映画「キラー・キッド」


ルイーザ・パラット、アンソニー・ステファン

アンソニー・ステファン               ルイーザ・パラット

今回はレオポルド・サヴォーナ監督1967年製作「キラー・キッド(KILLER KID)」をピックアップする。
主演は「皆殺しのガンファイター」「荒野の棺桶」「嵐を呼ぶプロ・ファイター」のアンソニー・ステファン、マカロニウエスタンの名物俳優フェルナンド・サンチョ、「荒野のお尋ね者」「殺して祈れ」の美人女優ルイーザ・パラットが出演している。
マカロニ・ウェスタン傑作映画DVDコレクション 27号 2017年 4/23号 [分冊百科]

名作オペラで俳優デビューしたレオポルド・サヴォーナ監督
本作のレオポルド・サヴォーナ監督は、1922年にイタリア・ラツィオ州のレノーラに生まれ、1948年にアメリカの単発テレビドラマ・シリーズ「スタジオ・ワン」で放送された「霊媒」で俳優デビューを果たした。イタリア出身のオペラ作曲家のジャン・カルロ・メノッテイが書き下ろした同作でサヴォーナ(レオ・コールマン名義)が演じたのは、主人公フローラ夫人に育てられる口がきけない孤児「トピー」という重要な役どころ。彼の熱演もあって大好評を博した「霊媒」は、1951年にメノッティ脚本・監督によって映画化され、サヴォーナは同じ役を任される。この間の1979年「にがい米(1948年)」などで知られる同郷のジュゼッペ・デ・サンティス監督のアシスタントとなったサヴォーナは、振付師、脚本家としての経験を積みながら、マルチェロ・マストロヤンニ主演のコメディ・ロマンス映画「恋愛時代(1954年)」をサンティスと共同監督。単独での監督処女作”Iiprincipc dalla maschers rossa(1955年)”、ジャック・バランス主演の「戦闘(1962年)」などを経て、リチャード。ハリソン主演の「必殺のプロガンマン(1967年)」で初めてマカロニ・ウエスタンを手掛けた。
「キラー・キッド」は「皆殺しのガンファイター(1970年)」と並ぶ、アンソニー・ステファンの代表作と称されている。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)


フェルナンド・サンチョ            ハワード・ネルソン・ルビアン

【ストリー】
メキシコ国境ほど近いアメリカの刑務所から一人の男が脱走します。彼の名はキラー・キッド(アンソニー・ステファン)。名うての殺し屋です。メキシコに逃げ込んだ彼は、革命家エル・サント(ハワード・ネルソン・ルビアン)の部下であるビラール(フェルナンド・サンチョ)と武器の密輸屋が小競り合いをしている場面に遭遇します。ビラールの部下であるパブロを助けたキッドは、彼の案内でエル・サントが隠れ住んでいるアジトに辿り着きます。エル・サントの信用を得、彼と行動を共にすることにするキッド。エル・サントの信用厚い女性メルセデス(ルイーザ・パラット)とも親しくなっていきます。
しかし、キッドには隠された目的がありました。彼の正体はアメリカ軍将校モリソン大尉。実は武器の密輸組織を潰し、密輸された武器を爆破するのが彼の役目だったのでした。ある夜更け、革命軍の武器を積んだ車が崖から落下。せっかくの武器は爆発・炎上してしまいます。実はモリソンの仕業だったのですが、あくまで彼を信頼するエル・サントと彼を疑うビラールの対立は決定的となります。革命軍を離れるモリソンでしたが、その隙にビラールがエル・サントを襲い軟禁、革命軍の実権を奪います。メルセデスからその知らせを受けたモリソンはビラールからエル・サントを解放。エル・サント、モリソン、ビラール、それぞれの思惑を胸に、大量の武器の横流し取引現場へと彼らは向かうのでした……。


アンソニー・ステファン              ルイーザ・パラット

題名:KILLER KID
邦題:キラー・キッド
監督:レオポルド・サヴォーナ
製作:セルジオ・ガローネ
脚本:レオポルド・サヴォーナ、セルジオ・ガローネ
撮影:サンドロ・マンコーリ
音楽:ベルト・ピサーノ
出演:アンソニー・ステファン、ルイーザ・パラット(リズ・バレット)、フェルナンド・サンチョ、ヨルゴ・ポヤジス、トム・フェレギー、ハワード・ネルソン・ルビアン、ジョヴァンニ・チアンフリグリア(ケン・ウッド)
1967年イタリア/シネスコサイズ・カラー98分35mmフィルム [日本劇場未公開]
キラー・キッド -DVD-
2017年4月現在、DVDレンタルはありません。


キラー・キッド(KILLER KID)

「キラー・キッド(KILLER KID)」ルイーザ・パラット

キラー・キッド(KILLER KID)

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映画「荒野のお尋ね者」


エドワード・バーンズ                 ガイ・マディソン

今回はE・G・ローランド(エンツィオ・G・カステラッリ=[本名:エンツィオ・ジロラーミ])監督1966年製作「荒野のお尋ね者(7 WINCHESTER PER UN MASSACRO)」をピックアップする。本作はエンツィオ・G・カステラッリ氏28歳の時のデビュー作である。当初、彼はブレイク前のロバート・レッドフォードに出演を依頼しシナリオまで送っていたが、プロデューサーのエドモンド・アマティがエドワード・バーンズにオファーを内諾していた為に実現しなかった。本作公開の3年後、ロバート・レッドフォードは「明日に向って撃て!」で大ブレイクを果たした。

エンツィオ・G・カステラッリの映画ファミリー
本作のエンツィオ・G・カステラッリ監督の父親は、ギルバート・ローランド主演のマカロニ・ウエスタン「十字架の用心棒(1968年)」をはじめ。生涯に70本以上の監督を務めたマリノ・ジロラーミである。彼の弟で、カステラッリの叔父にあたるロモロ・グェッリエリは「皆殺し無頼」「七匹のプロファイター(1966年)」「二匹の流れ星」「黄金の三悪人(1967年)といったマカロニ・ウエスタンを手掛けた名監督。さらに「荒野のお尋ね者」でマチャマコを演じたトーマス・ムアは、「十字架の用心棒」にも出演したカステラッリの実兄エンニオ・ジロラーミであり、彼は後に「ジョニー・ハムレット(1968年)」「ジョーンズ・リターンズ(1980年)」「マッドファイター(1983年)」といったカステラッリ監督作の他、本作にも登場したガイ・マディソン主演、ジロラーミ製作の「ガンマン牧師(1972年)」などに出演した。またカステラッリ監督の娘ステファニア・ジロラーミも9歳となった1972年に子役として映画デビューを果たし、父が監督した「死神の骨をしゃぶれ(1973年)」ではフランコ・ネロの娘役を演じた。彼女は現在、テレビドラマの演出や映画の助監督として活動している。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)


ルイーザ・パラット

【ストリー】
1876年、南北戦争は終ったが、南軍の敗北を認めようとしないブレイク大佐(ガイ・マディソン)は四人の荒くれ者をひきつれてメキシコへと逃れた。しかし彼らは、決して愛国者というわけではなく、自らの利益のために殺りくと略奪をほしいままにし、いまでは賞金のかかったお尋ね者になっていた。法の目をのがれて、ブレイクたちは、南軍の軍用金20万ドルを血まなこになって探し求めていのだ。ある日スチュアート(エドワード・バーンズ)と名のる男が現われ、20万ドルの隠し場所を知っているといい、その金を資金に、南軍のため、もう一旗あげようと言うのだった。ブレイクは、はじめはスチュアートを信用しなかったが、彼のガンさばきにほれこんで一味に加え、20万ドル隠してるというドラゴンに向つて出発した。途中、メキシコ、アメリカ両軍の厳重な警戒網を突破し、一行はドラゴンの近くまで来ることが出来た。その時一味を襲った激しい銃声。捕えてみると、それは意外にも美しい南部娘マヌエラ(ルイーザ・パラット)だった。彼女は一味を北軍とまちがえて狙撃したらしい。ブレイクは彼女の美しさに惹かれて仲間に加えた。しかし彼女は、実はスチュアートの恋人兼相棒だったのである。というのは、スチュアートは賞金稼ぎでブレイクたちを捕えるため、あらかじめ、町の保安官と打合わせてあったのである。しかし、まもなく、このことはブレイクの知るところとなり、保安官は殺され、スチュァートは拷問のすえ監禁されてしまった。一味は軍用金を探しだした。しかしそれは、南軍の軍票ばかりで、今では一文の値うちもない紙屑同様のものだった。怒り狂うブレイク一味の背後に、マヌエラに助けられてやってきたスチュアートが立っていた。一人、また一人、必殺の銃弾をあびせ続けた。翌日、莫大な賞金を得たスチュアートは、マヌエラとともに旅立っていった。

題名:7 WINCHESTER PER UN MASSACRO
邦題:荒野のお尋ね者
監督:E・G・ローランド(エンツィオ・G・カステラッリ=エンツィオ・ジロラーミ)
製作:エドモンド・アマティ
脚本:E・G・ローランド、ティト・カルピ
撮影:アルド・ペネリ
編集:アントニエッタ・ジタ
音楽:フランチェスコ・デ・マージ 主題歌:ラオール
出演:エドワード・バーンズ、ガイ・マディソン、トーマス・ムーア、ルイーザ・パラット、ジュリオ・マクラニ、リク・ボイド
1966年イタリア/テクニスコープ・テクニカラー96分35mmフィルム
荒野のお尋ね者 -DVD-
マカロニ・ウェスタン傑作映画DVDコレクション 2017年 4/9号
2017年4月現在、DVDレンタルはありません。


荒野のお尋ね者(7 WINCHESTER PER UN MASSACRO)

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映画「殺して祈れ」

殺して祈れ殺して祈れ
ルー・カステル                   マーク・ダモン

今回は「帰って来たガンマン」のカルロ・リッツァーニ監督1967年製作「殺して祈れ(REQUIESCANT)」をピックアップする。
主演は「群盗荒野を裂く」のルー・カステル、「リンゴ・キッド」のマーク・ダモン、「荒野のお尋ね者(7 WINCHESTER PER UN MASSACRO/E・G・ローランド(エンツィオ・G・カステラッリ)監督1966年)」のバーバラ・フレイなどが出演しているが、何と言っても「アポロンの地獄(EDIPO RE/1967年)」「デカメロン(IL DECAMERON/1971年)」「ソドムの市(SALO O LE 120 GIORNATE DI SODOMA/1975年)」などを製作したイタリア映画の鬼才ピエル・パオロ・パゾリーニ監督が出演している事が驚きだ。

殺して祈れ殺して祈れ
ピエル・パオロ・パゾリーニ          ルー・カステル、マーク・ダモン

ルー・カステルは”狂ったジェームス・ディーン”
本作の主演を務めたルー・カステルは、脚本を受け取った直後から役作りに没頭し、「主人公に強烈な個性を与えなければ、クリント・イーストウッドの二番煎じになってしまう」と考え、カルロ・リッツァーニ監督に様々な提案をしたという。フライパンで馬を叩く、銃を膝のあたりに吊るすといったアイディアや、探し出した姪の化粧を落とすシーンなどは、カステルの提案が採用されたものである。
そんなカステルは、2088年「ユリイカ(EUREKA/2000年)」「共食い(2013年)」などで知られる青山真治監督の”赤ずきん”を題材とした短編映画「Le Petit Chaperon Rouge」に主演。同作の撮影前、カステルの自宅前にあるピザ屋で”映画について”ああでもないこうでもない”ディスカッションをしていたと語る青山監督は、カステルを”狂ったジェームス・ディーン”と評し最初に不安材料を潰すタイプの俳優だと語っている。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)

惨殺された”イタリア映画界の鬼才”
本作で謎のメキシコ人”ファン”を演じているのは、”イタリア映画界の鬼才”と呼ばれるピエル・パリオ・パゾリーニである。1922年にイタリアのボローニャで生まれ、7歳で詩作を始めたというパゾリーニは、20歳で処女詩集「カザルサ詩集」を上梓(出版)。発禁処分を受けた初の長編小説「生命ある若者」を発表した1955年、ソフィア・ローレン主演の「河の女」に脚本家として参加したことから映画に携わるようになり、1961年「アッカトーネ」で監督デビューを果たした。ちなみに同作の助監督は、オスカー監督のベルナルド・ベルトリッチである。
以降、強烈な社会描写などで批判に晒されながらも、「アポロンの地獄(1967年)」「豚小屋(1969年)」「アラビアンナイト(1974年)」と問題作を発表し続けたパゾリーニは「ソドムの市(1975年)」の撮影終了後、ローマ近郊の海岸で惨殺体となって発見される。そして、間もなく逮捕された当時17歳の男娼が「パゾリーニに強姦されそうになったために殴り殺した」と証言したことで、イタリア全土を揺るがすスキャンダルへと発展したのだ。
しかし、パゾリーニよりもずっと小柄な男娼が、一人で惨殺する事が出来なかったのか、などの疑問が次々に投げかけられており、9年の禁固刑を終えた元男娼が「パゾリーニは少なくとも6人のグループに襲撃された」と証言を翻すなど、真相は未だ謎に包まれている。
(マカロニウエスタン傑作映画DVDプロダクションノートより)

殺して祈れ殺して祈れ
バーバラ・フレイ             ルー・カステル、バーバラ・フレイ

【ストリー】
ミズーリ州サン・アントニオの近くで、一団のアメリカ人とメキシコ人の間に、土地分配に関する協定が結ばれた。が、これはアメリカ人が仕組んだワナで、次の瞬間、廃墟の蔭から銃が火を吹き、メキシコ人全員が射殺された。そのなかで、たった一人のメキシコ少年だけが生き残った。彼は通りかかったアメリカ人の牧師にひろわれた。そして10年。少年は立派な若者(ルー・カステル)に成長、牧師の姪プリンシーと愛を語るようになった。ところがある日、そのプリンシーが近くの町に来た旅芸人一座にかどわかされ、行方をくらましてしまった。若者は、牧師がくれたバイブルと、拳銃を持って、プリンシーを探しに出かけた。求めるプリンシーは人手から人手へと流れ、サン・アントニオの町で、町のボス、ファーガソン(マーク・ダモン)の手下ライトによって監禁同様の身の上で、しかも男たちのなぐさみものになっていた。若者はファーガソンの邸に乗り込みプリンシーをかえしてくれるようたのんだ。ファガーソンの提案になる残酷な射撃ゲームに勝った若者は、プリンシーをつれて、オシのメキシコ老人が提供してくれた隠れ家に帰った。そこで若者は、オシのメキシコ人から意外な事実を聞いた。
10年前ダマシ射ちにされたメキシコ集落の長の息子が自分であり、殺した張本人はファーガソンであるというのだった。事態は急変した。若者のスキをうかがい、ファーガソン一味は老人を殺し、さらにプリンシーを誘拐、殺害した。そして現場にかけつけた若者も捕えられ、リンチをうけた。そんな彼を、ファーガソンの妻エディーヌが逃してくれた。彼女は十年前の事件の時、夫を殺され、強引にファーガソンの妻にさせられていたのだった。だが、若者を逃がしたことがばれ、彼女も殺された。そこへメキシコ革命派のファンをリーダーとする数名があらわれ、共に白人を倒そうということになった。そしてついに、ファーガソンも若者の拳銃に倒れた。

殺して祈れ殺して祈れ
ミレーラ・マラビィディ             ルイーザ・バラット

題名:REQUIESCANT
邦題:殺して祈れ
監督:カルロ・リッツァーニ
製作:カルロ・リッツァーニ
脚本:アドリアーノ・ボルツォーニ、アルマンド・クリスピノ、ルチオ・マンリオ・バティストラーダ
撮影:サンドロ・マンコーリ
音楽:リズ・オルトラーニ
出演:ルー・カステル、マーク・ダモン、ピエル・パオロ・パゾリーニ、バーバラ・フレイ、ルイーザ・バラット、フランコ・チッティ、フェレッチオ・ヴィオッティ、ミレーラ・マラビィディ
1967年イタリア/ビスタサイズ・カラー107分35mmフィルム
殺して祈れ -DVD-
マカロニ・ウェスタン傑作映画DVDコレクション 2016年 11/6号[分冊百科]
2016年10月現在、DVDレンタルはありません。

殺して祈れ殺して祈れ
殺して祈れ(REQUIESCANT)

殺して祈れ(REQUIESCANT)
殺して祈れ殺して祈れ
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殺して祈れ