映画「無頼」

無頼無頼
松本利夫                        柳ゆり菜

今回は井筒和幸監督2020年製作「無頼」を1月20日に池袋シネマ・ロサ2で観て来た。本作は16mmフィルムで撮られている事もあり、撮影の宮本良博さんと一緒に行って終映後に意見を聞いた。
内容は、1956年の生い立ちから始まり、63年の第35代米国大統領ジョン・F・ケネディの暗殺、64年の東京オリンピックの金メダルラッシュ、76年のロッキード事件、88年のリクルート事件、90年のバブル崩壊と暴対法施行までを時代背景に、渡世を生き抜いた男の物語であるが、東映任侠映画「仁義なき戦い」シリーズを観て来た者にとって物足りなさは否定できないスケールであった。劇中に「北陸代理戦争(1977年/深作欣二監督)」の1シーンが映画を見ている設定が出て来るあたり、映画愛は感じられた。監督の世間に媚びない制作姿勢は高く評価できるが、事象の羅列だけでは訴求力が弱く感動はなかった。
終映後の居酒屋で、宮本さんと16mm高感度フィルムの粒子と彩度を時代と共に上げて行く手法について話し合った。
本作はDCP仕上げなので、35mmブローアップした時の粗粒子効果は望めない微妙な差異である事、被写界深度が深い16mmで高感度フィルム(ISO500)をディシーンで使用した事、全体のレンズの選択はどうだったのか等々と、話は弾んだ。

無頼無頼
小木茂光

【ストリー】
酒に溺れる父を家から追い出し、日雇いで食いつないでいた井藤正治(中山晨輝)は、1960年に安保闘争のデモに向かう学生をカツアゲして鑑別所に送られたのを機に、社会のあぶれ者として生きていた。東京オリンピックに日本中が沸く1964年、ヤクザと揉めて指を切り落とした正治(松本利夫)は自分も極道となることを決意。1971年に網走刑務所から出所すると、虎の異名を持つ川野組組長(小木茂光)と親子の盃を交わして自分の組を構え、次々と抗争を繰り広げ武闘派として名をとどろかせる。

無頼無頼

題名:無頼
監督:井筒和幸
製作:増田悟司、小木曽仁、湊谷恭史
脚本:佐野宜志、都築直飛
撮影:千足陽一
照明:渡部嘉
録音:白取貢
美術:新田隆之
効果:オダイッセイ
化粧:下田かおり
衣裳:松川伸、越智雅之
編集:山下健治
音楽:細井豊 主題歌:泉谷しげる「春夏秋冬(無頼バージョ)ン」
現像:イマジカ (大阪)
スキャン: ARRISCAN 2K (レスパスビジョン)
撮影機材: ARRIFLEX 16 SR3 Carl Zeiss ULTRA16 Prime Lenses (ナックイメージテクノロジー)
フィルム:イーストマンコダックVISION3 500T(7219)
製作担当:小沼秀剛、 姫田伸也
助監督:齊藤勇起
撮影助手:川野由加里(Bカメ兼チーフ)、畠山航、佃友和、殿村亮、三代郁也
出演:松本利夫、柳ゆり菜、中村達也、木下ほうか、ラサール石井、三上寛、外波山文明、小木茂光、升毅、中山晨輝
2020年日本/ビスタサイズ・カラー146分16mmフィルム
公式サイト

無頼無頼
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