映画「緋牡丹博徒 一宿一飯」



藤純子                      鶴田浩二、藤純子

今回は鈴木則文監督1968年製作「緋牡丹博徒 一宿一飯」をピックアップする。
本作は、藤純子さん主演の緋牡丹博徒シリーズ全8作の第2作である。豪華な共演陣(鶴田浩二、菅原文太)の中で、お竜さん(藤純子)が綺麗で、ドスを振るう姿にシビれる。


藤純子、城野ゆき                  菅原文太

【ストリー】
明治17年秋。上州の農民たちは、高利貸倉持(遠藤辰雄)に収穫物をカタに取られ困っていた。倉持がことあるごとに農民に襲われるという事態が起り、戸ヶ崎組が乗り出して農民をなだめる一方、戸ヶ崎(水島道太郎)の舎弟分笠松一家が事態収拾にあたった。そんな時、笠松(天津敏)の賭場では、艶気をふりまき、背中に弁天の刺青を入れたおれん(白木マリ)が、胴元を危うくするほどつきまくっていた。そこで笠松は戸ヶ崎の客分緋牡丹のお竜(藤純子)に応援を頼んだ。お竜は見事な手並みでおれんに勝った。一方、笠松はひそかに倉持と結託、上州一帯の生糸の総元締会社設立を図っていた。この計画を察知した戸ヶ崎は、農民に犠牲を強いる笠松のやり方に怒り、笠松一家に殴り込んだ。その時は、お竜は戸ヶ崎のはからいで四国の熊虎一家を訪ねていた。戸ヶ崎が殴り込んだことをお竜はそこで聞いたが、戸ヶ碕一家は笠松一家によって全滅したのだった。お竜は急ぎ上州に戻ったが、そこはもう日の出の勢いの笠松一家の勢力圏になっていたのだ。後日のことを考慮した戸ヶ崎によって彼の娘まち(城野ゆき)と結婚して戸ヶ崎組の跡目を継いだ勇吉(村井国夫)は血気にはやって殴り込んだが、逆に私刑を受ける有様だった。お竜はそんな勇吉を何かと助けていたが、関八州の親分の一人宮内(藤岡重慶)がその後楯となってくれた。一方笠松は邪魔なお竜を消そうとして襲ったが、一匹狼の風間周太郎(鶴田浩二に阻まれた。しかし、笠松にはもう一つ企みがあった。戸ヶ崎組の経営する郵便馬車の権利を手に入れることだった。笠松はまちを脅し、ついにその権利書を手に入れたのだ。憤怒に燃えた勇吉は、笠松組と争いなぶり殺したあってしまった。ここに至っては、お竜も決心せざるを得なかった。周太郎とともに勇吉の葬合戦とばかり、笠松組に欧り込み、笠松を倒したのだった。


白木マリ                   玉川良一、山城新伍、藤純子

題名:緋牡丹博徒 一宿一飯
監督:鈴木則文
企画:俊藤浩滋、日下部五朗
脚本:野上龍雄、鈴木則文
撮影:古谷伸
照明:増田悦章
録音:溝口正義
美術:石原昭
装置:米沢勝
装飾:松原邦四郎
美粧:鳥居精一
結髪:妹尾茂子
衣装:松田孝
技斗:谷明憲
舞台振付:藤間勘真次
編集:堀池幸三
記録:国定淑子
音楽:渡辺岳夫
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
製作主任:渡辺操
助監督:本田達男
スチール:藤本武
出演:出演:藤純子(富司純子)、鶴田浩二、若山富三郎、菅原文太、城野ゆき、侍田京介、村井国夫、白木マリ、山城新伍、西村晃、玉川良一、藤岡重慶、遠藤辰雄、天津敏、水島道太郎
1968年日本・東映/シネスコサイズ・カラー95分35mmフィルム
緋牡丹博徒 一宿一飯 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


藤純子                     鶴田浩二、藤純子

映画「ザ・ヤクザ」

ザ・ヤクザ
高倉健
ザ・ヤクザザ・ヤクザ
ロバート・ミッチャム                 岸恵子

今回はシドニー・ポラック監督1974年製作「ザ・ヤクザ(THE YAKUZA)」をピックアップする。
日本を舞台にしている本作は、同じ高倉健さん主演のリドリー・スコット監督「ブラック・レイン」を思い起こすが、ヤクザ世界の任侠をアメリカ人が“憧れ”と“尊敬”を持って描いているのがおもしろい。これは、ありがちな”なんちゃってヤクザ”ではなく、ハリウッド製任侠映画として成立している。
また名優ロバート・ミッチャム氏が主演し「愛と哀しみの果て(OUT OF AFRICA/1995年)」でアカデミー賞監督賞を受賞したシドニー・ポラック氏が監督し、脚本は「タクシードライバー」のポール・シュレイダー氏と「チャイナタウン(1974年ロマン・ポランスキー監督/CHINATOWN)」で1975年アカデミー賞脚本賞を受賞したロバート・タウン氏という実に贅沢な布陣だ。
撮影は、名匠岡崎宏三氏が日本側を担当され、アメリカ側はデューク・キャラハン氏が担当した。

ザ・ヤクザ
高倉健
ザ・ヤクザザ・ヤクザ
ロバート・ミッチャム、岸恵子         ロバート・ミッチャム、高倉健

【ストリー】
アメリカの海運会社をいとなむジョージ・タナー(ブライアン・キース)の娘が、日本滞在中にヤクザ組織・東野組に誘拐された。組長の東野五郎(岡田英次)とタナーの間に交わされた武器の売買契約をタナーが無視したためだった。東野が腹心の殺し屋加藤次郎(侍田京介)をロスに送り、娘のドレスの切れ端をタナーに渡して4日以内にタナー自身が日本にこなければ娘の命はないことを通達した。タナーは思案の果て、旧友のハリー・キルマー(ロバート・ミッチャム)に相談した。二人は第二次大戦後、進駐軍兵士として日本に滞在していた仲だったのだ。日本には田中健(高倉健)というヤクザの幹部がおり、ハリーには大きな義理があるので、彼を通して話を進めれば東野との交渉もうまく行くだろうというのがタナーの目算だった。いやいやながらもこの役を引き受けなくてはならなくなったハリーにタナーのボディガードのダスティ(リチャード・ジョーダン)が監視役兼護衛役で同行することになった。ハリーとタナーの共通の友人で日本に住んでいるオリヴァー・ウィート(ハーブ・エデルマン)に出迎えられた二人は、彼の邸に滞在することになった。オリヴァーは終戦以来、日本文化にひかれ、大学で米国史を教え続け今日に至っていた。東京に着くとハリーは田中英子(岸恵子)の経営するバー“キルマー・ハウス”を訪れた。英子はハリーの遠い日の愛人でもあった。終戦直後の混乱のさなかに二人は知合い愛し合った。幼い娘を抱えた英子が娼婦にならずにすんだのもハリーの愛情のおかげだった。しかし終戦から数年を経て英子の夫健がフィリピンから奇跡的に復員してきた。健はハリーを憎悪したものの、妻と娘が受けた恩義を尊び、二人から遠去かった。そして健と英子の関係は兄妹としてハリーに知らされた。英子がハリーの求婚を拒み続けたのはそんな事情からだった。軍の命令で日本を去らなければならなくなったハリーはタナーから金を借り、“キルマー・ハウス”を英子にプレゼントした。その店で二人は二十余年ぶりで再会した。娘花子(クリスチナ・コクボ)も今は美しく成長して、心からハリーを歓迎した。英子から、健は京都で剣道を教えていることを聞いたハリーはすぐ京都へ飛び、事情を打ち明けたが、すでに健がヤクザの世界から足を洗っていることを知らされ、愕然とする。だが、一たんハリーの口から出た以上、健は義理を返すために頼みを引き受けないわけにはいかない。二人は早速、タナーの娘が監禁されている鎌倉の古寺に忍び入り、東野の手下数人を殺傷し、娘を救出した。こうして健の生命が今度は東野組に狙われることになった。健には五郎(ジェームス・繁田)という兄がいたが、実力者の五郎でさえも健を救うことはできなかった。ハリーはその頃、タナーが東野と手を握り、自分たちを裏切ったことを知った。ある夜、ウェートの邸に東野組の手下が殴り込みをかけ、そこに身を隠していた花子とダスティが殺された。ハリーと健は復習の鬼と化した。五郎も、今は東野の部下となっている息子の四郎を見のがしてもらうことを条件に全面的に協力することを約束した。ハリーはタナーを射殺した足で、健と共に東野邸に殴り込んだ。今度は健が東野を殺す番だった健のふりかざした日本刀が東野を真二つに割った。しかし、誤って四郎の命を奪ってしまった。誓いを破ったものは指をつめるのがこの世界のおきてだった。兄の五郎が止めるのもきかず、健は小指を切った。ハリーがアメリカへ帰る日がきた。健への友情のしるしに、ハリーは自分も指をつめることを決意していた。健が英子の実の夫であり、花子の実の父親であることを五郎から知らされた今、健が忍んだ苦痛を同じように耐え忍ぶことで。ハリーは健が自分のために払ってくれた犠牲にむくいようとしたのである。

ザ・ヤクザザ・ヤクザ
岡田英次                        侍田京介

題名:THE YAKUZA
邦題:ザ・ヤクザ
監督:シドニー・ポラック
製作総指揮:俊藤浩滋
製作:シドニー・ポラック
脚本:ポール・シュレイダー、ロバート・タウン
撮影:岡崎宏三、デューク・キャラハン
録音:アーサー・ペインタドーシ
音響:ベシル・フェントン・スミス
美術:イシダ・ヨシユキ
特効:リチャード・パーカーカサイ・トモオ
衣装:ドロシー・ジェーキンス
メイク:ギャリー・モーリス
編集:ドン・ガイデス、トーマス・スタンフォード
音楽:デーヴ・グルーシン 挿入歌作詞:阿久悠「ONLY THE WIND」
撮影機材:パナビジョン
現像:テクニカラー
製作補佐:マイケル・ハミルバーグ
撮影協力:東映京都撮影所
出演:ロバート・ミッチャム、高倉健、ブライアン・キース、ハーブ・エーデルマン、リチャード・ジョーダン、岸恵子、岡田英次、ジェームス・繁田、侍田京介、クリスティーナ・コクボ、汐路章
1974年アメリカ・日本/シネスコサイズ・カラー122分35mmフィルム
ザ・ヤクザ [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

ザ・ヤクザザ・ヤクザ
リチャード・ジョーダン