映画「東京画」

東京画東京画
笠智衆

今回はヴィム・ヴェンダース監督1985年製作「東京画(TOKYO-GA)」をピックアップする。
小津安二郎監督に影響を受けたというヴェンダース監督が、様々な東京の情景と「東京物語」撮影の厚田雄春氏や俳優・笠智衆氏など小津組ゆかりの人々へのインタビュー・シーンを交えたドキュメンタリー作品だ。中でも厚田雄春氏のエピソードは、大変貴重な記録である。ヴィム・ヴェンダース監督は、この日の為にミッチェルキャメラとローアングル用のカニ足やハイハットを用意した。小津監督の有名なローアングル、その撮影方法を厚田氏が淡々と解説する。小津監督への想いと50mmレンズの絶対性が、紐解かれてゆく。

一方、新宿ゴールデン街にあるバーでクリス・マルケル監督と遭遇する。多分、黒澤明監督に関する「A.K. ドキュメント黒澤明(1985年)」で来日中だったのか?彼は、極端に自分の写真を撮られるのを嫌う事で知られ本作では片顔だけの登場だったが、惜しくも2012年7月に亡くなってる。当ブログでは、クリス・マルケル監督作品「ラ・ジュテ」を紹介している。そして1983年の東京の空、東京駅、地下鉄の構内、桜の墓地、原宿、パチンコ、ホテルのテレビの映像など、旅人としての好奇心で映像は展開する・・・。

作品リスト

【主な厚田雄春撮影作品/監督:小津安二郎】
1949年「晩春
1951年「麦秋
1953年「東京物語
1957年「東京暮色
1958年「彼岸花
1962年「秋刀魚の味
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※小津安二郎:1963年12月12日満60歳没
※厚田雄春:1992年12月7日満87歳没、本作の撮影は80歳の時に行われた。
※笠智衆:1993年3月16日満88歳没

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ベルナー・ヘルツォーク                              小津安二郎監督のローアングルを再現

【ストリー】
小津安二郎を敬愛するドイツの映画監督として知られるヴィム・ヴェンダースが、鎌倉の小津の墓を訪問し、小津の作品「東京物語」で主演の笠智衆や撮影の厚田雄春にインタビューする。一方で、「東京物語」の舞台となった東京の取材当時の日常風景が展開される。オープニングとエンディングに小津作品「東京物語」がフィーチャリングされる。映されているのは1983年の東京である。もちろん「東京物語」で描かれた1953年の様相はなく、欧米化された都会の喧騒の中にも、日本独自の風景がそこにはあった。パチンコ・竹の子族・食品サンプル等が映されている・・・。

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撮影の厚田雄春氏とNC MITCHELL(1,000フィートマガジン)

題名:TOKYO-GA
邦題:東京画
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ヴィム・ヴェンダース
撮影:エド・ラッハマン
音楽:ローリー・ペッチガンド、ミーシュ・マルセー、チコ・ロイ・オルテガ
編集:ヴィム・ヴェンダース
ナレーション:ヴィム・ヴェンダース
出演:笠智衆、厚田雄春、ベルナー・ヘルツォーク
1985年ドイツ/ビデオ・カラー92分SDビデオ
東京画 [DVD]
2015年1月現在、DVDレンタルはありません。

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小津安二郎監督が作らせたハイハット       小津安二郎監督の遺品

※右画のストップウオッチは、35mm・16mmのフィートカウンター(時分コマ数付)が付いている。
小津監督は記録さんとは別に撮影カットを測っていたそうだ。

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