映画「喜劇 急行列車/団体列車」

喜劇 急行列車喜劇 急行列車
渥美清                        楠トシエ

喜劇 急行列車
今回は瀬川昌治監督1967年製作「喜劇 急行列車」をピックアップする。
本作は、渥美清さんが、男はつらいよシリーズ 開始以前に東映で主演していた列車シリーズの第一作だ。寝台特急さくらは、EF65-509号機に牽引された20系客車が舞台となる訳だが、東京車掌区の点呼から始まり、車内検札、乗客係による寝台のセッティング、食堂車など貴重な映像が盛りだくさんだ。寝台特急さくらは、九州に入線するとED73形、長崎本線ではDD51形ディーゼル機関車の43号機に牽引される。長崎本線は当時未だ非電化で、電化は本作劇場公開から9年後だった。

【追記・訃報】
喜劇映画を得意とし、「列車」シリーズなどで知られる映画監督の瀬川昌治さんが2016年6月20日に老衰のため東京都内の自宅で死去した。テレビドラマでも山口百恵さんの「赤い」シリーズのほか、「スチュワーデス物語」「ホテル」などを演出。後年は若手俳優を育成する「瀬川塾」を主宰した。

喜劇 急行列車喜劇 急行列車
佐久間良子                       楠トシエ

【ストリー】
特急列車の専務車掌青木吾一(渥美清)は、十七歳から鉄道一筋に生きてきたベテランで、妻きぬ子(楠トシエ)との間にできた四人の子供も、特急・さくら・つばめ・ふじと汽車の名前をつけるほどの鉄道キチガイだ。持ち前の顔は少し間が抜けているが、乗客には徹底した奉仕、部下の指導にはなかなかのウルサ型だ。食堂車のウェイトレス洋子と恋愛中の乗客掛古川(鈴木ヤスシ)など年中、青木の叱言をあびていた。東京出発、長崎行「さくら号」に乗組んだ青木は、乗客のなかにかつての知合いで初恋の人、塚田毬子(佐久間良子)を発見した。毬子は夫とうまくいっておらず、一人旅に出て来たというのだ。久し振りに会った二人は何となくホンわかした気持になった。徳山を過ぎた頃、事件が起きた。ホステス五人組の貴重品がなくなったのだ。が、青木の活躍とそれに毬子の機転で犯人は捕まった。列車は長崎に着いた。明日の上りまで勤務を解かれた青木は、毬子と楽しい一夜を過ごし、他日、鹿児島での再会を約して東京に帰った。家に帰ってきた青木のそわそわした態度に、疑問を持った妻きぬ子は、鹿児島行特急“富士号”の勤務についた夫の後を追って列車に乗りこんでしまった。忽ち二人は大喧嘩となったが、とにかく、二人は終点まで一緒に行くことになった。初めて夫と一緒に乗って、車掌という仕事がきびしいものであると知ったきぬ子は、夫を見直すことになった。乗り越しの乗客の世話や、部下の失敗を自分の失敗として処理する青木。心臓病手術のため、別府に向う少年をはげまし、心のこもったサービスをする青木、きぬ子は感動した。終着駅西鹿児島駅についた。ホームには、毬子が夫慎太郎(江原真二郎)と共に姿を見せていた。和解がなってもう一度やり直す--という毬子の言葉に心から喜ぶ青木。きぬ子と夫と久しぶりに水入らずの時が持てて幸せそうだった。

喜劇 急行列車喜劇 急行列車
西村晃

題名:喜劇 急行列車
監督:瀬川昌治
企画:秋田亨、加茂秀男
製作:大川博
脚本:舟橋和郎
撮影:飯村雅彦
照明:元持秀雄
録音:小松忠之
美術:北川弘
編集:祖田富美夫
音楽:木下忠司
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
製作主任:武田英治
助監督:山口和彦
協力:日本国有鉄道
スチール:加藤光男
出演:渥美清、楠トシエ、佐久間良子、江原真二郎、関敬六、楠トシエ、西村晃、小沢昭一、大原麗子、鈴木やすし、西村晃、三遊亭歌奴、根岸明美、桜京美、三原葉子、左卜全、桑原幸子、田沼瑠美子
1967年日本・東映/シネスコサイズ・フジカラー90分35mmフィルム
喜劇 急行列車 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

喜劇 急行列車喜劇 急行列車
大原麗子                 大原麗子、鈴木やすし
喜劇 団体列車喜劇 団体列車
渥美清                    城野ゆき


喜劇 団体列車
今回は瀬川昌治監督1967年製作「喜劇 団体列車」をピックアップする。
本作は、喜劇列車シリーズの第2作で、第一作との物語上の関連はない。国鉄四国支社(現・JR四国)の全面協力で奥道後温泉、松山、宇和島、高松、高知、足摺岬などの観光スポットを中心に四国全土でオールロケを敢行している。伊予和田駅のモデルとして撮影されたのは、予讃線の堀江駅だそうで、登場する車両のうち、C58形蒸気機関車333号機は、廃車後に多度津工場に保存されている。また土佐電気鉄道(現・とさでん交通)の路面電車も登場している。

喜劇 団体列車喜劇 団体列車
佐久間良子                   佐久間良子、渥美清

【ストリー】
奥道後温泉をひかえた小さな駅、伊予和田駅に勤務する山川彦一(渥美清)は、30歳で独身、母親お杉(ミヤコ蝶々)と二人暮しである。過去三回助役試験に落っこちてはいるが、四度目を前に張切っていた。国鉄ローカル各線は赤字に悩んでおり、赤字克服の手段として、伊予和田駅では、倉持駅長(市村俊幸)以下が、団体旅行客の獲得に大わらわであった。ある日、彦一は迷子の坊やを拾ったことから、その母親志村小百合(佐久間良子)と知り合になった。小百合は学校の先生で未亡人。彦一は小百合の美しさにぼーっとなってしまった。そんな時に、叔父の風間八五郎(由利徹)から見合の話を持込まれた。相手は、昔国鉄に勤めていた日高友造(笠智衆)の娘邦子(城野ゆき)で、父の友造は助役試験に八回も落ちた人物だと聞かされ、彦一は見合を承諾した。友造は、好人物で、邦子も明るい娘であった。だが、彦一の頭には何故か小百合の面影がちらついて離れなかった。そんなうちに、助役試験の日がやって来た。第一次試験はパス。二次試験は自由討論であった。受かった二人、山川彦一と太宰淳一(大辻伺郎)はテーマの「四国鉄道の赤字の克服」で激論を戦わした。だが彦一はまたも落ちてしまった。ヤケ酒をあおる彦一は、飲み屋で友造にバッタリ。落第記録保持者の友造に慰められ、彦一は一晩中友造と飲み屋をほっつきまわるのだった。ある日、四国巡りの団体客に、彦一が添乗としてついて行くことになった。その中には、子供を連れた小百合もいた。彦一は張り切った。だが、出発間際には、邦子も乗りこんできた。高知から徳島へ向う途中、邦子から彦一は求婚された。しかし彦一は上の空、チャンスをみつけて、小百合に恋をうちあげようと思うからである。しかしである、逆に彦一は、小百合から再婚話の相談をうけるはめになった。彦一はがっくりとなった。それから一年が過ぎた。五回目にやっと助役試験にパスした彦一は、大阪で開かれる講習会に出席するため、伊予和田駅を発った。見送りには、今は彦一の妻となった邦子の姿があった。

喜劇 団体列車喜劇 団体列車
笠智衆                      小沢昭一

題名:喜劇 団体列車
監督:瀬川昌治
企画:秋田亨、加茂秀男
製作:大川博
脚本:舟橋和郎
撮影:坪井誠
照明:元持秀雄
録音:小松忠之
美術:北川弘
編集:祖田富美夫
音楽:木下忠司
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学工業
進行主任:武田英治
協力:日本国有鉄道四国支社
スチール:田中真紀夫
出演:渥美清、城野ゆき、佐久間良子、小沢昭一、笠智衆、由利徹、楠トシエ、ミヤコ蝶々、三遊亭歌奴、大辻伺郎、市村俊幸
1967年日本・東映/シネスコサイズ・フジカラー91分35mmフィルム
喜劇 団体列車 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

喜劇 団体列車喜劇 団体列車
城野ゆき

映画「女囚701号さそり」


女囚701号さそり 主演:梶芽衣子

今回は東映映画(大泉撮影所)1972年製作、伊藤俊也監督第一回作品「女囚701号さそり」をピックアップした。梶芽衣子さんの魅力満載の映画 だ。当時、彼女が主題歌を歌った「恨み節」EPレコード盤を買った事を思い出す。この曲は後にクエンティン・タランティーノ監督作品「キル・ビルVol.2」で使用 された。
内容は元祖「マジすか!学園」大人版といった内容だが、大島渚監督、若松孝二監督作品の横山リエさんやベテランの扇ひろ子さん、渡辺やよいさん、片山由美子さん、三原葉子さん、根岸明美さんなど女優さん達の惜しげもないヌードもレアだ。

スタッフは巨匠仲沢半次郎氏が撮影を担当され、私もチーフ撮影助手時代にTV映画(東映企画プロ)でご一緒させて戴いた川崎保之丞氏が照明を担当されているから安心して見れた。

【ストリー】
Y県女子刑務所。けたたましく鳴り響くサイレン、女囚二人が脱走を企だてた。松島ナミ、木田由紀子である。しかし、刑務所々長郷田らの必死の追跡で、脱走 は失敗に終る。捕われた二人はイモ虫のように手足を縛られ、懲罰房へ入れられた。身動きのできない状態でナミは過去のことを思い起こすのだった。ナミには 麻薬取締りの刑事、杉見という恋人かいたが杉見はナミを麻薬捜査の囮として使い、強姦させたあげく、自分はその現場に乗り込み、麻薬を押収する。そのう え、その麻薬をネタに麻薬組織海津興行に寝返ったのである。杉見の愛を信じていたナミにとってこの裏切りは許せなかった。翌日、杉見を襲うが致命傷には到 らず、その場で逮捕されたのであった。“復讐”という執念に燃えるナミは刑務所内でも異様な存在で、皆から反感を受けていた。ただ、口の不自由な木田由起 子だけがナミを慕い近ずいていた。ナミと由起子が懲罰房から解放された頃、新入りの女囚進藤梨恵が入所して来た。梨恵もナミ同様他の女囚たちと肌が合わず 対立した。ある日、梨恵は片桐らの企みであやうく無実の罪に陥れられそうになるが、ナミの機転で救われ、以来ナミに好意を持つようになる。しかしこの事件 で、梨恵の替りに罪をきせられた政木が逆上し郷田の眼をガラスの破片で刺してしまった。怒った郷田は全員に穴掘り作業を命じ、その後、ナミには“閻魔おと し”を命令。“閻魔おとし”とは囚人たちが最も恐れている穴掘り作業、つまり一つの穴を掘っては埋め、埋ては掘るという作業なのである。極度の疲労に襲わ れるナミ、とうとう同情した由起子が看守を襲い、それをきっかけに、日頃看守たちに虐待を受けていた女囚たちの憎悪が爆発、大騒動を起こし、倉庫にたてこ もる。しかし、この暴動の際に由起子が射殺された。そして、ナミは由起子から片桐が自分の命を狙っていると知らされ、杉見の手がここまでのびていることを 知り愕然とする。片桐はナミを裏切り者扱いにし、他の女囚らを煽動、ナミに凄絶なリンチを加える。しかしナミは逆に片桐の企みを暴き片桐を裏切り者にして しまうのに成功する。一方郷田らは食事の差し入れと偽り、一挙に倉庫になだれ込み、全員逮捕するが、この間倉庫に火をつけ混乱を起したナミは見事脱走に成 功する。そして、厳重な警戒の網の目をくぐって念願だった杉見及び海津への復讐を果すのだった。

題名:女囚701号さそり
監督:伊藤俊也
脚本:神波史男、松田寛夫
原作:篠原とおる
撮影:仲沢半次郎
照明:川崎保之丞
録音:広上益弘
美術:桑名忠之
編集:田中修
音楽:菊池俊輔
助監督:小平裕
出演:梶芽衣子、横山リエ、夏八木勲、渡辺文雄、扇ひろ子、渡辺やよい、片山由美子、三原葉子、根岸明美
1972年日本・東映/シネスコサイズ・カラー87分35mmフィルム
<DVD>女囚701号さそり [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


女囚701号さそり」扇ひろ子、横山リエ        渡辺やよい

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