映画「ある殺し屋の鍵」


市川雷蔵                        佐藤友美

今回は森一生監督1967年製作「ある殺し屋の鍵」をピックアップする。
本作は、市川雷蔵さんが華麗な殺し屋を演じる和製フィルム・ノワールのシリーズ第二弾になる。
前作「ある殺し屋」に続き、撮影を巨匠宮川一夫氏が担当されている。


中谷一郎                        西村晃

【ストリー】
表向きは日本舞踊の師匠である新田(市川雷蔵)は、実は凄腕の殺し屋だった。彼の素姓は、彼と親しい芸者秀子(佐藤友美)も知らなかった。ある日新田は、石野組幹部荒木(金内吉男)から、政財界の秘密メモを握る脱税王朝倉(内田朝雄)を消してくれと頼まれた。2,000万の報酬で仕事を引受けた新田は綿密な調査の末、朝倉の泊るホテルのプールを仕事場と決めた。その日、何も知らずに朝倉と遊んでいた秀子に邪魔されはしたが、新田は針一本の武器で朝倉を殺した。証拠も、目撃者もない、瞬時のことだった。だが、石野組は新田を裏切り、彼を消そうとした。新田は危うくその手を逃れ、報酬だけは自分の手に入れると、再び自分を殺そうとした石野(中谷一郎)と荒木を始末した。このことから、新田は石野の背後に政界の大物が黒幕として存在することを知った。仕事の報酬である札束の入ったケースを貸しロッカーに預け、自分を利用して殺そうとした者の正体を探るために政治記者に化けた新田は、朝倉の弁護士菊野(伊東光一)の口から、この件に遠藤建設が絡んでいることをつきとめた。その遠藤(西村晃)が秀子のレジデンスに通っていることを知って、新田は遠藤を締めあげ、黒幕の名を聞き出そうとしたが、遠藤は刃物を持って新田を襲い、逆に自分の脇腹を刺して死んでしまった。しかし、その直後の遠藤の秘書の電話から、黒幕が、間もなく欧州へ飛ぶ政財界の大立物北城(山形勲)と分った。数時間後、新田はカメラマン姿で空港に姿を現わした。送迎の混雑の中で、巧みに北城に近づいた新田は一瞬の間に北城を刺していた。事を終えて、貸しロッカーの所へ現われた新田は、そこに、爆薬を仕掛けたという情報で調査している数人の警官を見た。やがて、新田のロッカーから、札束のつまったケースが出された時、新田はそれに何の未練も残さず、見物人の嘆声をよそに人波の中に消えていった。


内田朝雄                      金内吉男、中谷一郎

題名:ある殺し屋の鍵
監督:森一生
企画:藤井浩明
原作:藤原審爾「消される男」
構成:増村保造
脚本:小滝光郎
撮影:宮川一夫
照明:中岡源権
録音:海原幸夫
美術:太田誠一
擬斗:楠本栄一
編集:谷口登司夫
音楽:鏑木創
現像:東洋現像所
製作主任:小沢宏
助監督:大洲斉
スチール:小山田輝男
出演:市川雷蔵(8代目)、佐藤友美、西村晃、山形勲、中谷一郎、内田朝雄、金内吉男、伊達三郎、伊東光一、玉置一恵、森内一夫
1967年日本・大映京都/シネスコサイズ・カラー79分35mmフィルム
ある殺し屋の鍵 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


ある殺し屋の鍵

映画「黒い十人の女」

黒い十人の女
黒い十人の女
黒い十人の女黒い十人の女
黒い十人の女
黒い十人の女黒い十人の女
岸 惠子                      船越英二

今回は市川崑監督1961年製作「黒い十人の女」をピックアップする。
本作は、大映の最盛期の傑作で女優陣の競演が凄い作品であると同時に、和田夏十氏の脚本と市川崑監督の演出が冴え渡る。
この時代ならではの作品である。撮影は名匠小林節雄氏、モノクロフィルムとシネスコレンズでテーマの黒を優れたコントラスト、表現域で見事に描いている。

【当ブログで紹介した市川崑監督作品】
1951年「盗まれた恋
1951年「恋人
1956年「処刑の部屋
1957年「満員電車
1957年「
1959年「野火
1960年「女経」※オムニバス
1961年「黒い十人の女

黒い十人の女黒い十人の女
黒い十人の女
黒い十人の女黒い十人の女
船越英二、中村玉緒              岸 惠子、宮城まり子、船越英二

【ストリー】
現代の煩雑な社会の一分子テレピプロデューサー風松吉(船越英二)。メカニズムに押し流されている彼には近づく女も多い。彼と関係した女は十指に余る。妻の双葉(山本富士子)はそんな夫をあきらめて淋しい毎日をレストラン経営にまぎらわしていた。責任のない関係のつもりだったが、女の方では奇妙に風を忘れられない。行きづまりを感じている女優石ノ下市子(岸惠子)もそんな一人だった。女たちは風のことが気になるあまり二言目には「風がポックリ死ねばよい」「風を誰か殺してくれないかしら」と言うのだった。女たちのそんな話を耳にした風本人は、十人の女が自分を謀殺しようとしていると思い込む。根は気の弱い男なのだ。どうして自分が殺されようとしているのか彼にはわけがわからない。思い悩んだ彼の相談相手は、妻の双葉だった。或る雨の夜、双葉のレストランに集まった十人の女たち。彼女らの目の前で双葉の拳銃が火を吹いた。ばったり倒れた風松吉。驚く女たち。果して真実の殺人か狂言か?しかし風は生きていた。
冷静な双葉の芝居であった。だがこの一幕は女達にさまざまな反応を起した。気の弱い未亡人は風を追って自殺した。新しい結婚に踏み切る女もいた。そして双葉は風と離婚した。それを風は市子の家で知った。市子は風を双葉からゆずり受けた形になって同棲していたのだ。それは普通の形の結婚ではなかった。そして市子も、マスコミに追いまわされる自分を嫌って女優を止すと言う。市子の女優サヨナラー・パーティは盛大に行われた。楽しく談笑する双葉と市子。パーティが終ると、市子は沢山の花束をかかえ冷い表情で自動車を夜の闇に走らせるのだった。

黒い十人の女黒い十人の女
岸田今日子
黒い十人の女黒い十人の女
中村玉緒、伊丹十三                    船越英二

題名:黒い十人の女
監督:市川崑
企画:藤井浩明
製作:永田雅一
脚本:和田夏十
撮影:小林節雄
特撮:築地米三郎
照明:伊藤幸夫
録音:西井憲一
美術:下河原友雄
編集:中静達治
音楽:芥川也寸志
製作主任:中島実
助監督:中村倍也
スチール:薫森良民
出演:岸 惠子、山本富士子、宮城まり子、中村玉緒、岸田今日子、宇野良子、村井千恵子、有明マスミ、紺野ユカ、倉田マユミ、森山加代子、船越英二、永井智雄、大辻伺郎、伊丹十三、佐山真二、中川弘子、浜村純、伊東光一、夏木章、志保京助、ハナ肇とクレージーキャッツ
1961年日本・大映/シネスコサイズ・モノクロ103分35mmフィルム
黒い十人の女 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

黒い十人の女黒い十人の女
ハナ肇とクレージーキャッツ
黒い十人の女黒い十人の女
山本富士子                    山本富士子、岸 惠子