映画「脅迫(おどし)」

脅迫(おどし)
三國連太郎

今回は深作欣二監督1966年東映製作「脅迫(おどし)」をピックアップする。
名優の三國連太郎、西村晃、室田日出男の安定した演技と東京都内(新宿・渋谷・銀座)の手持ち撮影によるロケーションで緊迫感は伝わって来る。1960年代の日本映画を見ると風景や乗り物に歴史を感じるが、本作は芝居が色褪せてないのが凄い。

脅迫(おどし)脅迫(おどし)
西村晃                      室田日出男

【ストリー】
家族のために、また自分の小さな幸福のために、ひたすら上役にゴマをすり、出世に身を削っていた一流広告代理店「共報堂」の営業部長三沢の家に、ある日癌 の権威者坂田博士の孫を誘拐した兇悪脱獄囚川西とサブが逃げこんできた。彼らは三沢を利用して高とびするための身代金一千万円をまきあげようというのだ。 そして、思慮深い年配の川西は、新潟にいる仲間と連絡をとり、船で逃げのびる計画をたて、翌日坂田博士に指定してあるデパートで身代金を受取ってくるよう 三沢に命じた。家に妻の弘子や息子正夫を残してきた三沢は逃げだすわけにもいかず、指定されたデパートにむかっだ。がすでに、そこには私服警官が張りこん でいて、三沢は金をおいて、命からがらデパートから逃げだしてきた。恐怖心のトリコになり街をさまよう三沢には、最早家族のことより、自分の命と地位の方 が大事であった。だが、そんなとき、三沢は路傍で強い愛情の絆で結ばれた貧しい親子の姿を見て心を打たれ、自分の貧しい心を恥じた。川西やサブの待ちうけ る家に帰った三沢は、すでに昨日の小心者の三沢ではなかった。なんとかして、妻や子を守ろうとする使命感が彼に勇気を与えたのだ。翌日川西は再び、坂田博 士を呼びだし、場所を地下街プロムナードに移して、三沢に金を取りにいかせた。こんどは三沢も積極的に動き、無事金を受取った。だが大金を手にし、一瞬逡 巡した三沢のとこに、成行きを案じたサブがかけつけてきた。が、サブが一千万円入りの鞄を引ったくろうとした瞬間、三沢は無意識のうちにサブを殴り倒して いた。これに勇気を得た三沢は、さらに川西が待つ車の背後に忍びより、これにいち早く気ついた弘子の助けで、川西を車から引ずり降した。突然の逆襲に川西 はあわてて逃げだしたが多勢の通行人にさえぎられ、逃げ場を失い、線路にとびだし、電車にはねられた。孫が無事もどり顔をほころばせる博士の横で、三沢は 妻と子をしっかりとだきしめた。

脅迫(おどし)脅迫(おどし)

題名:脅迫(おどし)
監督:深作欣二
脚本:宮川一郎、深作欣二
撮影:山沢義一
照明:元持秀雄
美術:北川弘
録音:大谷政信
編集:祖田富美夫
音楽:富田勲
現像:東映化学
出演:三國連太郎、西村晃、春川ますみ、保積ペペ、室田日出男、内田良平、三津田健、小沢昭一、沢彰謙
1966年日本・東映/シネスコサイズ・モノクロ84分35mmフィルム
脅迫 [DVD]
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脅迫(おどし)脅迫(おどし)
内田良平

映画「復讐するは我にあり」

復讐するは我にあり復讐するは我にあり
緒形拳

今回は今村昌平監督1979年製作「復讐するは我にあり」をピックアップする。
「にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活」から9年ぶりの本作は、1970年に直木賞を受賞した佐木隆三氏の同名の原作を映画化したもので緒形拳の鋭い演技が冴え渡る作品だ。共演の三國連太郎、倍賞美津子、小川真由美が作品に厚みを持たせている。また映画化権を巡り、黒木和雄、深作欣二、藤田敏八と映画化権利取得を争った経緯があった。本作は3/2がロケーション撮影され残りが浜松でロケセット撮影、弁護士殺害シーンは実際の殺害事件の現場であるアパートで撮影されたそうだ。

復讐するは我にあり復讐するは我にあり
三國連太郎                   倍賞美津子

【ストリー】
日豊本線築橋駅近くで専売公社のタバコ集金に回っていた柴田種次郎、馬場大八の惨殺死体が発見され、現金41万円余が奪われていた。かつてタバコ配給に従 事した運転手榎津厳が容疑者として浮かんだ。榎津は駅裏のバー「麻里」のママ千代子を強姦、アパートに連れこんで関係を強要し続けるなど、捜査員の聞き込 んだ評判も悪い。二ヵ月前までは、ヌードダンサー上りで「金比羅食堂」をやっていた吉里幸子と同棲、母子家庭をガタガタにもした。数日後、宇高連絡船甲板 に幸子と両親宛ての榎津の遺書と、一足のクツが見つかり、投身自殺の形跡があった。偽装と疑った警官が別府市・鉄論で旅館を営む榎津の実家を訪れると、老 父鎮雄、病身の母かよ、妻加津子は泣きながら捜査の協力を誓う。一家は熱心なカトリック信者だが、戦争中、厳は網元をしていた父が軍人に殴られ、無理矢理 舟を軍に供出させられた屈辱の現場を目撃して、神と父への信仰を失い、預けられた神学校で盗みを働き、少年刑務所へ送られた。その後も犯罪と服役を繰り返 し、その間に加津子と結婚した。結婚後、加津子も入信したが、榎津に愛想をつかし離婚、その後、尊敬する義父の懇望に従い再入籍。榎津は出所する度に父と 加津子との仲を疑い、父に斧を振り上げるなど、一家の地獄は続いた。浜松に現われた榎津は貸席「あさの」に腰をすえ、大学教授と称して静岡大などに出没、 警察をあざ笑うような行為を重ねる。千葉に飛んだ榎津は裁判所、弁護士会館を舞台に老婆から息子の保釈金をだまし取り、知り合った河島老弁護士を殺して金 品を奪った。この頃になると警察史上、最大といわれる捜査網が張り張り巡らされていた。浜松に戻った榎津の素姓に「あさの」の女主人ハルやその母、ひさ乃 も気づき始めた。しかし、榎津に抱かれるハルは「あんたの子を生みたい!」とその関係に溺れ、元殺人犯で競艇狂いのひさ乃も榎津を逃そうとする。だが、そ んな母娘を榎津は絞め殺し、「あさの」の家財を売り飛ばし、電話まで入質して逃亡資金を貯え、七十八日後、九州で捕まるまで詐欺と女関係を繰り返した。絞 首台に上がる直前、最後の面会に来た父に榎津は「おやじ……加津子を抱いてやれ……。
人殺しをするならあんたを殺すべきだった」と毒づく。残された一家に も重い葛藤があった。死の床にある母は「私も女じゃけえ、お父さんを加津子に渡しとうなか」と言い続けた。父も地獄のような家を守ってきた嫁が心底かわい く、信仰とのはざまに悩みぬく。そんな義父を加津子は無性に好きだった。榎津の処刑後、別府湾を望む丘に、骨壷から、榎津の骨片を空に向って投げる、鎮雄 と加津子の姿があった。

復讐するは我にあり復讐するは我にあり
倍賞美津子、三國連太郎               白川和子

題名:復讐するは我にあり
監督:今村昌平
製作:井上和男
原作:佐木隆三
脚本:馬場当
撮影:姫田真佐久
照明:岩木保夫
美術:佐谷晃能
録音:吉田庄太郎
記録:八巻慶子
編集:浦岡敬一
現像:東洋現像所
音楽:池辺晋一郎
助監督:新城卓
監督助手:北西洋一、森安建雄、中田信一郎
撮影助手:門倉祐一、丸池納、原一男、鈴木悟
スチール:石黒健治
出演:緒形拳、三國連太郎、ミヤコ蝶々、倍賞美津子、小川真由美、清川虹子、殿山泰司、絵沢萠子、白川和子
1979年日本・松竹+今村プロダクション/ビスタサイズ・カラー140分35mmフィルム
復讐するは我にあり デジタルリマスター版 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

復讐するは我にあり復讐するは我にあり
復讐するは我にあり

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