映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実

2020年3月20日に全国公開された豊島圭介監督2020年製作「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」を4月1日にTOHOシネマズ府中スクリーン2で観て来た。本作は1969年(昭和44年)5月13日に東京大学駒場キャンパス900番教室(現・講堂)で行われた、三島由紀夫と東大全共闘の討論会についてのドキュメンタリーだが、TBS緑山スタジオで新たに発見された当時の16mmリバーサルフィルム(ポジ原版)をスキャンし、現在の生き証人をデジタルシネマカメラで撮ったもとで構成されている。

残念なのは、当時の素材が、後ビンになっていて三島さんがボケて壁にフォーカスが合っているシーンが長かった事だ。これは補正では直らない。カメラマンもフォーカスを合わせ直し、フォーカスが合うカットもあるが、ニュースの現場でフィルモDRやスクーピックを常日頃使っていた方が、ミラーシャッターのエクレール(NPRかACL)に慣れてなかったのか、アンジェニュー・ズームレンズ(Angenux12mm~120mm)のフランジ・バックがズレていたのか、どちらかだろう。

私は、三島由紀夫さんの思想を相入れるつもりはないが、単身東大全共闘に乗り込んで堂々と正面から議論する姿勢は、現在の某首相とは大違いで、人として尊敬する。1年半後、三島由紀夫さんは観念美の世界を貫徹し、割腹自殺を遂げる。当時の私は高校生だった。

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三島由紀夫                     芥正彦、三島由紀夫

【16mmについて】
1969年当時、テレビ局は16mmリバーサルフィルムでニュースやドキュメンタリーを撮っていた。
録音は、ダブル方式(ナグラなどとシンクロさせる)とシングル方式(サウンドトラックに磁気ストライプした撮影フィルムを使用)するものがあり、本作を観てシングル方式で撮られた様に思う。
この方式のメリットは、撮影して現像したら音合わせをする必要がなく、すぐにテレシネに掛けてオンエアー出来る即効性があり、ニュースでよく使われた。またTBSは、旧社屋の地下に”TBS現像”というラボがあり、そこで本作素材も現像されたと推測する。
キャメラはエクレールACLに録音ヘッドの付いたユニットを取付て同時録音を可能にしている。キャノンでもサウンドスクーピックというシングル方式のキャメラを生産していた。
ビデオハンディカメラ(ENG)が出回るまでテレビカメラマンは技術的力量が必要だった。
なぜなら、フィルムは現像が上がるまで映像結果を見る事が出来ないので、十分な経験と知識が必要になるからだ。

【ストリー】
三島由紀夫が衝撃の自死を遂げた前年の1969年5月13日。学生運動が激化していた東京大学駒場キャンパスの900番教室は、1,000名を超える学生が「三島を論破して立ち往生させ、舞台の上で切腹させる」と盛り上がり、異様なテンションが充満していた。一方、三島は警察が申し出た警護も断り、その身一つで敵地へと乗りこんでゆく。討論会は2時間半にも及び、三島由紀夫という天才がその煌めきをまざまざとみせつける。この伝説となった『三島由紀夫VS東大全共闘』の記録を高精細映像にリストアし、元東大全共闘、三島と交流のあった著名人、盾の会メンバー、三島文学を愛する文化人ら13名が証言。討論会の全貌が明らかになる。

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題名:三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
監督:豊島圭介
製作:刀根鉄太、竹内明
撮影:月永雄太
録音:小川武
編集:村上雅樹
音楽:遠藤浩二
NA:東出昌大
助監督:副島正寛
企画プロデュース:平野隆
企画協力:小島英人
共同プロデューサー:星野秀樹、大澤祐樹、岡田有正
アシスタントプロデューサー:吉原裕幸、韮澤享峻、諸井雄一
出演:三島由紀夫、芥正彦、木村修、橋爪大三郎、篠原裕、宮澤章友、原昭弘、清水寛、小川邦雄、瀬戸内寂聴、椎根和、平野啓一郎、内田樹、小熊英二
2020年日本/カラー108分デジタルシネマ
公式サイト

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