映画「めまい」


ジェームズ・スチュアート                キム・ノヴァク 

今回はアルフレッド・ヒッチコック監督1958年製作「めまい(VERTIGO)」をピックアップする。
ラストの有名な「床が落ちるような目眩ショット」は逆ズームと言われ、他の多くの映画やCF撮影で使われる事があり、ズームレンズを装着し、ズームバックしながら被写体のサイズを変えずにカメラを前方へ移動(トラックアップ)する手法だ。タイトル映像の刻々と変化する光のパターンは、”CGの父”と呼ばれる実験映像作家のジョン・ホイットニー・シニアが担当している。また本作の原版は、保存状態の悪さのため、非常に傷み色あせていた。これを危惧したジェームズ・C・カッツ、ロバート・A・ハリスらの手によってネガは2年かけて修復され、1996年に再公開された。


バーバラ・ベル・ゲデス

【ストリー】
元刑事のジョン・ファーガスン(ジェームズ・スチュアート)は、屋上で犯人追跡中に同僚を墜死させたことから、高所恐怖症にかかって今は退職していた。商業画家の女友達、ミッジ(バーバラ・ベル・ゲデス)の所だけが、彼の気の安まる場所だった。そんなある日、昔の学校友達ゲビン・エルスターから電話があって、彼はその妻の尾行を依頼された。美しい妻のマドレイヌ(キム・ノヴァク)が、時々、昔狂って自殺した曽祖母のことを口走っては、夢遊病者のように不可解な行動に出るというのだ。しかも、彼女は、まだ自分にそんな曽祖母のあったことは、知らぬ筈だという。翌日から、ジョンの尾行がはじまった。マドレイヌの行動範囲はサンフランシスコ一帯に及んだ。ある時は曽祖母の埋められている墓地に、ある時は曽祖母が昔住んでいたというホテルに、ある時は若かりし頃の曽祖母の画像の飾られている画廊に。しかも、ぼんやりと絵に見いる彼女の、手にもつ花束の型や髪型は画像の曽祖母と同じものなのだ。そしてある日、彼女は海に身を投げた。ジョンは彼女を救って、自宅につれかえり、介抱した。そして、今はもう彼女を愛している自分を知った。彼女は、自分の行動もよく覚えてはいなかった。何事かを恐れるマドレイヌの心理を解きほぐすために、ジョンは彼女を、よく夢に見るというサンフランシスコ南部のスペイン領時代の古い教会にともなった。しかし、突然彼に愛をうちあけながら彼女は、教会の高塔にかけ上り、めまいを起したジョンが階段にたちつくすうちに、身を投げて死んだ。そのショックから、ジョンはサナトリウムに療養する身となった。まだ自分をとりもどすことの出来ぬ彼は、街をさまよっているうちに、ふとジュデイ(キム・ノヴァク)というショップ・ガールに会った。身なり化粧こそげびて俗だったとはいえ彼女の面ざしはマドレイヌに似ていた。ジョンは、いつか彼女の面倒をみてやる身となった。彼は彼女にマドレイヌに似た化粧や身なりを教えた。しかし彼女はそれをいやがった。何故なら彼女こそは、妻を殺すためにジョンの高所恐怖症を利用したゲビンに使われ、ジョンをあざむいて顔かたちの似たマドレイヌになりすましていた女だったのだから。あの時、高塔の上には殺した妻を抱いたゲビンがいた。そして、めまいを起こして高所に上れぬジョンを証人につかって、かけ上ってきたジュデイとタイミングを合わせて妻の死体を塔から投げ下ろし、自殺に見せるというトリックを使ったのだ。サンフランシスコ一帯にジョンを引きまわし、彼と恋におちたマドレイヌとは、実はジュデイその人だったのだ。ある夜、死んだはずのマドレイヌのものだった首飾りをジュデイの胸にみつけたジョンは、彼女をあの教会の白亜の高塔につれていって詰問した。総ては今やはっきりした。しかし、今はジョンを愛するジュデイは、彼への愛を口走りながら、恐怖のために塔から足をふみ外して墜死した。


バーバラ・ベル・ゲデス、ジェームズ・スチュアート

題名:VERTIGO
邦題:めまい
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ピエール・ボワロー
脚本:アレック・コッペル、サム・テイラー
撮影:ロバート・バークス
美術:ハル・ペレイラ、ヘンリー・バムステッド
衣装:エディス・ヘッド
編集:ジョージ・トマシーニ
効果:ジョン・ホイットニー・シニア
題字:ソウル・バス
音楽:バーナード・ハーマン
出演:ジェームズ・スチュアート、キム・ノヴァク、バーバラ・ベル・ゲデス、トム・ヘルモア、ヘンリー・ジョーンズ
1958年アメリカ/ビスタサイズ・テクニカラーカラー128分35mmフィルム
めまい(1958) -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


めまい(VERTIGO)