映画「男はつらいよ・花も嵐も寅次郎」


渥美清                       田中裕子(マドンナ役)

今回は山田洋次監督1982年製作「男はつらいよ・花も嵐も寅次郎」をピックアップする。
第30作となる本作のロケ地は、大分県杵築、湯平温泉、アフリカンサファリ、鉄輪温泉、由布院、志高湖、臼杵、千葉県谷津遊園(既に閉園)などで行われ、封切り時の観客動員は228万2,000人、配給収入は15億5,000万円だったそうだ。当時のロードショー入場料金は1,500円、併映は「次郎長青春篇 つっぱり清水港(監督:前田陽一 出演:中村雅俊、佐藤浩市、原田大二郎、平田満、明石家さんま、島田紳介)」であった。


沢田研二                    渥美清、田中裕子、児島美ゆき

馬渕晴子、田中裕子                 内田朝雄、渥美清

【ストリー】
大分は湯平温泉でバイをする寅(渥美清)は、馴染みの湯平荘に宿をとった。夜、寅と宿の親父、勝三(内田朝雄)が酒を飲んでいると、そこへ、ひとりの青年が現れた。三郎(沢田研二)というその青年は、かつて、この宿で女中をしていた女性の息子で、その母がひと月ほど前に病死し、遺骨を埋めにこの地にやって来たという。勝三は美しい三郎の母親を覚えており、彼の親孝行に感心した寅は、さっそく昔の知り合いを集め、供養をしてやる。同じ宿に泊り合わせていた、東京のデパートに勤めている旅行中の螢子(田中裕子)とゆかり(児島美ゆき)という二人の娘も、寅はその席に座らせてしまう。翌日、二人の娘と見物をしていた寅は、車で東京に帰ろうとしていた三郎と出会い、その日は四人でドライブをすることになった。そして夜、二人の娘と別れるときになって、三郎は螢子に付き合って欲しいと言う。突然のことで、螢子はとまどうようにフェリーに乗り込んだ。車で東京に帰った寅と三郎はヘ卜ヘトになって柴又に辿り着く。とらやの家族の団らんは、母と二人で育った三郎にはとてもうらやましく思えた。そして、三郎は自分の思いを螢子に伝えてほしいと寅に頼んで帰っていった。一方、螢子も、寅との楽しい会話が忘れられず、とらやを訪ねた。その日、寅は留守だったが、数日後、二人は一緒に酒を飲んだ。寅は三郎の気持ちを螢子に伝える。親のすすめる見合いを断った螢子だが、三郎は二枚目すぎると乗り気ではない。寅の報告にガックリする三郎。そこで寅は、螢子をとらやに招待し、彼女には知らせずに三郎も呼んだ。ぎこちない二人だが、その日からデートをするようになった。その頃、螢子の両親は、見合の相手の家族が螢子の素行を興信所で調べてもらった結果、彼女が特定の男性と交際していると教えられていた。螢子は両親に、その男性について問いつめられ、涙をためてとらやに向った。螢子は寅に「動物園の飼育係をする三郎は、チンパンジーのことしか話さず、大事なことにふれようとしない」と話す。螢子は三郎が好きだが彼の煮えきらない態度に、今後の関係に迷っていた。寅はそんな螢子に、好きだから余計に、思っていることが言えないんだと説得する。さくら(倍賞千恵子)にも励まされ、螢子は、とらやの帰路、三郎の本心を聞こうと決意、彼の勤め先を訪ねた。話があるという螢子に、三郎も話したいことがあると、観覧車に誘った。まず三郎が「チンパンジーがなつかなくなった。愛情がなくなったことを感じるのだろうが、それは君と知り合ってからだ……、結婚してほしい」と話した。もう螢子は何も話すことはなかった。結婚することを決めたという螢子の電話を聞くと、寅は、これからやって来るという二人は待たずに旅に出るのだった。


倍賞千恵子、朝丘雪路        渥美清、前田吟、三崎千恵子、倍賞千恵子、下條正巳、吉岡秀隆

渥美清、沢田研二                  佐藤蛾次郎、笠智衆

題名:男はつらいよ・花も嵐も寅次郎
監督:山田洋次
企画:小林俊一
製作:島津清、佐生哲雄
原作:山田洋次
脚本:山田洋次、朝間義隆
撮影:高羽哲夫
照明:青木好文
録音:鈴木功
調音:松本隆司
美術:出川三男
編集:石井巌
音楽:山本直純 主題歌・唄:渥美清
撮影機材:パナビジョン
フィルム:富士フィルム
現像:東京現像所
製作主任:峰順一
製作進行:玉生久宗
助監督:五十嵐敬司
アニメーション:白組
スチール:長谷川宗平
出演:渥美清、田中裕子、沢田研二、倍賞千恵子、前田吟、三崎千恵子、太宰久雄、笠智衆、佐藤蛾次郎、下條正巳、吉岡秀隆、朝丘雪路、児島美ゆき、馬渕晴子、人見明、内田朝雄、殿山泰司、桜井センリ、高城美輝、谷よしの、中本賢、光石研、笠井一彦、アパッチけん
1982年日本・松竹/シネスコサイズ・カラー106分35mmフィルム
公式サイト
男はつらいよ・花も嵐も寅次郎 -DVD-
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田中裕子、沢田研二

映画「ニッポン無責任野郎」

ニッポン無責任野郎ニッポン無責任野郎
植木等                         団令子

今回は古澤憲吾監督1962年製作「ニッポン無責任野郎」をピックアップする。
植木等さんが、歌って踊りながら東急東横線自由が丘駅のロケーションから始まる本作は、次のカットで突然、小田急線成城学園前駅南口に移り、「無責任一代男」を唄いながら、線路を隔てた反対側である北口に現れる。実に楽しい!

ニッポン無責任野郎ニッポン無責任野郎
ニッポン無責任野郎ニッポン無責任野郎
現在の自由が丘駅北口改札         現在の成城学園前駅南口三井住友銀行前

この他にも数寄屋橋交差点、日比谷公園、恵比寿駅前などの風景の移り変わりも楽しめる。
本作は前作「ニッポン無責任時代」のヒットを受けて作られた姉妹篇であり、東宝クレージー映画第2作で、30作まで作られた。子供の頃、正月映画だったので、劇場で笑い転げて観たと思う。

ニッポン無責任野郎ニッポン無責任野郎
ハナ肇                        谷啓

【ストリー】
真面目な野郎は損をする、嬉しがらせて儲けて逃げるこれが無責任男源等(植木等)の人生観。ひょんなことから知り合った明音楽器営業部長の長谷川(ハナ肇)から会社の派閥争いを嗅ぎつけると、絶好のチャンスとばかり入社をこころざした。次期社長の椅子を狙う王仁専務(犬塚弘)と幕田常務(人見明)の間を縫って「明音楽器は貴方のもの」と、天性のハッタリとオトボケでまんまと入社に成功。丸山英子(団令子)の預金を見つけた源等、通帳ほしさに一円玉を預金して100万とオオボラ吹いてすかさず結婚を申込む。金に弱いが……の常、ガッチリや英子もヒトコロリ。結婚式は千円会費で、花嫁花婿は式をそっちのけの金儲け。新婚旅行は観光団体にまぎれ込んで飲めや歌えの大騒ぎ。女とウサギは掴み方にコツがある。等は長谷川に惚れているバーのマダム(中島そのみ)、専務の恋人(草笛光子)、はては社長のお目当て芸者初太郎(中真千子)のハートをガッチリ惑きつけてしまった。一金、二ワイフ、三出世、女なんかは余技の中、等の本領は金にある。会社から未収金取り立て係に廻されるや、ホイホイと取り立てた五百万円をソックリ自分名義で預金して利息でチャッカリ金儲け。一方英子も負けてはいない。食事代は割り勘、お代りは割り増し料金。等こんどは、アメリカはスミス楽器の御曹子が技術提携をしたいとのふれこみで、サックス吹きのゲーリイ(ジェリー伊藤)を引っぱりこんでの大博打。彼も等に劣らぬしたたか者、サックスも吹けばホラも吹く。二人の口車にのせられた王仁、幕田は社長への絶好の足がかりとばかり、ゲーリイ、等にリベート合戦。スイスイスイの人生街道にも山もあれば谷もある。あっさりゲーリイは化けの皮をはがされ、ついでに等の取立て貯金もバレてしまった。バレテしまえばハイソレマデヨ、等の旺盛な生活力は底知れない。

ニッポン無責任野郎ニッポン無責任野郎
草笛光子                       犬塚弘

題名:ニッポン無責任野郎
監督:古澤憲吾
製作:安達英三郎、森田信
脚本:松木ひろし
撮影:飯村正
照明:隠田紀一
録音:斎藤昭
整音:下永尚
美術:小川一男
記録:横山照子
編集:黒岩義民
音楽:宮川恭
現像:東京現像所
スチール:田中一清
出演:植木等、団令子、ハナ肇、谷啓、草笛光子、藤山陽子、犬塚弘、由利徹、桜井センリ、石橋エータロー、人見明、ジェリー伊藤、中島そのみ、中真千子、浦辺粂子、細川隆一
1962年日本・東宝/シネスコサイズ・カラー86分35mmフィルム
ニッポン無責任野郎 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

ニッポン無責任野郎ニッポン無責任野郎
由利徹                     植木等、藤山陽子

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