを知った。遂にビルとライアンの対決の時が来た。ビルは弾丸を撃ちつくしたライアンに弾丸を一個与え、二人は相対した。
拳銃をあげようとしないライアンに、ビルの拳銃が火をふいた。が、うたれたのは、ライアンの背後にいた一味の最後の一人だった。ライアンの掌にはビルの与えた弾丸が握られていた。ビルはしばらくライアンをみつめたあと、黙したまま馬にまたがり去っていった。


新・夕陽のガンマン 復讐の旅(DEATH RIDES A HORSE)

リー・ヴァン・クリーフの”影武者”ロマノ・ブッポ
本作でリー・ヴァン・クリーフのスタントを担当したのは、イタリア出身の俳優ロマノ・ブッポである。1966年の「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」で、腰を痛めて馬に乗るシーンで難儀していたクリーフに代わって、背格好が似ていたブッポが激しいアクションシーンの代打を務めたのだった。英語が話せたブッポは、私生活でもクリーフの良き友人となり、同作以降、”影武者”となってクリーフのアクションシーンを演じ続けた。ブッポ自身も俳優として100本以上の映画に出演しており、本作でもクリーフ演じるライアンを連行する保安官助手を演じている。1989年にクリーフが心筋梗塞によって64歳の若さで急死した際、棺を担ぐ友人の中にブッポの姿があった。1967年の「怒りの荒野」でもクリーフのスタントを務めたブッポは。主演のジュリアーノ・ジェンマとも親交を深めており、クリーフの死から4年後、心臓発作になって急死したブッポの葬儀で、追悼スピーチに立ったのはジェンマであった。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)


ルイジ・ピスティリ      新・夕陽のガンマン 復讐の旅(DEATH RIDES A HORSE)

題名:DEATH RIDES A HORSE
邦題:新・夕陽のガンマン 復讐の旅
監督:ジュリオ・ペトローニ
製作:アルフォンソ・サンソーネ 、 ヘンリー・クローシッキー
脚本:ルチアーノ・ヴィンセンツォーニ
撮影:カルロ・カルリーニ
美術:フランコ・ボッティアーリ
編集:エラルド・ダ・ローマ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ジョン・フィリップ・ロー、リー・ヴァン・クリーフ、ルイジ・ピスティリ、アンソニー・ドーソン、ホセ・トーレス、アーチー・サヴェッジ
1967年イタリア/シネスコサイズ・テクニカラー114分35mmフィルム
マカロニ・ウェスタン傑作映画DVDコレクション 42号 2017年 11/19号 [分冊百科]
2017年11月現在、DVDレンタルはありません。


新・夕陽のガンマン 復讐の旅(DEATH RIDES A HORSE)

新・夕陽のガンマン 復讐の旅(DEATH RIDES A HORSE)

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