映画「昭和残侠伝 唐獅子仁義」
高倉健、待田京介 藤純子、池部良
今回はマキノ雅弘監督1969年製作「昭和残侠伝 唐獅子仁義」をピックアップする。
“昭和残侠伝”シリーズ第5弾の本作の主な舞台は、「 唐獅子牡丹」編と同じ宇都宮北大谷の石切り場で大谷石の採掘利権をめぐる抗争という点で共通している。この二作品に様式美として差異はあるものの、高倉健さんと池部良さんの斬り込み道行は感動的だ。
志村喬 志村喬、御木本伸介
高倉健 藤純子
【ストリー】
昭和の初期。蔵前一家の代貸花田秀次郎(高倉健)は、雷門一家の親分を斬り、惨殺された親分と仲間の仇を討った。雷門一家の客分風間重吉(池部良)は、渡世の義理から、秀次郎と相対したものの左腕を落してしまった。五年後、刑を終えた秀次郎は、早速一家の生存者たちが世話になっている名古屋の石田一家に向った。しかし、雷門一家の仙太(曽根晴美)と辰(藤山浩二)は、その機会を狙っていた。秀次郎は、追跡され木曽路で二人の匕首をふり払ったものの、負傷してしまった。そんな秀次郎に手厚い看護をしたのが、芸妓おるい(藤純子)だった。やがて、秀次郎は小諸の林田一家代貸竜平(山本麟一)に匿われたが、この一件は雷門の同族樺島一家に知れ、竜平は秀次郎の犠牲になって殺された。その頃、樺島一家の親分岩蔵(河津清三郎)は、材木業に手をのばし、国有林の入札をめぐって、老舗浅野屋をバックアップする林田一家を叩こうとしていた。秀次郎は、浅野屋を樺島の妨害からたびたび救った。この秀次郎殺しを金で請負ったのは、渡世人の藤吉(待田京介)だった。だが、再三の挑戦にもかかわらず、はがたたなかった。そんな折、おるいの弟で林田一家の繁次(宮土尚治)が、恋人の芸妓お峰(夏珠美)を樺島一家の代貸の勘三(高野真二)に奪われたうえ殺されてしまった。樺島は重吉に繁次の命と交換に秀次郎を斬れと、命じていたが、約束など守る男ではなかった。さらに浅野屋の製材所にはダイナマイトを仕掛け林田(志村喬)をも狙撃した。秀次郎は、林田の最後をみとると間もなく、重吉の挑戦を受けた。そこへ駆けつけたおるいは、二人に樺島の罠を告げたが、次の瞬間には一家の兇弾に倒れるのだった。樺島一家に向う秀次郎。彼に重吉も従い、藤吉も立上った。樺島が秀次郎の長匕首に倒れたのは、それから間もなくのことだった。
河津清三郎 左ト全
題名:昭和残侠伝 唐獅子仁義
監督:マキノ雅弘
企画:俊藤浩滋、吉田達
脚本:山本英明、松本功
撮影:坪井誠
照明:川崎保之丞
録音:小松忠之
美術:藤田博
装置:吉田喜義
装飾:武井正二
殺陣:日尾孝司
記録:宮本依子
編集:田中修
音楽:菊池俊輔 主題歌:「昭和残侠伝」高倉健
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学工業
製作主任:伊藤源郎
助監督:内藤誠
スチール:遠藤努
出演:高倉健、藤純子、池部良、待田京介、志村喬、河津清三郎、御木本伸介、小林千枝、夏珠美、山本麟一、曽根晴美、藤山浩二、亀石征一郎、宮土尚治、左ト全、高野真二
1969年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー89分
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高倉健、池部良