映画「唐獅子株式会社」


「唐獅子株式会社」予告編より

横山やすし                        伊東四朗

今回は曽根中生監督1983年製作「唐獅子株式会社」をピックアップする。
本作は、伝説の天才漫才師横山やすしさんを主演で、小林信彦氏原作の同名小説の映画化したものだ。当時、テレビのレギュラー番組だけで9本もある横山やすしさんは超多忙だった為に、撮影は、週3日で、トータル30日の香盤が組まれ、1983年9月中旬~11月中旬に東映東京撮影所内でのスタジオ撮影が行われ、撮影の中盤には1983年10月に数日、大阪と神戸でロケーション撮影が行われたそうだ。


桑名正博                         甲斐智枝美

【ストリー】
3年ぶりに刑務所から出所した須磨組組員ダーク荒巻(横山やすし)は、島田組のチンピラに襲われ、九死に一生を得てようやく組の所在地にたどりついた。ところが、そこには、「唐獅子通信社」の見慣れない看板が……。親分の新し物病が始まったらしく、兄貴分の哲(伊東四朗)は専務と呼ばれ、組の様相は一変していた。翌日、ダークの出所祝が須磨邸で開かれた。シェフは親分の長男・安輝(木村一八)。コック姿で料理を運びやくざ稼業には全く関心がない。そこへ親分、義輝(丹波哲郎)の娘・輝子(斉藤ゆう子)が現れ、「これからはビデオの時代」と提案する。かくて、唐獅子ビデオの看板が掲げられた。さらに、親分は芸能社を作り、どこで見つけてきたのか新人歌手・伊吹ひとみ(甲斐智枝美)を東京のテレビ局主催のスーパースターコンテストで優勝させろと命令する。ところが、ひとみは体は魅力的だが、歌の方はカラッきしダメ。そして、ダークがマネージメント、原田(桑名正博)が歌のレッスンを担当することになった。デビュー曲も出来上がり、東京へ飛んだダークたちは、クラブでまずテレビ局のプロデューサーと評論家を買収する。そこに島田組が現われ、3人は捕まり、監禁された。翌朝、やっとの思いで抜けだしたダークたちは、コンテスト会場にギリギリで到着し、「唐獅子ロック」を歌ったひとみは優勝した。その夜、ダークの自分への愛の独り言を聞いたひとみは、彼に抱いてくれと告げるが断られ外に飛び出した。大阪に戻ったひとみは哲の前で、ダークにベタベタする。ある日、島田組がひとみのマンションにやって来た。居合わせたダークとひとみは逃げだし、やがてモーターボートでの闘争が始まった。そこに、島田組とダークの争いを心配していた栗林警部補(杉浦直樹)が助けに入り、足をゲガする。次の日、栗林を見舞ったダークとひとみは、奥さんに死なれ子供をたくさん抱えて困っている彼の姿を見た。坂津音楽祭当日、子供を連れてお祝いにかけつける栗林に、意を決してダークは「ひとみはあんたが好きだから嫁にもらってくれ」と頼む。そんなダークを哲が「よくやった。惚れた女を他人に渡すはのつらい」と慰めるのだった。


杉浦直樹                         丹波哲郎

題名:唐獅子株式会社
監督:曽根中生
企画:天尾完次
製作:井上眞介、木村政雄、林信夫
原作:小林信彦
構成:笠原和夫
脚本:内藤誠、桂千穂
撮影:鈴木耕一
照明:梅谷茂
録音:川島一郎
音効:原尚
美術:今保太郎
装置:開米慶四郎
装飾:岡万雄
背景:上田義明
美粧:武藤佳子
美容:石川靖江
衣裳:福崎精吾
擬斗:西本良治郎
刺青:毛利清二
記録:勝原繁子
編集:西東清明
音楽:甲斐正人 主題歌:山本譲二「ローリング・ストーン」
現像:東映化学
製作調整:山田光男
製作主任:酒井喬ニ
演技事務:鎌田賢一
音楽事務:新井明美
水中撮影:中村征夫
助監督:田中雄二
音楽プロデューサー:高桑忠男、石川光
カー・スタント:高橋レーシング
宣伝担当:松田仁、荒井一郎、西嶋光弘、藤沢正博
スチール:関谷嘉明
出演:横山やすし、伊東四朗、桑名正博、甲斐智枝美、丹波哲郎、杉浦直樹、佳那晃子、風祭ゆき、中島ゆたか、斉藤ゆう子、荒勢、小野ヤスシ、岡本信人、成瀬正孝、阿藤快、安岡力也、なぎら健壱、明石家さんま、島田紳助、木村一八
1983年日本・東映東京撮影所/ビスタサイズ・カラー102分35mmフィルム
唐獅子株式会社 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


斉藤ゆう子                        なぎら健壱

唐獅子株式会社

映画「極道の妻たち」


「極道の妻たち」岩下志麻

かたせ梨乃                     世良公則

今回は五社英雄監督1986年製作「極道の妻たち」をピックアップする。
本作は家田荘子氏の原作ルポルタージュをベースにした新しいタイプの任侠映画として、極妻(極道の妻)に焦点を当てたヒットシリーズ第1作になる。

1986年「極道の妻たち(監督:五社英雄 主演:岩下志麻)」
1987年「極道の妻たちII(監督:土橋亨 主演:十朱幸代)」
1989年「極道の妻たち 三代目姐(監督:降旗康男 主演:三田佳子)」
1990年「極道の妻たち 最後の戦い(監督:山下耕作 主演:岩下志麻)」
※以降の主演は岩下志麻さん。
1991年「新極道の妻たち(監督:中島貞夫)」
1993年「新極道の妻たち 覚悟しいや(監督:山下耕作)」
1994年「新極道の妻たち 惚れたら地獄(監督:降旗康男)」
1995年「極道の妻たち 赫い絆(監督:関本郁夫)」
1996年「極道の妻たち 危険な賭け(監督:中島貞夫)」
1998年「極道の妻たち 決着[けじめ](監督:中島貞夫)」
※以降Vシネマとして、東映ビデオ制作で6作品が製作された。


世良公則、かたせ梨乃              岩下志麻、成田三樹夫

成田三樹夫、佳那晃子              世良公則、岩下志麻

【ストリー】
粟津環(岩下志麻)は堂本組若頭補佐で粟津組組長の妻である。気丈な彼女は、服役中の夫・等(佐藤慶)に変わり組を守っていた。ある日、環は貧しい工場を経営する父・保造(大坂志郎)と暮らす妹・真琴(かたせ梨乃)に縁談を持ちかけた。そんな時、堂本組総長が急死した。関西を拠点に全国的に勢力を持つ堂本組は、傘下組員二万人の暴力団で、粟津組はその直系である。堂本組の跡目相続人は、故人の遺言によって若頭の柿沼(岩尾正隆)に決定した。これを不満とする舎弟頭の蔵川(疋田泰盛)は、同補佐の小磯(成田三樹夫)らを引き連れて朋竜会を結成した。環はあくまで堂本に忠誠を尽し、小磯の誘いを拒否する。小磯は傘下系列の名古屋の杉田組組長の杉田(世良公則)に柿沼暗殺の指揮を命じた。
一方、アルバイト先のスナックで杉田にしつこく言い寄られていた真琴は、バカンスを楽しむグァム島で偶然、彼と再会。コテージで力ずくで抱かれた。杉田は兄弟分の川瀬組組長・川瀬(小松政夫)と共に柿沼暗殺のための拳銃の試射に来ていたのだ。帰国した真琴は、環に縁談を断りやくざと関係したことを告げた。ある日、柿沼が射殺された。すぐに、愛知県常滑市の暴力団員・川瀬が自首して出た。かひでそれを知った真琴は常滑へ向かう。杉田と真琴は、子分に囲まれながら結婚式を挙げる。だが、杉田は突然踏み込んで来た刑事たちに逮捕された。真琴のもとに、杉田が柿沼を射止めた拳銃が残された。ある夜、粟津組系組長の妻たちが集まる“懲役やもめの会”で、環が小磯系組員の襲撃を受けた。このまま抗争を続ければ、双方の組織が壊滅しかねないと案じた堂本の妻、絹江は関東から手打ちの仲介を頼むと環に告げる。環は小磯の妻、泰子(佳那晃子)の手を借りて小磯と会い、戦争終結を話し合った。一方、保釈となった杉田は、朋竜会解散の真偽を確めに大阪へ。家族と海水浴を楽しむ小磯の前で、自分の腹をドスで突き刺した。服役中の粟津が堂本の三代目に決定。大阪に戻った真琴は父親の死を知る。
真琴は環のもとで暮らし始めたが、ある朝、見張りの清野伴司(清水宏次朗)と出かけた際、杉田の子分、花田太市(竹内力)と再会した。杉田のもとへ行くという真琴を環は止める。激しい喧嘩の後、「今日限り、わてらは姉妹でない」と環は妹を送りだした。杉田と真琴の久方ぶりの逢瀬の際中、伴司が飛び込んで来て杉田を刺殺した。そして粟津の保釈の日、環や組員が見守るなか、粟津は太市によって殺された。


岩下志麻                     かたせ梨乃、岩下志麻

題名:極道の妻たち
監督:五社英雄
企画:日下部五朗、奈村協
原作:家田荘子
脚本:高田宏治
撮影:森田富士郎
照明:安藤清人
録音:荒川輝彦
美術:西岡善信、今井高瑞
装置:梶谷信男
装飾:窪田治
背景:西村三郎
美粧:田中利男
結髪:山田真佐子
衣装:黒木宗幸
技斗:土井淳之祐
配役:葛原隆康
記録:田中美佐江
編集:市田勇
音楽:佐藤勝
監督補佐:清水彰
助監督:比嘉一郎
スチール:北脇克巳
出演:岩下志麻、かたせ梨乃、佳那晃子、世良公則、成田三樹夫、清水宏次朗、藤間紫、松尾和子、竹内力、小松政夫、大坂志郎、円浄順子、春やすこ、内藤やす子、絵沢萌子、八神康子、汀夏子、鹿内孝、佐藤慶、岩尾正隆、疋田泰盛
1986年日本・東映京都撮影所/ビスタサイズ・カラー120分35mmフィルム
極道の妻たち -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


かたせ梨乃

極道の妻たち

映画「鬼龍院花子の生涯」


「鬼龍院花子の生涯」夏目雅子

夏目雅子                     仲代達矢、室田日出男

今回は五社英雄監督1982年製作「鬼龍院花子の生涯」をピックアップする。
本作は高知出身の直木賞作家・宮尾登美子氏の同名小説を初の映画化をしたもので、27歳という若さで惜しまれて亡くなった伝説の女優、夏目雅子さんの松恵役に拘った意欲作でもある。しかし、驚いた事に本作の製作経緯として女優の梶芽衣子さんが著書「真実(文藝春秋刊)」で次の様に述べている事実は看過出来ない。

…(中略)…本屋さんで気になった本を手に取ったなかで、ある人が勧めてくださったのが宮尾登美子さんの「鬼龍院花子の生涯」でした。土佐の任客・鬼龍院政五郎と周囲の女たちの生き様を描いた物語です。読み進めるうちに、以前にテレビドラマで見た若尾文子さん主演の「櫂」(1975年)を思い出しました。女性の視点で女衒の世界を描いた内容が新鮮で「櫂」はとても印象に残っていたのですが、その作風に同じ作家であることに気づいたのです。…(中略)…最初の企画としては「鬼龍院花子の生涯」のほうが通りやすいだろう。かなりどぎつい物語だけれども、あの親子の性や女の情念の世界を増村保造監督が描いたらどんなふうになるだろう。主人公の鬼政、鬼龍院政五郎を若山富三郎さんが演じたら素晴らしいだろうな。…(中略)…おこがましいとは思いながらも思い切って若山さんにお話ししたところ、ご賛同くださったのです。そこでさっそくシノプシス(あらすじ)をまとめ、キャスティングやスタッフ案を書き記した企画書をマネージャーの兼田に作成してもらいました。東映には「さそり」シリーズ続編をめぐる降板問題でご迷惑をおかけしたことがありましたので、この映画を絶対に当ててご恩返しができたら、という思いがありました。東映京都にしたのは、大正から昭和にかけての高知の話ということもあり東京よりふさわしいだろうと思ったからです。…(中略)…当時そうした企画の窓口となっていた奈村協プロデューサーを訪ねました。当時の奈村さんは宮尾登美子さんという作家をご存じなかったのですが企画書を預かってくださり、私たちはその返事を待つことにしました。ところがその返事はなかなかいただけず、東映がダメなら別のところに、大変だろうけど独立プロで製作してもいいとも思い始めた矢先のこと…。ある日突然、原作の映画化を勧めてくれた知人から電話がかかってきたのです。
…(中略)… 東映が「鬼龍院花子の生涯」の映画化を発表したというのです。…(中略)…そこに奈村さんから「こんなことになっちゃって…」と事務所に電話がかかってきました。奈村さんは発表された事実を改めて告げた後、「ほかの役ならどれでもいいって、五郎ちゃんが言っている」と言うのです。五郎ちゃんというのはプロデューサーの日下部五朗さんのことで、私が出演した作品にプロデューサーとして名前が入っていることはありましたが、一度もお会いしたことのない方です。……..。
「真実」梶芽衣子著 文藝春秋刊より(2018.3.12発刊)

私は、本作で企画・製作総指揮としてクレジットされている日下部五朗氏が、梶芽衣子さんが持ち込んだ企画をパクったという事実に驚愕した。これは世間には知られてない真実なのだろうか!?ただし本書は梶芽衣子さんの映画人生を時系列で綴ったものであり、本作の経緯に限った事で書かれてはいない事をお断りしておく。


岩下志麻                       夏木マリ

【ストリー】
大正10年、松恵(仙道敦子)は土佐の大親分・鬼龍院政五郎(仲代達矢)の養女となった。松恵は政五郎の身の回りの世話を命じられたが、鬼龍院家では主屋には正妻の歌(岩下志麻)が住み、向い家には妾の牡丹(中村晃子)と笑若(新藤恵美)が囲われており、その向い家に政五郎が出向く日を妾二人に伝えるのも幼い松恵の役割りだった。ある日、政五郎は女や子分たちを連れ土佐名物の闘犬を見に行った。そこで漁師の兼松(夏八木勲)と赤岡の顔役・末長(内田良平)の間で悶着がおき、政五郎の仲介でその場はおさまったが、末長は兼松の持ち犬を殺すという卑劣な手段に出た。怒った政五郎は赤岡に出むいたが、末長は姿を隠していた。帰りぎわ、政五郎は末長の女房・秋尾(夏木マリ)の料亭からつる(佳那晃子)という娘を掠奪した。この確執に、大財閥の須田(丹波哲郎)が仲裁に入り一応の決着はついたが、以来、政五郎と末長は事あるごとに対立することになる。これが機縁となってつるは政五郎の妾となり、鬼篭院の女たちと対立しながら翌年、女児を産んだ。花子と名付けられ、政五郎はその子を溺愛した。勉強を続けていた松恵(夏目雅子)は、女学校に入学した。昭和9年、土佐電鉄はストライキの嵐にみまわれ、筆頭株主である須田の命を受けた政五郎はスト潰しに出かけた。そこで政五郎はストを支援に来ていた高校教師の田辺恭介(山本圭)と知り合い意気投合、須田から絶縁されるハメに陥った。だが政五郎は意気軒昂、田辺を16歳になった花子(高杉かほり)の婿にし一家を継がせようとしたが、獄中に面接に行かされた小学校の先生となっていた松恵と田辺はお互いに愛し合うようになっていた。やがて出所した田辺は政五郎に松恵との結婚を申し出、怒った政五郎は田辺の小指を斬り落とさせた。そして数日後、政五郎に挑みかかられた松恵は死を決して抵抗、転勤を申し出、鬼龍院家を出た。16歳になった花子と神戸・山根組との縁談が整い、その宴の席で歌が倒れた。腸チフスだった。松恵の必死の看病も虚しく歌は死んだ。松恵は再び家を出、大阪で労働運動に身を投じている田辺と一緒に生活するようになった。だが、花子の婚約者がヤクザ同士の喧嘩で殺されたのを機に、田辺と共に鬼龍院家に戻った。南京陥落の提灯行列がにぎわう夜、花子が末長に拉致され、これを救おうとした田辺も殺された。政五郎が末長に殴り込みをかけたのはその夜のうちだった。それから2年後、政五郎は獄中で死んだ。そして数年後、松恵がやっと消息を知り大阪のうらぶれた娼家に花子を訪ねた時、花子も帰らぬ人となっていた。


中村晃子、新藤恵美                  佳那晃子

仙道敦子

佳那晃子、仲代達矢                   夏木マリ

題名:鬼龍院花子の生涯
監督:五社英雄
企画:日下部五朗、佐藤正之
製作:奈村協、遠藤武志
原作:宮尾登美子
脚本:高田宏治
撮影:森田富士郎
照明:増田悦章
録音:平井清重
整音:荒川輝彦
美術:西岡善信
装置:三浦公人
装飾:西田忠男、福井啓三
背景:西村三郎
衣装:松田孝
美粧・結髪:東和美粧
刺青:毛利清二
技斗:土井淳之祐
記録:田中美佐江
編集:市田勇
音楽:菅野光亮
和楽:中本敏生
製作主任:山本吉應
助監督:清水彰
演技事務:寺内文夫
スチール:小山田幸生
出演:仲代達矢、夏目雅子、岩下志麻、仙道敦子、佳那晃子、中村晃子、夏木マリ、山本圭、高杉かほり、新藤恵美、内田良平、小沢栄太郎、室田日出男、梅宮辰夫、成田三樹夫、丹波哲郎、夏八木勲
1982年日本・東映京都+俳優座映画放送/ビスタサイズ・カラー146分35mmフィルム
鬼龍院花子の生涯 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


丹波哲郎                        仲代達矢

夏目雅子、仲代達矢

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