マカロニウエスタン傑作映画DVDコレクション「荒野の処刑」


ファビオ・ティステ

朝日新聞出版より2月2日発売の「マカロニウエスタン傑作映画DVDコレクション」第22号が届いた。二作品のうち今回はルチオ・フルチ監督1975年製作「荒野の処刑(FOUR OF THE APOCALYPSE)」をピックアップする。
マカロニ・ウェスタン傑作映画DVDコレクション 2017年 2/12号[分冊百科]


トーマス・ミリアン                リン・フレデリック

トーマス・ミリアンが想像した”チャコ”のモデル
本作で血も涙もない悪漢ハンター”チャコ”を演じたトーマス・ミリアンは、役作りにあたって実在の人物をモデルにしたという。1960年代後半にアメリカのカルト教団”マンソン・ファミリー”を組織し、1969年に映画監督ロマン・ポランスキーの妻シャロン・テート、大手スーパーマーケットの経営者レノ・ラビアンカとその妻ローズマリーらを信者に殺害させた狂信的カルト指導者チャールズ・マンソンである。彼に殺害を命じられた信者は、妊娠8カ月のシャロンを16カ所、レノを30カ所以上、ローズマリーを40カ所以上もメッタ刺しにした上で、被害者の血液で壁やドアに”Pig”などと殴り書きして現場を去っていた。実行犯でないものの、第一級殺人と殺人教唆によってマンソンに死刑判決が下されたのは1972年6月、「荒野の処刑」公開の約3年前の事である。(その後、カリフォルニア州が一時的に死刑を廃止した為、無期懲役に減刑)。本作の脚本を初めて読んだトーマス・ミリアンは、”チャコ”の凶悪な感性を”マンソン”に近いと感じ、人物造形の参考にした。”チャコ”が両目の下に描いた十字架は、獄中でマンソンが額に刻んだ十字架を見て発想したという。トーマス・ミリアンは、”チャコ”の衣装のほとんども、自分で選んだと語っている。ちなみに「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのゴア・ヴァービンスタキー監督はマカロニ・ウエスタンのファンで、本作の”チャコ”のいでたちをジョニー・デップ演じるジャック・スパロウ1に採り入れたという説があるが、真偽のほどは定かではない。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)

リン・フレデリックの波乱万丈な人生
本作で妊娠中の娼婦”バニー”を演じたリン・フレデリックは、22歳を迎える1977年に天才喜劇役者ピーター・セラーズ(当時51歳)と結婚。心臓病を患っていたセラーズが1980年7月に心臓発作で急逝した事で、推定約450万ポンド(現在の価値で約1,740万ポンド。日本円で約22億円)もの膨大な遺産を手にした。一方、セラーズの最初の妻アン・ホーと二人の子供が相続したのは、わずか800ポンド(現在の約3,000ポンド=約38万円)ずつだったと伝えられている。セラーズの死から約半年後、フレデリックはイギリスの著名なテレビ司会者デイヴット・フロストと再婚し、1982年6月に離婚。同年には、セラーズの生前の映像を編集した「ピンクパンサーX(1952年)」の製作会社に対して訴訟を起こし、賠償金100万ポンド(現在の約320万ポンド=約4億円)を獲得して話題になった。さらに、同年12月に心臓外科医バリー・アンガーと結婚し、翌年に唯一の子を出産した彼女は1991年に離婚し、1994年4月27日、ロサンゼルスの自宅で遺体となって発見されたのである。享年39歳。死因は特定されず、薬物、あるいはアルコール依存症が噂されたが、遺族は否定している。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)


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映画「荒野の処刑」当ブログ2013年3月20日公開
荒野の処刑荒野の処刑
トーマス・ミリアン                ファビオ・ティステ

今回はルチオ・フルチ監督1975年製作「荒野の処刑(FOUR OF THE APOCALYPSE)」をピックアップする。「真昼の用心棒」に続く9年後のルチオ・フルチ監督マカロニウエスタン第二作になる。この間は主にホラー映画「サンゲリア(SANGUELIA/1979年)」などを製作していた様だ。主人公が詐欺師でありガンマンではないキャラクター、ロードムービーといった切り口は、70年代製作の特徴のひとつだ。「ガンクレイジー(THE BOUNTY KILLER/1966年)」のトーマス・ミリアン、「俺たちに明日はない(BONNIE AND CLYDE/1967年)」「「華麗なる対決」のマイケル・J・ポラード、可憐な女優リン・フレデリック(後にピーター・セラーズと結婚)が脇を固めている。
尚、ルチオ・フルチ監督は1996年3月に満68歳で亡くなっている。

荒野の処刑荒野の処刑
リン・フレデリック、ファビオ・ティステ

【ストリー】
無法者に牛耳られた西部の町で、市民たちが彼らの支配から逃れるために虐殺を開始する。牢にいたギャンブラー、売春婦、黒人の墓堀り人夫、アル中の四人は殺す価値もないクズとして粗末な馬車を与えられ町を追放される。別の町を目指して旅をす る四人は一人のハンターと出会い一行に加えるが、その男は次第に掠奪者の本性を現し、彼らから全てを奪って去る。一人、また一人と仲間を失い、残された ギャンブラーは復讐を誓うのだった……。

荒野の処刑荒野の処刑
リン・フレデリック

題名:FOUR OF THE APOCALYPSE/I QUATTRO DELL’APOCALYPSE
邦題:荒野の処刑
監督:ルチオ・フルチ
脚本:エンニオ・デ・コンチーニ
撮影:セルジオ・サルヴァティ
音楽:フランコ・ピクシオ、ファビオ・フリッツィ、ヴィンス・テンペーラ
出演:トーマス・ミリアン、ファビオ・ティステ、リン・フレデリック、マイケル・J・ポラード、ドナルド・オブライエン、ブルーノ・コラッツァリ、ハリー・バード
1975年イタリア/ビスタサイズ・イーストマンカラー99分35mmフィルム[日本劇場未公開]
荒野の処刑 [DVD]

荒野の処刑荒野の処刑
荒野の処刑(FOUR OF THE APOCALYPSE)

映画「ケオマ・ザ・リベンジャー」


ケオマ・ザ・リベンジャーケオマ・ザ・リベンジャー
フランコ・ネロ

今回はエンツォ・G・カステラッリ監督1977年製作「ケオマ・ザ・リベンジャー(KEOMA)」をピックアップした。
当時日本ではブームが去ったマカロニウエスタン後期の劇場未公開作品だ。本作の黙示録的終末感が色濃く漂う無法世界と二連ソードオフショットガンは「マッドマックス(MAD MAX/1979年オーストラリア/監督:ジョージ・ミラー/主演:メル・ギブソン)」の原点だったそうで、サム・ペキンパーばりのスローモーション撮影やフラッシュバックなど1960年代と作風が変わっていた。しかしフランコ・ネロは相変わらずカッコよかった。また「新・さすらいの用心棒」でジュリアーノ・ジェンマと共演したジョージ・イーストマンが脚本を担当しているのが興味深かい。

ケオマ・ザ・リベンジャーケオマ・ザ・リベンジャー
フランコ・ネロ、ウィリアム・バーガー

【ストリー】
ネイティブ・アメリカンの血を引いたケオマは故郷の街へと帰り着く。だが彼の村は無残にも破壊され立ち去ろうとしたケオマだったが、道中で無法者から女性を助けてしまい、悪人の抗争に巻き込まれてしまう。さらに町は伝染病に侵され独裁者に支配されている事を知ったケオマは女性と街の為に闘うが、その先には幼い頃共に育った3兄弟との対決が待っていた。

ケオマ・ザ・リベンジャーケオマ・ザ・リベンジャー
オルガ・カルラトス

題名:KEOMA
邦題:ケオマ・ザ・リベンジャー
監督:エンツォ・G・カステラッリ
製作:マノロ・ポロニーニ
脚本:ジョージ・イーストマン、エンツォ・G・カステラッリ、ニコ・ドゥッチ
撮影:アイアス・パロリン
特撮:ジョヴァンニ・コリドリ
衣装:マッシモ・レンティーニ
編集:ジャンフランコ・アミカッチ
音楽:グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
出演:フランコ・ネロ、ウディ・ストロード、オルガ・カルラトス、ウィリアム・バーガー、ウディ・ストロード、ガブリエラ・ジャコブ、ジョンシュア・シンクレア、オルゾ・マリア・クエリーニ、アントニオ・マルシーナ、ドナルド・オブライエン
1977年イタリア/テクノスコープ・イーストマンカラー97分35mmフィルム[日本劇場未公開]
ケオマ・ザ・リベンジャー [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

ケオマ・ザ・リベンジャーケオマ・ザ・リベンジャー
ケオマ・ザ・リベンジャー(KEOMA)