映画「セーラー服と機関銃」


「セーラー服と機関銃」薬師丸ひろ子 ”カイ…カ・ン”※機関銃はM3グリースガン(ハドソン産業製)

薬師丸ひろ子                                        薬師丸ひろ子、渡瀬恒彦

今回は相米慎二監督1981年製作「セーラー服と機関銃」をピックアップする。
本作は主演の薬師丸ひろ子さんが、高等学校2年生だった1981年の夏期休暇に合わせて撮影されたそうだ。ゲリラ(不許可)撮影については、新宿通りを暴走するシーンで本物の暴走族を起用しての一発撮り、ラストで星泉(薬師丸ひろ子)が短い髪型に変わり、赤いハイヒールを履いて「七年目の浮気」のマリリン・モンロー風に地下鉄通風口からの風でスカートをひらめかせるシーンは、伊勢丹新宿店の前(新宿通り)で撮影が行われ、数百メートル離れた新宿東映会館上階から長玉を用いて隠し撮りしたそうだ。製作費は1億5,000万円で配給収入は23億円のヒット作となった。
本作で薬師丸ひろ子さんがセーラー服姿で、敵を機関銃で一掃するというキー・イメージは、1973年に志村正浩監督が製作した「恐怖女子高校 不良悶絶グループ」の池玲子さんがオリジナル・イメージである事は他ならない。


1973年「恐怖女子高校 不良悶絶グループ(志村正浩監督)」池玲子

風祭ゆき                      薬師丸ひろ子

【ストリー】
4人しか子分のいない小さなヤクザ、目高組の親分が跡目は血縁者にと遺言を残して死んだ。その頃、女高生の星泉(薬師丸ひろ子)は、成田空港の前で車に轢かれて死んだ父・貴志と火葬場で最後の別れを惜しんでいた。泉が帰りかけたとき、中年の男が父の遺骨に線香をあげていた。泉の母はずっと昔に亡くなって、これで彼女は本当の一人ぼっちだ。泉がマンションに帰ると、マユミ(風祭ゆき)という女がおり、彼女は「もし自分が死んだら泉をよろしく」という父の手紙を持っていた。フーテンの様な格好のマユミはとても父の愛人には見えない。その日からマユミと一緒に暮す泉。翌日、黒いスーツを着こんだ大勢の男たちが学校の前に並んでいる。泉のとりまき、智生(柳沢慎吾)、哲夫(藤岡竜也)、周平(光石研)が止めるのを無視して、泉は校門に向った。すると、あの火葬場にいた男が歩み出て「星泉さんですね」と言う。佐久間(渡瀬恒彦)というその男に汚ない事務所に連れていかれた泉は、そこで、目高組四代目組長を襲名してほしいと頼まれた。佐久間の話では、親分の遺言通り血縁者を探しあてると、事故死したばかりだった。それが泉の父だ。だから、跡目は血縁者の泉に回ってきたのだ。かたくなに拒否した泉だが彼らの熱意にしぶしぶ承諾してしまう。目高組は佐久間の他に、政(大門正明)、ヒコ(林家しん平)、明(酒井敏也)の三人しかいない小さなヤクザだ。その日から、泉は佐久間に連れられ大組織の組長、浜口(北村和夫)のところへ挨拶に行った。可愛い組長に浜口は驚くと同時に笑いだすが、佐久間は大真面目だ。数日後、泉のマンンョンが何者かに荒されていた。そこへ、黒木(柄本明)と名乗る刑事がやって来た。黒木は「泉の父の死は、麻薬の密輸が絡んでおり、そのために部屋が荒らされたのでは、そして、マユミは札付きの不良娘だ」と話す。父が麻薬を密輸、泉にはとても信じられない。さらに、マユミも姿を消してしまった。その日から数日後、組の事務所の前にヒコの死体が投げだされていた。暫くして、マユミから泉に電話が入り、二人は会った。マユミの父は、“太っちょ”と呼ばれる、浜口(北村和夫)も恐れるヤクザの大親分だと言う。そして、太っちょが動くときは必ず麻薬が絡んでいるそうだ。泉のマンションが再び何者かに荒され、かつての佐久間の弟分、萩原(寺田農)に、ボディガードの明が殺され、彼女は太っちょの所に連れて行かれた。麻薬を渡せと太ょちょに迫られ、泉があわやというときマユミがやって来て、麻薬のありかを教えるから彼女を助けるように話す。娘の願いで泉を解放する太っちょ。そこへ、あの刑事の黒木が現われた。黒木は刑事の特権を利用して麻薬を密輸していたが、あの日、成田の取締官に追われ、麻薬を隣にいた泉の父のバッグに投げこんだのだ。ところが、その父が死んでしまった。一方、愛人だったマユミは麻薬を見つけ、それを水に溶かしローションの瓶に入れてあると話した。早速、黒木はマンションに向った。その夕、佐久間が現われ、泉を連れて逃げだした。後を追おうとする太っちょの前にマユミが立ちはだかり、父を撃った。そこへ、マンションの黒木から電話が入り、浜口組の奴に麻薬を横取りされたと言うと、息絶えた。泉と佐久間は政を連れて浜口の所へ向った。「太っちょを殺ってくれたし、麻薬も手に入った、お礼に目高組のシマを広げてあげよう」と言う浜口の言葉を無視して、泉は、机の上にあるローションの瓶に機関銃をブッ放した。しかし、そのドサクサで政が殺され、佐久間と二人きりになった泉は目高組を解散することにした。佐久間は堅気になると言って故郷に帰った。数日後、警察から泉に死体を確認してほしいと呼び出しがあった。佐久間だった。サラリーマンになって東京に出張に来た佐久間はヤクザ同士の喧嘩を止めに入って殺されてしまったそうだ。泉のマンションには、佐久間のサラリーマンの名刺に書かれた伝言が置いてあった。「出張で東京に来ました。留守なのでブラブラしてまた来ます」と。泉は話すことのない佐久間の唇に自分の唇を重ねるのだった。

【追加・訃報】
故・松田優作さん主演の「蘇える金狼」など多くの名作映画の撮影監督を務めた映画カメラマンの仙元誠三(せんげん・せいぞう)さんが2020年3月1日に死去していたことが5日、分かった。81歳だった。近親者により、密葬は済ませた。1938年、京都府生まれ。1958年に松竹に入社し、1967年にフリー。薬師丸ひろ子主演の映画「セーラー服と機関銃」「探偵物語」や「西部警察」「あぶない刑事」などの人気ドラマも手掛けた。
3/5(木) 18:25スポーツ報知配信


セーラー服と機関銃

題名:セーラー服と機関銃
監督:相米慎二
製作:伊地智啓(キティ・フィルム)、角川春樹、多賀英典
原作:赤川次郎
脚本:田中陽造
撮影:仙元誠三
照明:熊谷秀夫
美術:横尾嘉良
録音:紅谷愃一、信岡実
編集:鈴木晄
記録:正木輝明
音楽:星勝 主題歌:薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」
フィルム:イーストマンコダック
現像:東映化学
制作補佐:山本勉
製作進行:田中雅夫
助監督:森安建雄、黒沢清
スチール:正木輝明、小島由起夫
出演:薬師丸ひろ子、渡瀬恒彦、風祭ゆき、大門正明、寺田農、三國連太郎、林家しん平、酒井敏也、柄本明、北村和夫、佐藤允、柳沢慎吾、藤岡竜也, 光石研
1981年日本・角川春樹事務所+キティ・フィルム/ビスタサイズ・カラー112分35mmフィルム
セーラー服と機関銃 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


薬師丸ひろ子                   セーラー服と機関銃