映画「胎児が密漁する時」


「胎児が密漁する時」志摩みはる

山谷初男                                             志摩みはる 

今回は若松孝二監督1966年製作「胎児が密漁する時」をピックアップする。
本作は若松監督が「裏切りの季節」に強い衝撃を受け、この問題作を完成させたそうだ。衝撃的かつ前衛的な内容は国内外で大きな反響を呼び、ベルギーの映画際では反対派と賛成派がスクリーンの前で激しく衝突する騒ぎとなった。”密室劇”である舞台は、当時の若松プロダクション事務所を使ってスタッフ、キャスト全員で泊まり込み5日間で撮影したそうだ。(監督談)

作品リスト

【追記・訃報】
個性派俳優として活躍した山谷初男(やまや・はつお、本名山谷八男)さんが2019年10月31日に、間質性肺炎のため秋田市内の病院で亡くなった。85歳だった。葬儀は近親者で行ったという。高校卒業後に秋田から上京し、1953年に舞台デビュー。その後、寺山修司さんの天井桟敷や蜷川幸雄さん演出の舞台に出演する一方、NHK大河ドラマ「国盗り物語」やNHK連続テレビ小説「いちばん星」などに出演。秋田弁の素朴な役柄や人のいい中年男や老人を数多く演じ、独特の存在感で人気があった。最近もテレビ朝日系ドラマ「やすらぎの郷」にも出演。1994年に故郷角館町に実家の旅館を改築して劇場「はっぽん館」を建設し、ライブ活動も行っていた。(日刊スポーツ)

【ストリー】
デパートの専務という男は、売り場の売り子を自室に連れ込み、秘め事をする・・・はずだったのが、男が豹変する。女性を縛りあげ、監禁する。体中を鞭でうち、女性をひれ伏させ、自分のいいなりにさせようとする。女はなんとかして抵抗するが、結局はあきらめ、ひれ伏するしかなくなる。なぜにそこまで女を支配しようとするのか?そこには男の妻との葛藤があった。子供を産みたいという妻をどうしても受け入れられず、拒否した男は、妻に出て行かれる。まるでわがままな赤ん坊みたいな男の本性。思い通りにならないものを許せず、自分に従い、ひれ伏させるための行動を取るしかない男。
・・・哀れそのもの。自分のいいなりになったかと思う男は、結局は女に反逆される。

題名:胎児が密漁する時
監督:若松孝二
企画・製作:若松孝二
脚本:大谷義明(足立正生)
撮影:伊東英男
照明:磯貝一
美術:加藤衛
録音:目黒スタジオ
音効:福島効果グループ
編集:宮田二三夫
記録:栗田邦夫
音楽:大谷義明
製作主任:宍倉源司
製作進行:今井洋
助監督:足立正生
撮影助手:倉田宏、沖田健
照明助手:高山清治、末吉忠二
スチール:小泉嘉正
現像:目黒スタジオ
出演:山谷初男、志摩みはる、大谷義明(ナレーター)
1966年日本・若松プロダクション/シネスコサイズ・モノクロ72分35mmフィルム
胎児が密漁する時 -DVD-
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胎児が密漁する時