マカロニウエスタン傑作映画DVDコレクション「傷だらけの用心棒」


ロベール・オッセン                 ミシェル・メルシエ

朝日新聞出版より8月31日発売の「マカロニウエスタン傑作映画DVDコレクション」第37号が届いた。二作品のうち今回はロベール・オッセン監督主演1968年製作「傷だらけの用心棒(UNE CORDE, UN COLT)」をピックアップする。
マカロニ・ウェスタン傑作映画DVDコレクション 37号 2017年 9/10号 [分冊百科]


アンヘル・アルバレス               セルジュ・マルカン
※「続・荒野の用心棒」のナタニエーレ役

セルジオ・レオーネに捧げられた「傷だらけの用心棒」
本作に登場する”ワイルド・ウエスト・ホテル”のフロントの男を演じているのは、”マカロニ・ウエスタンの父”と称される巨匠セルジオ・レオーネである。
….という“誠しやかな噂”がある。本作の監督・脚本・主演を務めたロペール・オッセンはレオーネの旧友であり、エンドクレジットには「この作品をセルジオ・レオーネに捧げる」とのメッセージが登場。そして何より、フロントの男の風貌がレオーネによく似ている事などから、未だに広く信じられている噂である。


クリス・ヒュエルタ

ところが、日本でDVD化した際の調査によると、フロントの男を演じているのはレオーネではなく、ポルトガル人俳優クリス・ヒュエルタであるようだ。
それでは何故、この様な噂が流れたのだろうか。レオーネの生涯を綴った「セルジオ・レオーネ 西部劇神話を撃ったイタリアの悪童(著者:クリストファー・フレイリング 訳:鬼塚大輔 発行:フィルムアート社)」によれば、レオーネは実際にオッセンからオファーを受け、ホテルのフロントマンを一度は演じたという。しかし、レオーネはは自分自身の演技力に失望し「あの映画に出ている自分の姿を見て、もう二度とやるまいと心に誓ったよ。馬の方が私よりも演技が巧みだったからね(同書)」とコメントしている。
この事から、一度は撮影したものの、本人の希望を受けたオッセンが、レオーネによく似たヒュエルタを起用し、同じシーンを取り直した….という可能性が考えられる。
またオッセンは撮影現場に訪れたレオーネに、本編36分30秒頃から約3分にわたる食事シーンの演出を依頼。後に「レオーネは素晴らしい場面に仕上げてくれた。彼はやはり、最高の監督だ」という感謝の言葉を残している。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)


ミッシェル・ルモアン、グイド・ロロプリジーダ、ミシェル・メルシエ

主題歌を歌った音楽界のスーパースター
本作の主題歌を歌っているのは、1960年代にビートルズと並ぶ絶大な人気を誇ったロックバンド”ウォーカー・ブラザース”のポーカルとして活躍したスコット・ウォーカーである。1944年、アメリカのオハイオ州に生まれたスコットは、1964年にウォーカー・ブラザースを結成。1965年、ビートルズ旋風が吹き荒れるイギリスへ渡ってレコードデビューを果たし、3枚目のシングル「涙でさよなら」で早くも全英チャート1位を獲得。
以降も「孤独の太陽」「ダンス天国」といったヒット曲を連発し、瞬く間にトップスターとなったのである。その後の1967年、ウォーカー・ブラザースは解散し、スコットはソロシンガーとして再出発。「傷だらけの用心棒」の主題歌「The Rope and The Colt」は、5枚目のシングルとしてフランスでリリースされている。
スコットは現在も音楽活動を続けており、2007年には彼の半生を描いたドキュメンタリー映画「スコット・ウォーカー30世紀の男」が製作された。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)


傷だらけの用心棒(UNE CORDE, UN COLT)

※上の画はクリックすると別画面で拡大されます。


映画「傷だらけの用心棒」当ブログ2013年9月1日公開

傷だらけの用心棒傷だらけの用心棒
ロベール・オッセン

今回はロベール・オッセン監督主演1968年製作の「傷だらけの用心棒(UNE CORDE, UN COLT)」をピックアップした。フランスのスター俳優ロベール・オッセンがフィルムノワールのティストを取り入れたマカロニウエスタンだ。共演はフラン ソワ・トリュフォー監督「ピアニストを撃て」に出演した女優ミシェル・メルシエ「荒野の一つ星」でジュリアーノ・ジェンマと共演したセルジュ・マルカン「怒りの荒野」のベニート・ステファネッリ「皆殺しのジャンゴ」のリー・バートンが脇を固めている。

セルジオ・レオーネセルジオ・レオーネ
セルジオ・レオーネ  クリス・ヒュエルタ

本作で特筆すへきはイタリア映画界の巨匠でありマカロニウエスタンの父であるセルジオ・レオーネ監督が出演している事だろう。カメオ出演ではあるが威厳を持った宿屋の主人役で出ている。貴重な1シーンだった。
また当時アイドル歌手だったスコット・ウォーカーが主題歌を歌っている。

傷だらけの用心棒傷だらけの用心棒
ミシェル・メルシエ

【ストリー】
かつて愛した女マリア(ミシェル・メルシエ)に呼ばれて、無口で非情なガンマンのマヌエル(ロベール・オッセン)がやって来る。未亡人マリアの願いは、殺された夫の葬儀を執り行うことだった。夫の仇である牧場主の元へ用心棒として潜入したマヌエルは、牧場主の一人娘(セルジュ・マルカン)の誘拐に成功。可愛い娘を人質を取られた牧場主はマリアの要求通り、夫の葬式に参列する。血を流すことなく全てがうまく治まろうとしたその矢先、ならず者兄弟が人質の娘を奪い返そうとして、犠牲者が出る。早撃ちのガンマンとならず者たちの間で、血で血を洗う報復合戦が始まった。

傷だらけの用心棒傷だらけの用心棒
セルジュ・マルカン

題名:UNE CORDE, UN COLT/CIMITERO SENZA CROCE
邦題:傷だらけの用心棒
監督:ロベール・オッセン
脚本:ダリオ・アルジェント、クロード・デザイリー
撮影:アンリ・ペルサン
音楽:アンドレ・オッセン
現像:テクニカラー
出演:ロベール・オッセン、ミシェル・メルシエ、リー・バートン、セルジュ・マルカン、ベニート・ステファネッリ、ミッシェル・ルモアン、グイド・ロロプリジーダ、ダニエル・バルガス、ピエール・コレット、アンヘル・アルバレス、セルジオ・レオーネ
1968年イタリア・フランス/ビスタサイズ・イーストマンカラー87分35mmフィルム[日本劇場未公開]
傷だらけの用心棒 [DVD]

傷だらけの用心棒傷だらけの用心棒
傷だらけの用心棒(UNE CORDE, UN COLT)

映画「ピアニストを撃て」

ピアニストを撃てピアニストを撃て
シャルル・アズナブール

今回はフランソワ・トリュフォー監督1960年製作「ピアニストを撃て(TIREZ SUR LE PIANISTE)」をピックアップする。本作はトリュフォー監督の「大人は判ってくれない」に続く劇映画第二弾となる作品だ。
撮影はジャン=リュック・ゴダール監督作品を数多く担当された巨匠ラウール・クタール氏。ディアリスコープで撮影したとクレジットされているが、アスペクト比1×2.35のシネスコサイズの事だ。これは1953年に20世紀FOX社が「聖衣(THE ROBE/監督:ヘンリー・コスター/主演:リチャード・バートン)」で発表したアナモフィック・レンズを使って左右を圧縮して撮影し、上映時に映写用逆アナモレンズで伸長し、横方向に拡大する方式だ。20世紀FOX社以外でもこの特許に抵触しないようにほぼ同様の方式を導入している。例えばワーナースコープ、テクノスコープ、フランスコープなど名称を変えているだけで、日本国内では日活スコープ、東宝スコープ、東映スコープ等と自社の名前を冠した呼称が用いられた。

作品リスト

撮影用アナモフィック・レンズは、一体型と分離型があり、後者の場合マスターレンズ(スタンダードサイズ用)の後ろにアナモフィックレンズをマウントで締める。そのデメリットはファクターが掛かり、×4倍程度の光量が通常撮影(スタンダードサイズ時)より必要になる。本作は、白黒映画用フィルムのEKダブルエックス(フィルムタイプ:5222/ISO250相当)を使用していると思われるが、ISO64~100相当で撮れる照明光量が必要になる。またダブルヘリコイド式の場合はフォーカスを送るのに二つのヘリコイドを適正に回転させる職人技が必須だった。(筆者解説)

ピアニストを撃てピアニストを撃て
マリー・デュボワ               ニコール・ベルジェ

【ストリー】
人生に諦めを抱いているシャルリー(シャルル・アズナヴール)はパリのカフェ「マミイ」でピアノ弾きをしながら幼い弟フィードを養っている。彼にはあと二人身持の悪い弟がいた。或る冬の夜、その弟シコ(アルベール・レミ)が助けを求めて来たことから、またしても不幸は襲った。ギャングをまいて逃げてきたシコにかかわりあうのが腹立たしかったシャルリーも、店に現れたギャングを見てやむを得ず協力した。
支配人プリーヌは大いに興味を抱いた。店の給仕女レナ(マリー・デュボア)はそんなシャルリーに思いを寄せ、彼の心の扉を開かせたいと願っていた。ある日、壁の古いピアノ・リサイタルのポスターを見た彼は、レナに過去を語り始めた。彼は本名をエドゥアル・サロヤンといい、国際的に有名なアルメニア出身のピアニストだった。彼はピアノ教師、妻のテレーザ(ニコール・ベルジェ)はレストランで給仕をしていた。彼女が店で知合った興行主ラルス・シュメールによって彼は認められその才能ゆえに瞬く間に名声を得た。リサイタルの終った夜、周囲はその成功を讃え沸いていた。そんな幸せな彼に、テレーザは「今の幸福は一つの恥辱の上に築かれているのです」といい出した。
興行主シュメールはエドゥアルの出世と引換えにテレーザの体を求めたのだった。いつかは許してもらえると信じているものの、彼女はこの秘密をいつまでも自分の胸に隠しておくことが堪えられなかった。彼はそんな彼女を許そうとしたが、このショックにすぐには自分の気持を言い表せなかった。夫のそんな様子に絶望したテレーザは彼の眼の前で窓から投身自殺をしてしまったのだ……。
シャルリーの過去を知ったレナは、圧えきれぬ愛しさと同情を感じ、愛をうちあけた。シャルリーもそんな彼女に強くひかれた。レナは彼にもう一度エドゥアル・サロヤンに戻るよう誓わせた。そこで二人はつれだって「マミイ」に行き、やめたいと申し出た。レナに横恋慕していたプリーヌとそこで喧嘩になりレナを庇おうとしたシャルリーは誤ってプリーヌを殺してしまった。シコを追っていた二人のギャングはフィードを人質に、シコとリシャールをおびきよせようと国境近い山小屋に逃げていた。それを知ったシャルリーとレナは、フィードをとり返そうとかけつけた。やがてピストルの射合いになり、その一弾を胸にうけたレナはシャルリーに見守られながら白雪を鮮血に染めて息たえた。エドゥアル・サロヤンの夢もレナと共に眠ってしまった。

ピアニストを撃てピアニストを撃て
※「映画ではこうするのさ」と言うシーンは、当時の映画における性の表現の偽善に
対するトリュフォー監督の皮肉である

題名:TIREZ SUR LE PIANISTE
邦題:ピアニストを撃て
監督:フランソワ・トリュフォー
製作:ピエール・ブラウンベルジェ
原作:デイヴィッド・グーディス
脚本:フランソワ・トリュフォー、マルセル・ムーシー
撮影:ラウール・クタール
美術:Jacques Mely
編集:セシル・ドキュジス
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:シャルル・アズナブール、マリー・デュボワ、ニコール・ベルジェ、ミシェル・メルシエ、アルベール・レミー
1960年フランス/ディアリスコープ・モノクロ78分35mmフィルム
ピアニストを撃て / あこがれ [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

ピアニストを撃てピアニストを撃て

映画「傷だらけの用心棒」

傷だらけの用心棒傷だらけの用心棒
ロベール・オッセン

今回はロベール・オッセン監督主演1968年製作の「傷だらけの用心棒(UNE CORDE, UN COLT)」をピックアップした。
フランスのスター俳優ロベール・オッセンがフィルムノワールのティストを取り入れたマカロニウエスタンだ。共演はフラン ソワ・トリュフォー監督「ピアニストを撃て」に出演した女優ミシェル・メルシエ「荒野の一つ星」でジュリアーノ・ジェンマと共演したセルジュ・マルカン「怒りの荒野」のベニート・ステファネッリ「皆殺しのジャンゴ」のリー・バートンが脇を固めている。

セルジオ・レオーネセルジオ・レオーネ
セルジオ・レオーネ  クリス・ヒュエルタ

本作で特筆すへきはイタリア映画界の巨匠でありマカロニウエスタンの父であるセルジオ・レオーネ監督が出演している事だろう。カメオ出演ではあるが威厳を持った宿屋の主人役で出ている。貴重な1シーンだった。
また当時アイドル歌手だったスコット・ウォーカーが主題歌を歌っている。

セルジオ・レオーネに捧げられた「傷だらけの用心棒」
本作に登場する”ワイルド・ウエスト・ホテル”のフロントの男を演じているのは、”マカロニ・ウエスタンの父”と称される巨匠セルジオ・レオーネである。….という”誠しやかな噂”がある。本作の監督・脚本・主演を務めたロペール・オッセンはレオーネの旧友であり、エンドクレジットには「この作品をセルジオ・レオーネに捧げる」とのメッセージが登場。そして何より、フロントの男の風貌がレオーネによく似ている事などから、未だに広く信じられている噂である。ところが、日本でDVD化した際の調査によると、フロントの男を演じているのはレオーネではなく、ポルトガル人俳優クリス・ヒュエルタであるようだ。それでは何故、この様な噂が流れたのだろうか。レオーネの生涯を綴った「セルジオ・レオーネ 西部劇神話を撃ったイタリアの悪童(著者:クリストファー・フレイリング 訳:鬼塚大輔 発行:フィルムアート社)」によれば、レオーネは実際にオッセンからオファーを受け、ホテルのフロントマンを一度は演じたという。しかし、レオーネは自分自身の演技力に失望し「あの映画に出ている自分の姿を見て、もう二度とやるまいと心に誓ったよ。馬の方が私よりも演技が巧みだったからね(同書)」とコメントしている。この事から、一度は撮影したものの、本人の希望を受けたオッセンが、レオーネによく似たヒュエルタを起用し、同じシーンを取り直した….という可能性が考えられる。またオッセンは撮影現場に訪れたレオーネに、本編36分30秒頃から約3分にわたる食事シーンの演出を依頼。後に「レオーネは素晴らしい場面に仕上げてくれた。彼はやはり、最高の監督だ」という感謝の言葉を残している。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)

傷だらけの用心棒傷だらけの用心棒
ミシェル・メルシエ

【ストリー】
かつて愛した女マリア(ミシェル・メルシエ)に呼ばれて、無口で非情なガンマンのマヌエル(ロベール・オッセン)がやって来る。未亡人マリアの願いは、殺された夫の葬儀を執り行うことだった。夫の仇である牧場主の元へ用心棒として潜入したマヌエルは、牧場主の一人娘(セルジュ・マルカン)の誘拐に成功。可愛い娘を人質を取られた牧場主はマリアの要求通り、夫の葬式に参列する。血を流すことなく全てがうまく治まろうとしたその矢先、ならず者兄弟が人質の娘を奪い返そうとして、犠牲者が出る。早撃ちのガンマンとならず者たちの間で、血で血を洗う報復合戦が始まった。

傷だらけの用心棒傷だらけの用心棒
セルジュ・マルカン

題名:UNE CORDE, UN COLT/CIMITERO SENZA CROCE
邦題:傷だらけの用心棒
監督:ロベール・オッセン
脚本:ダリオ・アルジェント、クロード・デザイリー
撮影:アンリ・ペルサン
音楽:アンドレ・オッセン
現像:テクニカラー
出演:ロベール・オッセン、ミシェル・メルシエ、リー・バートン、セルジュ・マルカン、ベニート・ステファネッリ、ミッシェル・ルモアン、グイド・ロロプリジーダ。ダニエル・バルガス、ピエール・コレット、アンヘル・アルバレス
1968年イタリア・フランス/ビスタサイズ・イーストマンカラー87分35mmフィルム[日本劇場未公開]
傷だらけの用心棒 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

傷だらけの用心棒傷だらけの用心棒
傷だらけの用心棒(UNE CORDE, UN COLT)