映画「座頭市二段斬り」

座頭市二段斬り座頭市二段斬り
勝新太郎                        坪内ミキ子

今回は井上昭監督1965年製作「座頭市二段斬り」をピックアップする。
本作は、“座頭市”シリーズ”第10作目になる。切れ味が足りない内容の展開で少しガッカリしたが、現在も活躍する人気歌手小林幸子さんが子役で出演しているのは貴重だ。

座頭市シリーズ

座頭市二段斬り座頭市二段斬り
三木のり平、勝新太郎                  加藤武

【ストリー】
ある朝突然暴漢に襲われた座頭市(勝新太郎)は、一人を斬り殺し、もう一人の腕を斬り落した。こんな血なまぐさい旅に嫌気のさした座頭市は、昔、あんまの手ほどきをうけた彦の市師匠と、その娘お小夜(坪内ミキ子)を麻生の宿に訪ねた。だが、彦の市は殺され、お小夜は宿場の親分錣山の辰五郎(沢村宗之助)のために、今は名も錦木と変え女郎に身を沈めていた。驚いた座頭市は、お小夜のいる丁字楼を訪ねた。しかしお小夜は辰五郎の息のかかった郡代役所の磯田幸右衛門(春本富士夫)のいうままにならず激しい折檻の末、土蔵に閉じ込められていた。土蔵に忍びこんだ座頭市はお小夜から事件のあらましを聞いた。--彦の市は、あんまの最高位である検校位をもらうため、三百両の金を持って京都へ旅立った。が、途中何者かに殺され金をうばわれた。さらに辰五郎は親切ごかしに貸した百両をたてにとり、お小夜を丁字楼の女郎にしてしまったのだ--その夜座頭市は井戸尻軍十郎(三木のり平)と名乗る辰五郎の用心棒に呼ばれて肩をもんだ。これ幸いと座頭市は軍十郎からねほりはほりと辰五郎のようすを聞きだしたが、話が彦の市殺しのことになると、軍十郎も口をつぐんでしまった。そんな座頭市の姿をかいま見るもう一人の用心棒門倉小平太(加藤武)の眼には殺気があった。そのころ郡代役所では、八州見廻りによる帳簿調べが始まっていた。門倉は悪事露見を恐れる磯田から百両を奪い取ると、これを知って追いすがる見廻り役を斬りすて単身座頭市と対決した。だが座頭市必殺の剣に門倉はくずれおちた。しかし宿場に帰った座頭市は見廻り役殺しの罪で捕方にかこまれた。辰五郎と磯田の謀略であった。父親を思う軍十郎の娘お鶴(小林幸子)に仕込杖を奪われた座頭市は危機に陥った。が間一髪座頭市の義侠心にホレこんだ軍十郎がお鶴から仕込杖を取り座頭市に渡した。うなりをあげる座頭市必殺の二段斬りに、辰五郎も磯田も紅に染まった。

座頭市二段斬り座頭市二段斬り
小林幸子                      座頭市二段斬り
座頭市二段斬り座頭市二段斬り
座頭市二段斬り                     勝新太郎

題名:座頭市二段斬り
監督:井上昭
原作:子母沢寛
脚本:犬塚稔
撮影:森田富士郎
照明:美間博
録音:海原幸夫
音効:倉嶋暢
美術:西岡善信
装置:吉見光男
擬斗:楠本栄一
編集:山田弘
音楽:伊福部昭
現像:東洋現像所
製作主任:小沢宏
助監督:中西忠三
スチール:三浦康寛
出演:勝新太郎、坪内ミキ子、三木のり平、加藤武、春本富士夫、倉田マユミ、小林幸子、伊達三郎、沢村宗之助、春本富士夫、藤山浩二
1965年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー83分35mmフィルム
座頭市二段斬り -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

映画「瘋癲老人日記」


「瘋癲老人日記」若尾文子

若尾文子                          山村聰

今回は木村恵吾監督1962年製作「瘋癲(ふうてん)老人日記」をピックアップする。
本作は、谷崎潤一郎氏の原作を映画化したものだが、足部に非常に強い誘惑を覚えるフット・フェティシズムとマゾヒズムを描いた濃密な演出に刺激を受ける。裸体そのものを映す事をしなくても、エロスを表現出来るのは、恐らく若尾文子さんの演技、表情、仕草が天性のものだからこそ成功しているのではないか?


川崎敬三                      東山千栄子、丹阿弥谷津子

【ストリー】
77歳の卯木督助(山村聰)は、軽い脳溢血で寝たり起きたりの日日を送っている。それに今では完全に不能である。が、--不能ニナッタ老人ニモ或ル種ノ性生活ハアルノダ--と思っている。そんな督助の性と食欲だけの楽しみを息子浄吉(川崎敬三)の嫁、颯子(若尾文子)は察している。ある日、老人がベッドでぼんやりしていると、突然浴室の戸が開き、颯子が顔を出した。「アタシ、シャワーノ時ダッテ、ココ閉メタコトナイノヨ」老人を信用しているからか、入って来いというのか、老いぼれの存在なぞ眼中にないのか、なんのためにそんなことを言うのだろう。夜になりシャワーの音がして来た。幸い誰もいない。老人は浴室へにじりよった。「入リタインデショ、早ク入ッテ……」。老人のあぶない足元が水に濡れてすべりそうになる。それでも颯子の足に取りすがる老人。「足ニ接吻スルクライ、オ許シガ出タッテヨサソウナモノダ」「ダメ! アタシソコハ弱イノヨ」--。「アアショウガナイ、ジャア、モ一度、ヒザカラ下ナラ許シテヤル!一度ダケヨ」その接吻の代償に老人は颯子に、従兄の春久(石井竜一)にバスを使わせることを承知させられた。颯子と春久は出来ているのだろうか?……。ある夜、また老人の部屋で颯子と二人になった。やにわに背後から抱きすくめ首筋へ接吻する老人。「オ爺チャン、イヤダッタラ、誰ガソンナコトシロト言ッタノヨ、ネッキングナンテ」いきなり床に手をつき三拝九拝する老人。「ジャ、ナンデモワタシノコトキク?」結局老人は300万もする猫眼石の指輪をせしめられてしまった。秋が来て、冷たい風が吹き始める。京都へ来て老人にひとつのアイデアが生まれた。自分の墓に仏足石を彫ろうというのだ。その足型は、颯子のものでなければならない。宿で老人はいやがる颯子の足の裏に朱墨を塗り、ちょうど魚拓を作るような足型をとった。何度も何度も良いものが出来るまで異常なまでに続けた。晩秋の卯木家でブルトーザーの唸りが騒々しい。庭の一角にプールを作ろうというのだ。それを見つめる老人の若々しい眼。「プール作ッテネ、ソシタラ、アタシ泳グノ見セテアゲル」。老人はたった一つのこの言葉を何度もくりかえしていた。


「瘋癲老人日記」若尾文子

「瘋癲老人日記」山村聰 ※この足は若尾文子さんではなく代役(パーツモデル)である。

題名:瘋癲老人日記
監督:木村恵吾
企画:藤井浩明
製作:永田雅一
原作:谷崎潤一郎
脚本:木村恵吾
撮影:宗川信夫
照明:柴田恒吉
録音:須田武雄
美術:柴田篤二
編集:鈴木東陽
音楽:小川寛興
現像:東京現像所
製作主任:松本賢夫
助監督:阿部志馬
スチール:宮崎忠郎
出演:若尾文子、山村聰、川崎敬三、東山千栄子、村田知栄子、丹阿弥谷津子、倉田マユミ、藤原礼子、石井竜一
1962年日本・大映/シネスコサイズ・カラー98分35mmフィルム
瘋癲老人日記 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


山村聰                       若尾文子、山村聰

映画「黒い十人の女」

黒い十人の女
黒い十人の女
黒い十人の女黒い十人の女
黒い十人の女
黒い十人の女黒い十人の女
岸 惠子                      船越英二

今回は市川崑監督1961年製作「黒い十人の女」をピックアップする。
本作は、大映の最盛期の傑作で女優陣の競演が凄い作品であると同時に、和田夏十氏の脚本と市川崑監督の演出が冴え渡る。
この時代ならではの作品である。撮影は名匠小林節雄氏、モノクロフィルムとシネスコレンズでテーマの黒を優れたコントラスト、表現域で見事に描いている。

【当ブログで紹介した市川崑監督作品】
1951年「盗まれた恋
1951年「恋人
1956年「処刑の部屋
1957年「満員電車
1957年「
1959年「野火
1960年「女経」※オムニバス
1961年「黒い十人の女

黒い十人の女黒い十人の女
黒い十人の女
黒い十人の女黒い十人の女
船越英二、中村玉緒              岸 惠子、宮城まり子、船越英二

【ストリー】
現代の煩雑な社会の一分子テレピプロデューサー風松吉(船越英二)。メカニズムに押し流されている彼には近づく女も多い。彼と関係した女は十指に余る。妻の双葉(山本富士子)はそんな夫をあきらめて淋しい毎日をレストラン経営にまぎらわしていた。責任のない関係のつもりだったが、女の方では奇妙に風を忘れられない。行きづまりを感じている女優石ノ下市子(岸惠子)もそんな一人だった。女たちは風のことが気になるあまり二言目には「風がポックリ死ねばよい」「風を誰か殺してくれないかしら」と言うのだった。女たちのそんな話を耳にした風本人は、十人の女が自分を謀殺しようとしていると思い込む。根は気の弱い男なのだ。どうして自分が殺されようとしているのか彼にはわけがわからない。思い悩んだ彼の相談相手は、妻の双葉だった。或る雨の夜、双葉のレストランに集まった十人の女たち。彼女らの目の前で双葉の拳銃が火を吹いた。ばったり倒れた風松吉。驚く女たち。果して真実の殺人か狂言か?しかし風は生きていた。
冷静な双葉の芝居であった。だがこの一幕は女達にさまざまな反応を起した。気の弱い未亡人は風を追って自殺した。新しい結婚に踏み切る女もいた。そして双葉は風と離婚した。それを風は市子の家で知った。市子は風を双葉からゆずり受けた形になって同棲していたのだ。それは普通の形の結婚ではなかった。そして市子も、マスコミに追いまわされる自分を嫌って女優を止すと言う。市子の女優サヨナラー・パーティは盛大に行われた。楽しく談笑する双葉と市子。パーティが終ると、市子は沢山の花束をかかえ冷い表情で自動車を夜の闇に走らせるのだった。

黒い十人の女黒い十人の女
岸田今日子
黒い十人の女黒い十人の女
中村玉緒、伊丹十三                    船越英二

題名:黒い十人の女
監督:市川崑
企画:藤井浩明
製作:永田雅一
脚本:和田夏十
撮影:小林節雄
特撮:築地米三郎
照明:伊藤幸夫
録音:西井憲一
美術:下河原友雄
編集:中静達治
音楽:芥川也寸志
製作主任:中島実
助監督:中村倍也
スチール:薫森良民
出演:岸 惠子、山本富士子、宮城まり子、中村玉緒、岸田今日子、宇野良子、村井千恵子、有明マスミ、紺野ユカ、倉田マユミ、森山加代子、船越英二、永井智雄、大辻伺郎、伊丹十三、佐山真二、中川弘子、浜村純、伊東光一、夏木章、志保京助、ハナ肇とクレージーキャッツ
1961年日本・大映/シネスコサイズ・モノクロ103分35mmフィルム
黒い十人の女 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

黒い十人の女黒い十人の女
ハナ肇とクレージーキャッツ
黒い十人の女黒い十人の女
山本富士子                    山本富士子、岸 惠子