映画「二代目はクリスチャン」


志穂美悦子

月丘夢路、志穂美悦子              志穂美悦子、蟹江敬三

今回は井筒和幸監督1985年製作「二代目はクリスチャン」をピックアップする。
原作・脚本はつかこうへい氏が担当した角川映画だ。内容は教会に仕える清純なシスターが、ひょんな事からヤクザの二代目を襲名、抗争事件に巻き込まれるというものだが、クライマックスで「てめえら!!十字を切って悔い改めやがれ。でねぇと一人残らず叩っ斬るぜ! 」と啖呵を吐く志穂美悦子さんが美しい。


松本竜介、岩城滉一               志穂美悦子、かたせ梨乃

【ストリー】
神戸は六甲山の中腹にある聖サフラン教会では、天竜組組長・故天竜源一郎の告別式が行なわれていた。オルガンで讃美歌の伴奏をしているのはシスター今日子(志穂美悦子)。その瞳は神のみを見つめ、端正な横顔はこの世のものとは思えないほど美しく、やさしい。この今日子に惚れているのが、天竜晴彦(岩城滉一)。本来ならば天竜組の二代目を継ぐべきところなのだが、恋は盲目、晴彦にとっては天竜組の代紋より今日子の存在の方が大きいのだ。彼女の気をひくために、毎日、教会のブタ小屋の掃除に余念がない。それどころか、子分の意見を無視して、全員、洗礼を受けさせてしまった。腹巻きの中にはドス、首には十字架というナサケない姿で、ヤクザ仲間からはバカにされる始末。一方、今日子に想いを寄せている男がもう一人。晴彦の幼馴染みで、神戸署の刑事・神代(柄本明)だが、神代の実家が天台宗の寺だけに、二人の間には宗教の厚い壁が立ちはだかっている。しかし、肝心の今日子は、数年前、ある嵐の夜に宿命的な出会いをした英二(北大路欣也)という男に、秘かな恋心を抱き続けていたのだ。天竜会と対立する黒岩会会長の黒岩(室田日出男)は、自分の情婦・百合(かたせ梨乃)をつかって晴彦を罠にかけようとしていた。そして二人が抱き合っている現場をおさえた黒岩は、晴彦を袋叩きにしてしまう。晴彦を救出に行った今日子は、黒岩のところに身を寄せている英二と再会。だが、英二に寄りそう女の姿を見て、その場に立ちつくすのだった。今日子は、ついに晴彦と結婚することにした。式の後で晴彦の二代目襲名披露も行なわれることになった。結婚式当日、今では晴彦に想いを寄せるようになっていた百合が、嫉妬に狂ってナイフで今日子に襲いかかり、彼女をかばった晴彦が刺され死んだ。今日子は、涙の渇く間もなく、神代に連れられて二代目襲名披露会場へ。居並ぶ親分衆の前で亡き晴彦に替って二代目を襲名するのだった。一方、黒岩会は一気に天竜組を潰すべく無差別攻撃に出た。次々と倒れていく子分たち。しかも今日子が世話する子供たちまでも標的にされた。爆破され破壊された教会で呆然と立ちつくす今日子。その時、崩れ落ちたキリスト像の後ろから、油紙で包まれた今日子の亡き父、“狂犬病鬼頭”と呼ばれた父の長ドスが現われた。そのドスを手に、黒岩会に殴り込みに行く今日子。途中、あの英二が行く手をさえぎった。だが英二は、今日子に人の斬り方を教えると、自分から彼女の手にかかって死んだ。神代と子分の次郎(松本竜介)を従えた今日子は、黒岩会の事務所へ殴り込み、凄絶な死闘の末に、黒岩をはじめ、子分たちを倒すのだった。


柄本明、志穂美悦子、松本竜介             北大路欣也

題名:二代目はクリスチャン
監督:井筒和幸
製作総指揮:角川春樹
製作:佐藤雅夫、斎藤一重、豊島泉、菅原比呂志
原作:つかこうへい
脚本:つかこうへい
撮影:北坂清
照明:安藤清人
録音:平井清重
美術:佐野義和
技斗:菅原俊夫
記録:中野保子
編集:玉木濬夫
音楽:甲斐正人 主題歌:BIRDS
現像:東洋現像所
スチール:遠藤功成
出演:志穂美悦子、岩城滉一、柄本明、北大路欣也、室田日出男、かたせ梨乃、蟹江敬三、月丘夢路、山本亨、藤岡重慶、山村聡、松本竜介
1985年日本・角川春樹事務所/ビスタサイズ・カラー101分35mmフィルム
二代目はクリスチャン -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


志穂美悦子                    室田日出男

志穂美悦子

志穂美悦子

映画「岸和田少年愚連隊」

岸和田少年愚連隊岸和田少年愚連隊
岡村隆史、矢部浩之

今回は井筒和幸監督1996年製作「岸和田少年愚連隊」をピックアップする。
1975年「行く行くマイトガイ 性春の悶々」で監督デビューし1978年「熱くて深い交わり 肉色の海」から1984年「赤い復讐暴姦」までピンク映画を撮り続け、1981年「ガキ帝国」から一般映画に移行した井筒和幸監督が描いたノスタルジック青春コメディだ。脚本は先日お会いした我妻正義氏が担当している。

岸和田少年愚連隊岸和田少年愚連隊
秋野暢子                                                              大河内奈々子

【ストリー】
1975年、大阪・岸和田、リョーコ(大河内奈々子)は恋人のチュンバ(矢部浩之)を鑑別所まで送るためにバスに揺られながら、昨年の夏からのことを想い出していた。中学生の悪ガキコンビ・チュンバと小鉄(岡村隆史)は、仲間のガイラ(辰巳浩三)やアキラ(宮川大輔)とつるんでは喧嘩を繰り返す毎日を送っていた。ある日、岸和田西中の安藤(吉田敬)たちと大乱闘を繰り広げたチュンバたちは、安藤に加勢した高丘中の宿敵・サダ(木下ほうか)から付け狙われるようになる。チュンバたちがバラバラになったところを待ち伏せたサダは、数の力にものを言わせてチュンバたちを痛めつけるのだった。翌日、チュンバはサダを待ち伏せると、カバンに仕込んだ鉄板でキッチリと借りを返すが、サダはまたしても数で圧倒し、チュンバと小鉄、ガイラと間違われた双子のサンダ、鑑別所から戻ったばかりのサイの4人にヤキを入れる。チュンバたちはお礼参りにサダの学校に乗り込んで、今度こそ徹底的にサダをぶちのめした。この一件でチュンバは家庭裁判所の世話になったが、おかん(秋野暢子)の泣きの芝居で鑑別所送りだけは免れた。リョーコは飽きることなく喧嘩を繰り返すチュンバに呆れていたが、それでも内心では心配せずにいられないでいた。そんな彼らもなんとか卒業を迎え、チュンバと小鉄は工業高校へ進学し、リョーコはスーパーに就職、ガイラ(辰巳浩三)とサイはヤクザの仲間入りをする。入学初日に喧嘩を売ってきたゴリを叩きのめしたチュンバは、ある日、小鉄とつまらないことから仲たがいをしてしまい、小鉄が岸和田の町から姿を消した。ひとりになったチュンバは、サイ(宮迫博之)たちの誘いを受けてヤクザになろうかと迷っていたが、そんなころ、おかんが家を出てしまう。人生に思い悩んだチュンバは偶然再会した小鉄とともに、現状を打破するために住み込みでレストランで働くことにした。しかし、弟の仇を取るために現れたゴリの兄・ダイナマイトの薫(山本太郎)に喧嘩魂を再燃させられたチュンバと小鉄は、薫を見事返り討ちにするのだった。こうして、チュンバはついに鑑別所送りとなったのである。リョーコは、いつまで経っても反省しないチュンバを残して、ひとりバスを降りた。遠ざかるバスを見送りながら、リョーコはいつまでもチュンバのことを思っていた。

岸和田少年愚連隊岸和田少年愚連隊
山城新伍                                                               宮迫博之

題名:岸和田少年愚連隊
監督:井筒和幸
製作総指揮:中川滋弘、木村政雄
製作:中沢敏明、榎望、米山紳
原作:中場利一
脚本:我妻正義、鄭義信
撮影:浜田毅
照明:渡辺孝一
特機:NK特機
録音:鈴木肇
音効:中村佳央
美術:細石照美
衣裳:勝俣淳子
記録:広川貴美子
編集:冨田功
音楽:藤野浩一 主題歌:T-REX
フィルム:富士フィルム
撮影機材:ナック
照明機材:日本照明
現像:イマジカ
助監督:小笠原直樹
ラインプロデューサー:吉村光男
スチール:川澄雅一
出演:岡村隆史、矢部浩之、山城新伍、木下ほうか、八木小織、大河内奈々子、正司花江、原西孝幸、宮迫博之、宮川大輔、山本太郎、小林稔侍、秋野暢子、白竜
1996年日本/ビスタサイズ・カラー106分35mmフィルム
岸和田少年愚連隊 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

岸和田少年愚連隊岸和田少年愚連隊
吉田敬                                                       山城新伍、岡村隆史、矢部浩之

映画「パッチギ!」

パッチギ!パッチギ!
高岡蒼甫                               沢尻エリカ

今回は井筒和幸監督2004年製作「パッチギ!」をピックアップした。
題名のパッチギとは、朝鮮語で「頭突き」の意味だそうだ。オール京都ロケで撮影された本作のファイトシーンは迫力があり、スピード感あふれるエピソードが繰り出す笑いは見せ場としては素晴らしいかった。全編に幻の名曲「イムジン河」を流し、「あの素晴しい愛をもう一度」をテーマ曲として提供した加藤和彦氏の音楽が、物語りに厚みを持たせているのも見逃せない。しかし朝鮮総連全面協力という本作は、違和感を感じざるを得なかったが、歴史的事実を背景に1960年代という時代を鋭く描いている事は間違いない。

パッチギ!パッチギ!
塩谷瞬、沢尻エリカ                     塩谷瞬

【ストリー】
1968年、京都。敵対する朝鮮高校に親善サッカー試合を申し込みに行くよう、担任の布川に言われた府立東高校2年生の康介は、そこでフルートを吹く女子高生・キョンジャに出会い、一目惚れする。ところが、彼女は朝高の番長・アンソンの妹だったのだ。それでも諦め切れない彼は、彼女が演奏していた『イムジン河』をギターで練習し、片言ながら韓国語を覚え、帰国船で祖国に帰る決意をしたアンソンを祝う宴会の席で、彼女と合奏。見事、仲良くなることが叶うのであった。しかしその一方で、アンソンたち朝高と東高空手部との争いは激化するばかり。遂に、アンソンの後輩・チェドキが命を落としてしまう。悲しみの通夜。参列した康介は、遺族から日本に対する恨みをぶつけられ、未だ民族間に越えられない壁があることを痛感しショックを受ける。だがその夜、ラジオの“勝ち抜きフォーク合戦”に出演した彼は、複雑な心境を放送禁止歌の『イムジン河』に託して熱唱。果たして、それはキョンジャの胸に届き、同じ頃、東高空手部との戦争に臨んでいたアンソンもまた、恋人・桃子の出産の報せに少年の季節が終わったことを自覚するのであった。こうして、それぞれの様々な壁をパッチギった(突き破った)康介たち。彼らは、未来へ向けて新たな一歩を踏み出す。

パッチギ!パッチギ!

題名:パッチギ!
監督:井筒和幸
製作総指揮:李鳳宇
製作:李鳳宇、川島晴男、石川富康、川崎代治、細野義朗
プロデューサー:石原仁美
原案:松山猛
脚本:羽原大介、井筒和幸
撮影:山本英夫
照明:高村智
録音:白取貢
音効:北田雅也
美術:金田克美
衣装:波多野芳一
記録:森直子
編集:冨田伸子
音楽:加藤和彦
現像:東京現像所
助監督:武正晴
出演:塩谷瞬、高岡蒼甫、沢尻エリカ、松永京子、尾上寛之、真木よう子、波岡一喜、小出恵介、オダギリジョー、光石研、楊原京子
2004年日本・シネカノン/ビスタサイズ・カラー119分35mmフィルム
パッチギ ! プレミアム・エディション [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

パッチギ!パッチギ!
オダギリジョー、塩谷瞬

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