映画「まむしの兄弟 刑務所暮し四年半」


川地民夫、菅原文太                    浜木綿子

今回は山下耕作監督1973年製作「まむしの兄弟 刑務所暮し四年半」をピックアップする。
“まむしの兄弟シリース”は、東映京都撮影所で1971年から1975年にかけて9作品が、菅原文太さんと川地民夫さん主演で制作された。本作はシリーズ第5作になる。同時上映は「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」であった。

【まむしの兄弟シリース】
1971年「懲役太郎 まむしの兄弟」監督:中島貞夫
1971年「まむしの兄弟 お礼参り」監督:本田達男
1972年「まむしの兄弟 懲役十三回」監督:中島貞夫
1972年「まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯」監督:中島貞夫
1973年「まむしの兄弟 刑務所暮し四年半」監督:山下耕作
1973年「まむしの兄弟 恐喝三億円」監督:鈴木則文
1974年「まむしの兄弟 二人合わせて30犯」監督:工藤栄一
1974年「極道VSまむし」監督:中島貞夫 主演:若山富三郎 ※コラボ作品
1975年「まむしと青大将」監督:中島貞夫
※各作品のリンクは、予約投稿で表示しないページがありますが、後日表示されます。


渡瀬恒彦                         ひし美ゆり子

【ストリー】
刑務所を釈放されたばかりの、まむしのゴロ政(菅原文太)は弟分の不死身の勝次(川地民夫)と神戸へ繰り込んだ。ところがバー“ユキコ”のママ、倉石優子(浜木綿子)にひと目惚れし、優子の4歳になる娘を、名古屋で水上生活を送るおばあちゃんのたか(三益愛子)が、預ったまま返してくれないと聞いた政と勝は名古屋へと向かった。名古屋へ着いた二人は、早速、暴力バーやインチキソープランドに引っかかり、大暴れしたものの、痛めつけられ放り出された。その二人を助けてくれたのが、たかだった。翌日、政と勝次は先日の暴力バーのマスター真吉(渡瀬恒彦)がたかの息子だと知る。そして、その真吉に芝江組が狙いをつけ、ショバ代を捲き上げようと責めたてていた。そんなある日、神戸から優子自らユキコ(鎌田知佐)を引きとりに来たが、たかは、赤ん坊を捨ててとび出した女には可愛いい孫を渡せぬ、と頑強に拒否。思いあまった優子はユキコの父親、芝江組々長の多三郎(小松方正)に会うが、冷たく突っぱねられ、挙句の果てに、組員たちに凌辱されてしまった。ぼろ布のようになって帰って来た優子を見たたかは「私が悪かった」と詫びるのだった。怒った政と勝次は、持ち前のしつこさで、何度も何度も芝江組に殴り込むうちに政が警察に掴ってしまった。一方、芝江組の脅迫を受けて、優子、ユキコ、たか、真吉らは神戸へ逃げ出そうとしたが、追って来た子分に真吉が殺されてしまった。やがて、出所した政と勝次は、盗んだパトカーで芝江の邸宅へ突っ込み、奪った猟銃や拳銃で大暴れ、真吉の仇を討つのだった。


三益愛子                     曽根晴美、渡瀬恒彦

小松方正                              川地民夫、菅原文太、女屋実和子、三島ゆり子、浜木綿子

題名:まむしの兄弟 刑務所暮し四年半
監督:山下耕作
企画:俊藤浩滋、橋本慶一、武久芳三
原案:斯波道男
脚本:野上龍雄
撮影:山岸長樹
照明:井上孝二
録音:野津裕男
美術:富田治郎
装置:稲田源兵衛
装飾:西田忠男
美粧・結髪:東和美粧
衣裳:高安彦司
擬斗:上野隆三
記録:石田照
編集:堀池幸三
音楽:広瀬健次郎
フィルム:富士フィルム
進行主任:植田正直
助監督:俵坂昭康
演技事務:西秋節生
スチール:諸角義雄
出演:菅原文太、川地民夫、渡瀬恒彦、三益愛子、浜木綿子、三島ゆり子、女屋実和子、ひし美ゆり子、遠藤辰雄、小松方正、南利明、曽根晴美、大泉滉、鎌田知佐
1973年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー90分35mmフィルム
まむしの兄弟 刑務所暮し四年半 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


渡瀬恒彦、ひし美ゆり子               菅原文太、菅原文太

映画「女渡世人 おたの申します」



藤純子、菅原文太                  島田正吾、藤純子

今回は山下耕作監督1971年製作「女渡世人 おたの申します」をピックアップする。
本作は、藤純子さん主演の任侠シリーズ「女渡世人」の第2作だ。私は藤純子さん主演の任侠映画で最高傑作であると思う。良く練られた優秀な脚本、手抜きのない華麗な殺陣、色香を漂わせ、人情の華を咲かせる表情豊かな藤純子さんの演技、どれをとっても素晴らしい。本シリーズは残念ながら、藤純子さんの結婚引退により本作で打ち切られていた。


藤純子、三益愛子                    金子信雄

【ストリー】
ひと昔前、上州で名を売った柔政の娘、太田まさ子(藤純子)は渡世修業のため各地を点々と旅していた。大阪に立ち寄ったまさ子は、博徒南田一家の賭場で宇野の船宿浜幸の息子良吉(林彰太郎)を徹底的に負かしてしまう。博奕で負け、その上、三百円の借金まで背負った良吉は、この博奕はいかさまだといってまさ子に刃を向けたが、その時、この前田一家の客人としてワラジをぬいでいた梅田の銀三(待田京介)が飛び出し、良吉を殺してしまう。賭博の胴師をつとめたまさ子は、やくざの掟に従い、賭けの借金取立てを引受けるとともに、良吉に対する多少の憐れみもあって、良吉の故郷宇野へと旅立つのだった。その旅の途中、元やくざで今は渡り床職人として旅をする音羽清次郎(菅原文太)と出逢ったまさ子は清次郎の人柄に魅かれるようになった。宇野へとやってきたまさ子は、幸作(島田正吾)と盲目の妻おしの(三益愛子)に歓迎されるうちに、二人の暖かい心に打たれた。幸作は、良吉が背負った、三百円の借金を作るために、船宿の権利証を担保に金融業者の小西(中村錦司)に金を貸り受けるが、小西が暴力団滝島組とつながっていたため、権利証は滝島(金子信雄)の手に渡ってしまう。この街に遊廓を作ろうと前々から幸作の土地を狙っていた滝島は、権利証を手に入れると、これをタテに幸作や、それに続く長屋の住人に圧力を加え始めた。金を受取ったものの、こういった事情を知ったまさ子は滝島組に乗り込み、権利証を返すように頼むが、滝島は受けつけなかった。その頃、まさ子に横恋慕する銀三は、滝島組の助勢のため南田とともに、宇野に到着した。数日後、まさ子と共に宇野にきていた清次郎は、銀三と会った。清次郎は、銀三に弟の勘次郎を殺されたことから床職人となって銀三を捜し続けていたのだった。幸作に恩義のある清次郎は、船宿の権利証と引きかえに助命をこう銀三を見逃した。無事権利証が幸作のもとに戻ったのも束の間、滝島組の作業員として働いていた三蔵が幸作に助けを求めてきたため、これをかくまったことから、幸作は銀三に殺されてしまう。おしのの閉された瞳から流れる涙を見たまさ子は、この知らせを聞いて駈けつけた清次郎と共に滝島組へと殴り込んでいった。まさ子は傷付きながらも滝島を討つが、清次郎は銀三たちと相打ちとなり倒れる。まさ子に抱きかかえられながら清次郎は「姐さん。お前さんだけは日向に咲かしてあげたかった。」と言い残し事切れる。警察に連行されるまさ子を人々は冷たい目で見送るが、おしのは必死でまさ子の名を叫ぶのだった…。


待田京介、菅原文太                 藤純子、南利明

題名:女渡世人 おたの申します
監督:山下耕作
企画:俊藤浩滋、日下部五朗
脚本:笠原和夫
撮影:山岸長樹
照明:中山治雄
録音:中山茂二
美術:鈴木孝俊
装置:近藤幸一
装飾:山田久司
美粧・結髪:東和美粧
衣装:松田孝
技斗:谷明憲
記録:田中美佐江
編集:宮本信太郎
音楽:渡辺岳夫 主題歌:藤純子「女渡世人」
進行主任:上田正直
助監督:篠塚正秀
スチール:木村武司
出演:藤純子(富司純子)、菅原文太、島田正吾、待田京介、金子信雄、三益愛子、南利明、遠藤辰雄、三原葉子、阿井美千子、林彰太郎、中村錦司、志賀勝
1971年日本・東映/シネスコサイズ・カラー103分35mmフィルム
女渡世人 おたの申します -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


女渡世人 おたの申します

映画「赤線地帯」

赤線地帯赤線地帯
京マチ子

今回は巨匠溝口健二監督1956年の遺作「赤線地帯」をピックアップした。
本作は売春防止法制定前後(1956年5月24日公布)の社会情勢をリアルタイムに取り入れた溝口作品の真骨頂と言うべき女性主体の作品で、徳川時代に幕府公認の遊郭街として栄え昭和に入っても日本最大の売春街=赤線であった吉原の娼婦たちの悲喜劇を描いた豪華女優陣による優れた女性群像劇だ。この時代を、風景を、知らないだけに見入ってしまう作品だった。本作はジャン=リュック・ゴダール監督1962年製作の「女と男のいる舗道」に影響を与えた作品とされている。

【追記。訃報】
女優の京マチ子(本名・矢野元子=やの・もとこ)さんが、2019年5月12日に心不全のため都内の病院で亡くなったと、14日、東宝が発表した。享年95。京さんの生前の遺志により、この日、石井ふく子さん(92)ら数名の友人の立ち会いのもと、密葬が営まれた。石井さんによると、数年前、京さんがハワイへ赴き、自ら手配したお墓に入るという。京さんは49年に映画会社の大映に入社し、女優デビュー。映画「羅生門(1950年)」「雨月物語(1953年)」など数々の名作に出演した。遺作は2006年の舞台「女たちの忠臣蔵(石井ふく子演出)」。
スポーツ報知5/14(火) 17:25配信

赤線地帯赤線地帯
若尾文子

【ストリー】
特飲店「夢の里」には一人息子修一のために働くゆめ子、汚職で入獄した父の保釈金のために身を落したやすみ、失業の夫をもつ通い娼婦のハナエ、元黒人兵のオンリーだったミッキーなどがいた。
国会には売春禁止法案が上提されていた。「夢の里」の主人田谷は、法案が通れば娼婦は監獄へ入れられるといって彼女等を失望させた。新聞を読んで前借が無効になったと考えたより江は世帯道具を持ってなじみ客の下駄屋の許へ飛び出したが、結局自堕落な生活にまた舞い戻ってくるのであった。ゆめ子は息子修一に会うために田舎へ行ったが、修一は親子の縁をきって東京に来ていた。
ある雨の降る日、しず子という下働きの少女が「夢の里」に入って来た。ミッキーのおごりで無心に天丼をたべるしず子の瞳をみつめていたゆめ子が突然、修一の名を呼びながら発狂した。その夜、やすみにだまされたと知った炭屋の青木がやすみの首をしめた。やすみは死に損なったが、青木は宮崎巡査に連行された。ゆめ子が病院に送られる頃、ラジオは法案の四度目の流産を報じていた。
そして今日も「夢の里」には、何ごともなかったように、ネオンの下で客呼びの声が聞える。やすみの姿が見えないのは、彼女のなじみ客だった貸ぶとん屋ニコニコ堂主人の塩見が夜逃げしたあと、そこを買いとって女主人になってしまったからである。そしてやすみに代って、下働きだったしず子が、威勢よく客呼びするミッキーの蔭で初店の盛装をこらして、しょんぼり立っていた。

赤線地帯赤線地帯

題名:赤線地帯
監督:溝口健二
製作:永田雅一
原作:芝木好子
脚本:成沢昌茂
撮影:宮川一夫
照明:伊藤幸夫
美術:水谷浩
録音:長谷川光雄
編集:菅沼完二
音楽:黛敏郎
助監督:増村保造
出演:京マチ子、若尾文子、木暮実千代、三益愛子、進藤英太郎、沢村貞子、浦辺粂子、町田博子
1956年日本・大映/スタンダードサイズ・モノクロ85分35mmフィルム
赤線地帯 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

赤線地帯赤線地帯