映画「集団左遷」

集団左遷集団左遷
中村敦夫、柴田恭兵、河原崎建三            柴田恭兵、中村敦夫

今回は梶間俊一監督1994年製作「集団左遷」をピックアップする。
本作はバブル崩壊直後の大手不動産会社を舞台に、社員のリストラを強引に進めようとする会社側と見限られたサラリーマンたちが、意地とプライドを賭けて危機に立ち向かっていく姿を描いたものだ。90年代に入り東映は、アニメーション映画のヒットは続けるものの、劇映画のヒット作が出ず、日本映画の一時代を画した任侠映画が「首領を殺った男(1994年/監督:中島貞夫  出演:松方弘樹)」の興行不振を持って製作を中止した。それに代わる新路線としてサラリーマンを映画館に呼び込む”サラリーマン路線”を看板にしようと企業のリストラをテーマに本作の製作を決めた。しかし興行は大惨敗に終わり、路線化は中止された経緯がある。

集団左遷集団左遷
津川雅彦                         高島礼子

【ストリー】
バブル絶頂期に抱えた大量の不動産物権並びに余剰人員により企業経営の危機に瀕していた太陽不動産では、副社長である横山(津川雅彦)の提案により、大胆なリストラ計画が実行された。《首都圏特販部》という新規事業部を創設、そこに50人の余剰人員を送り込み、達成不可能な販売目標を課して人員削減を図ろうというものである。本部長にと横山から名指しされたのは、かつて横山の目にあまる不正を直訴しようとしたが揉み消された経歴を持つ篠田洋(中村敦夫)。その他、バブル期には活躍したがトラブルを抱え、総務部へ左遷されていた滝川(柴田恭兵)、娘の結婚を控え退職間近の花沢(小坂一也)、妻、良子(佳那晃子)の癌を機に家庭人間となった柳町(河原崎建三)らが送り込まれた。その中でかつて横山の愛人だったという今村春子(高島礼子)だけが唯一、自ら進んでやって来ていた。いったんは退職を考えた篠田は本来の仕事に目覚め滝川らと共に攻勢に転じるが、営業予算も宣伝費もゼロ、おまけに横山とその一派の執拗な嫌がらせに合い、秘かに情報も漏れて契約寸前の仕事を横取りされたりと、業績は一向に上がらない。だが、滝川が元恋人だった住宅情報誌の編集長・原俊子(萬田久子)に頼んで書いてもらった記事により、特販部が″左遷集団″としてセンセーショナルに扱われたことで逆に世間の注目を浴び、特販部内は活気づいていく。滝川は大型ディスカウント店チェーンのオーナー・藤尾(伊東四朗)に接近し倉庫と社員寮の契約を進めていくが、娘の将来のためにと横山のスパイとなっていた花沢が、社員寮として契約してもらおうとしていた厚木の分譲地に火を点けてしまい、篠田の必死の消火も空しく20戸のうち5戸が消失してしまう。事情を知った滝川は自分の過ちに気づいた花沢を連れ藤尾の元を訪ね、何とか契約にこぎつけることが出来たが、目標の売上には結局届かなかった。予定通り特販部員の首切りを主張する横山に対し、篠田は会社再建には特販部のような社員こそ必要で、自分の利益のみを考える役員こそ解任すべきだと主張。春子の証言により横山の数々の不正も遂に白日のもとに晒され、横山派は一掃される。それは社長や、親会社の意向でもあった。名誉を賭けた戦いは篠田らの勝利に終わった。

集団左遷
「集団左遷」高島礼子、津川雅彦
集団左遷集団左遷
江波杏子                         萬田久子

題名:集団左遷
監督:梶間俊一
企画:坂上順
製作:佐藤和之、野村敏哉
原作:江波戸哲夫
脚本:野沢尚
撮影:鈴木達夫
照明:山口利雄
録音:林鉱一
音効:原尚 リーレコ:上田武志
美術:桑名忠之
装置:石貝桝夫
背景:松下潔
装飾:湯沢幸夫
衣裳:有馬達也
美粧:青井美和
配役:福岡康裕
記録:勝原繁子
編集:西東清明 ネガ編集:水間正勝
音楽:小玉和文 音楽プロデューサー:石川光
現像:東映化学
進行主任:菊池淳夫
製作進行:斎藤寛、原田良晴、松本佳子
助監督:香月秀之
監督助手:金祐彦、宮村敏正、山内健嗣
撮影助手:今井裕二、新妻宏昭、小林嘉弘
別班撮影:福本文一、西浦清、伊藤昭裕
撮影効果:多正行、川克憲、古川元裕
照明助手:石川末八、臼井将成、中島淳司、森野茂樹、堤義典
録音助手典佐藤聡、永井重生、新開賢
音効助手:真道正樹
編集助手典大園淳二
美術助手:福澤勝広、室岡秀信
装飾助手:片岸雅浩、高橋美香、吉田吉木
特殊効果:大平特殊通過、坂本佐幸
セット付:霜野勝行
スタイリスト:鈴木智子 (萬田久子)
ヘアメイク:馬場利弘 (萬田久子)
ヘアメイク助手:矢吹和子
車両:ホリオート
音楽事務:新井明美、薄井洋明
宣伝プロデューサー:舛添要一
宣伝担当:遠藤茂行、小出真佐樹、稲本千春、又木たみえ
スチール:遠藤功
出演:柴田恭兵、中村敦夫、津川雅彦、高島礼子、江波杏子、萬田久子、佳那晃子、神山繁、伊東四朗、小坂一也、河原崎建三、下絛アトム、北村総一朗、河原さぶ、丹波義隆、亀石征一郎、浜田滉一
1994年日本・東映京都撮影所/ビスタサイズ・カラー107分35mmフィルム
集団左遷 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

集団左遷集団左遷
佳那晃子                       小坂一也
集団左遷集団左遷
伊東四朗                     津川雅彦、神山繁

映画「昭和残侠伝 唐獅子仁義」


高倉健、待田京介                  藤純子、池部良

今回はマキノ雅弘監督1969年製作「昭和残侠伝 唐獅子仁義」をピックアップする。
“昭和残侠伝”シリーズ第5弾の本作の主な舞台は、「 唐獅子牡丹」編と同じ宇都宮北大谷の石切り場で大谷石の採掘利権をめぐる抗争という点で共通している。この二作品に様式美として差異はあるものの、高倉健さんと池部良さんの斬り込み道行は感動的だ。


志村喬                     志村喬、御木本伸介

高倉健                        藤純子

【ストリー】
昭和の初期。蔵前一家の代貸花田秀次郎(高倉健)は、雷門一家の親分を斬り、惨殺された親分と仲間の仇を討った。雷門一家の客分風間重吉(池部良)は、渡世の義理から、秀次郎と相対したものの左腕を落してしまった。五年後、刑を終えた秀次郎は、早速一家の生存者たちが世話になっている名古屋の石田一家に向った。しかし、雷門一家の仙太(曽根晴美)と辰(藤山浩二)は、その機会を狙っていた。秀次郎は、追跡され木曽路で二人の匕首をふり払ったものの、負傷してしまった。そんな秀次郎に手厚い看護をしたのが、芸妓おるい(藤純子)だった。やがて、秀次郎は小諸の林田一家代貸竜平(山本麟一)に匿われたが、この一件は雷門の同族樺島一家に知れ、竜平は秀次郎の犠牲になって殺された。その頃、樺島一家の親分岩蔵(河津清三郎)は、材木業に手をのばし、国有林の入札をめぐって、老舗浅野屋をバックアップする林田一家を叩こうとしていた。秀次郎は、浅野屋を樺島の妨害からたびたび救った。この秀次郎殺しを金で請負ったのは、渡世人の藤吉(待田京介)だった。だが、再三の挑戦にもかかわらず、はがたたなかった。そんな折、おるいの弟で林田一家の繁次(宮土尚治)が、恋人の芸妓お峰(夏珠美)を樺島一家の代貸の勘三(高野真二)に奪われたうえ殺されてしまった。樺島は重吉に繁次の命と交換に秀次郎を斬れと、命じていたが、約束など守る男ではなかった。さらに浅野屋の製材所にはダイナマイトを仕掛け林田(志村喬)をも狙撃した。秀次郎は、林田の最後をみとると間もなく、重吉の挑戦を受けた。そこへ駆けつけたおるいは、二人に樺島の罠を告げたが、次の瞬間には一家の兇弾に倒れるのだった。樺島一家に向う秀次郎。彼に重吉も従い、藤吉も立上った。樺島が秀次郎の長匕首に倒れたのは、それから間もなくのことだった。


河津清三郎                        左ト全

題名:昭和残侠伝 唐獅子仁義
監督:マキノ雅弘
企画:俊藤浩滋、吉田達
脚本:山本英明、松本功
撮影:坪井誠
照明:川崎保之丞
録音:小松忠之
美術:藤田博
装置:吉田喜義
装飾:武井正二
殺陣:日尾孝司
記録:宮本依子
編集:田中修
音楽:菊池俊輔 主題歌:「昭和残侠伝」高倉健
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学工業
製作主任:伊藤源郎
助監督:内藤誠
スチール:遠藤努
出演:高倉健、藤純子、池部良、待田京介、志村喬、河津清三郎、御木本伸介、小林千枝、夏珠美、山本麟一、曽根晴美、藤山浩二、亀石征一郎、宮土尚治、左ト全、高野真二
1969年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー89分35mmフィルム
昭和残侠伝 唐獅子仁義 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


高倉健、池部良

映画「白昼の無頼漢」

白昼の無頼漢白昼の無頼漢
丹波哲郎                       中原ひとみ

今回は深作欣二監督1961年製作「白昼の無頼漢」をピックアップする。
本作は、深作欣二監督が東映の企画部長から「シルバーウィークの番組に穴が開くのでギャングものを1本、2週間で撮って欲しい」と依頼され、スタンリー・キューブリック監督「現金に体を張れ」を意識して作られたと思われるフィルム・ノワールである。

白昼の無頼漢白昼の無頼漢
久保菜穂子

【ストリー】
駐留軍のジェット基地出入りの宮原(丹波哲郎)は、かねてから頭に描いていた計画を実行にうつすため、四人の人物を古城のような別荘に招いた。基地に勤務する黒人兵トム・トウェイン(アイザック・サクソン)。基地でラジオ店を経営する金山正夫こと韓国人洪全成(春日俊二)。不良アメリカ人夫妻ジョン・ケンデイ(ダニー・ユマ)とアン(ラビィン・シェルトン)の四人である。宮原は妻の亜紀(久保菜穂子)とその弟三郎(曽根晴美)を紹介し、四人の前歴を披露した。どれもこれも屑ばかりだ。宮原は基地周辺に根を張るやくざ芝山(沖竜次)の仲介で趙から金を借り、金山とケンデイは護送車の通過時刻を確認。また、セスナを飛ばして機上から護送車の進行経路を航空写真に収めた。だが、人種的偏見からくるケンデイの黒人トムに対する仕打ち、トムがアンに寄せる好色な目付き、宮原は仲間割れの危険を感じて、二人の融和を図るため、特殊バーから混血娘の花子(中原ひとみ)を引き抜いてトムに当てがった。一方、芝山は自分の弟を殺した脱走兵のトムを探していた。決行の日は来た。花子は通行止めの標識によって護送車を誘導した。アンは色仕掛けで運転手をおびき出し、宮原達は運転手を殺し、金袋を亜紀の車に移した。その時、宮原達の行動を監視していた芝山一味が襲って来た。アンはその弾丸に倒れ、花子は亜紀と金袋を乗せたまま何処かへ持ち去った。引揚げた一同は、ケンデイが亜紀と肉体関係から二人だけの密計があったことを知って殴り殺してしまった。その夜、再び芝山達の襲撃があった。トムはその騒ぎに失踪した。宮原は、トムが花子と共に基地演習場外のゴースト・タウンに逃げたことを知った。一方、花子のために山小屋に閉じこめられた亜紀は、逃れて芝山達に寝返った。宮原と三郎はゴースト・タウンにトムと花子を追いつめた。その時、芝山一味が亜紀の案内で襲って来た。しかたなく宮原は、トムと手を握り芝山一味をダイナマイトで全滅さした。トムは一切の金銭的欲望を失っていた。ただひたすらに花子との生活を考え、香港へ脱出することだけを考えていた。だが、宮原は金の一人占めを図って、トム殺害の機を狙っていた。しかし、宮原には油断があった。瀕死の重傷の中で、亜紀はダイナマイトを抱きながら宮原、トム、三郎のところに転がりこんだ。ダイナマイトの爆発に皆消し飛んだ。一人生き残った花子と札束だけが、死の町にポツンと残っているだけだった。

白昼の無頼漢白昼の無頼漢

題名:白昼の無頼漢
監督:深作欣二
企画:大賀義文
脚本:佐治乾
撮影:星島一郎
照明:原田政重
録音:大谷政信
美術:近藤照男
編集:田中修
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
音楽:河辺公一
製作主任:渋谷幹雄
助監督:田口勝彦
スチール:遠藤努
出演:丹波哲郎、中原ひとみ、曽根晴美、久保菜穂子、八代万智子、春日俊二、沖竜次、須藤健、柳永二郎、亀石征一郎、久地明、ダニー・ユマ、アイザック・サクソン、ラビィン・シェルトン、サイ・ティラー
1961年日本・ニュー東映/シネスコサイズ・モノクロ82分35mmフィルム
白昼の無頼漢 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

白昼の無頼漢白昼の無頼漢
丹波哲郎

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