映画「あした来る人」

あした来る人あした来る人
月丘夢路                      三國連太郎

今回は川島雄三監督1955年製作「あした来る人」をピックアップする。
本作は終戦後に日活が製作再開一周年とされた作品で、井上靖氏の原作を映画化したものだ。この60年前に作られた作品は、戦前の軍国主義から敗戦で民主主義に変わったとはいえ、当時の観客には衝撃的な内容だったと思う。「新しき時代の愛情の在り方を訴える文芸巨篇」というコピーの本作だが、今観ても遜色のないテンポは、川島雄三監督ならでわだろう。この時、三國連太郎さんが32歳だった。

作品リスト

【追記・訃報】
本作に主演の月丘夢路さんが2017年5月3日、肺炎のため東京都内の病院で死去(享年95歳)した。広島市出身。月丘さんは宝塚音楽学校へ入学。予科、本科を経て、宝塚大劇場で初舞台を踏み、大映映画「新雪」でデビュー。宝塚退団後、大映、松竹で活躍し、日活映画へ。その間、100本以上の映画に出演し、その後フリーとなった。2014年には「宝塚歌劇の殿堂100人」に選ばれた。

あした来る人あした来る人
山村聰                        三橋達也

【ストリー】
実業家梶大助のホテルへ彼の娘八千代の紹介で、曾根二郎という青年がカジカの研究資金を出して貰うためにやって来た。心よく迎え入れた梶も、決して金を出すとは云わなかった。八千代は夫克平に不満を持っていたが、その夜も遅くなって一匹の小犬をかかえて帰ってきた彼と冷い戦争をはじめ、八千代は大阪の実家へ戻ってしまった。克平は八千代がいなくなってから、相棒の三沢やアルさんとカラコルム山脈征服の計画を実行しようとしていた。ある日例の小犬を見ず知らずの女性が連れているのを見つけた。なつかしさに近寄ると、それは洋裁店に働く杏子だった。八千代は梶に叱られて東京に戻ってきたが、克平の登山計画をなじった。梶の世話を受けていた杏子は、それが克平の義父とも知らず、克平と結婚したい旨打明けた。名前を云わなかったため梶も色々と杏子を励ますのであった。克平は鹿島槍登山に出掛け、直後新聞がその遭難を伝えてきた。早速杏子は遭難現場に急行したが、克平は無事で思わず二人は抱き合った。克平が帰宅したとき曾根が来ていた。その後八千代が余りに曾根をほめるのと、遭難のことに冷淡であったため、克平も感情を害したが、八千代は杏子と彼の仲を知ってのことであった。曾根の取持ちも空しく克平の心も最早八千代にはなかった。その頃杏子は偶然八千代に会い、克平が梶の娘の夫であることを知って悩んだ。克平は遂に山の征服の雄途に乗り出すべく羽田を出発した。結婚のことは最後まで云い出せなかった杏子だった。

あした来る人あした来る人
新珠三千代                新珠三千代、山村聰(小石川植物園)

題名:あした来る人
監督:川島雄三
製作:山本武
原作:井上靖
脚本:菊島隆三
撮影:高村倉太郎
照明:大西美津男
録音:福島信雄
美術:中村公彦
記録:秋山みよ
編集:中村正
音楽:黛敏郎
製作主任:林本博佳
助監督:今村昌平、浦山桐郎
出演:月丘夢路、新珠三千代、山村聰、三國連太郎、三橋達也、小沢昭一、金子信雄
1955年日本・日活/スタンダードサイズ・モノクロ115分35mmフィルム
あした来る人 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

あした来る人あした来る人
三國連太郎                     月丘夢路