映画「夜の大捜査線」


シドニー・ポワチエ                   ロッド・スタイガー

今回はノーマン・ジュイソン監督1967年製作「夜の大捜査線(IN THE HEAT OF THE NIGHT)」をピックアップする。1960年代当時、ここまでリアルにアメリカ南部の人種差別問題を背景として描いた作品は、本作をおいてない。サスペンス・ドラマとしても傑作で、撮影は巨匠ハスケル・ウェクス氏だ。「マイ・シネマトグラファー」というドキュメンタリーを参照すると興味深い。


リー・グラント              シドニー・ポワチエ、ロッド・スタイガー

【ストリー】
ミシシッピーの田舎町スパルタの夜はうだるような熱さだった。警官サム(ウォーレン・オーツ)は深夜のパトロール中、町の実業家が殺害されているのを発見した。サムからの連絡をうけた署長のビル・ギレスピー(ロッド・スタイガー)は早速行動を開始した。気負いたったサムは駅で列車をまっていた黒人をいきなり容疑者として逮捕した。ところがその黒人はバージル・ティッブス(シドニー・ポワチエ)というフィラデルフィア警察の殺人課の優秀な刑事で、休暇で帰っていたのだった。初めて殺人事件を扱うギレスピーはベテランのティッブスの協力を頼みたいと思ったが、人種偏見の強い土地柄、どうしても頭をさげることができなかった。だが殺人犯として逮捕された不良少年が犯人ではないと断定したティッブスの見事な論理にカブトを脱いだギレスピーは渋々と助力を頼みこんだ。絶えず衝突し、感情を抑えながらもティッブスとギレスピーは捜査を続けた。だが白人が黒人に調べられるという屈辱に町民は怒り、捜査は困難をきわめ、ティッブスは生命さえ危険になっていった。これ以上のトラブルをおそれたギレスピーは捜査をうち切るようにとティッブスに勧告したが、ティッブスは聞きいれなかった。そして、実業家は他所で殺されて発見された場所まで車で運ばれたと推理したティッブスは、事件のあった夜、車の中で不良少女と情事にふけっていた食堂のボーイを犯人と断定した。ティッブスの推理は正しかった。ボーイは少女の堕胎費をえるために殺人をおかしたのだった。感情的な対立に苦しみながら、こうして事件は終わった。フィラデルフィアへ帰るティッブスをギレスピーは駅頭に送り、黙したままトランクを持ってやった。無骨なギレスピーの、これが唯一の感謝のしるしだった。

題名:IN THE HEAT OF THE NIGHT
邦題:夜の大捜査線
監督:ノーマン・ジュイソン
製作:ウォルター・ミリッシュ
原作:ジョン・ボール
脚本:スティーリング・シリファント
撮影:ハスケル・ウェクスラー
美術:ロバート・プリーストリー
録音:サミュエル・ゴールドウィン
配役:リン・スタルマスター
編集:ハル・アシュビー
音楽:クインシー・ジョーンズ 歌:レイ・チャールズ
現像:デラックスカラー
出演:シドニー・ポワチエ、ロッド・スタイガー、ウォーレン・オーツ、リー・グラント、ジェームズ・パターソン、クエンティン・ディーン、ラリー・ゲイツ、ウィリアム・シャラート、ベア・リチャーズ、スコット・ウィルソン
1968年第40回アカデミー賞作品賞、主演男優賞(ロッド・スタイガー)、脚色賞(スターリング・シリファント)、音響賞(サミュエル・ゴールドウィン、撮影所サウンド部)、編集賞(ハル・アシュビー)を受賞。
1967年アメリカ/ビスタサイズ・カラー109分35mmフィルム
夜の大捜査線 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


シドニー・ポワチエ、ロッド・スタイガー           シドニー・ポワチエ

映画「手錠のままの脱獄」


「手錠のままの脱獄(THE DEFIANT ONES)」シドニー・ポワチエ、トニー・カーティス

トニー・カーティス、シドニー・ポワチエ              カーラ・ウィリアムス

今回はスタンリー・クレイマー監督1958年製作「手錠のままの脱獄(THE DEFIANT ONES)」をピックアップする。
本作は、手を鎖に繋がれたままの白人と黒人の脱走犯が逃避行をする。人種偏見を提起する形で両者の憎悪があり、鎖が人間性の目覚めとして、両者の絶望的な友情へと導く。脚本と構成がすこぶる優秀で素晴らしい作品である。ロケーション撮影は、南カリフォルニアで悪天候を選んで行われたそうだ。製作当時のアメリカは公民権運動の最中であり、法的には1964年に公民権法が成立する。その意味でも凄い作品である。


「手錠のままの脱獄(THE DEFIANT ONES)」カーラ・ウィリアムス

「手錠のままの脱獄(THE DEFIANT ONES)」

ロン・チャニー、シドニー・ポワチエ、トニー・カーティス       チャールズ・マッグロー

【ストリー】
豪雨のハイウェイで1台の囚人護送車がハンドルを切り損ない崖から転落した。死者はなかったが白人のジャクソン(トニー・カーティス)と黒人のカレン(シドニー・ポワチエ)の2囚人が脱走した。2人は互いに手首と手首を4フィートの鎖でつながれていたが、心は双方とも相手に対する人種的偏見と憎悪で固まっていた。時をおかずギボンス警部(チャールズ・マッグロー)の率いる武装警官隊とルー・ガンス(ウィット・ビッセル)を隊長とする民間人徴集隊が協同で捜索をはじめた。獰猛なドーベルマン2頭を含む警察犬も動員され雨中の山狩りがはじまる。指揮官には治安官のミュラー(セオドア・バイケル)が当たった。2人の囚人は増水した谷河を渡り、崩れ易い陶土採掘坑に身をひそめ、沼地で食用ガエルをとり、必死の逃走をつづけた。鎖で繋がれた2人は心ならずも協力しなければならなかったが、互いの憎悪はつのる一方だった。食物を求めて、夜更けにある集落の店に2人は忍び入ったが、誤って足を滑らしたジャクスンは手錠で手首を切り、カレンも共に床に転落して、物音により村人たちに捕らえられた。男たちは2人にリンチを加えようとしたが、危うく、長い獄中生活をしたらしい手錠のあとのある大男サム(ロン・チャニー)に救われた。なおもあてのない道を進む2人の不安と焦りは爆発して、なぐり合いとなった。この時、2人の鼻先に22口径のライフルがつきつけられた。何とそれは10歳位の男の子だった。カレンは銃を奪うと子供の家に向かった。母親(カーラ・ウィリアムス)は2人に食物を与え、タガネと金槌を出して鎖を切った。ジャクソンは手首の傷から発熱して倒れた。半年前から夫に捨てられ、2人で暮らしてきたという女は、翌朝、熱の下がったジャクソンに連れて逃げてくれと頼んだ。そして、北に逃げたいというカレンに沼地を抜ける近道を教えた。しかし、カレンが発った後、それが流砂に埋まる死の道だと知ったジャクソンは、女を振り切って憎みきっている筈の黒人のあとを追って行き、カレンを助けた。しかしその時少年の撃ったライフルの弾丸がジャクソンの胸を貫いていた。追手は銃声で迫ってき、警察犬の吠え声がする。鉄道線路にたどりついて2人は、通過する列車にとびついた。しかし、先にはい上がってのばしたカレンの手をジャクソンが掴みながらも、力つきた2人は車外に転落した。捜索隊が追いついた時、虫の息ながら微笑みするジャクソンを膝に、黒人のカレンは静かに民謡を口ずさんでいた。


セオドア・バイケル              「手錠のままの脱獄(THE DEFIANT ONES)」

題名:THE DEFIANT ONES
邦題:手錠のままの脱獄
監督:スタンリー・クレイマー
製作:スタンリー・クレイマー
脚本:ネイサン・E・ダグラス、ハロルド・ジェイコブ・スミス
撮影:サム・リーヴィット
録音:ウォルター・エリオット
美術:フェルナンド・キャリー
装飾:ジョセフ・キッシュ
特撮:アレックス・ウェルドン
編集:フレデリック・ナドソン
音楽:アーネスト・ゴールド
出演:トニー・カーティス、シドニー・ポワチエ、カーラ・ウィリアムス、セオドア・バイケル、ロン・チャニー、チャールズ・マッグロー
ベルリン映画祭男優賞受賞(シドニー・ポワチエ)
1958年アメリカ/ビスタサイズ・モノクロ97分35mmフィルム
手錠のままの脱獄 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「手錠のままの脱獄(THE DEFIANT ONES)」

映画「ジャッカル」

ジャッカルジャッカル
ダイアン・ヴェノーラ、シドニー・ポワチエ     ブルース・ウィリス

今回はマイケル・ケイトン・ジョーンズ監督1997年製作「ジャッカル(THE JACKAL)」高評価作品sを ピックアップする。
本作はフレッド・ジンネマン監督1973年製作「ジャッカルの日(THE DAY OF THE JACKAL)」のリメイクだが共通点は少ない内容になっている。撮影監督は「インデペンデンス・デイ(INDEPENDENCE DAY/ローランド・エメリッヒ監督1996年)」を担当したカール・ウォルター・リンデンローブ氏。

ジャッカルジャッカル
ダイアン・ヴェノーラ               リチャード・ギア

元々の原作はフレデリック・フォーサイス著「THE DAY OF THE JACKAL(1971年)」
1960年代始めのフランスでシャルル・ド・ゴール大統領暗殺を企てるテロリストグループが接触したプロフェッショナル暗殺者=JACKALについての内 容だったが、ロシアのチェチェン・マフィアのボスが報復としてJACKALにアメリカ要人の暗殺を依頼する現代的な内容に変更されている。
出演者が凄い!名優シドニー・ポワチエ、ブルース・ウィリス、リチャード・ギア、ダイアン・ヴェノーラと安定した演技に安心して観れる作品だった。

ジャッカルジャッカル
シドニー・ポワチエ                ブルース・ウィリス

【ストリー】
正体不明の超大物暗殺者ジャッカル(ブルース・ウィリス)は、チェチェン・マフィアの首領テレク(デイヴィッド・ハイマン)から彼の弟を殺した米国の情報機関の要人暗殺を依頼される。ジャッカルにとっても相手が巨大なだけに最後の仕事となるため、報酬は7千万ドル。この情報をつかんだ、テレクの組織壊滅を図るFBI副長官プレストン(シドニー・ポワチエ)とMVD[ロシア情報局]のコスロヴァ少佐(ダイアン・ヴェ ノーラ)以下のチームはジャッカルの足取りを追うが、相手は神出鬼没。チームは彼の行動を予測し、狩り出せる数少ない人間として、元IRA幹部で超一流の テロリスト、デクラン・マルクィーン(リチャード・ギア)を起用。彼は仮釈放とジャッカルの素顔を知る元バスク祖国と自由の闘士イザベラ・ザンコーナ(マチルダ・メイ)を協力者にすることを条件に捜査に加わる。実はかつてイザベラと恋仲だったデクランは、武器売買のトラブルからふたりの間の子供をジャッカルに殺されたという因縁があった。さて、ジャッカルは、遠 隔操作が可能な超強力な究極兵器を手中にカナダ経由で米国へ潜入。デクランはジャッカルに迫るが、FBIの内部情報まで把握するジャッカルはコスロヴァら を殺し、デクランに「お前は女を守れない男だ」と謎のメッセージを残す。その言葉からジャッカルの標的が大統領夫人(テス・ハーパー)であると知ったデクランは、先回りして遊説先の会場でジャッカルを待ち受ける。はたして ジャッカルの究極兵器が演壇を襲うが、夫人は間一髪で無事。かくしてデクランはジャッカルを追い詰め、苦闘の末彼を倒すのだった。

ジャッカルジャッカル

題名:THE JACKAL
邦題:ジャッカル
監督:マイケル・ケイトン・ジョーンズ
製作:ジェームズ・ジャックス、ショーン・ダニエル、マイケル・ケイトン・ジョーンズ、ケヴィン・ジャール
脚本:チャック・ファーラー
撮影:カール・ウォルター・リンデンローブ
美術:マイケル・ホワイト
衣裳:アルバート・ウォルスキー
編集:ジム・クラーク
音楽:カーター・バーウェル
現像:テクニカラー
撮影機材:パナビジョン
出演:ブルース・ウィリス、リチャード・ギア、シドニー・ポワチエ、ダイアン・ヴェノーラ、マチルダ・メイ、J・K・シモンズ、スティーヴン・スピネラ
1997年アメリカ/シネスコサイズ・イーストマンカラー124分35mmフィルム
ジャッカル デラックス版 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

ジャッカルジャッカル