映画「不良番長 のら犬機動隊」


梅宮辰夫、藤竜也                 八並映子、山城新伍

今回は野田幸男監督1972年製作「不良番長 のら犬機動隊」をピックアップする。
本作は、梅宮辰夫さん主演の不良番長シリーズ第14弾になる。共演者は、日活から藤竜也さんと深江章喜さん、大映からは 峰岸隆之介(峰岸徹)さんと八並映子さん、さらに東映ポルノ路線で人気絶頂だった池玲子さんが華を添えている。物語は、シリアスなハードボイルド色が強いという原点回帰になっている。



池玲子                       峰岸隆之介(峰岸徹)

【ストリー】
新宿を根城にした、不良番長グループ・カポネ団、番長・神坂(梅宮辰夫)を筆頭に、サブ(藤竜也)、ゼニ(峰岸隆之介)、ゴーカン(岡崎徹)、ギター(久保浩)、バクダン(誠直也)、コーラ(安岡力也)、三回戦(植田峻)、ガリ(八並映子)たちは、相変らず傍若無人に暴れまわっている。ある日、神坂は、ネリカン時代に知りあった西城(山城新伍)に再会した。西城は東京進出を企てていた。一方、カポネ団の横暴に暴力団、加納組の圧力がかかり始める。博奕場を開いていた空ビルは追立てをくい、麻薬をやると、風俗嬢圭子(池玲子)に横取りされるなど、やる事すべて裏目になってしまう。折りも折、神坂とサブは風俗嬢幹施の容疑で警察に逮捕される。ようやく出所した神坂は、この逆境にも圭子をくどき、豊満な肉体をむさぼりうそぶく。「俺たちゃ野良犬よ、暴力団相手だろうが、餌の匂いにゃ喰いつくのが身上だぜ」。はからずも藤村製薬が新型覚せい剤を製造している情報をキャッチした神坂は、カポネ団をあげてこの勝負に賭ける。先ずブツを横取し、藤村製薬をおどし、首尾よく3,000万円を獲得した。ところが、藤村(永井秀明)は、裏で加納組と結託して麻薬で莫大な利益を上げているのだ。当然の事ながら、加納組のカポネ団に対する執拗な復讐が始まる。加納(内田良平)は西城の女を押さえて、西条に神坂殺しを強制すると共に、サブを人質にする。対決する西条と神坂。その時分けて入って来たガリ。ガリは西城の妹だったのだ。サブと3,000万円の交換を要求する加納組。神坂は札束から一枚づつ札を抜き、150万円せしめ、交換に応じる。これで五分と五分、加納組の痛烈なカポネ団狩りが始まった。ゴーカン、ギター、ガリと次々と殺されていく。妹を殺され敢然と立ち上がった西条も銃弾に倒れる。「バラバラじゃいけねえ。相手のラウンドだろうが、ここは一発勝負してやるぜ」残ったカポネ団残党は、ナチのシュマイザーを主力武器に最後の殴り込みをかけるのだった。戦いは終った。生き残ったのは神坂と圭子のたった二人。虚脱した二人は狂ったようにオートバイを飛ばす。神坂の手にした現金のつまったスーツケースの蓋が開いている、宙に舞い散る札。それとも知らぬ二人は、オートバイを走らせつづける。


今井健二                     内田良平、八名信夫

題名:不良番長 のら犬機動隊
監督:野田幸男
企画:吉田達
脚本:松本功、山本英明
撮影:稲田喜一
照明:川崎保之丞
録音:内田陽造
美術:藤田博
装置:吉田喜義
装飾:神谷好孝
美粧:入江荘ニ
美容:宮島孝子
衣裳:内山三七子
擬斗:日尾孝司
記録:山内康代
編集:長沢嘉樹
音楽:八木正生 挿入歌:久保浩「海にかえろう」
現像:東映化学
進行主任:坂上順
演技事務:山田光男
助監督:三堀篤
スチール:藤井善男
出演:梅宮辰夫、藤竜也、池玲子、八並映子、渡辺やよい、山城新伍、峰岸隆之介(峰岸徹)、深江章喜、安岡力也、久保浩、内田良平、今井健二、安部徹、八名信夫、植田峻、誠直也、岡崎徹、中田博久、久保浩、植田峻、永井秀明
1972年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー88分35mmフィルム
不良番長 のら犬機動隊 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


八並映子、藤竜也                     不良番長 のら犬機動隊

映画「成熟」

成熟
関根恵子(高橋惠子)
成熟成熟
関根恵子、篠田三郎

今回は湯浅憲明監督1971年製作「成熟」をピックアップする。
本作の撮影前から大映は倒産寸前という状況で、撮影実行予算は山形県議会の商業映画製作委員会が出資し、鶴岡市、庄内観光協議会、酒田市庄内観光協会、庄内交通などがタイアップしている。内容は景勝地にスーパーインポーズタイトルが入る観光映画にドラマを挿入した無難な形になっており「高校生ブルース」でデビューした関根恵子さんの大映最後の作品でもある。そして大映株式会社は、本作公開後に倒産した。その後1974年から2002年まで徳間書店が経営再建で映画事業を引き継いだ。この時点で”大映”という名前は残っていたが2004年からは経営権を角川書店が取得して角川映画に合併し、映画会社”大映“という名前は60年の歴史に幕を下ろし消滅した。

角川映画多摩川撮影所
現在の角川大映スタジオ(Googl Mapより)
成熟成熟
関根恵子、早川保                  伴淳三郎

【ストリー】
山形県庄内平野の鼠ケ関は、古くからみこし流しという行事が行われており、その日は近隣から老若男女が集まり大変なにぎわいを見せる。みこし流しには、一つのいい伝えがあった。それは、みこしを担いで海に入る男たちの濡れた体は将来を誓い合った娘以外は拭いてはならない。万一、体を拭いた娘と拭かれた若者が結婚しないと竜神の崇りで二人とも必ず不幸になるというものだった。農業高校の写真部員加納ゆう子(関根恵子)はこれらの被写体を求めて夢中だった。そして、みこし流しの伝説を信じないゆう子が、気軽に見知らぬ青年笹尾隆二(篠田三郎)の体を拭いたことから騒動が持ち上ってしまった。隆二が、農業高校のライバルである水産高校生であり、しかも同じ写真部員であったため、両校写真部員はいきりたってしまったのである。又、昔気質の隆二の父吾助(伴淳三郎)は、今だに竜神伝説を信じる頑固もので隆二のとめるのを振り切ってゆう子の家を訪れ、ゆう子を嫁にくれと頼むが、農業を営むゆう子の両親に竜神伝説を一笑され、ゆう子には坂井正夫(菅野直行)という婚約者がいると断わられてしまった。数日後、学生写真コンクールの審査員である宣伝課長木内(青空はるお)が、市内の写真屋で見かけた隆二の写真を激賞したという噂がたった。それは、ゆう子の水着姿を撮ったものだという。やがて、鶴岡市の天神祭り、別名お化け祭りの日がきた。お化け祭りとは男女の区別なく独特の女装をして、顔を布で隠し、徳利と盃を持って見物人に酒を飲ませるという祭りである。昼間から酒を飲まされたゆう子の婚約者正夫は、夜、公園でお化けに扮した若い娘をゆう子と感違いして抱いてしまう。しばらくして町中に、ゆう子が隆二の子を妊娠したという噂がたった。両校生徒は勿論、ゆう子の両親や吾助までその噂を信じる有様だった。追いつめられた二人は、自分たちの愛を確認し合い誤解する周囲に嫌気がさして、東京へ出ていく決心をする。翌朝、駅に急ぐゆう子は、田んぼに秋うんかが発生しているのを知り愕然とする。稲作に大被害をもたらす秋うんかの発生を放置することはゆう子にはできなかった。駅に待っていた隆二にそのことを伝え、駆落は中止された。やがて写真コンクールの一次審査が始まりゆう子と隆二の作品が優勝候補に挙げられた。ところが、ゆう子は応募作品を取り下げると申し出、これを聞いた隆二も辞退してしまった。つもりにつもった両校の対抗意識は爆発し、大混乱となった。その時、両校生徒に意外な告白をしたのはゆう子のクラスメイト小谷ミキ(八並映子)であった。祭りの夜、正夫に抱かれたのも、ゆう子と隆二の噂を流したのも正夫を愛していたミキだった。正夫とミキ、ゆう子と隆二という二組のカップルが生まれ、両校生徒の祝福を受けるのを見た写真部長の桂教師(早川保)は乱闘の責任をとって東京に発っていった。

成熟成熟
赤座美代子

題名:成熟
監督:湯浅憲明
企画:斎藤米二郎
脚本:高橋二三
撮影:喜多崎晃
照明:久保江平八
録音:奥山秀夫
美術:矢野友久
編集:宮崎善行
音楽:菊池俊輔
現像:東京現像所
製作主任:真鍋義彦
助監督:小林正夫
スチル:塩見敏彦
出演:関根恵子(高橋惠子)、篠田三郎、早川保、伴淳三郎、八並映子、赤座美代子、菅野直行、小野川公三郎、高橋由美子、桜京美
1971年日本・大映/シネスコサイズ・カラー86分35mmフィルム
成熟-DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

成熟成熟
菅野直行、八並映子

映画「女囚さそり 第41雑居房」

女囚さそり 第41雑居房
梶芽衣子

今回は伊藤俊也監督1972年製作「女囚さそり 第41雑居房」をピックアップする。
“女囚さそり “シリーズは、伊藤俊也監督第一回作品「女囚701号さそり(1972年)」「女囚さそり けもの部屋(1973年)」を紹介したが、第二作の本作は、梶芽衣子さんが最も美しく撮られており、劇画の側面よりイメージフィルムに近い内容となっている。羽仁進監督「初恋・地獄篇(1968年)」で主演した石井くに子さんが出演しているのも嬉しかった。

クエンティン・タランティーノ監督2004年製作「キル・ビルVol.2(KILL BILL:VOL.2)」
でも使用された主題歌「怨み節 」歌:梶芽衣子

女囚さそり 第41雑居房女囚さそり 第41雑居房
梶芽衣子                     渡辺文雄、室田日出男

【ストリー】
法務省の巡閲官の面前で松島ナミ(梶芽衣子)は刑務所長郷田(渡辺文雄)の隻眼めがけナイフを突き刺す。郷田は辛くも失明をまぬがれ、ナミに対する憎悪はいっそう燃えた。石切場での苦役、輪姦。さすがにナミも半死半生となる。しかし、不死鳥の如くナミは、看主を殺し、女囚のボス、大場(白石加代子)らと共に脱走に成功。やがて、とある山小屋に閉じ籠った。女囚の一人、及川(荒砂ゆき)が、我子恋しさのあまり独り抜けだし、我が家に戻ったところを網を張っていた看守たちに捕われ、取り引きをさせられる。やがて及川は看守を連れ小屋に戻った、が、ナミに感ずかれ、看守は女囚たちに惨殺されてしまった。再び逃亡。女囚たちは観光バスを乗っ取り、街道を突っ走る。しかし、行手に郷田と警官たちがいるのを知った大場らはナミを囮として突き落す。逮捕されてしまうナミ。ところが郷田はそのナミに、女囚たちが人質たちと籠る倉庫の中の様子を捜るように命令する。ナミは素直に郷田の言に従い、大場の持っているライフルに残弾はなく、人質は既に殺されていると報告する。警官たちは突撃した。だが、大場のライフルは火を吹き銃撃戦となる……。女囚側は大場一人が辛じて生き残り、人質は全て殺されてしまった。郷田のナミに対する憤りは凄じく腹心の部下に、秘かにナミ殺害を命じ、自分は本省に栄転していった。だが、瀕死の大場の助けでナミは危機をまぬがれ、二人の看守を殺して逃亡に成功。郷田は東京管区長のポストに納まり、エリート官僚ぶりを発揮していたが、真紅なパンタロンスーツに身を固めたナミは、今までの復讐と怨念を込めたドスを深々と郷田の腹に突きさした……。

女囚さそり 第41雑居房

題名:女囚さそり 第41雑居房
監督:伊藤俊也
企画:吉峰甲子夫
原作:篠原とおる
脚本:松田寛夫、神波史男、伊藤俊也
撮影:清水政郎
照明:桑名史郎
美術:桑名忠之
録音:広上益弘
殺陣:日尾孝司
記録:高津省子
編集:田中修
現像:東映化学
音楽:菊池俊輔
助監督:馬場昭格
スチール:藤井善男
出演:梶芽衣子、白石加代子、賀川雪絵、荒砂ゆき、伊佐山ひろ子、八並映子、石井くに子、渡辺文雄、室田日出男、戸浦六宏、小松方正
1972年日本・東映/シネスコサイズ・カラー89分35mmフィルム
女囚さそり 第41雑居房 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

女囚さそり 第41雑居房女囚さそり 第41雑居房
女囚さそり 第41雑居房女囚さそり 第41雑居房

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