映画「女死刑囚の脱獄」

女死刑囚の脱獄女死刑囚の脱獄
高倉みゆき

今回は中川信夫監督1960年製作「女死刑囚の脱獄」をピックアップする。
「父親殺しの濡れ衣で死刑宣告された京子は、真犯人を探すべく盛岡刑務所を脱走する。」という設定だが、雑居房でのレズビアンを描いているのには驚いた。日本では死刑囚を刑務所の雑居房ではなく拘置所の独居房に収容する事実に対し、設定が無理失理の脚本だが、セットの見事さ、俯瞰のスタイルが良かった。新東宝作品は退屈しなかった。

女死刑囚の脱獄女死刑囚の脱獄

【ストリー】
島製菓の次男明夫(和田桂之助)と娘京子(高倉みゆき)の縁談をすすめていた資産家の今井有通(林寛)は、娘に赤尾荘一(寺島達夫)という恋人がいるときかされて激怒した夜、急逝した。死体からは青酸加里が検出されたが、京子の義理の母美鳥(宮田文子)や義妹の美奈子(三田泰子)の、京子に殺害の動機があるという証言に加え、京子の化粧品の中から青酸加里が出て来たことから、京子の犯行は決定的なものとなった。無罪を主張する京子は尊属殺人罪として死刑の判決をうけ、盛岡の女囚刑務所に送られた。刑務所を訪ねた赤尾は、結婚を断わられた明夫が京子を陥れるために企んだ犯行だと京子に告げた。明夫への報復を決意した京子は、明夫が盛岡支店に転勤になったことを知ると同房の君江(若杉嘉津子)と脱獄を敢行した。しかし島製菓の社員寮に京子が勢い込んで訪ねた明夫は、京子を罠に仕組んだ男ではなかった。京子の無罪を信じる明夫は京子を変装させて、厳重な張込みの中を無事東京につれ帰った。京子の脱獄を知って狼狽する美鳥と美奈子の態度に、訪ねた宮田警部は不審を抱いた。そして脱獄犯人隠避罪をかぶってまでも京子のために奔走する明夫を見て、事件の再調査を始めた。しかしホテルから赤尾にかけた電話から足がついて、京子と明夫(和田桂之助)は捕えられた。赤尾の身を洗い、彼が美鳥と肉体関係のあることを知った警部は、美奈子を連行して美鳥と赤尾の密会現場に向った。美奈子は白状した。京子の恋人だった赤尾と肉体関係のあった美鳥は、実の娘美奈子も赤尾を愛していることを知ると、美奈子をそそのかし、夫の有通を殺害して罪を京子になすりつけて刑務所に送り込み、しかも美奈子の眼を盗んでは赤尾と密会を続けていたのであった。真犯人として赤尾、美鳥、美奈子の三人が逮捕された。無実を証した京子は、一時とはいえ疑念を抱いたことを詫び、明夫と再出発を誓うのだった。

女死刑囚の脱獄女死刑囚の脱獄
和田桂之助、沼田曜一

題名:女死刑囚の脱獄
監督:中川信夫
製作:大蔵貢
企画:津田勝二
脚本:石川義寛
撮影:吉田重業
照明:関川次郎
美術:黒沢治安
録音:泉田正雄
編集:神島帰美
音楽:松村禎三
製作主任:川口倫ニ
助監督:石川義寛
出演:高倉みゆき、寺島達夫、沼田曜一、和田桂之助、三田泰子、林寛、宮田文子、高村洋三、由木城太郎、池月正、菊地双三郎、松方信、高松政雄、泉田洋志、若杉嘉津子、浜野桂子、美谷早百合、津路清子、渡辺高光、杉山弘太郎、広瀬康治、岡竜弘、千曲みどり、朝倉彩子
1960年日本・新東宝/シネスコサイズ・モノクロ78分35mmフィルム

女死刑囚の脱獄女死刑囚の脱獄
宮田文子、寺島達夫