映画「喜劇 駅前金融」


フランキー堺                         森繁久彌、淡島千景

今回は佐伯幸三監督1964年製作「喜劇 駅前金融」をピックアップする。
本作は、”駅前シリーズ(1958年~1969年)”の第12作になる。
尾崎紅葉の「金色夜叉」を下敷きにしたパロディを喜劇としてまとめた内容だが、フランキー堺さんのトランペット演奏が見れる貴重な作品である。


伴淳三郎、乙羽信子                   三木のり平、沢村貞子

【ストリー】
場末の繁華街にある金成ビルの管理人伴野孫作(伴淳三郎)と女房のかね子(乙羽信子)は、ホステスや近所の商人相手の高利貸をする金の盲者だ。ある日、ゴールデン・フジのホステスNO1の染子(池内淳子)が、次郎(フランキー堺)のために金を貸りに来た。次郎には、恩師で会計学の権威前川博士(加東大介)の一人娘由美(大空真弓)というフィアンセがいた。だが書生時代前川から見込まれた次郎も、学者を嫌ってバンドマンになった今、前川夫妻の頭痛の種であった。染子はそんなこととは露知らず次郎にぞっこんまいってしまった。そんなある日、前川夫妻は、40歳にして経理士の資格を取った森田徳之助(森繁久彌)を祝うと称して、成金の高岡三平(三木のり平)と由美を料亭“しまの家”で会わせた。三平と徳之助は大学が同期であったが由美の前でダイヤの指輪をちらつかせる三平に、祝の席を奪われてしまった。翌日、染子が工面した金を持って徳之助の所に現われた次郎は、三平の話を聞くとしょげこんだ。アパートへ帰った次郎を、由美が待っていた。由美は、「キャバレー勤めを止めて家に帰って欲しい」と次郎を口説いた。一方、徳之助は、“しまの家”の経理士となった。女将圭子(淡島千景)は、独身の徳之助に、何かと誘惑の手をさしのべた。徳之助は、金成ビルの持主、金成剛造(有島一郎)の妻藤子(淡路恵子)にふられて以来、独身を通してきたのだった。そんな徳之助の所へ、次郎が前川から由美との話を破談にして欲しいと言われたと、血相をかえてやって来た。徳之助に入れ知恵された次郎は、翌朝、由美と母親花子(沢村貞子)を追って伊豆へ向った。三平と由美の部屋へ躍り込んだ次郎は、由美を表につれ出した。三平と結婚の約束を交わしたという由美に、次郎は金の力で負けた恨みを、金で晴そうと、伴野夫妻に弟子入りして高利貸修業に励んだ。やがて時がたち、由美は三平と結婚し、徳之助と圭子も結婚した。だが、景気のよかったゴールデンフジもつぶれ、金成ビルも危機に陥入った。この不景気風は三平のうえにものしかかり、会社はつぶれ、伴野もかね子に逃げられ、徳之助も圭子のケチ哲学に耐えられず家出を決行した。一方次郎は、この変動に気持を変え、またダンスホールのバンドマンとなった。ダンス音楽の流れる町に、由美と三平は屋台をひいて歩いていた。


フランキー堺、加東大介                       大空真弓

題名:喜劇 駅前金融
監督:佐伯幸三
製作:佐藤一郎、金原文雄
脚本:長瀬喜伴
撮影:岡崎宏三
照明:榊原庸介
録音:長岡憲治
整音:西尾昴
美術:小野友滋
編集:広瀬千鶴
音楽:広瀬健次郎
現像:東京現像所
製作担当:大久保欣四郎
監督助手:秦幸三郎
スチール:横山愈
出演:森繁久彌、伴淳三郎、フランキー堺、三木のり平、淡島千景、淡路恵子、大空真弓、池内淳子、乙羽信子、有島一郎、加東大介、沢村貞子、松尾和子、山茶花究、山東昭子
1965年日本・東京映画/シネスコサイズ・カラー94分35mmフィルム
喜劇 駅前金融 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


淡路恵子                    松尾和子、和田弘とマヒナ・スターズ

映画「疑惑」


岩下志麻                                 桃井かおり

今回は野村芳太郎監督1982年製作「疑惑」をピックアップする。
本作は、松本清張氏の同名小説の映画化で作者自身が脚色し、1978年に設立した自らの制作会社である霧プロダクションで作り上げた。本作において野村芳太郎監督が考えたラストは、ヒロインが最後救われるところで終わり。しかし清張はハッピーエンドの後にどんでん返しを用意すべきと主張し衝撃の結末が生まれたそうだ。

「原作をひと度映画会社やテレビ局に渡してしまえば、養子にやってしまうのと同じで、養家先でどのように扱われようと口出しすることはできない」松本清張映像の世界-霧にかけた夢-より


鹿賀丈史                              柄本明

【ストリー】
富山県新港湾埠頭で車が海中に転落、乗っていた地元の財閥、白河福太郎は死亡したが、後妻の球磨子はかすり傷ひとつ負わなかった。しかも、球磨子は過去に情夫と共謀して数数の犯罪を起こしていたことが判明。彼女は夫に三億円の保険金をかけており、この事故も、泳げない福太郎を殺すための擬装ではないかと誰もが疑った。北陸日日新聞の秋谷が積極的に報道を始めた。物的証拠がないまま球磨子は逮捕された。強気の球磨子は弁護士の原山を通じて、東京の花形弁護士、岡村に弁護を依頼するが、彼女の不利な立場に拒否され、原山も健康を理由に辞退。そして、女弁護士の佐原律子が国選弁護人として選ばれた。球磨子は同性でありながら自分とは違いすぎる立場にいる律子に反感を待った。律子も同じ気持だったが、ふとした偶然の事故から福太郎が自殺を企みようとしたことをつきとめた。球磨子は無罪となるが保険金は手に入らなかった。律子は真実をつきとめたが、球磨子を許すことは出来なかった。


仲谷昇                              小林稔侍

題名:疑惑
監督:野村芳太郎
製作:野村芳太郎、杉崎重美
原作:松本清張
脚本:野村芳太郎、松本清張、古田求
撮影:川又昂
照明:小林松太郎
録音:原田真一
調音:松本隆司
美術:森田郷平
装置:川添善治
装飾:磯崎昇
スタイリスト:矢野悦子
衣装:松竹衣装
美粧:八木かつら、馬場利弘
水中撮影:西山東男
編集:太田和夫
音楽:芥川也寸志、毛利蔵人
現像:東洋現像所
製作主任:福山正幸
製作進行:小松譲
監督助手:松原信吾
スチール:金田正
出演:岩下志麻、桃井かおり、鹿賀丈史、柄本明、小林稔侍、真野響子、森田健作、仲谷昇、小沢栄太郎、松村達雄、三木のり平、北林谷栄、伊藤孝雄、内藤武敏、名古屋章、河原崎次郎、丹波哲郎、山田五十鈴
1982年日本・霧プロダクション+松竹/ビスタサイズ・カラー127分35mmフィルム
疑惑 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


桃井かおり、岩下志麻

映画「喜劇 駅前女将」


森繁久彌                           伴淳三郎

今回は佐伯幸三監督1964年製作「喜劇 駅前女将」をピックアップする。
「待ってました! 豪華20大スターの超娯楽大作!」と宣伝された本作は、当時の有名喜劇俳優陣、女優陣を大挙して作られた。喜劇を通じて当時の世相を鋭く描いている。劇場公開時の同時上映作品は、成瀬巳喜男監督「乱れる」だった。


フランキー堺                        淡島千景、森繁久彌、 森光子

【ストリー】
両国駅前にある酒屋「吉良屋」の主人徳之助(森繁久彌)と柳橋に寿司屋をもつ「孫寿司」の主人孫作(伴淳三郎)は兄弟の間柄で、徳之助の女房満子(森光子)は孫作の妹である。この二人は大の仲良しで、いつも行動を共にしている。徳之助には、錦糸町でバーを経営するごひいきの藤子(淡路恵子)がいるが、この藤子にダブル・ベットを買ってやったことから、家庭騒動が起きそうな気配だ。或る日、徳之助は孫作から、かつての恋人景子(淡島千景)の消息を知らされた。今は夫とも死別し両国に帰って来た景子のために、店をもたせようと徳之助は奔走した。そんな時、孫作の家では大騒動がもちあがった。孫作の家に「マゴサク」とネームの入ったガウンと「フジコ」とネームの入った下着が届いたのだ。怒った妻の千代(京塚昌子)はフジコなる女を捜す為、満子の所に走った。それがあのダブルベット事件の足立藤子と同一人と睨んだ満子は、早速錦糸町におもむき、バー「ふじ」で孫作も徳之助も現行犯でつかまえた。徳之助のおかげで全部自分の責任にされた孫作は、おさまらなかった。そこで孫作は満子に景子のこと、そして養子縁組と思っていた次郎(フランキー堺)の相手、染太郎(池内淳子)も実は景子の妹だと告白した。とんだとばっちりをうけた次郎と染太郎は置き手紙をして駈け落ちした。行く先は、伯父の力造のいる銚子だ。徳之助と満子、孫作と千代それに景子(淡島千景)と菊太郎(沢村貞子)の奇妙な関係の六人は呉越同舟で一路銚子へと向った。が、力造(加東大介)の家でも、二人を捜してもう6時間もたつという。しょんぼりした力造の家では、満子も折れて、次郎と染太郎はめでたく結婚を認められた。丁度そこえのんきに帰って来た二人。三枝(中尾ミエ)の音頭で大漁節の歌声の中、次郎のかわりに養子に行く、力造の息子和男(峰健二)と二人のカップルが明るく出発していった。


森繁久彌、淡島千景、沢村貞子、京塚昌子、森光子

加東大介                            大空真弓

池内淳子、フランキー堺                      峰健二(峰岸徹)、池内淳子

題名:喜劇 駅前女将
監督:佐伯幸三
製作:佐藤一郎、金原文雄
脚本:長瀬喜伴
撮影:黒田徳三
照明:比留川大助
録音:長岡憲治
整音:西尾昇
美術:狩野健
編集:広瀬千鶴
音楽:松井八郎
現像:東京現像所
製作担当:大久保欣四郎
助監督:松本あきら
協力:銚子民芸千鳥会
スチール:大谷晟
出演:森繁久彌、伴淳三郎、フランキー堺、森光子、三木のり平、山茶花究、淡島千景、淡路恵子、池内淳子、加東大介、京塚昌子、大空真弓、乙羽信子、沢村貞子、中尾ミエ、峰健二(峰岸徹)
1964年日本・東京映画/シネスコサイズ・カラー89分35mmフィルム
喜劇 駅前女将 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


中尾ミエ                           淡路恵子、森繁久彌

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