映画「非行少女」

非行少女非行少女
和泉雅子                        浜田光夫

今回は浦山桐郎監督1963年製作「非行少女」をピックアップする。
本作は、森山啓氏の原作を映画化しヒットした作品だが、主演の和泉雅子さんが、監督のシゴキ演出に耐え切れず、「ウラ公(浦山監督)を殺して、オレも死ぬ」と、思いつめた伝説の作品でもあり和泉雅子さんが輝いている作品である。内容は石川県の内灘を舞台に、母の死と父の姦通など、絶望的な環境の中で、身も心も荒みきった15歳の少女の非行と立ち直りを描いている。ロケは石川県金沢市、加賀平野、河北潟などで行われたそうだ。

非行少女非行少女
和泉雅子、浜村純                高原駿雄、沢村貞子、和泉雅子

【ストリー】
15歳の若枝(和泉雅子)はうす汚ないバーで酔客と酒を飲み、ヤケクソのように女給のハイヒールをかっぱらってとび出した。東京で仕事に失敗して帰って来た21歳の三郎(浜田光夫)は、職安通いの空虚な毎日を送っていた。暗く陰うつな北陸の空、金沢の映画館の前で幼ななじみの二人は再会した。三郎はうらぶれた彼女に、なけなしの金からスカートを買ってやった。喜んだ若枝は、のんだくれの父親長吉(浜村純)と、いやな継母のいる家をとび出したわけを話した。若枝をこれ以上堕落させまいと決心した三郎は、翌日から少しずつおくれた勉強を教えてやった。若枝の心にやすらぎがよみがえり、三郎はうれし泣きする彼女の涙をそっとすすってやるのだった…。

非行少女非行少女
今井和子、高原駿雄                    小沢昭一

題名:非行少女
監督:浦山桐郎
企画:大塚和
原作:森山啓 「三郎と若枝」
脚本:石堂淑朗、浦山桐郎
撮影:高村倉太郎
照明:熊谷秀夫
美術:中村公彦
録音:神保小四郎
擬斗:三杉健
記録:中川初子
編集:丹治睦夫
音楽:黛敏郎
製作主任:山野井政則
助監督:大木崇史
方言指導:佐々木守(脚本家)
スチール:式田高一
出演:和泉雅子、浜田光夫、香月美奈子、杉山俊夫、高原駿雄、浜村純、小池朝雄、加原武門、河上信夫、高田敏江、佐々木すみ江、佐藤オリエ、小林昭二、野呂圭介、藤岡重慶、鈴木瑞穂、北林谷栄、小林トシ子、沢村貞子、小夜福子、小沢昭一
1963年日本・日活/シネスコサイズ・モノクロ114分35mmフィルム

非行少女非行少女
和泉雅子、浜田光夫

映画「大人と子供のあいのこだい」

大人と子供のあいのこだい大人と子供のあいのこだい
浜田光夫                       松原智恵子

今回は若杉光夫監督1961年製作「大人と子供のあいのこだい」をピックアップする。
本作は松原智恵子さんのデビュー作だが、驚くほど出番とカラミが少ない。「キューポラのある街」と比べると見劣りする内容とテーマの追求である。プロダクションノートに書いてある教配スタジオ(目黒区柿の木坂・旧目黒スタジオ)を使用しているそうだが、どのシーンだかは分からなかった。70年代後半~90年代前半までCF撮影で、特に徹夜の仕事で通ったのを思い出す。2002年に教配スタジオは売却され、跡地にはUR都市機構シティコート目黒が建った。余談になるが、それから6年経た2008年10月に東宝ビルド(東京美術センター)も閉鎖、解体され、跡地は集合住宅として再開発された。

大人と子供のあいのこだい大人と子供のあいのこだい
鈴木瑞穂、浜田光夫                 佐々木すみ江、宇野重吉

【ストリー】
平井明夫(浜田光夫)は下町の中学三年生だ。父親の国造(松下達夫)は小さな工場の工員、母親のマサ(小夜福子)は内職、姉の加代(高田敏江)も工員をして貧しい家計を助けている。国造は、工場の不況で月給も遅れがちになのに、毎日酒を飲み、競輪や競馬にうつつをぬかしていた。明夫は、そんな父親に憤りを感じるとともに、“専門学校までいった父ちゃんに日雇い仕事までさせたくない”と文句も言わず、苦しい家計をやりくりしている母親にも不満だった。学校で生徒会役員の選挙があった。成績優秀な彼は友人たちに推されて立候補し、役員に選ばれた。喜んだ親友の杉下京一(鈴木寿雄)は明夫を自分の家へ誘い、家族に明夫の演説ぶりを話した。その晩、楽しい夕飯をご馳走になった明夫は、食後に京一から「坂口智佐子(松原智恵子)が好きなんだろう」と言われた。国造の働いている工場が潰れた。次の仕事は中々見つかりそうもない。そのうえ加代も無理がたたって病気になり、療養所へ入ってしまった。しかし明夫はいじけなかった。学校では役員として活躍し、高校入試模擬テストでは全国でも優秀な成績をとった。明夫は毎日日記をつけている。「貧乏なのはしかたがない。俺は俺の力で争うだけだ」と書いた明夫は、昼間働き、夜間の高校へ行くつもりで勉強していた。明夫を高校へ進学させたい担任教師・田口先生(鈴木瑞穂)と京一の父親・洋介(宇野重吉)が相談し、明夫を自分の家に預った。明夫と京一は励まし合って勉強し、二人と見事に合格した。合格の当日、明夫は療養所へ駆けつけた。姉の佳代も合格を喜んでくれるものと思っていた明夫だったが…。

大人と子供のあいのこだい大人と子供のあいのこだい
高田敏江                        松下達夫

題名:大人と子供のあいのこだい
監督:若杉光夫
企画:大塚和
原作:渡辺照男
脚本:岩田重利、米山彊
撮影:井上莞
照明:鈴木貞雄
録音:丸山国衛
美術:岡田戸夢
編集:青山一郎
音楽:林光
製作主任:小林吉男
助監督:佐川功
スチール:寺本正一
出演:浜田光夫、松原智恵子、宇野重吉、高田敏江、梅野泰靖、松下達夫、武智豊子、小夜福子、鶴丸睦彦、鈴木瑞穂、佐々木すみ江、大滝秀治、鈴木寿雄
1961年日本・日活/シネスコサイズ・モノクロ70分35mmフィルム

大人と子供のあいのこだい大人と子供のあいのこだい
大人と子供のあいのこだい

映画「その人は遠く」

その人は遠く
「その人は遠く」芦川いづみ
その人は遠くその人は遠く
芦川いづみ                     和泉雅子、山内賢

今回は堀池清監督1963年製作「その人は遠く」をピックアップする。
私は芦川いづみさんを「硝子のジョニー野獣のように見えて(1962年蔵原惟繕監督)」で “この純粋無垢な美しさとはかなさ”は「 (1954年フェデリコ・フェリーニ監督)」のジュリエッタ・マシーナと肩を並べるのではないだろうか?
“現代のアイドル顔負けの芦川いづみさんに魅了された” と、以前、映画女優・芦川いづみさんを評したが、本作の出演シーンに何度もときめいた。これがファン心理の典型なのは分かっているが、現役若手女優でこの様な人が存在しないのが寂しい。

その人は遠くその人は遠く
山内賢、芦川いづみ                 信欣三、小夜福子

【ストリー】
高校3年生の岡田量介(山内賢)は大学入試を来年に控え、試験勉強に明け暮れている。母一人子一人の静かな生活を破ったのは、遠い親戚で国文科を卒業した才女の奈津子(芦川いづみ)だった。彼女の父親が急死したため、量介の家に来ることになったのだ。奈津子は量介が想像していた以上に美しく、岡田家は花が咲いたように明るくなった。同時に、奈津子のことが気になる量介は勉強に身が入らなくなった。まめまめしく働く奈津子を見て「花嫁修業中だからね」と微笑む母・久子(小夜福子)の言葉を聞き、量介は淋しさを感じた。ある日、奈津子が自分で彫ったという鎌倉彫のベン皿をくれた。翌日、量介はお礼に奈津子を東京見物に連れていき、二人は楽しい時間を過ごした。やがて試験シーズンとなり、合格発表の朝、奈津子のもとへ親せきから縁談話が届いた。量介は悲しくなり、大学合格も嬉しくなかった。しかし奈津子の縁談はまとまり、大沢(井上昭文)という大学教授と秋に結婚した。翌年の夏、量介は奈津子が幸福か自分の目でたしかめるため、大阪にある大沢と奈津子の新居を訪ねた。大沢に甘える奈津子の姿をみて、いたたまれぬ気持で帰京した量介を新たな悲しみが襲った。デパートへ買い物にいった久子が心臓麻痺で倒れたところを、車が撥ねたのだ…。

その人は遠くその人は遠く
芦川いづみ、山内賢                  井上昭文

題名:その人は遠く
監督:堀池清
企画:大塚和
原作:藤原審爾「遠い人」
脚本:金子担、青山民雄
撮影:姫田真佐久
照明:岩木保夫
録音:古山恒夫
美術:中村公彦
編集:丹治睦夫
音楽:西山登
製作主任:山野井政則
助監督:橋本裕
スチール:坂東正男
出演:芦川いづみ、和泉雅子、山内賢、下元勉、井上昭文、小夜福子、小園蓉子、信欣三、佐々木すみ江、堺美紀子、原恵子、市村博、紀原土耕、玉村駿太郎
1963年日本・日活/シネスコサイズ・モノクロ83分35mmフィルム

その人は遠くその人は遠く
芦川いづみ                      その人は遠く

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