映画「愛欲」


三國連太郎                         三田佳子

今回は佐藤純彌監督1966年製作「愛欲」をピックアップする。
本作は、東映が”網走番外地シリーズ“を連作していた1966年に、”東映が送る女性映画”として激しい愛の葛藤を描いた作品である。三國連太郎さんの演技の幅の広さに、今更ながら驚かされる。


佐久間良子                        丹波哲郎

【ストリー】
麻生食品の宣伝課長・江崎哲也(三國連太郎)は、他の広告業界にも、その名をとどろかせる仕事の鬼だ。そんな生活力のたくましい江崎を銀座でも一流のバー“クライス”のマダム奈津子(三田佳子)は愛しぬいていた。が、ある日、江崎は京都に出張中、ふとしたことから、京都清水旅館の女王人、由喜(佐久間良子)に会った。由喜は数年前、夫と死別して以来、旅館の経営に打ちこみ、一人身のさびしさをまぎらわしていた。だから、江崎の男くささに魅かれた由喜は、恥も外聞も忘れて、江崎の胸の中にとびこんでいった。奈津子も女の本能から、由喜の存在を知ると、激しく由喜に嫉妬した。江崎の親友である麻生公輔(丹波哲郎)は、女のために、江崎の仕事が乱れるのを案じて、京都に由喜を訪ねて、江崎と別れてくれとたのんだ。しかし、すでに燃えあがった由喜の女心をしづめることはできなかった。が、このころを境に江崎の仕事ぶりは目に見えておちはじめた。そして、ある日、仕事と情事のジレンマに思い悩み、すっかりしょげかえった江崎を慰める奈津子に、江崎は突然結婚を申しこんだ。奈津子は信じられぬまま、うれし涙にくれた。が、二人の結婚話を聞いて駈けつけてきた由喜が、再び江崎の前に姿を現すと、江崎は婚約披露パーティを投げすてて、由喜と共に東京を離れた。だが、この江崎が会社を留守にした三日の間に、麻生食品のライバル会社は、江崎があたためていた、世界一周旅行の懸賞付新聞広告を出してしまった。責任を感じた江崎は会社を辞めた。むろん江崎にも、一人で十分やっていける自信もあった。が、江崎の事業は失敗した。自分の店を売ってまで、江崎を助けようとした奈津子は、江崎と由喜が愛し合っているのを知ると、服毒自殺を計った。そして、時を同じくして、由喜も江崎と共に心中を計った。だが、発見の早かった奈津子と、体力のある江崎は、命をとりとめた。由喜の墓前で再出発を誓った江崎は、奈津子のすがるような視線をあとに、いずことなく去っていった。


城野ゆき                         愛欲

題名:愛欲
監督:佐藤純彌
企画:俊藤浩滋、吉田達
脚本:森川英太郎、佐藤純彌
撮影:西川庄衛
照明:元持秀雄
録音:内田陽造
美術:北川弘
衣裳考証:上野芳生
衣裳デザイン:河野美智子
衣裳協力:外市株式会社
編集:長沢嘉樹
音楽:佐藤勝
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
進行主任:白浜汎城
助監督:野田幸男
スチール:藤井善男
出演:三國連太郎、佐久間良子、三田佳子、丹波哲郎、江原真二郎、城野ゆき、芦田伸介、小瀬明、岡部正純、都健二、木川哲也、沢彰謙、相馬剛三、小林稔侍
1966年日本・東映/シネスコサイズ・カラー90分35mmフィルム
愛欲 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


三國連太郎、三田佳子                  三國連太郎

映画「飼育」


三國連太郎                          小山明子

今回は大島渚監督1961年製作「飼育」をピックアップする。
本作は、大島渚監督が松竹を退社し初めて町場で制作した作品である。
本作公開の3か月前に倒産した新東宝を分社化して同年9月1日に設立され、わずか6本を配給して活動を停止した大宝株式会社の設立第3作であった。ジョン・カサヴェテス監督が1959年に制作したデビュー作「アメリカの影」に出演したヒュー・ハードが、墜落したB29の搭乗員を演じている。

作品リスト


ヒュー・ハード                          三原葉子

【ストリー】
昭和20の初夏。或る山村へ米軍の飛行機が落ちた。百姓達の山狩りで黒人兵(ヒュー・ハード)が捕まった。黒人兵は両足首に猪罠の鉄鎖をはめられ、地主鷹野一正(三國連太郎)の穴倉へ閉じこめられた。県庁の指令があるまで百姓達は、輪番制で黒人兵を飼うことになった。こんな頃に、鷹野の姪の幹子(大島瑛子)がこの村に疎開して来た。地主の一正は、豚のように貪欲で好色な男だ。息子の嫁の久子(中村雅子)とも関係を結び、疎開もんの弘子(小山明子)にも野心を持っていた。村の少年達はクロンボが珍らしくてしょうがない。いつも倉にやって来ては黒人兵をみつめている。少年達と黒人兵はいつしか親しさを持つようになっていった。そこへ、余一(加藤嘉)の息子次郎(石堂淑朗)が召集令をうけて村に帰って来た。出征祝いの酒盛りの夜、次郎は暴力で幹子(大島瑛子)を犯した。そして、翌日次郎は逃亡した。兄が非国民となって、弟の八郎(入住寿男)は怒った。幹子のせいだ。幹子を責めた八郎は、皆に取押さえられて鷹野家の松に吊された。クロンボが八郎を慰めるように歌をうたった。八郎はクロンボも憎かった。こいつのために村中が狂ってしまったのだ。縄を切った八郎は、ナタを持ってクロンボに飛びかかった。その時、そばにいた桃子(上原以津子)は突き飛ばされて崖下に転落、そして死んだ。伝松(山茶花究)の息子が戦死したという公報が入った。みんなあのクロンボが厄病神なのだ。村の総意は、クロンボをぶち殺してしまえということになった。そうと知った少年達は、クロンボを逃がそうと図った。だが、飛びこんで来た一正が、ナタでクロンボを殺してしまった。それから数日して、書記(戸浦六宏)が慌ててみんなに発表した。戦争が終ったのだ。みんなはあおくなった。もし進駐軍に知れたら。一正の発案でなにも起らなかったことにした。みんななにも見ないしなにもしなかったのだ。そのかための酒盛りの晩、次郎がかえって来た。もし発かくしたら、次郎が犯人ということで……。ところが次郎は書記と争ってあやまって死んでしまった。その火葬の火をバックに秋祭りの相談が行われた。何ごともなかったように。それはあたかも戦争そのものがなかったようでさえあった。その炎をじっとみつめている八郎の目には無限の悲しみと、怒りがこみあげていた。……大人たちは忘れ去ったとしても、この少年には戦争は決して消し去ることのできない心のキズであった。


中村雅子                                三國連太郎

題名:飼育
監督:大島渚
製作:田島三郎、中島正幸
原作:大江健三郎「飼育」
脚本:田村孟
撮影:舎川芳次
照明:菱沼誉吉
録音:岡崎三千雄
音効:角田陽次郎
美術:平田逸郎
振付:西野晧三
編集:宮森みゆり
音楽:真鍋理一郎
製作主任:岸田秀男
助監督:柳田博美
製作協力:佐野博
脚本協力:松本俊夫、石堂淑朗、東松照明
三頸獅子舞指導:別所神社子連中
デザイン:粟津潔
スチール:武智俊郎
出演:三國連太郎、小山明子、三原葉子、ヒュー・ハード、中村雅子、岸輝子、沢村貞子、山茶花究、浜村純、大島瑛子、加藤嘉、戸浦六宏、小松方正、石堂淑朗、入住寿男
1961年日本・パレスフィルムプロダクション+大宝/シネスコサイズ・モノクロ105分35mmフィルム
飼育 -DVD-
2018年12月現在、DVDレンタルはありません。


飼育

映画「マルサの女2」


宮本信子                      大地康雄、津川雅彦、桜金造

今回は伊丹十三監督1988年製作「マルサの女2」をピックアップする。
本作は、日経平均株価が終値3万円代というバブル景気の時代背景に、マルサ(国税局査察部)の地上げ屋や宗教法人に対する戦いを描いたもので、前作よりスケールアップしている。
この作品で、まだ当時日本に1台しかなかった最新型のスタインベック編集機を使ってポジ編集をしたそうだ。

【伊丹十三監督作品】
1984年「お葬式
1985年「タンポポ
1987年「マルサの女
1988年「マルサの女2
1990年「あげまん
1992年「ミンボーの女
1993年「大病人
1995年「静かな生活
1996年「スーパーの女
1997年「マルタイの女
※各作品のリンクは、予約投稿で表示しないページがありますが、後日表示されます。


35mm Steenbeck編集機                                       三國連太郎

三國連太郎、上田耕一                益岡徹、宮本信子

洞口依子                        笠智衆

【ストリー】
マルサこと国税局査察部査察官・板倉亮子に、東京大学を卒業したばかりという部下がついた。亮子はある地上げ屋の脱税を追求していたが、その裏にはもっと大きな力がうごめいていた。それはヤクザであり、宗教法人であり、さらに大物政治家までもが絡んでいた。宗教法人というのはいくらお金をもうけても税金はかからない。そこに目をつけた悪人たちは、宗教法人を隠れミノに金儲けを企む。亮子たちは地上げ屋を繰る鬼沢鉄平という天の道教団の代表に目をつけ調査を始めるが、なかなかシッポをつかまえることができない。亮子らはあるとき税務署員を装い教団へと潜入するが、教徒らによって追い出されてしまった。地上げ屋のマンションの住人や大衆食堂に対する横暴が続く中で、何億円という巨額な金が動いていた。しかし、亮子たちが証拠をつかもうとすると、次々にトカゲのシッポを切るように人が殺されていく。いよいよ脱税の確信をつかんだ査察部は、天の道教団へ乗り込み、証拠書類を押収。鬼沢鉄平を取り調べまで追い込んだ。しかし、最後まで鬼沢は口を割らず挙句の果てに自ら顔を壁にぶつけて血だらけになりながら、「国税局は納税者を拷問にかけるのか」とすごむ始末。しかし、そんなとき取り調べ室まで狙撃された。鬼沢までトカゲのシッポでしかなかったのか。やがて鬼沢の腹心・猫田が死体となって発見され、鬼沢は身重の愛人と巨額の財産を隠していた自分の墓に逃げ込み高笑いし続ける。鬼沢の地上げした土地ではビルの着工を前に地鎮祭が行われ、鬼沢を背後で操って自らは手を汚すことなく利益を得た大臣・代議士・企業幹部が談笑する。その姿を少数の同僚とともにフェンス越しに隠れて見つめていた亮子は、やりきれなさに唇を噛む。


加藤治子                           岡本信人

題名:マルサの女2
監督:伊丹十三
製作:玉置泰、細越省吾
脚本:伊丹十三
撮影:前田米造
照明:桂昭夫
特機:落合保雄
録音:小野寺修
音効:斉藤昌利
美術:中村州志
装飾:山崎輝。石田登、富沢幸男
装置:木村浩之
美粧:小沼みどり、石垣昌子
衣装:小合恵美子、斎藤昌美
特殊効果:白組、サンク・アール
造形:江川悦子
擬斗:高瀬将嗣
カースタント:タカハシレーシング
スタント:ジャパン・アクション・クラブ
配役:笹岡幸三郎+N.C.P.
記録:堀北昌子
編集:鈴木晄 ネガ編集:土井由美子
音楽:本多俊之 音楽プロデューサー:立川直樹
撮影機材:パナビジョン(三和映材社)
照明機材:東洋照明 ゼネ:三穂電機
フィルム:イーストマンコダック(日本コダック)
現像:イマジカ
製作担当:山崎隆
製作進行:岩下真司、土井征一
助監督:久保田延廣
演技事務:朝妻秀明
演出助手:当摩寿史、片島章三、前田哲
撮影助手:高瀬比呂志、上野彰吾、石山稔、浮谷康至
特機助手:度合誠司
照明助手:橋本好和、島田正、石川和明
録音助手:桜井敬悟、高橋勝美
美術助手:沖山真保、佐々木修
衣装助手:神林泰子
編集助手:米沢幹一
グラフィックデザイン:佐村憲一
スチール:野上哲夫
出演:宮本信子、津川雅彦、三國連太郎、丹波哲郎、大地康雄、益岡徹、上田耕一、桜金造、洞口依子、マッハ文朱、岡本麗、中村竹弥、不破万作、南原宏治、洞口依子、加藤治子、きたろう、小松方正、結城美栄子、笠智衆、小鹿番、岡本信人
1988年日本・伊丹プロダクション/ビスタサイズ・カラー127分35mmフィルム
マルサの女2 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


津川雅彦、小松方正              丹波哲郎、津川雅彦、宮本信子

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