映画「荒野の死闘」


「荒野の死闘」マーク・ダモン、アンソニー・ステファン

マーク・ダモン、アンソニー・ステファン       アンソニー・ステファン

今回はラファエル・ロメロ・マルチェント監督1968年製作「荒野の死闘(I MORTI NON SI CONTANO)」をピックアップする。本作はW主演で「地獄から来たプロガンマン」「荒野の棺桶」など27本のマカロニ・ウエスタンに主演したアンソニー・ステファン、「皆殺し無頼」「リンゴ・キッド」でブレイクし、後にハリウッドに戻りプロデューサーに転身したマーク・ダモン。共演は「情無用のジャンゴ」のピエロ・ルリ、後にスペインの大御所女優になったマリア・マルティンなどが脇を固めている。

50年後にクレジットされた「荒野の死闘」の作曲家
本作の音楽としてクレジットされているのは、エンニオ・モリコーネと並ぶイタリアを代表する映画音楽家リズ・オルトラーニである。1926年生まれのオルトラーニは、マカロニ・ウエスタンでは初期の「墓標には墓標を(1963年)」全盛期の「怒りの荒野」後期の「ダーティ・セブン」などを担当。1962年公開のドキュメンタリー映画「世界残酷物語」テーマ曲「モア」が大ヒットを記録してグラミー賞に輝いたほか、1984年のロマンチック・コメディ「黄色いロールス・ロイス」でゴールデン・グローブ歌曲賞を獲得した。マカロニ・ウエスタンは、DVDは出なくてもサントラ盤が発売されるなど、世界的に音楽ファンが多い事で知られているが、マカロニ・ウエスタンのサントラ及びロケ地研究家である久保田芳支氏は、以前から「荒野の死闘」の曲調がリズ・オルトラーニとは違うのではないか……と感じていたという。そんな久保田氏は、インターネットの普及によって多くのマカロニ・ウエスタンのスタッフ達との親交を深めた結果として、ついに真相に辿り着く。「荒野の死闘」における音楽は、当時のタイトル制作会社の誤表記であり、本当の楽曲提供者は「西部悪人伝」「西部決闘史」などを手掛けたマルチェロ・ジョンビーニだったのだ。それにもかかわらず、本作は誤表記のまま各国で劇場公開され、DVDも販売されたのである。
(マカロニウエスタン傑作DVDプロダクションノートより)


マーク・ダモン                     ピエロ・ルリ

【ストリー】
フレッド(アンソニー・ステファン)とジョニー(マーク・ダモン)は2人組の賞金稼ぎ。流れ着いた町で保安官(ピエロ・ルリ)をだまして、ひと儲けを企むが、嘘がばれ牢獄に入れられた。2人はそこで実力者ロジャース(ルイス・インデュニ)と出会う。ロジャースはかつて人を殺して、その妻(マリア・マルティン)と再婚したのだが、その際捨てた赤子に持たせた銃をジョニーが持っていたのだ。銃の出自を尋ねるロジャース。ジョニーは、道で拾ったと言い放つ。「その男は息子だわ」と、確信した妻は、「あの子に何かあったら、私が許さないわよ」と夫に警告する。しかし、付近住民を虐殺して土地を片っ端から自分のものにするロジャースは、2人が邪魔で仕方がない。手下の保安官を使って、殺し屋を雇う。殺し屋は、牧場経営者フォレストを脅し、所有の牧場をロジャースに譲渡する契約書にサインさせると、一家を皆殺し。その足で町に向かう。行方しれずになった保安官に代わり、バッジを付けたフレッドとジョニーは決闘で一味を倒す。直後、フォレスト一家の死体を見つけたジョニーは、愛を感じていたフォレストの娘(ディアニク・ズラゴウスカ)の死に激怒。「誰がやったんだ」と復讐を誓う(だけど、死体を見つける前に結果的に決闘でそいつら殺してるんだって。そこに現れた保安官を2人が追う。銃弾を浴びて死んだフリをして落馬したフレッドは、保安官を捕らえ、互いの服を換えて敵陣まっしぐら。フレッドの服を着せられた保安官は、待ち伏せする悪党どもの一斉射撃を浴び、地獄へ堕ちた。死体を確認して慌てる悪党どもへ、フレッドとジョニーの挟撃が襲う。高台からライフルで2人を狙うロジャース。その背を銃弾が貫いた。妻が「我が子」を守るために夫を射殺したのだ。それを見て、爆笑するフレッド。ジョニーの拳銃は、本当にただ道で拾っただけで、「もったいぶったロジャースの家族や冒頭の殺人劇には何の関係もなかった」のだ。そんな愛憎劇は最初からなかったかのように微笑み合う2人。


「荒野の死闘」ディアニク・ズラゴウスカ

ディアニク・ズラゴウスカ               マリア・マルティン

題名:I MORTI NON SI CONTANO (UN DEN GALGEN,BASTARDO!)
邦題:荒野の死闘
監督:ラファエル・ロメロ・マルチェント
製作:エドゥアルド・ブロチェロ
脚本:マルコ・レトー、ヴィットリオ・サレルノ
撮影:フランコ・デリ・コリ
編集:アントニオ・ギメーノ
音楽:マルチェロ・ジョンビーニ (英語版誤植:リズ・オルトラーニ)
出演:マーク・ダモン、アンソニー・ステファン、ルイス・インデュニ、マリア・マルティン、ディアニク・ズラゴウスカ、ピエロ・ルリ、バルタ・バリー、ホセ・マルコ、ラフ・バルダッサーレ。バルタ・バリー
1968年イタリア/シネスコサイズ・カラー86分35mmフィルム [日本劇場未公開]
マカロニ・ウェスタン傑作映画DVDコレクション 47号 2018年 1/28号 [分冊百科]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

情無用のコルト
荒野の死闘」でのシーン           「情無用のコルト」のラストシーン

本作の町のシーンは、スペインの首都マドリードの北にあるオヨ・デ・マンツァナーレスのオープンセットで撮影された様だ。「ミネソタ無頼(1964年)」 「荒野の用心棒(1964年)」「荒野の棺桶(1966年)」などで撮影されたが、1970年代半ばに取り壊された。

荒野の死闘(UN DEN GALGEN,BASTARDO!)

荒野の死闘(UN DEN GALGEN,BASTARDO!)

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