映画「大魔神怒る」


本郷功次郎                      藤村志保

今回は三隅研次監督1966年製作「大魔神怒る」をピックアップする。
本作はシリーズ全3作の「大魔神」に続く第2弾である。魔神が湖面を割って出現するシーンの両側の滝の映像素材は、京都鴨川の堤が使われ、出現のカットは窒素ガスの噴出で波立たせている。神の島のスタジオセットは縦22m×横40mという広大なもので、武神像の岩壁は鉄板2,000枚、丸太500本、トラック10数台分の伊豆から運んだ火山岩を用いて作られたそうだ。

【ストリー】
戦国時代のころ。八雲の湖と呼ばれる美しい火口湖の岸に名越という一族と、その本家筋にあたる“千草”の一族が平和な日々を送っていた。湖の真中にある神ノ島には、一族の守護神、武神像がまつられていた。ある日のこと、千草城の若き城主千草十郎(本郷功次郎)は、許嫁である名越の娘早百合(藤村志保)と共に祖先の法要をいとなんでいた。
そして、領内の平和を祈ろうと神ノ島に行った時、武神像の顔が真っ赤になっているのを見た。それは変事の前兆であった。やがて悪政をほしいままにしていた隣国の領主御子柴弾正(神田隆)が千草領に攻め入って来た。十郎は辛くも逃がれたが、弾正は早百合の父兵衛(内田朝雄)を殺し、兄の勝茂(上野山功一)を人質として連れ去った。さらに弾正は、武神像をも粉々に砕いて湖に投げ捨てたが、その時、湖水は真赤に染まり、凄い雷鳴が起った。一方、十郎は傷ついていたが、早百合の看護で、身体も回復し、牢を脱出した勝茂と共に、弾正を討たんものとスキをうかがっていた。しかし、狡猾な弾正の罠にかかって、早百合ともども、捕われてしまった。弾正は、千草領の人々が大切にしている鐘を湖に沈め、十郎や早百合を火あぶりの刑に処そうとした。やがて、薪に火が点けられ、十郎たちの命は風前の灯となった。早百合は、そんな時に、必死となって神に祈るのだった。
その早百合の祈りが通じたのか、突然、大地を揺がす鳴動と共に、猛り狂った武神像が現われた。そして、逃げまどう弾正方の兵を踏み潰し、危ういところで十郎と早百合を助けたのだった。弾正は武神像によって滅ぼされ、その武神像は、一瞬の間に、水滴となって湖に消えていった。そして湖の底からは、再び平和を取り戻した十郎の領地を祝福するかのように、静かな鐘の音が響いてきた。十郎と早百合は手を取り合って、長い間その音に聞き入るのだった。


内田朝雄

題名:大魔神怒る
監督:三隅研次
特撮監督:黒田義之照明:美間博
企画:奥田久司
製作:永田雅一
脚本:吉田哲郎
撮影:森田富士郎 (本編・特撮)
録音:大角正夫
音効:倉嶋暢
美術:内藤昭
技斗:宮内昌平
作画:渡辺義夫
編集:菅沼完二
音楽:伊福部昭
現像:東洋現像所 合成:田中禎造
製作主任:今村喬
助監督:西沢鋭治
撮影助手:田中省三
照明助手:古谷賢次
美術助手:加藤茂
スチール:大谷栄一
出演:本郷功次郎、藤村志保、丸井太郎、内田朝雄、北城寿太郎、藤山浩二、上野山功一、橋本力(スーツアクター)
1966年日本・大映/京都/シネスコサイズ・カラー79分35mmフィルム
大魔神怒る -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「大魔神怒る」