映画「カサンドラ・クロス」



ソフィア・ローレン                 リチャード・ハリス

今回はジョルジュ・パン・コスマトス監督1976年製作「カサンドラ・クロス(THE CASSANDRA CROSSING)」をピックアップする。本作は「鉄道員」「「ひまわり」などの名作、ミケ ランジェロ・アントニオーニ監督「砂丘」やジャン=リュック・ゴダール監督「軽蔑」などを手掛けたイタリア映画界の大物プロデューサーであるカルロ・ポンティ氏が手掛けている。
妻は1972年に結婚したソフィア・ローレンだが、2007年1月にスイスで亡くなっている。(没年94歳)


マーティン・シーン、エヴァ・ガードナー         バート・ランカスター

【ストリー】
ジュネーブにあるI・H・O(インターナショナル・ヘルス・オーガニゼーション=国際保健機構)に、3人のスウェーデンの過激派ゲリラが乗り込みアメリカの秘密生物研究セクションを爆破しようとした。しかし、ガードマンと射撃戦になり、一人は射殺され、残る二人は、様々な細菌類が研究開発されている“危険な”部屋に逃げこんだ。そして一人か射たれて倒れた拍子に、薬のビンを割ってしまい、中の液体が飛び散り、無傷の男の方が一人逃走した……。残されたゲリラを診察したスイス人女医エレナ(イングリッド・チューリン)は、割れたビンにアメリカが秘密裡に研究していた伝染性の細菌が入っていたことをつきとめた。緊急事態の発生で、アメリカ陸軍情報部のマッケンジー大佐(バート・ランカスター)が乗り出し、感染して逃げたゲリラが、ストックホルム=ジュネーブ間の大陸縦断列車に乗り込んでいることを、つきとめた。その乗客リストの中に、著名な医師チェンバレン(リチャード・ハリス)の名があるのを見つけたマッケンジーは、無線電話で彼を呼び出し、事件の概略を説明するとともに車内に潜んでいるゲリラを捜させた。そして、千人の乗客を検疫収容させるために、ポイントを切り換え、列車をポーランドのヤノフへ向かわせた。そこには、30年近くも使用されていない“カサンドラ・クロス”と呼ばれる鉄橋がかかっているのだが……。マッケンジーは、ニュールンベルグで、一旦列車を止め警備隊と医療班を乗りこませ、出入口、窓、通気孔を密閉して、車内に酸素を送り込むように命じた。列車は再び発車し、事態を知らされた乗客たちは騒然となったが、すでに感染者か現われ始めた。チェンバレンは感染者を一つのコンパートメントに集めた。チェンバレンの先妻で、作家のジェニファー(ソフィア・ローレン)も、彼の献身的な活躍に協力した。乗客の一人、ユダヤ人のキャプラン(リー・ストラスバーグ)は、“カサンドラ・クロス”が、終戦とともに使用されていないことを、チェンバレンに伝えた。チェンバレンは、マッケンジーに鉄橋前で列車を停止するように交渉したが、マッケンジーは、それを黙殺した。一方、エレナは高濃度酸素によって発病を防止できることを発見、列車を停めるようにマッケンジーに申し出るが、すでに列車の無線機が破壊されてしまっていた。鉄橋が迫ってきた。チェンバレンや乗客の有志たちが、警備隊と対決し、列車と機関車を切りはなす決死の行動に移った。やがて、鉄橋にさしかかり、半分の車輛と一部の乗客だけを残して、谷底に落下していった。マッケンジー大佐は、官制室で、列車の赤ランプか消えたのを確認した後、上司に電話で報告した。「悲劇的な事故が発生しまして、列車の全乗客が死亡しました」……。


イングリッド・チューリン              ライオネル・スタンダー

題名:THE CASSANDRA CROSSING
邦題:カサンドラ・クロス
監督:ジョルジュ・パン・コスマトス
製作:カルロ・ポンティ
製作総指揮:ジャンカルロ・ペティーニ
原案:ロバート・カッツ、ジョルジ・パン・コスマトス
脚本:ジョルジュ・パン・コスマトス、ロバート・カッツ、トム・マンキーウィッツ
撮影:エンニオ・グァルニエリ
衣装:アドリアーナ・ベルセッリ
編集:ロベルト・シルヴィ。フランソワ・ボネット
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
撮影機材:パナビジョン
撮影スタジオ:CINECITTA
現像:テクニカラー
出演:ソフィア・ローレン、リチャード・ハリス、マーティン・シーン、エヴァ・ガードナー、バート・ランカスター、イングリッド・チューリン、ライオネル・スタンダー、O・J・シンプソン、ジョン・フィリップ・ロー、レイモンド・ラヴロック、リー・ストラスバーグ
1976年イタリア・イギリス・西ドイツ/ビスタサイズ・カラー129分35mmフィルム
カサンドラ・クロス -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

カサンドラ・クロス(THE CASSANDRA CROSSING)

カサンドラ・クロス(THE CASSANDRA CROSSING)

映画「冬の光」

冬の光冬の光
グンナール・ビョールンストランド

今回は巨匠イングマル・ベルイマン監督1962年製作「冬の光(WINTER LIGHT/NATTVARDSGASTERNA)」をピックアップする。本作はイングマル・ベルイマン監督の最高傑作と言われ「鏡の中にある如く」に続く「神の沈黙」三部作の第二作になる。現実に生きる人たちの苦しみに対して、宗教の非有効性を問う内容は、作品全体に無常観が漂い”神の不在”を描き出している。池袋の文芸座でベルイマン特集として観た記憶があるが、名作は何年経っても色褪せないと思う作品だ。

作品リスト

冬の光冬の光
イングリッド・チューリン            グンネリ・リンドブロム

【ストリー】
スウェーデンの小さな町の冬の日曜日の朝。古めかしい教会の礼拝堂で、牧師トマス(グンナール・ビョールンストランド)は会衆を前にミサを行っている。風邪をひいて体調は最悪だったが、無事ミサを終えてほっとしていると、漁師の夫妻が相談に乗ってほしいという。妻のカリン(グンネリ・リンドブロム)は、夫のヨナス(マックス・フォン・シドー)が中国も原子爆弾を持つというニュースを新聞で読んで以来口をつぐみ続けるので魂の安らぎを与えてやってほしいという。しかし牧師自身も最愛の妻に先立たれてから失意のどん底にあり漁師の悩みを解決してやれる状態ではなかった。夫妻はもう一度出直してくるといって帰ったが、そこに女教師マルタ(イングリッド・チューリン)が来て、彼のことをあれこれ気づかう。マルタは妻亡きあとの彼の愛人だったがトマスにとってはそんな心づかいもマルタの過剰な自意識とともに辟易しているのが本心だった。だから前日、彼女から届いた手紙も読まずポケットに収めたままだったが、ヨナスを待つ間、それを読み始めた。そこには、二年越しの二人のいきさつが愚痴ともつかず愛の告白ともつかぬまま、くどくどと並べられていて、トマスの焦立ちは深まるばかりだった。再び訪ねて来たヨナスと向きあったが牧師としての自信が揺らいでいる彼は常識以上のことは何もいえずヨナスには何の力にもならなかった。ヨナスはそれから間もなく、激流が音をたてる河辺でピストル自殺で命を絶った。そして、マルタは彼の煮えきらない態度に決断を迫り、ヒステリックな言葉のやりとりの末、トマスとの訣別を知らされる。それから数時間後、隣の教区の礼拝には一人の会衆も見出せぬ教会にそれでも型通りの式を進めていく牧師トマスの姿があった。いや、そこには、たった一人の聴聞者は別れたばかりのマルタだった。

冬の光冬の光

題名:WINTER LIGHT/NATTVARDSGASTERNA
邦題:冬の光
監督:イングマル・ベルイマン
脚本:イングマル・ベルイマン
撮影:スヴェン・ニクヴィスト
美術:P・A・ルンドグレン
音楽:J・S・バッハ
出演:グンナール・ビョールンストランド、イングリッド・チューリン、グンネリ・リンドブロム、マックス・フォン・シドー、アラン・エドワール
1962年スウェーデン/スタンダードサイズ・モノクロ86分35mmフィルム
冬の光 <HDリマスター版> 【DVD】
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冬の光冬の光

映画「野いちご」

野いちご野いちご
ヴィクトル・シェーストレム

今回はイングマル・ベルイマン監督1957年製作「野いちご(SMULTRON-STALLET/WILD STRAWBERRIES)」をピックアップする。本作はジャン=リュック・ゴダール監督に「誰よりもオリジナリティがある映画作家」と絶賛され、イングマル・ベルイマン監督の代表作として高く評価された名作である。主人公の老教授役に、スウェーデン映画界、サイレンと時代の巨匠ヴィクトル・シェストレム監督を起用した。撮影時には多くの困難があったものの、映画の完成後シェストレムの演技は公開と同時に全世界で批評家の絶賛を浴びたそうだ。

作品リスト

野いちご野いちご
イングリッド・チューリン

【ストリー】
私(ヴィクトル・シェーストレム)は76歳の医師、他人との交渉を好まず、もっぱら書斎にひきこもっている。6月1日、私を襲った数々の出来事と夢と思索とは、自を裏切ってきた惨めな人生を思い知らせるものであった。その日、私は50年にわたる医学への献身によって、名誉博士の称号をうける式典に出席することになっていた。息子エヴァルドの妻、マリアンヌ(イングリッド・チューリン)が同乗して車はルンドへ向う。
思いついて青年時代を過した邸に立ち寄った。草むらの野いちごは、たちまちありし日の情景をよみがえらせた。
野いちごを摘む可憐なサーラ(ビビ・アンデショーン)は私のフィアンセだった。だが、大胆な私の弟がサーラを奪った。傷ついた私の心は未だに癒えない。ここから三人の無銭旅行者を乗せた。若い彼等の溢れんばかりの天衣無縫さに接して、私はいまさらのように無為に過ごした年月が悔まれた。曲り角で、すれ違う車とあやうく衝突しかけて、相手の車は転覆した。乗っていた二人を同乗させたが、彼らはみじめな夫婦だった。あたり構わず口論し、互にさげすみ、しまいには叩き合った。マリアンヌは二人を降ろした。廻り道をして、私は96歳の老母を訪ねた。彼女は他人にも自分にも厳しく、親族は誰も寄りつこうとしない。死さえも彼女をさけているようだ。車中、またしても私はまどろんだ。暗い森の中に連れて行かれた私は、妻カリンと愛人の密会を見た。それは私がかつて目撃した光景そのままであった。めざめた私は、妻の告白をきいて以来死を生きていることに気付いた。マリアンヌは、エヴァルトも死を望んでいるのだと話した。
車はルンドに着き、ファンファーレと鐘の音に包まれて式典は荘重に行われた。エヴァルトの家にくつろいだ私は、いつになく暖い感情にひたっていた。ベッドに横たわるとまたしても夢の世界に入っていた。
野いちごの森からサーラが現れて私を入江に連れて行った。父は静かに釣糸をたれ、傍では母が本を開いていた。彼の心境をそのままにすべては安らかであった。

野いちご野いちご
ビビ・アンデショーン

題名:SMULTRON-STALLET/WILD STRAWBERRIES
邦題:野いちご
監督:イングマル・ベルイマン
脚本:イングマル・ベルイマン
撮影:グンナール・フィッシェル
美術:Gittan Gustafsson
衣装:Millie Strom
音楽:エリク・ノルドグレン
出演:ヴィクトル・シューストレム、イングリッド・チューリン、グンナール・ビョルンストランド、ビビ・アンデショーン
映画賞:1958年ヴェネチア国際映画祭【イタリア批評家賞】イングマール・ベルイマン1958年ベルリン国際映画祭【金熊賞イングマール・ベルイマン1959年ゴールデン・グローブ【外国映画賞】
1957年スウェーデン/スタンダードサイズ・モノクロ91分35mmフィルム
野いちご [DVD]
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野いちご野いちご