映画「嵐を呼ぶ男 スリム」


ディーン・リード                 ピーター・マーテル

今回はパオロ・ビアンチーニ監督1968年製作「嵐を呼ぶ男 スリム(DIO LI CREA…IO LI AMMAZZO!)」をピックアップする。
本作は「脱獄の用心棒(1968年)」「西部の無頼人」のパオロ・ビアンチーニ監督が、ヨーロッパ各国で熱狂的な人気を博していたアイドル歌手ディーン・リードを主役に捉えた日本劇場未公開のマカロニ・ウエスタンだ。

東ドイツで謎の死を遂げたディーン・リード
本作の主演を務めたのは、1938年にコロラド州デンバーで生まれたディーン・リードである。1958年にロサンゼルスで歌手デビューした彼は、3枚目のシングルが南米で大ヒットした事を機に、スペイン語をマスターしてアルゼンチンへ拠点を移動。歌手活動に加え、テレビ番組のレギュラーを持つ司会者としても人気者になったが、リードはやがてベトナム戦争の反対運動の先頭に立つなど、熱心な社会運動家として広く認知されていく。さらに、後にチリ大統領となるマルクス主義者サルバドール・アジェンデを支持し、ソ連ツアーを敢行して大熱狂のファンに迎えられるなど、左傾化したリードは「赤いエルビス・プレスリー」と称されたのである。1966年、国外追放を言い渡された彼はイタリアに渡り、歌手活動と共に俳優として本作を含む数本の映画に出演した。ところが、1970年に”鉄のカーテン”を超えて東ドイツに移住し、歌手、パーソナリティ、俳優として活躍。”共産圏で最も有名なアメリカ人”となったのである。そして1985年、リードはアメリカに一時帰国し、人気テレビ番組で東側での生活やアメリカツアーなどの構想を語ったが、東ドイツへ戻った6週間後、自宅近くの湖で水死体となって発見される。この謎の死については様々な憶測が飛び交ったが、1990年に東ドイツ政府の秘密文書の中から、3番目の妻ブルームとの関係が崩壊したこと。自殺によって東ドイツの印象を悪くしてしまう事への謝罪が記された遺書が発券されたというニュースにより、”自殺という事で一件落着”している。
(マカロニウエスタン傑作DVDプロダクションノートより)


ピエロ・ルリ                                     ディーン・リード

【ストリー】
ある町で銀行が襲われ、行員らが殺害された上、金がすべて奪われる凶悪事件が発生、町の有力者たちによる会議で、賞金稼ぎの殺し屋として名高い”カリフォルニア人”ことスリム・コルベットに事件の捜査を依頼する事が決定した。町を訪れ、高額の報酬で仕事を引き受けたスリムは、関係者たちへ聞き込みを開始。そんな中、「北で不審者が目撃された」という情報をもとに、現場に向かったスリムは、そこで男たちに命を狙われるのだった……….。


ディーン・リード

題名:DIO LI CREA…IO LI AMMAZZO!
邦題:嵐を呼ぶ男 スリム
監督:パオロ・ビアンチーニ
製作:ガブリエレ・クリサンティ
脚本:フェルナンド・ディ・レオ
撮影:セルジオ・ドフィッツィ
編集:チェザーレ・ビアンキーニ
音楽:マルチェロ・ギガンテ 主題歌:ディーン・リード
出演:ディーン・リード、ピーター・マーテル、ピエロ・ルリ、アニエス・スパーク、リンダ・ヴェラス、イヴァノ・スタッチオリ
1968年イタリア/シネスコサイズ・カラー93分35mmフィルム[日本劇場未公開]
マカロニ・ウェスタン傑作映画DVDコレクション 50号 2018年 3/11号 [分冊百科]
2018年3月現在、DVDレンタルはありません。


嵐を呼ぶ男 スリム(DIO LI CREA…IO LI AMMAZZO!)

嵐を呼ぶ男 スリム(DIO LI CREA…IO LI AMMAZZO!)

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