映画「イヴの総て」


ベティ・デイヴィス                        アン・バクスター

今回はジョセフ・L・マンキーウィッツ監督1950年製作「イヴの総て(ALL ABOUT EVE)」をピックアップする。
本作は第22回アカデミー賞において、作品賞以下6つのオスカーを獲得した作品で、20世紀フォックスの総帥ダリル・F・ザナック氏がプロデュースし、ブロードウェイ出身俳優を中心に、ブロードウェイ演劇界の内幕を描いている。
長尺ながら芝居が上手いので、引き込まれる映画だった。


セレステ・ホルム、ベティ・デイヴィス     セレステ・ホルム、ヒュー・マーロウ、ベティ・デイヴィス

【ストリー】
アメリカ劇界最高の栄誉であるセイラ・シドンス賞が、新進女優イヴ・ハリントン(アン・バクスター)に与えられた。満場の拍手のうち、イヴの本当の姿を知る数人の人達だけは、複雑な表情で彼女の受賞を見守るのだった。8ケ月前、劇作家ロイド・リチャアズ(ヒュー・マーロウ)の妻カレン(セレステ・ホルム)は、毎夜劇場の楽屋口で大女優マーゴ・チャニング(ベティ・デイヴィス)に憧れの目を向けている田舎娘イヴを知り、マーゴに紹介した。その哀れな身上話はひどくマーゴを感動させ、イヴはマーゴのアパートに住込んで秘書の役をすることになった。目から鼻へ抜けるようなイヴの利発さに、マーゴは愛情とともに次第に警戒心を抱きはじめたが、たまたまマーゴの家でのパーティーの夜、ハリウッドの仕事から帰って来たマーゴの恋人、演出家のビル(ゲイリー・メリル)に対するイヴの厚かましい態度は、マーゴをすっかり怒らせてしまった。この夜カレンにとりいってマーゴのアンダア・スタディに推薦してもらったイヴは、マーゴの知らぬうちに批評家アディスン(ジョージ・サンダース)に真価を認められるに至った。マーゴはビルやロイドに当り散らし、その横暴さはカレンまで立腹させた。カレンはマーゴをこらしめるため自動車旅行の途中わざと車のガソリンを抜いてマーゴを欠勤させ、イヴを舞台に立たせた。処女出演は大成功で、アディスンは殊更マーゴの老齢を当てこすってイヴへの賛辞を書きたてた。この記事でカレンも態度をひるがえしかけたところ、ビルに言い寄って失敗したイヴは逆にガソリン事件を種にカレンを脅迫し、ロイドのマーゴ用脚本をせしめた上、彼を籠絡した。しかしロイドと結婚してブロードウェイを征服しようとしたイヴは、過去の偽りにみちた正体と汚ないヤリ口の証拠をすべてアディスンが握っていることを知った。かくてイヴは、1枚上手のアディスンにあやつられたまま、ほかの人々を踏台にして、栄誉の席についたのだった。受賞の夜、アパートに帰ったイヴは、フィービー(バーバラ・ベイツ)という演劇志望の少女が部屋に座りこんで、こまごまと彼女の用を足すのをみた。イヴが寝室に入った後この少女は、イヴの衣裳をつけて鏡の前に立ち、丁度8ケ月前にイヴがマーゴの衣裳でしたと同じように、自らの姿に法悦を感じていた。


ジョージ・サンダース、マリリン・モンロー     ベティ・デイヴィス、マリリン・モンロー、ジョージ・サンダース

アン・バクスター                          アン・バクスター

題名:ALL ABOUT EVE
邦題:イヴの総て
監督:ジョセフ・L・マンキーウィッツ
製作:ダリル・F・ザナック
脚本:ジョセフ・L・マンキーウィッツ
撮影:ミルトン・クラスナー
録音:W・D・フリック、ロジャー・ヒーマン
美術:ライル・ウィーラー、ジョージ・W・デイヴィス
衣装:チャールズ・ル・メア、エディス・ヘッド
編集:バーバラ・マクリーン
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:ベティ・デイヴィス、アン・バクスター、ジョージ・サンダース、マリリン・モンロー、セレステ・ホルム、ゲイリー・メリル、バーバラ・ベイツ
第22回アカデミー賞作品賞、助演男優賞、監督賞、脚本賞、衣裳デザイン賞、録音賞受賞。
1950年アメリカ/スタンダードサイズ・モノクロ138分35mmフィルム
イヴの総て -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「イヴの総て(ALL ABOUT EVE)」バーバラ・ベイツ

映画「さらばベルリンの灯」


ジョージ・シーガル                     センタ・バーガー

今回はマイケル・アンダーソン監督1966年製作「さらばベルリンの灯(THE QUILLER MEMORANDUM)」をピックアップする。本作は、拳銃も所持せず派手なアクションもしない、地道な調査活動を続けるイギリス諜報部員とネオ・ナチの闘いを描いたものだ。007シリーズの様な娯楽性はないが、心理描写が緻密な構成であると思う。


マックス・フォン・シドー

【ストリー】
第2次大戦後、ドイツ国内にクーデターを起こそうとするネオ・ナチの動きが活発化していた。その主導者はオクトーバー(マックス・フォン・シドー)という男であった。そんなある日ベルリンで、イギリスの諜報部員のひとりが、ネオ・ナチのため暗殺された。彼の後任として、クィラー(ジョージ・シーガル)が中東から転任してきた。勿論ネオ・ナチの本拠をつきとめるのが任務であつた。彼は古参の諜報部員ポル(アレックス・ギネス)からそれまでの経過を知らされると、さらに詳しい情報を得るために、ある日記者と名乗ってベルリン郊外のある学校を訪れた。彼はその時ネオ・ナチに関する情報は得られなかったが、美人教師インゲ(センタ・バーガー)を知ったのである。幾度か会うようになったふたりの友情は激しい恋に燃えあがっていった。しかしクィラーはある日、ネオ・ナチの一味に誘拐され、厳しい訊問を受けた。だが決してイギリス諜報部のベルリン所在地を明かしはしなかった。そこで頭目のオクトーバー(マックス・フォン・シドー)はクィラーの後をつけさせた。簡単に彼らをまいたクィラーは翌日諜報本部に、ネオ・ナチの陰謀を伝え、単身その本拠に乗り込ませてくれと頼んだ。承認を得た彼はインゲの協力を得てネオ・ナチの本拠を知っているという男に会うことが出来た。その男はインゲの勤める学校の校長だった。クィラーはインゲを連れ、校長の手引きで本拠に乗り込んだ。そこは戦争中ナチの高官連が住んでいた豪華な邸であった。ところが彼らの行動に気づいたオクトーバーはインゲを人質にし、彼女の生命とひきかえに、諜報部の所在地を言えと攻めたて、退去を命じた。邸を出たクィラーはふと自分の車にしかけられた爆弾に気づき、うまく調節し爆発させた。彼の死を信じて安心するオクトーバーが逮捕されたのは、それから間もなくのことである。


センタ・バーガー、マックス・フォン・シドー

題名:THE QUILLER MEMORANDUM
邦題:さらばベルリンの灯
監督:マイケル・アンダーソン
製作:アイバン・フォックスウェル
原作:アダム・ホール(エルストン・トレヴァー)「不死鳥を倒せ」
脚本:ハロルド・ピンター
撮影:アーウィン・ヒリヤー
編集:フレデリック・ウィルソン
音楽:ジョン・バリー
撮影機材:パナビジョン
現像:デラックスカラー
出演:ジョージ・シーガル、センタ・バーガー、アレック・ギネス、マックス・フォン・シドー、ジョージ・サンダース、ギュンター・メイスナー、エディス・シュナイダー、ピーター・カーステン
1966年イギリス/シネスコサイズ・カラー105分35mmフィルム
さらばベルリンの灯 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


ジョージ・シーガル        さらばベルリンの灯(THE QUILLER MEMORANDUM)

映画「海外特派員」


ジョエル・マクリー                     ラレイン・デイ

今回は巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督1940年製作「海外特派員(FOREIGN CORRESPONDENT)」をピックアップする。
本作は、ミステリーの基本である”謎解き”や”どんでん返し”、要所で入るアクションシーン、様々なサスペンス的要素が盛り込まれ、第二次大戦直前の時代背景に展開されてゆく濃密な世界は、サスペンスの傑作であり、多くのミステリー映画の手本となった作品である。特に大陸横断旅客機の撃墜後、乗客たちが漂流するシーンは、スクリーンプロセスとスタジオ・プールで撮影したものだが、1940年にこの完成度が高い映像を仕上げている事に感動した。


ジョージ・サンダース

【ストリー】
1938年のある日、ニューヨーク・モーニング・グローブ紙の社長は、不穏なヨーロッパ情勢を取材する特派員として、最も威勢のいい記者ジョン・ジョーンズ(ジョエル・マクリー)を指名した。社長室に呼ばれたジョーンズは、そこでヨーロッパでの平和運動の大立者フィッシャー(ハーバート・マーシャル)と知りあった。やがてジョーンズは、ロンドンへ向かった。彼を迎えた前任者ステビンス(ロバート・ベンチリー)は既に記者魂を失った男だった。間もなくフィッシャーもロンドンに到着し、戦争防止の立役者オランダの元老政治家ヴァン・メア(アルバート・パッサーマン)の歓迎パーティを開き、ジョーンズは、そこでフィッシャーの美しい娘キャロル(ラレイン・デイ)と知りあった。アムステルダムで平和会議が開かれることになり、雨が激しく降りつける中、ジョーンズも取材のために出かけたが、彼の目前でヴァン・メアがカメラマンを装った男に拳銃で撃たれた。傘の間をぬって逃げた犯人は、待たせてあった車に乗り込んだ。ジョーンズは追跡すべく通りがかりの車に無理矢理乗り込んだが、その車には新聞記者フォリオット(ジョージ・サンダース)とキャロルが乗っていた。激しい追跡の末、3人の乗る車は風車の点在する田園地帯で停まった。ジョーンズは風車の1つが奇妙な動きをしているのに気づき、単身、小屋へ忍び込むが、そこには数人の不審な男たちと、先ほど撃たれたばかりのヴァン・メアがいた。彼はナチスのスパイに誘拐されていて、先の殺人は替え玉を使ったトリックだったのだ。やっとのことで、小屋から逃げだしたジョーンズは警官を連れて戻って来るが、すでに痕跡は全て消され、キャロルにも信用を無くしてしまった。ホテルに戻ったジョーンズを2人の警察官を装った男が訪ねた。危険を感じた彼は、窓づたいにキャロルの部屋に入り、彼女に事情を話して協力を得、船でロンドンに帰った。ところが、ジョーンズがキャロルを送ってフィッシャーの家へ行くと、あの風車小屋にいた男の1人がフィッシャーと談笑していたのである。フィッシャーはジョーンズにその男は情報を集めてくれる男だと釈明し、ジョーンズが真相を知りすぎて危険だからと言って、護衛として私立探偵をつけてくれた。しかし、この男は教会塔からジョーンズを突き落とそうとして、誤って自ら墜落してしまった。この事件でジョーンズは、フィッシャーが平和主義者の仮面の裏で、キャロルにも内緒でナチに協力し、しかもヴァン・メア誘拐の張本人であることを知った。ジョーンズはフォリオットと協力してヴァン・メアの居所をつきとめ、救出に成功した。おりから、ヨーロッパでは風雲急をつげ、開戦の号外がとびかっていた。ジョーンズがアメリカへ帰国する飛行機にフィッシャー父娘も乗りあわせていた。フィッシャーは機内で、アメリカに着くと同時に逮捕されることを知り、キャロルに、ドイツ人を父に持つ自分が祖国のためと信じ、ナチスに加担していたことを告げた。その時、ドイツ軍艦の攻撃で、飛行機は洋上に不時着し、その混乱の中でフィッシャーは自殺した。やがてジョーンズ、キャロルたちはアメリカ軍に救助された。そしてジョーンズは、この事件を伏せようとするアメリカ軍を巧みにゴマカし本社へ連絡し、特ダネをものにした。やがて、ロンドンが空襲をうける頃、ラジオ局で、ジョーンズとキャロルがアメリカ向けの放送で、雄弁に呼びかける姿が見られた。

題名:FOREIGN CORRESPONDENT
邦題:海外特派員
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:ウォルター・ウェンジャー
脚本:チャールズ・ベネット、ジョーン・ハリソン 台詞:ジェイムズ・ヒルトン、ロバート・ベンチュリー
撮影:ルドルフ・マテ
録音:トーマス・T・モールトン
美術:アレクサンダー・ゴリッツェン
編集:オットー・ラヴァーリング、ドロシー・スペンサー
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:ジョエル・マクリー、ラレイン・デイ、ハーバート・マーシャル、ジョージ・サンダース、アルバート・パッサーマン、ロバート・ベンチリー
1940年アメリカ/スタンダードサイズ・モノクロ120分35mmフィルム
海外特派員 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


海外特派員(FOREIGN CORRESPONDENT)

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