映画「パリ、テキサス」


パリ、テキサス(PARIS, TEXAS)
パリ、テキサスパリ、テキサス
ナスターシャ・キンスキー                                   ハリー・ディーン・スタントン

今回はヴィム・ヴェンダース監督1984年製作「パリ、テキサス(PARIS, TEXAS)」高評価作品sをピックアップする。
本作は80年代ロードムービーの金字塔と言われる名作で、テキサスに存在するという地”パリ”を探して放浪の旅に出たトラヴィスが、再会を果たした元妻との愛の告白は、映画史上最も美しく悲しいシーンだ。このシーンだけで「男と女の愛とは何か」を描ききっていると言えよう。それは、男女の愛、すれ違い、距離感、愛の幻影を見事に象徴している。ストーリー、音楽、キャスティング、撮影が、静寂の魅力と哀しみの美学で貫かれた凄い映画、凄い監督の傑作だ。原作は、俳優・劇作家で知られるサム・シェパードの著作「モーテル・クロニクルズ」音楽は、ライ・クーダーが担当している。

作品リスト

【追記・訃報】
本作及び「レポマン」「ツイン・ピークス」などに出演の俳優、ハリー・ディーン・スタントン氏が2017年9月15日に米ロサンゼルスの病院にて91歳で亡くなりました。謹んでお悔やみ申し上げます。

パリ、テキサスパリ、テキサス
ディーン・ストックウェル                                          オーロール・クレマン

【ストリー】
テキサスの原野。一人の男(ハリー・ディーン・スタントン)が思いつめたように歩いている。彼はガソリン・スタンドに入り、水を飲むと、そのまま倒れた。病院にかつぎこまれた彼は、身分証明もなく、医者(ベルンハルト・ヴィッキ)は一枚の名刺から男の弟ウォルト(ディーン・ストックウェル)に電話することができた。男はトラヴィスといい、4年前に失踪したままになっていたのだ。病院から逃げ出したトラヴィスをウォルトが追うが、トラヴィスは記憶を喪失している様子だった。トラヴィスは口をきかず飛行機に乗ることも拒む。車の中でウォルトは、さりげなく、妻ジェーン(ナスターシャ・キンスキー)のこと、ウォルトと妻のアンヌ(オーロール・クレマン)が預かっている息子ハンター(ハンター・カーソン)のことを聞くが、何も答えない。ただ、〈パリ、テキサス〉という、自分がかつて買った地所のことを呟いた。そこは、砂しかないテキサスの荒地だが、父と母が初めて愛をかわした所だとトラヴィスは説明した。ロサンゼルスのウォルト家に着いたトラヴィスを、アンヌと7歳に成長したハンターが迎えた。ハンターとトラヴィスの再会はぎこちなく、お互いのわだかまりが感じられた。しかし、数日経つうちにうちとけだした二人。彼らに複雑な思いを感じるウォルトとアンヌ。実の息子同然にこれまで育ててきたのだから……。トラヴィスの記憶が戻るようになりはじめたある日、5年前に撮った8ミリ映画をみなで見た。幸福そのものだった自分の家庭のフィルムを見て、必死に何かをこらえるトラヴィス。父親らしい服装でハンターを迎えに学校へ行ったトラヴィスはその日の夜、ジェーンがヒューストンの銀行から毎月ハンターのためにわずかながら送金を続けていることを、アンヌから聞いた。トラヴィスは、中古のフォード・ランチェロ58を買い、ハンターにジェーンを探しに行くと告げた。それを聞いて、ハンターは自分も行きたいと言い、そのまま共にヒューストンに旅立った。ヒューストンの銀行からジェーンらしき人物が乗った赤い車が出てゆくのを見た二人は車を追って、ある不思議な建物に辿りつき、ハンターを車に残して、トラヴィスは建物の中に入った。そこはキー・ホール・クラブで、階下の個室は、客の側からだけ、ブースの中の女の姿が見えるマジック・ミラーを設けた一種のピープ・ショーになっていた。ジェーンを呼んで部屋に入ったトラヴィスに、客の姿が見えないジェーンが話しかけるが、トラヴィスは何も告げずに出て行った。ヒューストンを離れ、途中のさびれた町で酒をのみながら、ハンターに自分の母のことを話すトラヴィス。翌日、もう一度ジェーンに会う決心をしたトラヴィスは、ハンターに別れを告げてキー・ホール・クラブへ行った。再びジェーンを呼び、自分の気持ちを語るトラヴィス。やがて、姿を見なくてもそれがトラヴィスであることを知ったジェーンも、涙ながらに、自分の気持ちを語った。最後に、ハンターのいるホテルのルーム・ナンバーを告げて、トラヴィスは去った。ホテルで一人でいるハンターの前に、ジェーンが現われた。二人が寄りそう影を窓に確認すると、トラヴィスは車でその場を去るのだった。

パリ、テキサスパリ、テキサス
ナスターシャ・キンスキー

題名:PARIS, TEXAS
邦題:パリ、テキサス
監督:ヴィム・ヴェンダース
製作総指揮:アナトール・ドーマン
製作:クリス・ジーヴァニッヒ
脚本:サム・シェパード 脚色:L・M・キット・カーソン
撮影:ロビー・ミュラー
美術:Kato Altman
衣装:Birgitta Bjerke
編集:ペーター・プルツィゴッダ
音楽:ライ・クーダー
出演:ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキー、オロール・クレマン、ハンター・カーソン、ベルンハルト・ヴィッキ
1984年カンヌ映画祭グランプリ(パルムドール)&国際映画批評家大賞&国際カトリック映画事務局賞1984年イギリス・アカデミー外国映画再収集監督賞&イギリス批評家協会作品賞・主演男優賞受賞1984年フランス映画批評家協会賞受賞1984年ドイツ撮影賞(劇映画部門)1985年バイエルン映画撮影賞1985年連邦映画賞銀のフィルム賞
1984年ドイツ・フランス/ビスタサイズ・カラー147分35mmフィルム
パリ、テキサス [DVD]
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パリ、テキサスパリ、テキサス
パリ、テキサス(PARIS, TEXAS)