映画「俺たちの血が許さない」

俺たちの血が許さない俺たちの血が許さない
小林旭                       高橋英樹

今回は鈴木清順監督1964年製作「俺たちの血が許さない」をピックアップする。
本作は、フィルム・ノワール、とりわけ日活作品で美術とフレームワークで清順美学が貫かれているのが他の作品群と違う。慎次と良太が乗った雨の中を走る車の背景が、”荒れ狂う波のスクリーンプロセス”というシーンがあるが、これは画角を狙ったものであり、映像表現として奇抜だった。特にラストの”潰し”とロング移動のショットの画は劇場で観たかった。

俺たちの血が許さない俺たちの血が許さない
松原智恵子                     長谷百合

【ストリー】
浅利源治(緑川宏)は、ヤクザの縄張り争いがもとで凶刃に倒れると「子供だけは真面目に育ててくれるよう」言い残して息をひきとった。それから十八年、二人の兄弟は女手一つで立派に育てられていた。兄の良太(小林旭)は一度はヤクザの道に入ったものの、今はキャバレーの支配人をする親孝行な青年であった。弟の慎次(高橋英樹)はサラリーマンで明るい青年で、会社の同僚片貝ミエ(長谷百合)とのデイトにうつつをぬかしたり、ヤクザに憧れをもつ青年だった。夏祭りの夜、浅利家を一人の男が訪れた。飛田丑五郎(井上昭文)と名乗るこの男は、十八年前、兄弟の父源治を刺したのだ。父の仇とはやる慎次を、兄の良太はさえぎった。数日後、会社の慰安旅行にいった慎次は丑五郎と再会し意気投合した。旅先の暴力沙汰が因で会社を馘になった慎次は、丑松のもとにゆき浅利組の再興を夢みていた。数日後、兄のキャバレーに行った慎次は、兄からこんな場所に出入りしないよう諭されたが、慎次はヤケ酒の勢いで暴れ始めた。その夜バーには、良太の大切な客難波田会長(小沢栄太郎)が来ていた。難波田が帰ったあと、良太は秘書の郷田ヤスエ(松原智恵子)から、慎次が難波田につれ去られたと聞き、不安に襲われた。良太は母にかくれて、難波田の命令で麻薬の仕事をしていたのだ。弟だけはこの道に入れない、良太の強い意志でつれ戻された慎次は、自分の中にはヤクザの血が流れているんだ!と苦悶した。一方、良太はヤスエと近く結婚する予定だったがヤス子から、自分は難波田から派遣されたスパイだと告げられ愕然とした。そのヤスエは、翌日難波田によって殺害された。ヤクザの世界に絶望した良太は足を洗おうと決意した。ミエの誕生パーティの夜、良太を待ちわびる慎次のもとに、良太の使いと称する若い男が、慎次を難波田の所へ連れていった。逃走を続ける良太を呼びもどそうとする難波田の計略であった。三人の部下に監視された慎次は、ヤスエの実家に立ちまわった。難波田の子分に囲まれた家に、良太が訪れた。左右に分れて逃げろ!兄弟はピストルを手に拳銃戦を展開した。弟をかばって、最後の一人を射抜いた良太は力つきて草むらに没した。慎次の痛々しい姿が月光に照らされていた。

俺たちの血が許さない俺たちの血が許さない
小林旭、松原智恵子               長谷百合、井上昭文

題名:俺たちの血が許さない
監督:鈴木清順
企画:高木雅行
原作:松浦健郎
脚本:竹森竜馬、伊藤美千子
撮影:峰重義
照明:吉田協佐
録音:古山恒夫
美術:木村威夫
特技:金田啓治
編集:鈴木晄
音楽:鈴木忠典、池沢博
現像:東洋現像所
製作主任:山下昭
助監督:葛生雅美
色彩計測:森勝
スチール:斎藤誠一
出演:小林旭、高橋英樹、松原智恵子、長谷百合、井上昭文、細川ちか子、高品格、小沢栄太郎、松尾嘉代、野呂圭介、緑川宏、森みどり
1964年日本・日活/シネスコサイズ・カラー97分35mmフィルム
2016年12月現在、DVD販売・レンタルはありません。

俺たちの血が許さない俺たちの血が許さない
高橋英樹、長谷百合                  細川ちか子

俺たちの血が許さない