映画「温泉みみず芸者」


池玲子                             杉本美樹

今回は鈴木則文監督1971年製作「温泉みみず芸者」をピックアップする。
本作は”温泉芸者シリーズ”全7作の4作目で池玲子さんと杉本美樹さんのデビュー作であり、初めて”東映ポルノ映画”としてフィチャーされた映画である。

1971年は、撮影所システムと言われる日本映画制作各社の旧来の制作システムが急激に衰退を迎えていた時期であり、各社一本立て興行に移行、1953年から続いた五社協定が崩壊し、12月には大映が倒産した。日活では”ロマンポルノ”を11月からスタートさせ、1988年まで制作し続けた。
この”ポルノ”というフレーズは、本作で生まれた造語をパクったものであり、プロデューサーの天尾完次氏が、海外の雑誌のグラビアから”ポルノグラフィ”という言葉を見つけて、”ポルノ”という言葉を日本で初めて使い定着させた。

本作は、日活のロマンポルノ第一作「団地妻 昼下りの情事(主演:白川和子)」の11月公開より早く7月に劇場公開されている。

【東映温泉芸者シリーズ】
1968年「温泉あんま芸者」監督:石井輝男 出演:橘ますみ、三原葉子
1969年「温泉ポン引女中」監督:荒井美三雄 出演:橘ますみ、葵三津子
1970年「温泉こんにゃく芸者」監督:中島貞夫 出演:女屋実和子、松井康子
1971年「温泉みみず芸者 」監督:鈴木則文 出演:池玲子、松井康子、杉本美樹
1972年「温泉スッポン芸者」監督:鈴木則文 出演:杉本美樹、城恵美、女屋実和子
1973年「温泉おさな芸者」監督:鷹森立一 出演:田辺節子、沢リミ子、深田ミミ
1975年「東京ふんどし芸者」監督:野田幸男  出演:堀めぐみ、茜ゆう子、三井マリア
※各作品のリンクは、予約投稿で表示しないページがありますが、後日表示されます。


松井康子、山城新伍                      池玲子、小池朝雄

【ストリー】
伊勢志摩の港町で一杯飲み屋を営む多湖初栄(松井康子)と二人の娘、圭子(池玲子)、幸子(杉本美樹)の母娘は美人として評判がよかった。ところが初栄は生来の淫乱性。抵当に入っている先祖の墓を買い戻すために、100万円を目標に貯めている金まで若いつばめに持ち逃げされる始末。そこで、圭子は仕方なしに、東京のソープランドに働きに出るが、偶然、社長久兵エ(芦屋雁之助)と知り合い50万円もらう。数日後、初栄が伊豆の土肥温泉から“すぐこい”と打電してくる。駈けつけた圭子に、初栄は借金を肩代りしてくれと泣きつく。初栄は、圭子が送った50万円を手にすると性凝りもなく若い男を作り、士肥温泉に遊びにきたが、その金を持ち逃げされてしまったのだ。窮した圭子は、借金返済のために温泉芸者として働くことになり、初栄も女中に雇われることになった。ようやくここでの生活になれた頃、この静かな温泉町の静寂を破って、時ならぬ混乱がまき起こった。無限精流の性豪を名乗る竿師段平(名和宏)、師範代黒竿の段吉(岡部正純)、門弟健(大下哲夫)が、芸者の引き抜きにやってきたのだった。彼らはベットを共にした芸者を意のままに、他の土地に鞍変えさせてしまう温泉場荒しである。政界筋をバックに持つ彼らを追い出す訳にもいかず、町の役人衆も頭を痛めていたが、結局、初栄と圭子、妹の幸子の母娘が、彼らの相手をし、倒さなければならなくなる。勝てば300万円の褒賞金がもらえるとあって、初栄のいきり様は大変なもの。海岸大明神の夜祭りに湧き立つ浜辺の邸宅で、そのセックス試合は開始された。


小池朝雄、池玲子、殿山泰司              女屋実和子

題名:温泉みみず芸者
監督:鈴木則文
企画:岡田茂。天尾完次
原案:久保田正
脚本:掛札昌裕、鈴木則文
撮影:古谷伸
照明:金子凱美
録音:堀場一朗
美術:雨森義允
装置:柴田澄臣
美粧。結髪:東和美粧
衣装:岩逧保
振付:藤間勘眞次
記録:石田照
編集:神田忠男
音楽:鏑木創
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学 (ノンクレジット)
進行主任:伊藤彰将
助監督:皆川隆之
スチール:中山健司
出演:池玲子、杉本美樹、女屋実和子、松井康子、葵三津子、小池朝雄、山城新伍、由利徹、名和宏、沢淑子、岡八郎、殿山泰司、川谷拓三、芦屋雁之助、芦屋小雁、岡部正純、大泉滉、団鬼六、田中小実昌、佐藤重臣、小松方正(ナレーション)
1971年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー85分35mmフィルム
温泉みみず芸者 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「温泉みみず芸者」池玲子

杉本美樹、池玲子                        温泉みみず芸者

映画「狂走情死考」


吉沢健                         武藤洋子

今回は若松孝二監督1969年製作「狂走情死考」をピックアップする。
1968年10月21日国際反戦デー、新宿騒乱から生み出された暴動と破壊、旧態依然とした家族構造、封建的男性社会、そして自立する女性の姿を見事に捉えた若松メロドラマの頂点的作品。(作品解説より)
本作は、若松監督の初オールカラー作品で同時期に製作された大島渚監督のロード・ムービー「少年」の撮影クルーと東北地方で合流し、69年の忘年会は創造社と若松プロで行われたそうだ(監督談)。その為か、大島組の常連俳優である戸浦六宏さんが若松作品に初出演している。

作品リスト


戸浦六宏                        山谷初男

【ストリー】
凶器準備集合罪で追われる過激派学生の左兵(吉沢健)は、刑事で兄の勲(戸浦六宏)の自宅へ逃げ込み自首を勧める兄と口論となってしまった。もみ合う二人を止めに入った勲の妻袖里(武藤洋子)が手にしていた拳銃が暴発。勲は息絶える。夫殺しの罪の重さに苦しむ袖里を、兄は俺達二人が殺したのだと懸命に説得を試みる左兵。アリバイを作るため二人は冬の日本海へと向かう。
しかしそんな左兵の活動家としての共犯意識が、かねてから思いを寄せていた義姉への愛へと変わるのに時間はかからなかった。行くあてをなくした二人は、互いの肉体を求めあいながら雪の日本海を二人の故郷、小樽へと北上する。

題名:狂走情死考
監督:若松孝二
企画・製作:若松孝二
脚本:出口出(足立正生)
撮影:伊東英男
照明:磯貝一
録音:杉崎喬
音効:福島グループ
編集:具流勘助
音楽:山下武士
製作主任:大山吉雄
製作進行:井上真
助監督:小水一男、秋山未知汚
撮影助手:山本進、木下裕司
照明助手:西村勝、吉田幸一
スチール:清田弓子
現像:目黒スタジオ
出演:武藤洋子、吉沢健、戸浦六宏、山谷初男、美湖ひろみ、押田推敲、桜田洋助、西村勝、佐藤重臣
1969年日本・若松プロダクション/シネスコサイズ・カラー72分35mmフィルム
狂走情死考 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


狂走情死考

【出演】
祐里:武藤洋子(東京演劇アンサンブル)
佐兵:吉沢健
長老:山谷初男
村の娘:美湖ひろみ
白痴:押田推敲
医師:桜田洋助
馬そりの男:若杉虎
東京の人:秋山未知汚
女中:吉屋あや子
村の男(特別出演):佐藤重臣、足立正生、磯貝一、西村勝
勲:戸浦六宏(創造社)

映画「毛の生えた拳銃」


麿赤兒                        大久保鷹

今回は大和屋竺監督1968年製作「毛の生えた拳銃」をピックアップする。
裏切りの季節」「荒野のダッチワイフ」に続く大和屋竺監督の第3作になる本作は、劇団状況劇場(唐十郎主宰)の看板俳優を迎えて、前衛で先鋭な大和屋ワールドが炸裂する。惜しくも1993年1月13日に亡くなってから25年になるが、今、この様な秀でた監督、脚本家が日本映画界にいないのが残念だ。


吉沢健                       林美樹、谷川俊之

毛の生えた拳銃

【ストリー】
司郎(吉沢健)は、自らの恋人を襲った組織に復讐するために、ボスを刺し、その手下を撃った。組織は、高(麿赤兒)と商(大久保鷹)という殺し屋2人組を雇い、司郎を始末するよう命じる。しかし、高と商は、追跡を続けるうち、司郎に親しみをおぼえはじめる。


麿赤兒、山谷初男                     佐藤重臣

題名:毛の生えた拳銃
監督:大和屋竺
企画・製作:若松孝二
脚本:大山村人(大和屋竺)
撮影:伊東英夫
照明:磯貝一
録音:目黒スタジオ
音効:福島効果グループ
編集:具流勘助
記録:葵ひとみ
音楽:相倉久人(演奏:中村誠一・森山威男)
現像:目黒スタジオ
製作主任:弥山政之
助監督:小水一男
監督助手:秋山未知汚
撮影助手:一之瀬正史、田中康次
照明助手:安藤裕司、山崎正雄
モデルガン:上野中田商店
スチール:明日実
出演:麿赤兒、大久保鷹、吉沢健、林美樹、山谷初男、谷川俊之、松田政男、佐藤重臣、足立正生
1968年日本・若松プロダクション/シネスコサイズ・パートカラー70分35mmフィルム
毛の生えた拳銃 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


毛の生えた拳銃

【出演】
江原司郎(たそがれの司郎) :吉沢健(劇団状況劇場)
高:麿赤兒(劇団状況劇場)
商:大久保鷹(劇団状況劇場)
情報屋:松田政男
情報屋:佐藤重臣
大広間の男:足立正生
相倉久人
恵子:林美樹
菅野:山谷初男(俳優小劇場)
野田:谷川俊之
花子:乱孝寿
下:長岡丈二
マキ:古幡梢
不良:和田巌
哲:FM・ガイラスト・JR
殺し屋:汎乱気
キー子:万屋マリー
用心棒:原野伊野純
殺し屋:L・クレジロー
殺し屋:吉屋信夫
殺し屋:吉行淳
女:木戸脇菖子
女:松田俊子
女:吉岡順子