映画「壁の中の秘事」


藤野博子

今回は若松孝二監督1965年製作「壁の中の秘事」をピックアップする。
本作は若松プロダクション第1回作品であり、第15回ベルリン映画祭正式出品作でもある。当時、日本映画製作者連盟推薦の大映作品(増村保造監督「兵隊やくざ」他1本)が申請するも落選した。本作(ピンク映画)に対し、日本映画界の重鎮という人達が「国辱だ」として怒ったそうだ。今でも日本アカデミー賞などと言う茶番を続けているのだから、未来は暗い。ちなみに、この時のベルリン映画金熊賞は、ジャン=リュック・ゴダール監督「アルファヴィル」であった。

作品リスト

【ストリー】
立ち並ぶ団地群。その冷たく硬いコンクリートに閉ざされた何百もの壁の中には、さまざまな欲望と恩讐が閉じ込められていた。若妻ノブコ(藤野博子)は、学生時代ともに平和闘争を戦った同士ナガイと情事を重ねながら再び壁の外へと出る日を渇望していた。広島で被爆しケロイド傷を持つナガイは、彼女にとって平和の象徴であり外の世界を唯一の確認できる存在だった。向かいの棟に住む浪人生内田(野上正義)は、平凡な両親や奔放な姉アサコ(可能かづ子)を軽蔑しながら予備校へも通わず壁の中に悶々と閉じこもっていた…………。


可能かづ子

題名:壁の中の秘事
監督:若松孝二
企画・製作:若松孝二
脚本:大谷義明(曾根中生、吉沢京夫)
撮影:伊東英男
照明:森久保雪一
録音:福田伸
音楽:西山登
助監督:近藤亮一(梅沢薫)
出演:藤野博子、吉沢京夫、寺島幹夫、可能かづ子、野上正義
1965年日本・若松プロダクション/シネスコサイズ・モノクロ74分35mmフィルム
壁の中の秘事 -DVD-
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壁の中の秘事