映画「座頭市地獄旅」

座頭市地獄旅座頭市地獄旅
勝新太郎                       岩崎加根子
座頭市地獄旅座頭市地獄旅
成田三樹夫                     林千鶴、山本学

今回は三隅研次監督1965年製作「座頭市地獄旅」をピックアップする。
本作は、“座頭市”シリーズ”第12作目になる。練った脚本で3つのシークエンスが、徐々に緊迫感を高めて向かえるクライマックスまで無駄のない展開に完成度の高さを観る。シリーズもので12作も続けるとテンプレートはあるものの、アイディアの枯渇に突き当たるものだが、よく考えられている作品だと思う。

座頭市シリーズ

座頭市地獄旅座頭市地獄旅
藤岡琢也                         戸浦六宏

【ストリー】
富士の初日の出を拝もうと旅に出た座頭市(勝新太郎)は、道中襲ってきた5人のやくざを一瞬の早業で手ひどい傷を負わせた。5人組は傷がいえると市を追って旅に出た。その頃市は、江の島まで船旅としゃれこんでいたが、途中船内でイカサマばくちをしているのを知り、逆にイカサマを利用して多額の金をまきあげた。そこで市は、無頼の将棋好きの浪人十文字糺(成田三樹夫)を知った。江の島に着いた市は、船中にいたイカサマ師の親分江島屋(遠藤辰雄)に呼びつけられ、白刃にとりかこまれたが、市の手練の早業で江島屋たちは退散した。が、この騒動で通りがかりの門付け芸人お種(岩崎加根子)の連れていた娘ミキ(藤山直子)が負傷した。傷は悪化して破傷風となった。責任を感じた市は、破傷風の特効薬である南蛮渡りの生薬を買うために十文字からゆずり受けた十文叩きの妙技で金を集めた。市の買いあたえた生薬でミキの傷は全快した。ところが、ミキを連れて湯治に来た箱根で、市はもみ療治をした縁から、病身の若侍友之進(山本学)とその妹粂(林千鶴)、それに彼らの仲間六平(丸井太郎)と知りあった。友之進らは父の仇を探して放浪の身の上であった。だがある夜仇の顔を知る唯一の男六平が、ツリ糸のようなもので殺された。そして翌朝市は六平が殺された弁天池に、十文字愛用のウキが浮んでいるのをひろった。市の十文字への疑惑がひろがっていった。これを察したのか十文字もそれ以来市に対して殺気をただよわせるようになった。さらに友之進の証言で仇は将棋好きで得意の絶頂に指を鳴らす妙なくせがあることを知った。もう間違いはなかった。それこそ市と将棋をやるときにみせる十文字のくせなのだ。翌日、市と十文字は傷のいえたミキとお種を連れて宿を立った。曲りくねった箱根の山中、頭の中で将棋を指しながら歩く二人は互に対決の機の熟すのをうかがっていた。一瞬二人の白刃が躍った。が倒れたのは十文字だった。追いかけてきた5人組を得意の抜き打ちで倒した市は彼を慕って呼ぶミキの声を背に、一人山道を去っていくのだった。

座頭市地獄旅座頭市地獄旅
成田三樹夫、勝新太郎                  座頭市地獄旅

題名:座頭市地獄旅
監督:三隅研次
企画:奥田久司
原作:子母沢寛
脚本:伊藤大輔
撮影:牧浦地志
照明:古谷賢次
録音:大谷巖
美術:内藤昭
装置:梶谷和男
擬斗:宮内昌平
邦楽:中本敏生
編集:菅沼完二
音楽:伊福部昭
現像:東洋現像所
製作主任:吉岡徹
助監督:友枝稔議
スチール:三浦康寛
出演:勝新太郎、成田三樹夫、岩崎加根子、林千鶴、山本学、丸井太郎、五味龍太郎、戸浦六宏、遠藤辰雄、須賀不二男、北城寿太郎、藤岡琢也、伊達三郎、藤山直子
1965年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー87分35mmフィルム
座頭市地獄旅 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

座頭市地獄旅座頭市地獄旅
岩崎加根子、藤山直子                座頭市地獄旅

映画「座頭市血笑旅」

座頭市血笑旅座頭市血笑旅
勝新太郎                          高千穂ひづる

今回は三隅研次監督1964年製作「座頭市血笑旅」をピックアップする。
本作は、“座頭市”シリーズ”第8作目になる。座頭市のキャラクターを、赤ん坊とお香との道行を通じて一歩入り込んで描いている。座頭市が赤ん坊に感情移入して行く様は、勝新太郎さんの芝居の深さを感じずにはいられなかった。流石、映画俳優である。

座頭市シリーズ

座頭市血笑旅座頭市血笑旅
高千穂ひづる、勝新太郎                座頭市血笑旅
座頭市血笑旅座頭市血笑旅
金子信雄、勝新太郎                  座頭市血笑旅

【ストリー】
甲州路を行く座頭市(勝新太郎)を見えがくれに追う5人組の殺し屋、文珠の和平次(石黒達也)、島蔵(藤山浩二)、猪蔵(橋本力)、菊蔵(北城寿太郎)、鶴蔵(千石泰三)らは、市が乗った駕を先廻りして刺した。だが駕の中は赤ん坊を抱いた若い女おとよ(川口のぶ)であった。市は途中で、急病に苦しむおとよに、駕をゆずったのだった。おとよの死を知った市は、その亭主信州宮本村の宇之助(金子信雄)の許まで、赤ん坊を届けることにした。赤ん坊を抱いて、”めくらの市”は、駕かき土平(沖時男)と馬助(越川一)を連れて子守旅を始めた。だが、5人組は、そんな市に襲いかかった。市の居合斬りで、一人を斬られた5人組。土平、馬助は退散して、市は赤ん坊と二人の旅を続けた。仲間を殺されて怒った殺し屋は、顔みしりの麻古女の半五郎(杉山昌三九)を味方にして、おしめを替えている市に斬りかかった。だがそこでも市の刀は半五郎一家十人の命を奪っていた。盲目の市が、赤ん坊の世話をしながらの、やくざ旅は、苦労の連続であった。一夜賭博で金を作った市は、翌朝、田舎侍に追われる女巾着切り、お香(高千穂ひづる)を助け、子守り代りにお香を雇った。市の気っぷに惚れたお香は、市と口喧嘩をしながらも、よくめんどうをみた。ある日、お香が赤ん坊を二階からおしっこさせたのが、通りがかった相撲取り小手丑(天王寺虎之助)にかかり、市との間に乱闘が起きた。丁度通りがかった4人組は仕込杖を持たない市に、襲いかかったが、お香の機転でのがれることができた。市とお香が、お互い離れ難い愛情が湧いたころ、市は、今ではやくざの親分となっている宇之助を訪ねた。しかし宇之助は、子分に命じて赤ん坊を抱いた市を追い払った。宇之助の態度に怒った市は、赤ん坊をおとよの遺髪と共に菩提寺瑞光院の和尚(加藤嘉)に預けた。時しも寺の外では、宇之助を味方にした殺し屋、和平次らが竹槍の先に火をつけて、市を包み討うと襲った。市の居合破りを考えた和平次の作戦であった。振りかかる火と刃の中で四人組と子分を倒した市は、可愛いい赤ん坊の父親、宇之助だけは命を許した。赤ん坊と別れる市とお香の眼に涙が光った。

座頭市血笑旅座頭市血笑旅
勝新太郎                        加藤嘉

題名:座頭市血笑旅
監督:三隅研次
企画:高森富夫、財前定生
原作:子母沢寛
脚本:星川清司、吉田哲郎、松村正温
撮影:牧浦地志
照明:山下礼二郎
録音:大谷巖
音効:倉島暢
美術:内藤昭
装置:伊藤万次郎
擬斗:宮内昌平
編集:菅沼完二
音楽:伊福部昭
現像:東洋現像所
製作主任:今村喬
助監督:友枝稔議
色彩技術:小池清茂
スチール:西地正満
出演:勝新太郎、高千穂ひづる、金子信雄、加藤嘉、石黒達也、天王寺虎之助、北城寿太郎、毛利郁子、伊達三郎、藤山浩二、橋本力、南部彰三、杉山昌三九、越川一、沖時男、川口のぶ、近江輝子、南条新太郎、石原須磨男、玉置一恵、堀北幸夫、木村玄、藤川準、愛原光一、千石泰三、黒木英男、原田清子
1964年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー87分35mmフィルム
座頭市血笑旅 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

座頭市血笑旅

映画「とむらい師たち」


勝新太郎                                                            伊藤雄之助、西岡慶子

今回は三隅研次監督1968年製作「とむらい師たち」をピックアップする。
本作は野坂昭如氏の同名原作を藤本義一氏が脚色し映画化したものだ。
内容は、1970年大阪万国博覧会が始まる直前の大阪を舞台に、既成の葬儀会社に対する義憤から国際葬儀協会(略して国葬)という組織を始めた男(ガンめん)の破天荒な行動を描いた異色コメディだ。


藤村有弘                    藤岡琢也

【ストリー】
火葬場従業員の伜に生れたガンめん(勝新太郎)は、仏の心をないがしろにする既製葬儀会社に義憤を感じ、自ら国際葬儀協会を設立した。ガンめんは霊柩車運転手のラッキョウ(多賀勝)、役所の戸籍係ジャッカン(藤村有弘)、美容整形医の先生(伊藤雄之助)らとともに、奇抜なアイデアを生かして商売を始めた。デスマスク、死顔美容、テープレコーダーによる遺言吹き込み、あらゆる形式をもつ葬儀方法を武器に、“国葬”は順調に発展していった。ある日、先生が女子大生のトコ(西岡慶子)に手を出し、あげくの果てに中絶手術を施して罪の意識に悩んでいるのをみたガンめんは、水子地蔵の建立を思いついた。マスコミもこの計画に目をつけたため、中之島公園には、身に覚えのある女たちでごった返す有様となった。その後も参拝する人は後を絶たず、賽銭箱はまたたく間に一杯になり、ガンめんたちは大儲けをした。さらにガンめんはテレビで、世界最初の葬儀コマーシャルを流し、おかげで“国葬”の名は全国に広まった。ついにラッキョウ、先生、ジャッカンはサウナ風呂もある葬儀会館を建て、金儲け一途に走って最初の崇高な理想を忘れてしまった。そのためガンめんは三人とたもとをわかって、ひとりで出直す決心をしたのである。ガンめんの計画は、生きている人間の祭典、万博の向うをはって、仏の祭典である葬儀博覧会の開催である。ガンめんは地下に広場をつくって、大阪死八景、棺桶作り、地獄絵作り、など鮮烈な死の世界の再現に打ち込んだ。一方、他の三人は死顔様教団まで作って金儲けに狂奔していた。ある日、地下のガンめんは大衝撃を感じて地上に出た。地上は水爆でも落ちたのか、一面瓦礫と化していた。世界全部が葬博や、と狂ったように叫びながら飛び出したガンめん。その姿もいつしか消えて、あたり一面に死の静寂が包んでいた。


伊藤雄之助、勝新太郎、多賀勝、藤村有弘  1970年日本万国博覧会建設地(大阪府吹田市千里丘陵)

題名:とむらい師たち
監督:三隅研次
企画:辻久一
原作:野坂昭如
脚本:藤本義一
撮影:宮川一夫
照明:中岡源権
録音:大谷巖
美術:内藤昭
編集:谷口登司夫
音楽:鏑木創
現像:東洋現像所
製作主任:小沢博
助監督:鍋井俊宏
スチール:大谷栄一
出演:勝新太郎、伊藤雄之助、藤村有弘、藤岡琢也、財津一郎、西岡慶子、多賀勝
1968年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー89分35mmフィルム
とむらい師たち -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


とむらい師たち

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