映画「ベルリン・天使の詩」

ベルリン・天使の詩
ベルリン・天使の詩
ベルリン・天使の詩ベルリン・天使の詩
ブルーノ・ガンツ

今回はヴィム・ヴェンダース監督1987年製作「ベルリン・天使の詩(DER HIMMEL UBER BERLIN/LES AILES DU DESIR/THE WINGS OF DESIRE)」高評価作品sをピックアップした。本作は、ヴェンダース監督の他の作品とは違い、隠し持っていたとされるロマンチシズムが展開される。天使の視点から全ての事象を見詰めるという設定は、名匠アンリ・アルカンによる卓越したドリー、クレーンショットで美しく実現している。続編は「時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!(1993年/FARAWAY, SO CLOSE!)」が作られた。

作品リスト

ベルリン・天使の詩ベルリン・天使の詩
ブルーノ・ガンツ             ブルーノ・ガンツ、オットー・ザンダー

【ストリー】
ベルリンの街。廃墟の上から人々を見守っている天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)がいる。天使の耳には、地上の人々の内心の声が聞こえる。天使の姿は子供たちには見える。コロンボ刑事役で親しまれているアメリカの映画スター、ピーター・フォーク(本人)がこれからベルリンで撮影に入る映画の脚本を読んでいる。街の中のさまざまな人々の肉声。ダミエルは、親友の天使カシエル(オットー・ザンダー)と、今日見た自然や人々の様子について情報交換し、永遠の霊であり続けながら人間ではない自分にいや気がさしている。図書館は天使たちの憩いの場だ。老詩人ホメロス(クルト・ボウワ)が失われた物語を探している。サーカスに迷いこんだダミアンは、空中ブランコを練習中の美女マリオン(ソルヴェイグ・ドマルタン)を見て一目惚れをする。橋のたもとで起こった交通事故で死にかけている男に息をふきかえさせるダミエル。カシエルは、ホメロスにつき添ってポツダム広場を歩いている。ピーター・フォークの出演しているスタジオには様々な人がいる。ダミエルはカシエルを呼んでサーカスの公演を見にゆく。マリオンを見つめるダミエル。最後の公演を前に死の怖れを語るマリオンの肉声。ロック・コンサートで踊るマリオンの手にふれるダミエル。夜明け、ピーター・フオークはダミエルに人間になることをすすめる。壁をこえてノーマンズランドを散策するダミエルは、マリオンへの愛をカシエルに告白する。人間に恋すると天使は死ぬ。彼はカシエルの腕の中で死んだ。西ベルリン側の壁のそばで目をさましたダミエルの目の前は、モノクロから色彩の世界に変わっているのだった。

ベルリン・天使の詩ベルリン・天使の詩
ソルヴェイグ・ドマルタン

題名:DER HIMMEL UBER BERLIN/LES AILES DU DESIR/THE WINGS OF DESIRE
邦題:ベルリン・天使の詩
監督:ヴィム・ヴェンダース
製作総指揮:イングリット・ヴィンディシュ
製作:ヴィム・ヴェンダース、アナトール・ドーマン
脚本:ペーター・ハントケ、ヴィム・ヴェンダース
撮影:アンリ・アルカン
整音:ジャン・ポール・ミュジェル、アレックス・アーフト
編集:ペーター・プルツィゴッダ
音楽:ユルゲン・クニーパー
フィルム:イーストマンコダック
撮影機材:ARRIFLEX BL4,Skymote-Kran mit Camremote von
出演:ブルーノ・ガンツ、オットー・ザンダー、ピーター・フォーク、ソルヴェーグ・ドマルタン、クルト・ボウワ
1987年カンヌ国際映画祭【監督賞】ヴィム・ヴェンダース1988年 NY批評家協会賞【撮影賞】アンリ・アルカン1988年LA批評家協会賞【外国映画賞】【撮影賞】アンリ・アルカン
1987年西ドイツ・フランス/ビスタサイズ・パートカラー128分35mmフィルム
ベルリン・天使の詩 デジタルニューマスター版 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

ベルリン・天使の詩ベルリン・天使の詩
ソルヴェイグ・ドマルタン、ピーター・フォーク

映画「アメリカ、家族のいる風景」

アメリカ、家族のいる風景アメリカ、家族のいる風景
サム・シェパード                 ジェシカ・ラング

今回はヴィム・ヴェンダース監督2005年製作「アメリカ、家族のいる風景(DON’T COME KNOCKING)」高評価作品sをピックアップする。ユタ州モアブで西部劇の映画撮影から始まる本作は、”落ち目の役者ハワードが撮影現場を逃亡し、30年ぶりに母と再会し、そこで自分に子供がいる事を知る”という設定で”崩壊した家族を復元しようとする”内容だが、大変味わい深く、撮影が絶品である。特に「アールが投げ捨てたソファーにハワードが力なく座り込む」シーンは、日中から夜間・早朝にかけて時間の流れを、自然光と照明光を生かした絶妙なライティングで円形移動撮影を行っている。この撮影と構成、デジタルエフェクトのセンスは、最高の出来だと思う。撮影は「「ランド・オブ・プレンティ」のフランツ・ラスティグ氏。本作の撮影は、2004年夏からか始まり、8月前半までに、モンタナ州ビュート、8月中旬からはネヴァダ州エルコー、ユタ州モアブで行われたそうだ。

作品リスト

【追記・訃報】
米国の劇作家・俳優で、現代米国人の生活の裏にある闇を描き出した作品で知られるサム・シェパード(Sam Shepard)氏が死去した。73歳だった。シェパード家の広報担当者が2017年7月31日、明らかにした。(AFP=時事 2017/8/1(火) 5:10配信 )

アメリカ、家族のいる風景アメリカ、家族のいる風景

【ストリー】
かつては西部劇のスター俳優だったのに今では落ちぶれたハワード・スペンス(サム・シェパード)は、新作の撮影現場から逃げ出し、久々に故郷を訪れる。そこで30年ぶりに再会した母(エヴァ・マリー・セイント)から、20数年前に彼の子供を身篭もっている女性から連絡があったという驚きの事実を聞かされる。ハワードはそれを確かめるため、自分の俳優デビュー作の撮影地でもあるモンタナ州ビュートへ向かった。彼は撮影中に関係を持った地元のウェイトレス、ドリーン(ジェシカ・ラング)を訪ねる。驚くドリーンだが、彼女はバーのステージでロックを歌っているアール(ガブリエル・マン)が、ハワードの息子であることを告げた。アールも突然その事実を知って、衝撃を受ける。そんなアールのもとに、見知らぬ女性スカイ(サラ・ポーリー)が訪ねてくる。続いてスカイはハワードのもとも訪ねる。自分の母の骨壷を抱えたスカイも、またハワードの娘だったのだ。ある朝、ハワードはドリーンのもとへ行き、結婚を申し込むが、拒絶される。疲れ果て町を去ろうとするハワードに、私立探偵のサター(ティム・ロス)が声をかける。撮影現場に連れ戻されることになったハワードは、最後に子供たちに別れを言わせてくれと頼みこむ。そしてハワードはスカイを抱きしめ、アールに自分の父親の形見である車を譲り、仕事場のモアブへと戻っていく。それからスカイとアールと彼の恋人のアンバー(フェアルーザ・バーク)は、ハワードから譲り受けた車に乗り込み、ドライヴへと出掛けていくのだった。

アメリカ、家族のいる風景アメリカ、家族のいる風景
サラ・ポーリー                    ジョージ・ケネディ

【追記・訃報】
1967年の「暴力脱獄」でアカデミー賞助演男優賞を受賞し「人間の証明(1977年)」「復活の日(1980年)」など日本映画にも出演したジョージ・ケネディ氏(上右画像)が2016年2月28日に米西部アイダホ州で死去した。享年91歳だった。

題名:DON’T COME KNOCKING
邦題:アメリカ、家族のいる風景
監督:ヴィム・ヴェンダース
製作総指揮:ジェレミー・トーマス
製作:ピーター・シュウォーツコフ
共同製作:カースティン・ロレンツ
プロデューサー:カルステン・ブリュニヒ、イン=アー・リー
原案:サム・シェパード、ヴィム・ヴェンダース
脚本:サム・シェパード
撮影監督:フランツ・ラスティグ
カメラ・オペレーター:ベンクト・ジョンソン
録音:マシュー・ニコライ
美術:ネイサン・アマンドソン
装飾:デヴィッド・ストーム
大道具:マイク・ケリー
小道具:ジェフリー・オブライアン
衣装:ジェニファー・デイ・ヤング
メイク:バーバラ・ラメルザ
ヘアー:ガレン・トルキン
衣装:キャロライン・イースリン=シェーファー
配役:ハイディ・レヴィット
記録:シルヴィー・マイケル=ケーシー
編集:ペーター・プルツィゴッダ、オリー・ワイス
音楽:T・ボーン・バーネット
撮影機材:オットーメネッツ(ARRICAM)
フィルム:イーストマンコダック
製作主任:サムソン・マック
助監督:ジョセフ・リック、エドワード・マクガーン
スーパーバイザー:ヘイリー・スウィート
コーディネーター:ショーン・マクナリー、トービン・アダムス、トレイシー・スコッテル
スチール:ドナータ・ヴェンダース
出演:サム・シェパード、ジェシカ・ラング、ティム・ロス、ガブリエル・マン、サラ・ポーリー、フェルザ・バルク、エヴァ・マリー・セイント、ジョージ・ケネディ
2005年ドイツ・アメリカ/シネスコサイズ・カラー124分35mmフィルム
アメリカ、家族のいる風景 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

アメリカ、家族のいる風景アメリカ、家族のいる風景
※「アールが投げ捨てたソファーにハワードが力なく座り込む」シーン

映画「ランド・オブ・プレンティ」

ランド・オブ・プレンティランド・オブ・プレンティ
ミシェル・ウィリアムズ               ジョン・ディール

今回はヴィム・ヴェンダース監督2004年製作「ランド・オブ・プレンティ(LAND OF PLENTY)」をピックアップする。本作は、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件の後遺症に苦しむアメリカの現状を、深く静かに見据えたドラマである。撮影期間は16日の低予算映画にもかかわらず、他のヴィム・ヴェンダース監督作品とは違って具体的なメッセージを受ける優秀な作品だ。

作品リスト
AGDVX100AS
Panasonic AG-DVX100

本作は、1/3CCDで38万画素のパナソニックビデオカメラ(AG-DVX100)で撮影をしている。レンズは、ライカF1.6/4.5~45mm(35mm換算:32.5mm~325mm)のカメラ固定で、広角側はアタッチメントを付け、CINE-LIKEガンマでトーンを整えている。結果として画質はDVDで見ても見劣りする。ライカとは言え”牛乳瓶の底の様なレンズ”と”オールパンフォーカス”、”寛容度のないラチチュード”で映画を撮るのは、やはり止めて欲しい。しかし、巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が撮ると映画として観れた。

ランド・オブ・プレンティランド・オブ・プレンティ
ミシェル・ウィリアムズ、ウェンデル・ピアース

【ストリー】
ロサンジェルスの街の大通りに、古びたヴァンが停まっている。そのヴァンは改造され、天井から監視カメラが街並みを覗いている。監視用機材が所狭しと置かれた車内、短くなったタバコをふかしながら、男がモニターを覗いている。荒んだ街の様子を映し出している画面を見ながら、男は呟く。「あの攻撃からまだ2年と1日、警戒レベルは依然高いが、人々の危機意識は後退している」。男の名はポール(ジョン・ディール)。ヴェトナム戦争で負傷した後遺症に長年苦しめられ、誇り高き自由の地アメリカを一人で守ろうと、必死に警備を続けている。さらに、9.11に起こった事件が彼のトラウマを呼び起こす。一方、イスラエルのテルアビブ空港を出発した飛行機には、少女が乗っている。ロサンジェルス到着のアナウンスを聞きながら彼女は呟く。「神様、長い間遠く離れていた私を、生まれ故郷に連れ戻してくださってありがとう」。少女の名はラナ(ミシェル・ウィリアムズ)。アフリカとイスラエルで10年間過ごし、故郷アメリカへと帰ってきた。バックパック一つで降り立った彼女が見たのは、飢えで苦しむホームレスが溢れる町だった。宣教師の父を持つラナは、ダウンタウンの伝道所で生活を始める。そこでホームレスたちの支援活動にのめり込む一方で、亡き母から預かった大切な手紙を渡すため、伯父ポールを探していた。友達や家族と連絡を断っている自称母国警備員のポールは、怪しげなアラブ人を発見する。一度は男を見失うが、伝道所で見つけて安心する。そして日が落ちて暗くなった頃、事件は起こった。道端で数人のアラブ人が焚き火を囲みながら話している。そこへゆっくりと、黒い大型車が通りかかり、ホームレス目掛けて火炎瓶が投げつけられた。燃え盛るテント、逃げ惑う人々。その時一発の銃声が鳴り響き、一人の男が倒れた。その男こそポールが追っていたアラブ人だった。彼を抱きかかえたポールに、「トロナ」という言葉を残して男は息を引きとった。伝道所でその遺体を見たラナは泣き崩れる。そこへポールが近寄り、声を掛けた。「母さんにそっくりだな」。驚いた表情のラナ。探していた伯父さんにやっと出会えた。遺体の身元が判明、最後に残した言葉「トロナ」は、死んだアラブ人の兄の住む町の名前だった。ポールは事件の真相を究明するため、ラナは遺体を兄に届けるため、伯父と姪は共に出発する。目的、年齢、性別、そして生きてきた過程も、何もかも違う二人は衝突するが、ヴァンは遺体を乗せてトロナへと向かう。

ランド・オブ・プレンティランド・オブ・プレンティ
撮影中のAG-DVX100ビデオカメラ         ヴィム・ヴェンダース監督

題名:LAND OF PLENTY
邦題:ランド・オブ・プレンティ
監督:ヴィム・ヴェンダース
製作総指揮:キャロライン・カプラン、ペーター・シュヴァルツコフ、ジョナサン・セリング、ジョン・スロス
製作:ジェイク・エイブラハム、イン=アー・リー、サムソン・マッケ、ゲイリー・ウィニック
脚本:ヴィム・ヴェンダース、マイケル・メレディス
撮影:フランツ・ラスティグ
美術:ネイサン・アマンドソン
編集:モーリッツ・ロービ
音楽:トム&ナクト 音楽監修:リンダ・コーエン
出演:ミシェル・ウィリアムズ、ジョン・ディール、ウェンデル・ピアース、リチャード・エドソン、バート・ヤング、ユーリ・Z・エルヴィン
2004年ドイツ・アメリカ合作/ビデオ・カラー124分HDビデオ
ランド・オブ・プレンティ スペシャル・エディション [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

ランド・オブ・プレンティランド・オブ・プレンティ
ジョン・ディール

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