映画「ワイルド・アパッチ」

ワイルド・アパッチワイルド・アパッチ
バート・ランカスター              ブルース・デイヴィソン 

今回はロバート・アルドリッチ監督1972年製作「ワイルド・アパッチ(ULZANA’S RAID)」をピックアップする。
本作は追いつめられたアパッチ族の最後の反逆である“ウルザナの襲撃”を、それが実際に起きたアリゾナの平原と山岳地帯に再現し、撮影はアリゾナ州のコロナド国立森林とノガレス、ネバダ州のバレー・オブ・ファイア州立公園で行われたそうだ。

ワイルド・アパッチワイルド・アパッチ
ホルヘ・リューク             ワイルド・アパッチ(ULZANA’S RAID)

【ストリー】
西へ西へと進んだアメリカ西部開拓の時代も終わろうとしていた1810年代なかば。わずかにこの30年たらずの間に各地で圧倒的な騎兵隊の攻撃の前に、勇敢さで恐れられたシャイアン、スー、コマンチ族などが次々に敗れ、散り散りとなった。ここアリゾナでも、アパッチ族は自分たちの土地だった平原と険しい山々が連なるその一隅に押し込められていた。従って騎兵隊もその役割を終わろうとしていた。安穏な空気が流れるロウェル砦に、インディアン保留地とでたアパッチが、ウルザナに率いられて南へ向かったという報せが入った。砦に呼ばれたマッキントッシュ(バート・ランカスター)は、インディアンとの戦いに長くたずさわっており、騎兵隊の指揮官たちの考えが安易すぎるのを忠告した。これが初陣である若いデブリン中尉(ブルース・デイヴィソン)を指揮官に、20名の隊員が、とりあえず出陣、マッキントッシュが彼を補佐し、地理に明るいアパッチの若い男ケ・ニ・ティ(ホルヘ・リューク)をガイドに、ウルザナの追跡を始めた。だが開拓者たちに危険を知らせるべく、先発していた騎兵隊員たちをたちまち血祭にあげたウルザナ(ホアキン・マルティネス)は、道道の家を襲った。ウルザナな、自決した者も容赦なく身を剥ぎ、心臓をえぐり取った。また犬の尾をくわえさせ、股間を焼くなど、その殺戮は凄惨を極めた。「なぜアパッチはこんなにも残酷なんだ」経験のない若い中尉の怒りにみちた問に、ケ・ニ・ティは答えた。「この厳しい土地で生きるためには力が必要なのだ。殺した男が殺された男の力を受ける。ウルザナは長い保留地の生活で力が薄れているからこれからも多勢の人を殺すだろう」。マッキントッシュは敵の手にのると見せかけてその裏をかき、一挙に決着をつけようとする。ウルザナの策略はこうだ。襲った家の主婦を輪姦し、命だけは助けておく、そうすれば騎兵隊は婦人を砦に送る隊と、追跡する隊に分散する。そこを襲って潰滅させ馬を奪おうというのだ。マッキントッシュはこの危険な賭に乗った。討つか討たれるか、もはや1手の誤ちも許されない緊迫の戦いへ突入した。険しい山がそそりたち、急激に細かく切れ込んでいる“赤い谷”を朝日が朱のように染めあげた。騎兵隊は中尉の率いる本隊と、傷ついた婦人を砦に送りかえすマッキントッシュと軍曹(リチャード・ジャッカル)たちの2手に別れて進んだ。赤い谷に入る護衛隊。襲いかかるアパッチ。狙い射ちに護衛隊員は次々と倒れて、谷は修羅場と化した。だがこのおとり作戦も中尉が合図を読み違え、銃声が轟いてからかけつけたため、功を奏さず、護衛隊は全滅。マッキントッシュはなおも襲いくるアパッチを倒すが、深手を負った。一方、別行動にでていたケ・ニ・ティはウルザナを追いつめた。ウルザナは自分を正当化し、死の歌をうたった。戦いは終わった。砦に運ぼうという中尉の申し出を断わり、来るべき死を静かに待ち受けるマッキントッシュ。中尉は、アパッチも騎兵隊員と同様埋葬するよう命じ、砦に引き上げていった。

ワイルド・アパッチワイルド・アパッチ
リチャード・ジャッケル                                          ホアキン・マルティネス

題名:ULZANA’S RAID
邦題:ワイルド・アパッチ
監督:ロバート・アルドリッチ
製作:カーター・デ・ヘブン、バート・ランカスター
脚本:アラン・シャープ
撮影:ジョゼフ・バイロック
美術:ジェームズ・D・ヴァンス
録音:ワルドン・O・ワトソン、ジム・アレクサンダー
衣装:グレン・ライト
編集:マイケル・ルチアーノ
音楽:フランク・デヴォール
現像:テクニカラー
助監督:マルコム・R・ハーディング
出演:バート・ランカスター、ブルース・デイヴィソン、ホルヘ・リューク、リチャード・ジャッケル、ロイド・ボックナー、ホアキン・マルティネス、カール・スウェンソン、ダグラス・ワトソン
1972年アメリカ/ビスタサイズ・カラー102分35mmフィルム
ワイルド・アパッチ -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

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バート・ランカスター                                  ワイルド・アパッチ(ULZANA’S RAID)

ワイルド・アパッチ

映画「飛べ!フェニックス」


ジェームズ・スチュアート               リチャード・アッテンボロー

今回はロバート・アルドリッチ監督1965年製作「飛べ!フェニックス(THE FLIGHT OF THE PHOENIX)」をピックアップする。本作は、エルストン・トレヴァー氏の原作「フェニックス号飛行」を映画化したもので、砂漠に不時着して壊れた飛行機を、改造して脱出を図ろうとするどんな状況でも最後まであきらめずに戦う人々の物語である。砂漠の中で撮影された本作は、見応えのある作品だった。


アーネスト・ボーグナイン                                      ジョージ・ケネディ

【ストリー】
アラビア石油空輸会社所属の輸送兼旅客機が、サハラ砂漠にある採油地から基地へ帰る途中、砂あらしに遭遇し、砂漠の真只中に不時着した。この事故で、2名の死者と1名の負傷者がでた。操縦士のフランク(ジェームズ・スチュアート)は、事故の一切の責任をとる決心をして、航空士ルー(リチャード・アッテンボロ-)と共に、なんとか、乗客を無事救出すべく策を練った。この乗客の中には、イギリス陸軍大尉ハリスと部下のワトソン軍曹がいたが、ワトソンは上官であるハリスに根深い反感を持っていた。数日後、救援隊が来ないのにしびれを切らしたハリスは乗客の1人で、小猿をもっている男カルロスや、採油夫長トラッカーとともに、オアシスを探しにいった。だが、トラッカーは、砂嵐にまきこまれたのか、数日後死体となって発見された。一方、年若い飛行機デザイナーのハインリッヒ(ハーディー・クリューガー)は、人手と器材さえあれば、こわれた飛行機から、あたらしい小型の単発機を組立てることができると、フランクに説いた。だが、ベテランのパイロットであるフランクには、この年若いデザイナーのことを信用することはできなかった。しかし、医師のルノー(クリスチャン・マルカン)はハインリッヒ計画に賛成した。そうしたある日、一行は、近くにアラビア人の1隊がキャンプをはっているのを発見し、ハリスとルノーが偵察に出発した。だが、期待も空しく、夜が明けると、アラビア人の1隊は姿を消し、キャンプのあとから、ハリスとルノーの死体が発見された。最早、ハインリッヒが作る飛行機に一るの望みを託す以外になくなった。全員が一丸となっての協力が実り、やがてハインリッヒが設計した「フェニックス号」は、生存者7名を乗せて、空に舞い上がった。


飛べ!フェニックス(THE FLIGHT OF THE PHOENIX)

題名:THE FLIGHT OF THE PHOENIX
邦題:飛べ!フェニックス
監督:ロバート・アルドリッチ
製作:ロバート・アルドリッチ
原作:エルストン・トレヴァー「フェニックス号飛行」
脚本:ルーカス・ヘラー
撮影:ジョセフ・バイロック
美術:ウィリアム・グラスゴー
特撮:L・B・アボット
衣裳:ノーマ・コーチ
編集:ミッチェル・ルシアノ
音楽:フランク・デ・ヴォール
現像:デラックスカラー
出演:ジェームズ・スチュアート、リチャード・アッテンボロー、ハーディー・クリューガー、アーネスト・ボーグナイン、クリスチャン・マルカン、ピーター・フィンチ、ジョージ・ケネディ、ダン・デュリエ
1965年アメリカ/ビスタサイズ・カラー142分35mmフィルム
飛べ!フェニックス -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


ジェームズ・スチュアート、ハーディー・クリューガー      飛べ!フェニックス(THE FLIGHT OF THE PHOENIX)

映画「燃える戦場」

燃える戦場燃える戦場
クリフ・ロバートソン                   高倉健

今回はロバート・アルドリッチ監督1970年製作「燃える戦場(TOO LATE THE HERO)」をピックアップする。
明快な内容とスリリングな展開に時間を気にせず見入ってしまう傑作である。ハリウッド映画にしては日本兵をリアルに描いている。高倉健さんの名演に嬉しい想いもした。やはり、日本が誇れる俳優である。本作はロバート・アルドリッチ監督「特攻大作戦」からのスピンオフで、フィリピンで撮影されたそうだ。

燃える戦場燃える戦場
ヘンリー・フォンダ                                              マイケル・ケイン

【ストリー】
1942年11月。南太平洋上ニュー・ヘブリデス島ではジャングルを隔てて日本軍とイギリス軍が対峙し、戦闘は膠着状態に陥っていた。日本軍はジャングルの奥深く無線通信所を持ち、他島との連絡がつくため、この方面の制空・海権は日本軍が握っていた。そのため、アメリカ軍機動艦隊は行動を著しく制約されていた。そこで、日本語のできる将校をイギリス軍に派遣し通信所を破壊、首尾よく成功したら逆無線を利用し、偽の連絡を出して日本軍を混乱させようという計略を立てた。アメリカ海軍のジョン・ノーラン大佐(ヘンリー・フォンダ)は、この任務を友人のサム・ローソン中尉(クリフ・ロバートソン)に負わせた。彼は、厭戦の気持ちが強い男だったが、命令であった。ヘブリデス島のイギリス部隊長はトンプソン中佐(ハリー・アンドリュース)だった。直ちに破壊工作隊が組織され、指揮官はホーンスビー大尉(デンホルム・エリオット)以下13名、その中にトッシュ・ハーン衛生兵(マイケル・ケイン)がいた。大尉はあまり有能ではなく、日本軍と遭遇した偵察隊は数名の犠牲者を出した。その戦闘中、キャンベル一等兵は戦死した日本兵の指を切り落として指輪を盗んだ。ハーン衛生兵は犠牲者を出した大尉の責任を追及して逮捕された。その後も色々な摩擦が起き、通信兵スコットが川に落ちて逆無線用の無電器をこわしてしまった。このため、大尉は破壊する前に日本軍の無電機を使う決心をした。ローソン中尉は反対だったが、無線通信所を見つけ、夜陰に乗じ、破壊工作が開始された。ホーンスビー大尉、スコットと次々乗り込んだが、ローソン中尉は木陰に隠れたまま動かなかった。夜襲に気付いた日本軍と激しい戦闘が始まった。それでもローソン中尉は動かなかった。無電機は破壊したが、大尉は戦死した。生き残った偵察隊は退却中、日本軍の空軍基地を発見、そこには爆撃機が隠されていた。帰還を急ぐ彼らに、突如ジャングル内の拡声器から英語で呼びかけてきた者がいた。日本軍の山口少佐(高倉健)であった。降伏すれば1週間後に釈放し、降伏しなければ捕らえて死刑に処すと言った。隊員達は動揺した。その夜、皆が寝しずまるとキャンベル一等兵が、重傷のソーントン一等兵(イアン・バネン)を殺し、他の戦友を誘って脱走した。残ったのはローソン中尉とハーン衛生兵だった。基地へ急ぐ2人に再び山口少佐の声が聞こえてきた。脱走した戦友を捕らえたというのだ。そして指輪を持っていたキャンベル一等兵は処刑し、他の戦友の命は2人が降伏するか否かにかかっていると言った。ローソン中尉は引き返すというハーン衛生兵の銃を取りあげ、彼を促して基地へ向かった。翌日未明、2人は山口少佐の呼びかけで、袋の鼠となったことを知った。そこで2人は、逆に少佐の声を手ずるに引き返して、山口少佐を狙撃した。2人は基地に近いジャングルの端まで逃げのびた。そこから基地までは遮蔽物のまったくくない平野だった。ジグザグ・コースに飛び出した2人にイギリス軍の援護射撃も加わった。しかし、基地にたどりついたのはハーン衛生兵ひとりであった。先刻射たれたのは誰かと聞かれた彼はこう答えた。「あれは英雄だ!」

燃える戦場燃える戦場
燃える戦場(TOO LATE THE HERO)

題名:TOO LATE THE HERO
邦題:燃える戦場
監督:ロバート・アルドリッチ
製作:ロバート・アルドリッチ、ウォルター・ブレーク
原作:ロバート・アルドリッチ、ロバート・シャーマン
脚本:ロバート・アルドリッチ、ルーカス・ヘラー 台詞:ロバート・シャーマン
撮影:ジョゼフ・バイロック
録音:リチャード・チャーチ
美術:ジェームス・バンス
衣装:チャールズ・ジェームス
美粧:ウィリアム・ターナー
特効:ヘンリー・ミラー・ジュニア
記録:ケン・ギルバート
編集:マイケル・ルチアーノ
音楽:ジェラルド・フリード
現像:メトロカラー
製作補佐:ウィリアム・アルドリッチ
助監督:グレーソン・ロジャース
出演:クリフ・ロバートソン、マイケル・ケイン、高倉健、ヘンリー・フォンダ、イアン・バネン、ハリー・アンドリュース、デンホルム・エリオット、ロナルド・フレイザー
1970年アメリカ・イギリス/ビスタビジョン・メトロカラー133分35mmフィルム
燃える戦場 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

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燃える戦場(TOO LATE THE HERO)

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